アジア最大級のITイベントを取材しよう
2019年5月28日から6月1日までの5日間、台湾の台北市で「COMPUTEX TAIPEI 2019(コンピュテックス タイペイ 2019)」が開催されます。
リンク
もともとこのイベントは台湾メーカーのコンピューター関連機器を展示するものだったのですが、最近では各国のメーカーが集結し、スマホやVR、IoT機器なども展示されるようになりました。アメリカで年頭に開催される「CES」、ドイツで9月に開催される「IFA」と並び、IT業界の重要イベントのひとつとして位置づけられています。
筆者はCOMPUTEX TAIPEIを過去2回取材しまして、いろいろな刺激を受けました。単に記事のネタになっただけでなく、メディアでは取り上げられない世界的な潮流を肌で感じられたように思います。
海外イベントは業界関係者や大手メディアが参加するもの、と思っている人は多いでしょう。しかし個人でも取材する価値は十分あります。特にPC系やガジェット系のブロガーなら、一度は体験しておいても損はありません。
そこでこの記事ではCOMPUTEX TAIPEIに行ってみたい人のために、現地の情報や筆者の体験談などをまとめています。ただ筆者自身もそれほど経験豊富というわけではないため、適宜ほかのサイトから情報収集していただけると幸いです。
COMPUTEX TAIPEIの概要
展示内容について
COMPUTEX TAIPEIではどんなものが展示されているのかという点ですが、筆者の印象としてはザックリと以下のような感じです。
- PC本体(そこそこ多い)
- スマホ/タブレット本体(少ない)
- PCパーツ(やたら多い)
- スマホサプライ品(やたら多い)
- 技術展示(そこそこ)
- BtoB製品(そこそこ)
PC本体についてはASUSやMSI、GIGABYTE、マイクロソフトなどのブースでそれなりに展示されています。スマホはASUSとAcer、HTCぐらいですかね。メーカーの数としてはそれほど多くはありませんが、最新モデルを実際に手にしたり、写真を撮影できるのがありがたいのではないでしょうか。
とにかく、会場にはすごいプロダクトから変なモノまで大量に展示されていて、そこらじゅうがガジェガジェしています。PCやガジェット好きにはたまらない空間です。
出展メーカーについて
COMPUTEX TAIPEI 2019に出展する企業は、公式サイトで確認できます。たまに日本のメーカーも出展していることもあるので、ざっくりと見ておくといいでしょう。ちょっと見ただけではわかりづらいのですが。
リンク
- COMPUTEX TAIPEI 2019 Floor Plan
筆者がざっくりとチェックしたところ、以下のブースはチェックしておくといいかもしれません。
メーカー | 場所 | 概要 |
---|---|---|
Microsoft | 南港ホール1 / 4F | Windows PCやゲーミングPC、Windows関係の最新技術など |
ASRock | 南港ホール1 / 4F | 大手マザーボードメーカ |
FSP | 南港ホール1 / 4F | 電源ユニットメーカー |
AKRacing | 南港ホール1 / 4F | ゲーミングチェアでおなじみ |
ADATA | 南港ホール1 / 4F | メモリーやメモリーカードなど |
Cougar | 南港ホール1 / 4F | カッコイイPCケースとか |
MSI | 南港ホール1 / 4F | グラボやゲーミングPC |
ASUS | 南港ホール1 / 4F | COMPUTEXの主役。商品をたくさん展示 |
Thermaltake | 南港ホール1 / 4F | カッコイイPCケースがたくさん。MOD PCも展示 |
Cooler Master | 南港ホール1 / 4F | 日本ではCPUクーラーなどでおなじみ。自作系の出展多め |
ZOTAC | 南港ホール1 / 4F | グラボとかPCとか |
QNAP | 南港ホール1 / 1F | NASでおなじみ |
GIGABYTE | 南港ホール2 / 4F | ゲーミングPC多め |
ちなみにBenQも出展していますが、ヘルスケア系やBtoBの展示が多いので、チラッと見るくらいでいいかと。今年はどうなのかわかりませんが。
会場について
メインの会場は南港展示センターホール1で、ここの4Fがいちばん派手で賑わっています。まずは最初にここを押さえるべきでしょう。
南港展示センターホール2はパーツや周辺機器のメーカーが多めです。掘り出し物を探すならコチラがおすすめ。
台北世界貿易センターでもブースがいろいろ出展されていますが、今年はちょっと気色が違う感じ。なぜかAUDIのブースがあるんですけど、あのアウディですよね……。まあでも会場のすぐ近くに台北101という観光スポットがあるので、チェック後はそこで観光するのもいいでしょう。
世界貿易センターでは、さまざまなカンファレンスが開催されています。なかにはビッグニュースの発表があったりするので、気になるところはチェックしておくといいかもしれません。たとえばインテルとかマイクロソフトとか。ただしカンファレンスの内容はすべて英語です。
ちなみに南港展示センターから世界貿易センターへは、直通バスを使うのがおすすめ。COMPUTEX TAIPEI期間中は無料で利用できます。
事前登録について
COMPUTEX TAIPEIの運営事務局は、事前の参加登録を推奨しています。現地の会場でも登録できますが、多少時間がかかるかもしれません(初日は比較的空いているようでしたが)。登録は無料ですので、あらかじめ手続きを行なっておきましょう。
ちなみに参加条件は18歳以上であること。開催日が近づくと事前登録が打ち切られるので注意してください。
社名については、適当で大丈夫なようです。筆者は毎年「Freelance(フリーランス)」で登録しているのですが、いまのところ問題はありません。もしかすると「株式会社フリーランス」的に見られていたのかも。
取材は一般参加で十分です。メディア向けにプレスの受付も行なわれていますが、条件が厳しくて大手メディア枠でないと登録できません。2年前はそこそこアクセスのあるブロガーでも登録できたんですけどね……。
日程について
2019年は5/28から6/1まで開催されます。余裕のあるスケジュールでいくなら、前日5/27の到着がおすすめ。開催初日から朝イチで取材を始められます。
会場をざっくり見る程度なら、取材は1日で十分でしょう。それぞれのブースを細かくチェックするなら2日くらい、追加取材の可能性があるならプラス1日くらいの余裕があったほうがいいかもしれません。帰国日は1日つぶれると考えて、合計4日間(3泊4日)あるとけっこう余裕です。
体力に自信があるなら1泊2日ぐらいでもなんとかなると思います。ただし最終日は一般公開日で混雑するようですので、5/30には取材を終わらせられるようにしてください。
台湾への渡航について
費用は5~8万円程度。安くあげるなら3万円台も可
航空券と宿泊費については旅行サイトのツアーを使えば、ざっくり5~8万円くらいではないでしょうか。少しでも安くすませたいなら、LCCを使えば往復2万円前後で航空券が買えることもありますし(時期によります)、1泊3000円程度で泊まれるドミトリーとかゲストハウス的な施設もあるようですから、2泊3日で3万円台も可能なようです。筆者は楽天トラベルで予約しましたが、気になる方は調べてみてください。
参考リンク
- 「LCC 台北」の検索結果(Google)
- 台湾の台北おすすめゲストハウス (安宿)まとめ 2017年度版(あしたはもっと遠くへいこう)
松山空港は便利で、桃園空港は安い
台北には桃園国際空港と松山空港の2種類の空港があります。台北市街へのアクセスが便利なのは松山空港ですが、航空券がちょっと高め。桃園国際空港へのチケットは安い代わりに、空港から台北市内へ行くのにちょっと時間がかかります。
ただ最近はMRTが通ったらしいので、以前よりは時間が短縮されていると思われます。ツアーによっては送迎バスの有料オプションが用意されていますが、これは使わないほうが無難です。筆者は以前に利用したのですが、入国手続に時間がかかりすぎて、バスのほかの乗客から白い目で見られたことがありまして……。あと、帰りの便では高級免税ショップに立ち寄らされるので、送迎バスは使わずに自力で移動することをおすすめします。
ホテルの場所に注意
宿泊先については、台北市内にしておいたほうが無難です。場所を把握しないまま安いという理由だけで選ぶと、とんでもなく遠い場所に宿泊するハメになります。
COMPUTEX TAIPEIは南港地区で開催されるので、会場に通じるMRT(地下鉄)文湖線沿線で選ぶと便利です(赤い線で囲った部分)。あとは中山地区(青い楕円で囲った部分)は観光スポットへのアクセスがよく、日本人に人気とのこと。中山地区の駅だったら台北駅で乗り換えればOKです。
メイン会場の南港展示センターへは台北駅(Taipei Main Station)からMRTで30分くらいかかります。中山地区だと、乗り換えの時間も含めて1時間くらい見ておいたほうがいいでしょう。
ちなみに南港地区のホテルは高い上に1年前から予約されているので、予算が潤沢でないと厳しいかもしれません。
現地で必要な予算
現地でどれだけのお金が必要かは、食事のクオリティや買い物しだいです。ちなみに筆者はコンビニや屋台で食事をすませ、お土産も最小限にとどめたところ、2泊3日で1万円も使いませんでした(ホテルは朝食付き)。台北を贅沢に堪能したいのであれば、それなりの所持金を持っていくべきでしょう。
そのへんの食堂なら、食事はだいたい400~600円くらいで収まります。
お店へ食べに行くのが億劫なら、そのへんのコンビニでおにぎりやお弁当を買うのもアリ。筆者はなるべく人と接触したくなかったので、だいたいコンビニですませました。
ちなみにCOMPUTEX TAIPEIの参加証があれば、MRT(地下鉄)はすべて無料で利用できます。交通手段をすべてMRTですませれば、そのほかの交通費はかかりません。
あとネットを利用するために、LTE通信サービスを申し込みましょう。3~5日間使い放題のSIMカードならだいたい1100~1200円くらいで購入できます。
SIMカードは空港で購入できるのですが、ショップの開店時間に注意してください。営業時間は早くて7時からで、20~22時には閉店するようです。LCCで早朝または深夜に到着するとショップが空いていない場合があります。市内の携帯ショップでも購入できるようですが、その場合は免許証などの身分証明書が必要になるかもしれません。
そのほかの取材スポット
観光じゃなくて取材ですよ、取材。じゃなきゃ、経費が落(以下略)。
と言っても筆者は出不精なので、実のところあんまり歩き回っているわけではありません。とりあえずは、夜市くらいはチェックしておけばいいんじゃないでしょうかね(適当)。そのあたりの情報は当サイトよりも台湾情報サイトをおすすめします。
持ち物について
海外旅行のための持ち物についてはほかのサイトで調べていただくとして、ここではCOMPUTEX TAIPEI取材に必要な物、あったらいいものを紹介します。
名刺(必須)
COMPUTEX TAIPEIの受付(空港や会場など)で、参加証を受け取るときに2枚の名刺(business card)必要です。一部で不要とのウワサもありますが、原則必須なので用意しておきましょう。
名刺は普段使っている日本語表記のものでもOKです。しかし会場でバラまくつもりなら、英語表記の名刺を用意するべきです。運が良ければ、メーカーからリリース情報が定期的に届くようになります。
ちょっと規模の大きいブログを運営しているなら、URLやサマリーのほかにPVやUUを掲載しておくといいかもしれません。別になにも発展しないかもしれませんが、万が一に備えて種をまいておくことは重要です。
招待メールをプリントアウトした紙(必須)
参加証受取時に、招待メールに掲載されたバーコードを提出する必要があります。スマホでも大丈夫かもしれませんが、紙に印刷しておくといいでしょう。
招待メールは、事前登録後2~7日くらいで到着します(受付開始直後だとさらに長くなることも)。届かない場合はメールの受取設定を確認したり、もう一度登録し直したりしてみましょう。
SIMフリー端末(推奨)
基本的に台北市内はどこにでも無料で使えるWi-Fi環境があるのですが、必然的に移動が多くなりますのでSIMフリーのスマホやルーターを持っていったほうが吉です。ホテルや空港でルーターの貸し出しサービスがあったりもしますが、ブロガー的にはSIMカードを買ったほうが記事のネタになるのではないでしょうか。
高感度のカメラ&F値の小さい明るいレンズ(推奨)
展示会の会場は光量が少なめで、そのまま撮影すると手ブレやノイズが発生するかもしれません。可能ならISO感度が高いカメラや、明るいレンズを持っていきましょう。格安コンデジで撮るくらいなら、たぶんスマホのカメラのほうがキレイに撮れるような気がします。三脚はたぶんNGではないでしょうか(未確認)。
ちなみに会場では、自撮り棒にビデオカメラを取り付けたユーチューバーらしき人もいます。それぞれの用途に適したカメラを持参してください。
カメラ用のフラッシュ(ストロボ)(推奨)
照明に色がついていると、本来の正しい色合いで撮影できないこともあります。光量の大きいフラッシュ(ストロボ)とリフレクター(反射板)またはディフューザーなどを使って撮影することをおすすめします。カメラ内蔵のフラッシュは使わないほうが無難。だったらノイズが出るのを承知で、ISO感度を上げて撮影するほうがマシです。
できるだけ軽いノートPC(推奨)
取材内容は帰国してから記事化してもいいのですが、早さや熱量を大切したいなら現地で記事を書くことをおすすめします。カメラやフラッシュ、その他機材を持ち歩くとなると重量が大きくなるので、なるべく軽いノートPCがいいでしょう。
黒系の服
赤とか白とか黄色とかの明るい色の服は、色がディスプレイやボディに映り込む場合があります。少しでも目立たくするよう、黒または濃紺系の服を着て取材をしましょう。展示会での基本です。
翻訳機
よっぽどディープな場所でなければ日本語や簡単な英語で話は通じます。でも自信がない場合は、流行りの翻訳機を持っていくといいでしょう。このために購入しても、ネタになりますからね。
https://komameblog.jp/review/pocketalk-2/
ひとりでもなんとかなる(経験済み)
海外にひとりで取材だなんて大変そう、と思うかもしれません。筆者もそう思っていましたが、実際にやってみると案外簡単でした。軽い気持ちで出かけてみてはいかがでしょうか。記事や動画のネタにもなりますし、なにより世界の潮流を感じられるいい機会だと思います。
ちなみに筆者は2019年のCOMPUTEX TAIPEIに参加する予定(5/27~5/30)です。現地の情報はtwitterでお知らせしますので、ぜひチェックをお願いいたします。