ドスパラが販売する「THIRDWAVE DX-T5」は、15.6インチディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCです。第11世代のCore i5-1135G7と16GBメモリー搭載で、価格が8万円台前半と安い点が魅力。Core i5でも性能は十分で、コスパではCore i7搭載PCを上回ります。
ポイント
- 😄 16GBメモリー搭載で8万円台
- 😄 シンプルなデザイン
- 😄 意外にも高性能
- 🙄 キー配列にややクセあり
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
※2021年11月7日時点、価格は税込み&送料込み
THIRDWAVE DX-T5のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 11 Home |
---|---|
ディスプレイ | 15.6インチ 1920×1080 非光沢 |
CPU | Core i5-1135G7 |
メモリー | 16GB ※DDR4-3200、スロット×2 |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Iris Xe |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1、1000BASE-T 対応有線LAN |
インターフェース | USB3.2 Gen2×2、USB3.2 Gen2 Type-C×1、HDMI、有線LAN、microSDカードスロット、マイク入力/ヘッドフォン出力共用端子 |
サイズ / 重量 | 幅362.2×奥行き247.1×高さ19.5mm / 約1.6kg |
バッテリー | 8.7時間駆動 |
※2021年11月7日時点。構成は変更される場合があります
本体デザイン
THIRDWAVE DX-T5の外観はとてもシンプルです。ボディは樹脂(プラスチック)製ですが、安っぽさは感じられません。ロゴや装飾などは一切なく、ある意味で潔いデザインです。スタンダードなデザインなので、場所を選ばずに利用できるでしょう。
サイズと重量
画面の大きい15.6インチタイプは通常そこそこの大きさがありますが、THIRDWAVE DX-T5は比較的コンパクトです。厚さは特別薄いわけではないものの、重量は軽量な部類に入ります。扱いやすい大きさと重さです。
ディスプレイについて
ディスプレイのサイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ノートPCではもっともスタンダードなタイプです。表面は光沢なしのノングレア仕上げ。眼精疲労や集中力低下の原因と言われる”映り込み”が抑えられています。長時間の作業に適したディスプレイです。
パッと見た感じでは、映像に違和感はありません。しかしスマホやタブレットと比べると青みがやや強く出ており、やや暗めに感じました。文字中心の作業には問題ありませんが、色味を重視する作業には色域の広いクリエイター向けの外付けディスプレイを使うといいでしょう。
キーボードについて
キーボードは日本語配列で、バックライト非対応です。数値入力に便利なテンキーが付いていますが、一般的な4列構成ではなく3列構成である点に注意してください。各キーの並びは標準的ですが、Enterキー左側でいくつかのキーが小さく作られています。
キーピッチは実測18.7mmで、標準値とされる19mmよりも狭く作られています。実際に入力すると確かに少し窮屈に感じますが、慣れれば普通に使えるでしょう。キーストロークはやや浅めの1.34mm。キーを押した瞬間のクリック感はやや固いものの、押下圧が低いのでタイプ感は軽めです。キーの端を押すとブレるような感覚がありますが、全体的には標準的なタイプ感だと思います。
タイプ音は、軽い力で入力してもカタカタと聞こえます。うるさくはありませんが、静かな場所では気になるかもしれません。指を打ち下ろすように入力するとタンタンと音が響くので、軽めのタッチ推奨です。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i5-1135G7 |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 256GB NVMe SSD |
グラフィックス | Iris Xe Graphics(CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第11世代Core i5-1135G7が使われています。標準TDPが28Wで薄型ノートPC向きの、いわゆる「Tiger Lake UP3」シリーズ。2021年時点では、もっともよく使われるシリーズです。
CPU性能を計測するベンチマークテストを試したところ、Core i5-1135G7搭載の試用機では非常に優秀な結果でした。上位のCore i7-1165G7の平均値を上回る高いスコアが出ています。CPU性能については十分と言っていいでしょう。
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 5800U |
19202
|
Ryzen 7 5700U |
18089
|
Core i7-1185G7 |
13135
|
Ryzen 5 5500U |
12362
|
THIRDWAVE DX-T5(Core i5-1135G7) |
12077
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
Ryzen 3 5300U |
9527
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
Athlon Silver 3050U |
3351
|
Celeron 6305 |
2302
|
Celeron N4500 |
2284
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のIris Xe Graphicsが使われます。3Dベンチマークテストの結果は、内蔵タイプとしては非常に優秀でした。DDR4メモリーだとスコアが伸びないことが多いのですが、THIRDWAVE DX-T5ではLPDDR4xメモリーに迫る結果が出ています。もしかすると、16GBメモリーを搭載してる点が影響しているのかもしれません。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
MX450 |
1996
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
MX350 |
1382
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
THIRDWAVE DX-T5(Iris Xe,Core i5,16GB DDR4) |
1273
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Iris Plus |
812
|
Radeon (Ryzen 5) |
784
|
Radeon (Ryzen 3) |
619
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
THIRDWAVE DX-T5(Iris Xe,Core i5,16GB DDR4) |
4177
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
MX350 |
3931
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。テスト結果の比較用に同シリーズの上位機種▶THIRDWAVE DX-T7(Core i7-1165G7+16GBメモリー)と、クリエイター向けノートPCの▶raytrek R5-CA(Core i7-10875H+16GBメモリー+RTX 3060)の結果もまとめました。
ベンチマーク結果は、なかなか優秀です。快適に使える目安の目標値を大きく上回り、一般的な作業であれば問題なく行なえます。Core i7-1165G7を搭載した同型のTHIRDWAVE DX-T7とは、スコアは数パーセント程度しか変わりません。重い処理でなければ、Core i5-1135G7搭載のTHIRDWAVE DX-T5のほうが高コスパです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9487
9784
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
6318
6630
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
4737
4840
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
起動時間
ウィンドウズの起動時間(バッテリー駆動時)は平均13.76秒でした。最近のSSD搭載ノートPCの平均は15秒前後ですので、起動はやや高速です。待たされている感はほとんどありません。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 14.0秒 |
---|---|
2回目 | 13.9秒 |
3回目 | 13.5秒 |
4回目 | 14.2秒 |
5回目 | 13.2秒 |
平均 | 13.76秒 |
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は公称値で、約8.7時間とされています。しかし公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、公称値よりも長い9時間32分で休止状態へ移行しました。最大パフォーマンスであることやそもそも持ち歩き用でないことを考えれば、十分な結果と言えるでしょう。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 8.7時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 9時間32分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 52分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間34分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能
ゲーム系ベンチマークテストを試したところ、ごく軽いドラクエ10ベンチではフルHDの最高画質でも快適に楽しめるとの評価でした。軽めのゲームであれば、解像度や画質の調整で問題なくプレーできるはずです。ただし少し重めのゲームでは、画質や解像度を下げないと厳しいかもしれません。基本的にはごく軽いゲームを息抜き程度でと考えたほうが無難です。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 1459 / 動作困難 |
標準品質 | ※未計測 |
軽量品質 | 2468 / 重い |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 3282 / 22.5 FPS |
高品質 | 4393 / 30.2 FPS |
標準品質 | 5486 / 38.2 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 10921 / とても快適 |
標準品質 | 12860 / すごく快適 |
低品質 | 14265 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
十分な性能の高コスパモデル
16GBメモリー搭載で価格が8万1280円(送料込み)と安い点が魅力です。CPUは中位ランクのCore i5-1135G7ですが、ベンチマークテストでは上位のCore i7-1165G7に迫る結果が出ていました。価格と性能のバランスでは、非常に優秀な機種です。
PCの作りとしては標準的です。ディスプレイの青みとキーボード右側の配列がやや気になりますが、慣れれば問題ない範囲でしょう。16GBメモリー搭載で安いことを考えれば、納得できるレベルです。
注文から翌日で発送と、納期が比較的早い点もポイント。最近はPCが品不足で、到着まで1~3ヵ月以上かかることも珍しくありません。スグ手に入る高コスパなモデルとしておすすめします。
※2021年11月7日時点、価格は税込み&送料込み
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