デルのDell G3 15はエントリー(初心者)向けのゲーミングノートPCで、価格が安いのに人気のゲームをしっかり遊べる高いパフォーマンスが魅力です。
ラインナップとしては、パーツ構成の異なる3種類のモデルが用意されています。しかしそれぞれの違いを見ても、どれを選べばいいのかわからない人は多いのではないでしょうか。
Dell G3 15のラインナップ
プレミアム・256GB PCIe SSD・GTX 1050 搭載 | |
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税込10万円台前半 | |
プレミアム・128GB PCIe SSD+1TB HDD・GTX 1050 Ti 搭載 | |
税込10万台半ば | |
プラチナ・128GB PCIe SSD+1TB HDD・GTX 1050 Ti 搭載 | |
税込11万円台 |
※2018年12月14日時点
Core i7搭載のプラチナ・128GB PCIe SSD+1TB HDD・GTX 1050 Ti 搭載モデル(以後、”プラチナ・GTX1050Ti搭載モデル”)については以前に検証を行なったところ、画質にこだわらなければ人気ゲームをしっかり楽しめるという結論に達しました。
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上位モデルを選んでおけば間違いはないものの、予算は少しでも安く抑えたいもの。ランクがひとつ下のCore i5搭載のプレミアム・128GB PCIe SSD+1TB HDD・GTX 1050 Ti 搭載モデル(以後、”プレミアム・GTX1050Ti搭載モデル”)であれば8000円から1万円程度安いので、こちらを選びたくなることもあるでしょう。
そこでDell G3 15のCore i5搭載モデルとCore i7搭載モデルでどれだけゲームの快適さが変わるのか、メーカーからお借りした実機を使って試してみました。結論としては、ゲームだけが目的であればCore i5搭載のプレミアム・GTX1050Ti搭載モデルでもOKです。
Dell G3 15
税込10万円台から
Dell G3 15のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
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CPU | Core i5-8300H / Core i7-8750H |
メモリー | 8GB(最大32GB) |
ストレージ | 256GB SSD または 128GB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | GeForce GTX 1050(4GB) / 1050 Ti(4GB) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ、1920×1080ドット、IPS、非光沢、タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0(Windows 10上では4.1で動作)、1000BASE-T対応有線LAN |
インターフェース | USB3.1 Gen1(フルサイズ)×2、USB2.0、HDMI、有線LAN、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
セキュリティー | TPM 2.0、セキュリティースロット、マカフィーリブセーフ 1年版、指紋センサー |
カメラ | 92万画素 |
サイズ/重量 | 幅380×奥行き258×高さ22.7mm/約2.53kg~ |
バッテリー | 56Wh ※駆動時間は非公開 |
※2018年9月21日時点。構成や価格は変更される場合があります
プレミアム・GTX 1050 Ti 搭載のベンチマーク結果
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
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CPU | Core i5-8300H |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 128GB SSD+1TB HDD |
グラフィックス | GeForce GTX 1050 Ti(4GB) |
ストレージ性能
試用機で使われていた128GB M.2 SSDと1TB HDDのアクセス速度は以下のとおり。どちらも標準的な結果です。このあたりはCPUやGPUで大きく変わるわけではないので、とりあえず参考にする程度でOK。
CPU性能
Dell G3 15で使われているCore i5-8300HとCore i7-8750Hは、どちらも6コア12スレッドで動作するCPUです。CPU性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、Core i7-8750HはデスクトップPC並みの性能であるのに対し、Core i5-8300HではデスクトップPC向けCPUをやや下回る結果となりました。とは言え、ノートPC向けとしては非常に高性能です。
CPUの性能比較 その1
CPU | CINEBENCH R15のCPUスコア |
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Core i7-8700 ※2 |
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Dell G3 15(Core i7-8750H) |
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Core i5-8400 ※2 |
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Core i7-7700 ※2 |
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Dell G3 15(Core i5-8300H) |
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Core i7-7700HQ |
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Core i7-8550U |
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※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値 ※2 デスクトップPC向けCPU
CPUの性能比較 その2
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i7-8700 ※2 |
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Dell G3 15(Core i7-8750H) |
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Core i5-8400 ※2 |
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Core i7-7700 ※2 |
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Dell G3 15(Core i5-8300H) |
|
Core i7-7700HQ |
|
Core i7-8550U |
|
※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値 ※2 デスクトップPC向けCPU
3D性能
総合的な3D性能を計測する3DMarkでテストを行なったところ、同じGeForce GTX 1050 TiであればCore i7-8750HとCore i5-8300Hとであまり変わらないという結果が出ました。エントリー(初心者)向けのGPUでは、CPU性能による影響が少ないのかもしれません。
3D機能の性能比較
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
---|---|
GTX 1070 |
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GTX 1060 |
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Dell G3 15(Core i7+GTX 1050 Ti) |
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Dell G3 15(Core i5+GTX 1050 Ti) |
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GTX 1050 |
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※ほかのGPUの結果は当サイト計測の平均値
ゲーム系ベンチマーク結果
実際のゲームの快適さを計測するベンチマークを試したところ、Dell G3 15プレミアム・GTX 1050 Ti 搭載モデルでは以下の結果となりました。小~中規模クラスのタイトルならフルHDの中画質で概ねOKというところで、Core i7-8750H搭載のDell G3 15プラチナ・GTX 1050 Ti 搭載モデルとほとんど変わりません。
ゲーム系ベンチマーク結果(フルHD)
FF15ベンチ (DX11) ※重量級 | |||
---|---|---|---|
高品質 | 標準品質 | 軽量品質 | |
2638(やや重い) | 3880(普通) | 4916(やや快適) | |
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中規模 | |||
最高品質 | 高品質(ノートPC) | 標準品質(ノートPC) | |
7441(非常に快適)※50.494 FPS | 9422(非常に快適)※65.758 FPS | 10453(非常に快適)※76.332 FPS | |
ドラゴンクエストX ※軽い | |||
最高品質 | 標準品質 | 低品質 | |
9196(とても快適) | 9421(とても快適) | 10255(すごく快適) | |
Assassin’s Creed Origins (DX11) ※重量級 | |||
最高 | 中 | 超低 | |
34 FPS | 45 FPS | 51 FPS | |
Far Cry5 (DX11) ※中規模 | |||
最高 | 中 | 低 | |
32 FPS | 40 FPS | 45 FPS | |
Shadow of the Tomb Raider(DX12) ※重量級 | |||
最高 | 中 | 最低 | |
28 FPS | 36 FPS | 54 FPS |
Core i5モデルとCore i7モデルの比較(中画質時)
FF15ベンチ (DX11) ※重量級 | ||
---|---|---|
Core i5-8300H | Core i7-8750H | |
3880(普通) | 3957(普通) | |
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中規模 | ||
Core i5-8300H | Core i7-8750H | |
9422(非常に快適)※65.758 FPS | 10226(非常に快適)※70.407 FPS | |
ドラゴンクエストX ※軽い | ||
Core i5-8300H | Core i7-8750H | |
9421(とても快適) | 16942(すごく快適) | |
Assassin’s Creed Origins (DX11) ※重量級 | ||
Core i5-8300H | Core i7-8750H | |
45 FPS | 46 FPS | |
Far Cry5 (DX11) ※中規模 | ||
Core i5-8300H | Core i7-8750H | |
40 FPS | 46 FPS |
フォートナイトFPS計測結果
フォートナイトを実際にプレーしてFPSを計測したところ、最高画質の「エピック」では平均FPSが47.45という結果でした。Core i7-8750Hでも理想とされる平均60FPSを下回っていますので、このあたりがGeForece GTX 1050 Tiの限界なのかもしれません。画質を「中」に変更すると大きく改善されるので、これをベースにして描画距離などを調整するのといいでしょう。
フォートナイトFPS計測結果(フルHD)
画質 | Core i5-8300H | Core i7-8750H |
---|---|---|
エピック(最高画質) | 47.45 FPS | 53.55 FPS |
中 | 117.433 FPS | 127.7 FPS |
低(最低画質) | 112.8 FPS | 137.8 FPS |
PUBGのFPS計測結果
PUBGについては画質「中」で平均FPSが60以上です。ただし数分おきくらいに一瞬だけ40FPSあたりまで落ち込むことがありました。「非常に低い」まで画質を落とす必要はありませんが、「中」から設定をいくつか低めに変えるといいかもしれません。
PUBG FPS計測結果(フルHD)
画質 | Core i5-8300H | Core i7-8750H |
---|---|---|
ウルトラ(最高画質) | 41.3 FPS | 40.1 FPS |
中 | 61.4 FPS | 62.3 FPS |
非常に低い(最低画質) | 74.5 FPS | 137.8 FPS |
ゲームが目的ならCore i5でもOK!
ということで、今回はCore i5-8300Hを搭載したDell G3 15 プレミアム・GTX1050Ti搭載モデルの検証結果をお届けしました。
3D/ゲーム系ベンチマーク結果をご覧いただくとおわかりのように、Core i7-8750HとCore i5-8300Hとではスコアに大きな違いはありません。わずかにCore i7搭載モデルのほうでいい結果が出ていますが、体感的にはそれほど変わらないでしょう。その意味で、ゲームを楽しむことが目的ならCore i5-8300Hでも十分です。
動画編集や写真加工などゲーム以外で利用するなら、CPU性能が高いCore i7搭載モデルのほうが有利です。Core i5-8300Hも十分な性能ですが、わずかな価格差で処理に違いが出ることを考えれば、Core i7-8750Hのプラチナ・GTX1050TI搭載モデルを選ぶべきです。
ただしクリエイティブな作業では、メモリー容量が多いほうがさらに有利です。動画編集などで利用するなら、16GBメモリーを搭載可能なDell G7 15やDell G3 17をおすすめします。