JlinkのE27QP4Kは、27インチ2560×1440ドットでリフレッシュレート165Hzのゲーミングディスプレイです。品質的にはエントリークラスで、高精細かつ大きな画面でゲームを楽しみたい人に向いています。

PS5でも2560×1440ドット 120Hzで対応ゲームをプレー可能
今回は販売店から提供いただいた実機を使って、外観や映像品質、実際に使った感想などをレビューします。

E27QP4K
スペック
液晶サイズ | 27インチ |
---|---|
解像度 | 2560×1440ドット(アスペクト比16:9) |
パネル | VA 非光沢 |
リフレッシュレート | 165Hz(DP)、144Hz(HDMI) |
応答速度 | 5ms(GtG)、1ms(MPRT) |
コントラスト比 | 4000:1 |
色域 / 輝度 | DCI-P3 84%、sRGB 106% / 250nit |
HDR | 対応 ※規格は不明 |
映像入力 | HDMI 2.0×1、DisplayPort 1.2×2 |
Adaptive-Sync / G-SYNC | 対応 ※G-SYNC Compatible?(未確認) |
スピーカー | なし |
チルト角度 | 下5度~上20度 |
ピボット / スイーベル | ±90度 / 左右20度 |
高さ調節機能 | 0~90mm |
VESAマウント | VESA100 |
サイズ / 重量 | パネル部分 幅616mm×高さ524.3mm / 5.4kg |
付属品 | 電源ケーブル、DPケーブル、保証書など |
パッケージと設置

Jlink E27QP4Kのパッケージ

主な同梱物

設置にはまずベース部分をスタンドに取り付けます。付属のネジを利用する必要あり

スタンドを取り付ける部分。VESA100のマウンタも兼ねています

スタンドを取り付けた状態。筐体は全体的にプラスチック中心で、質感はそれなりです
本体の外観
デザイン

前面

背面

側面

27インチタイプとしてはディスプレイのベゼル(枠)が細く、画面周りがスッキリとしています

背面にはRGBイルミネーション。時間の経過と共に、色が変わります。ライトのオンオフはOSDで調節可能
可動範囲

高さ調節は最大90mm

前後のチルト角度は前方5度~後方20度

左右90度のピボット(回転)にも対応。スイーベル(左右の首振り)は各20度
インターフェース

インターフェースは背面下向き。左から電源コネクター、USB(メンテナンス用)、HDMI2.0、DisplayPort 1.2×2、3.5mmステレオジャック

OSD操作用のスティック兼電源ボタン
スピーカー

スピーカーは非搭載。PCやゲーム機にサウンド出力機器をつなぐか、Jlink E27QP4Kの3.5mmステレオジャックに音声機器をつなぐ必要があります

OSDにはボリューム設定があったりWindows上ではスピーカーとして認識されていたりしますが、音は一切再生されません
OSD

OSDを利用することで、画面の色や明るさを調整可能。ゲーム用機能のオンオフも設定できます。背面のスティックを軽く押すと表示

背面のスティックを上下左右に倒すと、方向に応じてカラープリセットの変更やゲームアシスト機能の有効/無効、映像入力などを変えられます

「Color」では色合いを変更可能。ただしプリセットによっては変更できない場合があります

ゲーム向けの機能を利用する「ゲーミング設定」。ここがメインで使う項目です

「FreeSync/G-SYNC」のオンオフを設定。今回は確認していませんが、G-SYNCはおそらくCompatibleだと思います

「OverDrive」はいわゆる「OD」設定。映像の残像を減らします

「ゲームアシスト」では画面にさまざまな要素を表示可能

通常設定(左)「クロスヘアー」を表示した状態(右)。ターゲットを捉えやすいので便利ですが、大会によってはレギュレーションに違反する場合があるかもしれません

HDRのオンオフ設定

MPRTは黒画面を挟み込むことで、映像のブレを抑える機能

「RGB Light」で背面のイルミネーションのオンオフを設定
映像品質
画面サイズと解像度

画面サイズは27インチで、解像度は2560×1440ドット(WQHDまたはQHD)

WQHDはフルHDよりも映像が高精細ですが、そのぶんPCやゲーム機側のパフォーマンスが求められます。WQHDで高フレームレートを実現するなら、RTX 3070あたりが目安
映像の色合いと明るさ

色域は公称値でsRGB 106%、DCI-P3 84%。色合いは自然ですが、スマホやタブレットほど色鮮やかというわけでもありません。ゲーム向けであれば十分でしょう

明るさは250nit。数値的にはそれほど明るくはありませんが、特に暗く感じることもありませんでした

視野角は178度でIPSとあまり変わりません
ゲームでの使用感
リフレッシュレート

リフレッシュレートはDisplayPort接続時で最大165Hz、HDMI接続時で最大144Hzです。ガチのFPSプレーヤーなら最近は240Hz以上を選ぶ人が増えており、144~165Hzはどちらかと言えばエントリークラス

それでも165Hzは非ゲーミングディスプレイの60Hzよりも遅延が少なく、映像の動きもなめらかで自然です。ゲームの初中級者には十分でしょう
映像の残像について

標準設定(「OverDrive」オフ、「MPRT」オフ)で165Hzの動きをシャッタースピード1/1600で撮影したもの。6~7フレーム目まで残像が確認できます

165Hzで7.5msの別のディスプレイの残像。同じ撮影条件で、こちらは4フレーム目までしか確認できませんでした

「OverDrive」設定が「Low」

「OverDrive」設定が「Middle」

「OverDrive」設定が「High」。ODが強くなるほど、残像が薄くなるようです

「MPRT」を有効にすると残像のブレは軽減されますが、残像が消えるわけではありません。また画面がわずかに暗くなります

実際のところはゲームの映像によって変わりますが、個人的には残像感が強めに感じました。動きの速いFPSやTPSよりも、RPGや60fps固定のタイトルを楽しむのに向いていると思います
ゲーム機での利用

PS5ではWQHDの120Hzまで対応しています。スピーカーがないためヘッドセットや外付けスピーカーを用意してください

1440pに対応

VRRは非対応

標準ではHDRがオフに設定されているため、映像がボンヤリとしています(写真上)。ディスプレイ側のHDRを「AutoDetect」に変更すると、色鮮やかに映し出されました(写真下)

120fps対応ソフトであれば2560×1440ドットでも120Hzで動作します
じっくり遊びたい人向けのWQHD 165Hz
Jlink E27QP4Kの通常価格は3万円台半ば(クーポン利用時)、セール時では3万円台前半で販売されています。現在27インチのWQHD 165Hzのゲーミングディスプレイは大手メーカーでも3万円前後で買えることを考えると、価格的にはあまりメリットはないかなというのが正直な感想です。
加えて最近のガチゲーマーはリフレッシュレート240Hz以上の製品に関心が集まりつつあり、144~165Hzはどちらかと言えばエントリー向き。しかしハイミドルクラスのPCでないと高いフレームレートが出ないWQHDとなると、ややバランスが悪い気もします。応答速度のスペック自体は普通ですが、残像感がやや強い点も気になりました。動きの速いゲームよりも、じっくり遊べるゲームを大画面で楽しむのに向いています。
なんらかのセールやクーポン、ポイント還元などで、お得感が高まったならアリだと思います。

E27QP4K
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