ポイント
- 1kg切りで超軽量
- 充実のインターフェース
- 高い堅牢性
dynabook GZシリーズ2020年春モデルのスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
画面サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i5-10210U ・Core i7-10710U |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・256GB SSD (SATA) ・512GB SSD ・512GB SSD + Optane ・1TB SSD + Optane |
グラフィックス | UHD |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 308.8×211.6mm |
厚さ | 17.9mm |
重量 | 770~879g |
バッテリー | 9.5~19時間 |
※2020年8月31日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・オニキスブルー ・パールホワイト |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 (USB3.1 Gen1) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | 対応 |
指紋センサー | ー |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ※付属モデルあり |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶まとめ
※2020年8月31日時点
デザインと使いやすさ
スマートな外観
軽量かつパワフルで堅牢性が高いdynabook GZシリーズはどちらかと言えばビジネスパーソン向けのモデルですが、外観は意外にもスタイリッシュです。本体カラーはオニキスブルーとパールホワイトの2色。ところどころにシルバーのアクセントがあしらわれており、落ち着きながらも高級感のある雰囲気です。
最軽量時で約779g!
dynabook GZシリーズの最大の特徴は、重量が1kg以下と非常に軽い点です。最軽量モデルはバッテリー容量が少ないものの、重さ約779gと驚きの軽さ。大容量バッテリー搭載モデルでも859gまたは879gです。ちなみに本体カラーがパールホワイトだと20g重くなる点に注意してください。
モバイルPCとしては標準的な画面
画面サイズは13.3インチで、解像度は1920×1080ドット。モバイルノートPCとしては、もっともスタンダードなスペックです。デスクトップの文字の大きさは1.8~2.4mmとやや小さめ (スケーリング150%)ですが、特に読みづらくは感じませんでした。
映像品質は自然な色合い
ディスプレイには自然な発色と広い視野角が特徴のIGZOパネルが使われています。実際に写真や動画を表示したところ、色に違和感はありませんでした。色は暖色系で、マニアックな目線で見ればやや赤みが弱いといったところ。とは言えビジネスや普段使いには問題ありません。
キーが小さなキーボード
キーボードはテンキーなしの日本語配列で、バックライトには対応していません。キーピッチ (キーとキーの間隔)は横が19mmと十分な広さですが、縦が16.7mmとやや狭めです。キーも小さい上に横長で、使い始めのうちは若干違和感があるかもしれません。
タイプ感は軽い
キーストローク (キーを押し込む深さ)は公称値で1.5mmとのことですが、実測では平均で1.3mm程度でした。キーをグッと押し込めば1.5mmくらいに感じられますが、軽いタッチだと浅く感じるかもしれません。キーを押した瞬間のクリック感はしっかりあるものの押し込む力はかなり軽く、全体的なタイプ感も軽めに感じます。
タイプ音は軽いタッチでもカタカタと聞こえますが、うるさく感じるほどではありません。打ち下ろすようにして入力すると、音はトントンと響きます。軽いタッチ推奨です。
インターフェースは充実
インターフェースはUSB端子が合計3ポートで、うち1ポートがType-C。さらに映像出力としてのHDMI端子とmicroSDメモリーカードスロットのほか、有線LANまで用意されています。軽量薄型のモバイルノートPCで有線LANに対応している機種はなかなかありません。その意味で、インターフェース類は充実していると言えます。
Type-Cは充電と映像出力に対応
USB PD 18W充電 | ○ |
---|---|
USB PD 30W充電 | ○ |
USB PD 45W充電 | ○ |
USB PD 65W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |
USB Type-Cはデータ通信のほか、USB PDによる充電と映像出力に対応しています。ワット数の低い充電器でも充電できましたが、付属の電源アダプターが45Wなのでそのあたりの充電器を使ったほうがいいかもしれません。
サウンドはイマイチ
スピーカーは、底面部の左右に配置されています。音の出る部分が接地面でふさがれているため、音がこもって聞こえました。音の厚みもなく、サウンドのクオリティーはいまひとつ。とは言え、ノートPCとしては標準的と言っていいでしょう。ビデオ会議や音声通話などには問題なく使えますが、音楽試聴には向いていません。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | dynabook GZ83/PL |
---|---|
CPU | Core i7-10710U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD + Optane |
グラフィックス | UHD Graphics (CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
6コアでもCPU性能はいまひとつ
CPUの性能比較 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 4700U |
15186
|
Core i7-10710U |
13685
|
Ryzen 5 4500U |
12892
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
dynabook GZ83 (Core i7-10710U) |
11763
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Ryzen 5 3500U |
8398
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Athlon Silver 3050U |
3851
|
Celeron N4120 |
2771
|
Celeron N4020 |
1658
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUにはインテルの第10世代Core i5-10210UまたはCore i7-10710Uが使われています。試用機に搭載されていたCore i7-10710Uは6コア12スレッドの高性能タイプですが、ベンチマークテストではいまひとつの結果でした。もしかすると内部の熱が上がりすぎるのを防ぐために、パフォーマンスを調整しているのかもしれません。
とは言え、ビジネス利用や普段使いには問題ない性能です。高温による不具合やパーツの劣化を防いでいると考えるなら十分アリでしょう。今回はCore i5-10210Uモデルは検証していませんが、同様の理由によりパフォーマンスがやや抑えられているかもしれません。
グラフィックス性能は低い
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
Radeon (Ryzen 7) |
3449
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2251
|
Radeon Vega 3 (Ryzen 3) |
1837
|
UHD (Core i7) |
1335
|
dynabook GZ83 (UHD Core i7) |
1282
|
UHD (Core i5) |
1273
|
UHD (Core i3) |
859
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能についても、ややパフォーマンスが抑えられている傾向が見られます。ただUHD Graphics自体の性能がそもそも高くはないため、体感的に性能差を感じるほどではないでしょう。ゲームやクリエイター向けソフトでの効果は期待できません。
普段使いやビジネスにはOK
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
8827
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
7043
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
3133
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。Core i7-10710U搭載の試用機でテストを行なったところ、一般利用 (Web閲覧やビデオチャット)やビジネス作業 (表計算やワープロ)については快適に行なえるという評価でした。ただし動画や3Dなどのコンテンツ制作については少々厳しいようです。Core i5モデルはさらにベンチマークスコアが低下すると予想されますが、一般利用とビジネス利用では問題ないでしょう。
SSD+Optane構成に対応
ストレージはSSDまたはSSD+Optaneメモリーの構成です。Optaneメモリーを搭載しているとSSDのアクセス速度が高速化されるのですが、SSDなしの機種との体感的な差は感じられませんでした。同じソフトを何度も使うことで、そのソフトの起動が高速化されるのかもしれません。速度については、SSDのみでも十分だと思います。
起動は13秒程度
ウィンドウズの起動時間は平均14.02秒でしたがたまに長いときがあるためで、概ね13秒前後で起動します。SSD搭載ノートPCの平均は15秒程度 (筆者調べ)で、起動はなかなか高速です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 17.0秒 |
---|---|
2回目 | 13.4秒 |
3回目 | 13.2秒 |
4回目 | 13.3秒 |
5回目 | 13.2秒 |
平均 | 14.02秒 |
バッテリー駆動は十分
バッテリー駆動時間は、モデルによって異なります。最軽量モデルはバッテリー容量が小さいため、駆動時間はやや短め。バッテリー容量が大きいモデルは、Optaneメモリーの有無によって駆動時間が変化します。
モデルごとのバッテリー駆動時間 ※重量はオニキスブルーモデル
型番 | パーツ構成 | 駆動時間 |
---|---|---|
GZ63M (779g) |
Core i5+8GB+256GB SSD+バッテリーS | 9.5時間 |
GZ73M/GZ73P (859g) |
Core i5/i7+8GB+256GB SSD+バッテリーL | 19時間 |
GZ8M/GZ83P (859g) |
Core i7+16GB+512GB SSD+バッテリーL | 18.5時間 |
GZ8M/GZ83P (859g) |
Core i7+16GB+SSD&Optane+バッテリーL | 15.5時間 |
上記の駆動時間はメーカーの公称値であって、実際の利用では駆動時間はもっと短くなります。そこで公称値が15.5時間のモデルを使って最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、9時間23分でバッテリー残量が0%に達し休止状態へ移行しました。実駆動時間はけっこう短いのですが、これだけ駆動すれば丸1日は問題なく使えるでしょう。ただし最軽量モデルについては、かなり短い可能性があります。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 15.5時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 9時間23分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 35分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間27分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
軽量&頑丈で手堅いモバイルノートPC
よかった点
バッテリー容量の大きいモデルでも最大879gとモバイルノートPCとしては非常に軽い点が魅力です。またデザインも比較的洗練されており、野暮ったさを感じません。マグネシウム合金を使用した強度の高さも魅力です。モバイルノートPCに必要な要素をしっかりと詰め込んだ、手堅いモデルだと言えます。
気になる点
個人的にはキーボードのキーの小ささと、ボディのベコベコ感が気になりました。軽量コンパクトでマグネシウム合金製なら仕方がないのですが、もう少し重厚感があるほうが好みです。とは言えモバイルPCにおいては、「軽さは正義」であることも事実。とにかく軽量であることを重視したい人におすすめします。
※2020年8月31日時点
*
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