富士通のLIFEBOOK WA3/Wは、CPUに第6世代のCore i7-6700HQを採用したハイスペックな15.6型ノートパソコンです。メモリーにはDDR4を採用し、ストレージにはアクセス速度の高速なSSDを選択できます。標準的な作業はもちろん、画像加工や3D制作など負荷の高い処理でもサクサク快適にこなすことが可能です。
今回はこのLIFEBOOK WA3/Wが実際にどれくらいの性能を持っているのかについて、ベンチマーク結果を交えながら紹介します。
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パーツ構成をチェック!
LIFEBOOK WA3/Wは、富士通の直販サイト「富士通WEB MART」限定販売のカスタムメイドモデルです。CPUとしてSkylake世代のCore i7-6700HQを搭載しているほか、メモリーはDDR4規格を採用し、ストレージにはSSDを選択できるなど、ハイスペックな構成でまとめられています。
主なスペックは以下の表のとおり。店頭販売向けのカタログモデル「LIFEBOOK AH77/W」との違いは、OSやメモリー容量、ストレージの種類、オフィスの有無などを予算や好みに応じて変えられる点です。
LIFEBOOK WA3/WとLIFEBOOK AH77/Wのスペック | |||
分類 | カスタムメイドモデル(直販向け) | カタログモデル(店頭向け) | |
---|---|---|---|
製品名 | LIFEBOOK WA3/W | LIFEBOOK AH77/W | |
参考価格(税別) | 20万278円から(23%OFFクーポン適用で税込み16万6551円から)※ | 23万円前後 | |
OS | Windows 10 Home/Pro 64ビット | Windows 10 Home 64ビット | |
CPU | Core i7-6700HQ(2.60-3.50GHz) | ||
メモリー | DDR4 8GB/16GB | DDR4 8GB | |
グラフィックス | Intel HD Graphics 530 | ||
ストレージ | 約500GB HDD/約1TB HDD/約1TBハイブリッドHDD/約256GB SSD | 約1TB HDD | |
光学ドライブ | ブルーレイディスクドライブ | ||
ディスプレイ | 15.6型、1920×1080ドット | ||
タッチパネル | ◯(マルチタッチ) | ||
有線LAN | 1000BASE-T対応 | ||
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac | ||
Bluetooth | Bluetooth 4.1 | ||
Webカメラ | 200万画素 | ||
主なインタフェース | USB3.0×3、USB2.0×1、HDMI、有線LAN、NFC、SD/SDHC/SDXC対応メモリカードスロット、ヘッドホン出力 | ||
バッテリ駆動時間 | 約4.5時間 | ||
本体サイズ(突起部含まず) | 幅378×奥行き256×高さ25.7~27.4mm | ||
重量 | 約2.5kg | ||
オフィス | なし/Office Personal Premium/Office Home & Business Premium | Office Home & Business Premium |
※2016年1月8日時点の価格です。最新の価格は富士通WEB MARTでご確認ください
今回の検証で利用したモデルのスペックは、以下のとおり。もっとも性能の高いパーツを選択した、いわゆる”最強構成”と呼ばれる組み合わせです。なおベンチマーク結果はパーツ構成やタイミングによって大きく変わることがあるため、今回の結果は参考程度に考えてください。
主なスペック | |
OS | Windows 10 Home (64ビット) |
---|---|
CPU | Core i7-67OOHQ(2.60GHz) |
メモリー | DDR4 16GB |
ストレージ | 256GB SSD |
ディスプレイ | 15.6型、1920×1080ドット |
Skylake世代のクアッドコアCPUを搭載
CPUとして採用しているCore i7-6700HQは、4コア/8スレッドで動作するクアッドコアCPUです。2015年夏モデルではHaswell世代(第4世代)のCore i7-4722HQが使われていましたが、Skylakeこと第6世代のCPUがリリースされたことで、最新世代のCPUが搭載されました。
グラフィックス機能はIntel HD Graphics 530
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のIntel HD Graphics 530を利用します。前モデルで使われていたIntel HD Graphics 4600よりは高性能ですが、飛躍的に向上したというわけではありません。またモバイルノートPC向けのUシリーズに搭載されているIntel HD Graphics 520とは動作周波数がわずかに高い程度で、性能的にもやや上といったところです。
メモリーはDDR4を採用
Skylake世代のCPUおよびチップセットはDDR4規格のメモリーに正式対応したことから、LIFEBOOK WA3/WでもDDR4のメモリーを搭載しています。
LIFEBOOK WA3/Wのメモリー仕様は「DDR4-2133(PC4-17000)」であるのに対し、前モデルでは「DDR3L-1600(PC3L-12800)」のメモリーが使われていました。DDR4-2133の転送速度は17GB/秒でDDR3L-1600は12.8GBですので、新モデルのほうがおよそ1.33倍速いというわけです。そのぶん、パフォーマンスの向上を期待できます。
SSDはSATA接続
今回はストレージに256GB SSDを搭載したモデルで検証したのですが、ストレージの種類を確認してみたところ、サムスン製の「PM871(MZ7LN256HCHP)」が使われていました。このSSDはSATA接続で、アクセス速度はリードで最大540MB/秒、ライトで最大280GB/秒とされています。
なおストレージに同じ256GB SSDを選んでも、ほかのSSDが使われている場合があります。
スタートアップに含まれるソフトは?
パーツ構成には関係ないのですが、性能に影響を及ぼす要素としてスタートアップを確認してみました。富士通オリジナルのソフトはひとつだけですが、ウイルス対策ソフトやATOK、OneDriveなど、比較的多くのソフトが登録されています。
ベンチマーク結果をチェック
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windows 10の快適さを計測する「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)については、以下の表のとおりとなりました。基本性能に大きく影響するCPUとメモリー、ストレージのスコアについてはすべて「8」以上と、高めの結果が出ています。ちなみにWindows 10ではDirect3Dのテストでエラーが発生するため、ゲーム用グラフィックスのスコアが正常に表示されません。
Windowsエクスペリエンスインデックス | |
プロセッサ(CpuScore) | 8.2 |
---|---|
メモリ(MemoryScore) | 8.2 |
グラフィックス(GraphicsScore) | 6.3 |
ゲーム用グラフィックス(GamingScore) | – |
プライマリハードディスク(DiskScore) | 8.15 |
CINEBENCHベンチマーク結果
CPUの処理性能を計測する「CINEBENCH」では、デスクトップ向けCPUに迫る非常に高いスコアが出ています。ノートパソコンとしては、最高クラスの性能を持っていると言えるでしょう。
CrystalDiskMarkベンチマーク結果
ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」では、シーケンシャルリード(Seq Q32T1)が519.1MB/秒という結果になりました。ストレージに使われているPM871のスペックはシーケンシャルリードで最大540MB/秒ですから、公称値に近い性能が出ています。最近はより高速なPCI Express接続のSSDが普及しつつありますが、SATA接続のSSDでも十分高速です。
PCMark 8ベンチマーク結果
パソコンとしての基本性能を計測する「PCMark 8」でも、ノートパソコンとしては非常に高いスコアが出ています。CPU内蔵のグラフィックス機能を使うのでゲーム性能はそれほど高くはありませんが、負荷の高い処理でもサクサクこなせる性能です。
「PCMark 8」ベンチマーク結果 | |
Home conventinal 3.0 | 3476 |
---|---|
Home accelerated 3.0 | 3736 |
Creative conventinal 3.0 | 3432 |
Creative accelerated 3.0 | 4562 |
PassMark PerfomanceTest 8.0ベンチマーク結果
パソコンの総合性能を計測する「PassMark PerfomanceTest 8.0」では、CPUとメモリーのスコアが高くなっています。ストレージのスコアもそれなりに高めですが、グラフィックス関連のスコアは控えめです。
3DMarkベンチマーク結果
3D性能を計測する「3DMark」では、以下の結果となりました。もっとも負荷の高い「Fire Strike」(DirectX 11相当)では「968」というスコアが出ています。残念ながら海外製の大作ゲームをプレーするには、厳しいかもしれません(解像度や画質をかなり落とせば、なんとかプレーできる可能性アリ)。ただし国内で人気のゲームなら、画質を調整することで問題なくプレーできるでしょう。
ドラクエ10ベンチマーク結果
「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、解像度1280×720ドットなら「とても快適」、解像度1920×1080ドットの標準品質なら「快適」という評価が出ています。1920×1080ドットの最高品質でもプレーできないわけではありませんが、サクサクとプレーしたいなら標準品質に設定しておいたほうがいいでしょう。
「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」ベンチマーク結果 | ||
1280×720ドット | 1920×1080ドット | |
---|---|---|
標準品質 | 9058(とても快適) | 5309(快適) |
最高品質 | 7501(とても快適) | 3962(普通) |
FF14ベンチマーク結果
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、以下の結果となりました。1920×1080ドットのフルHD表示では遊べないことはありませんが、画質を落とさないと厳しいようです。解像度が低くてもプレーしたいという人は、試してみてはいかがでしょうか。
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」(DirectX 9)ベンチマーク結果 | ||
1280×720ドット | 1920×1080ドット | |
---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 5460(とても快適) | 2963(やや快適) |
高品質(ノートPC) | 3795(快適) | 2093(普通) |
最高品質 | 2374(普通) | 1299(設定変更が必要) |
ドラゴンズドクマオンラインベンチマーク結果
「ドラゴンズドクマオンライン ベンチマークソフト」では解像度と画質を変えてテストを行なったところ、1280×720ドットなら快適に遊べるという結果が出ています。解像度を上げても遊べないことはありませんが、シーンによってはカクつくことがあるかもしれません。
「ドラゴンズドクマオンライン ベンチマークソフト」ベンチマーク結果 | |||
低品質 | 標準品質 | 最高品質 | |
---|---|---|---|
1280×720ドット | 4346(快適) | 4163(快適) | 3059(普通) |
1600×900ドット | 2856(普通) | 2768(普通) | 2296(普通) |
1920×10800ドット | 2116(普通) | 2044(普通) | 1780(設定変更を推奨) |
PSO2ベンチマーク結果
「PSO2キャラクタークリエイト体験版」のベンチマークでは、簡易描画設定をもっとも低い「1」にすることで、快適に遊べる指針である「5000」をクリアーすることができました。ただしこの設定では画質がかなり落ちてしまいますので、これでも十分という人向きです。
マインクラフトFPS計測結果
「マインクラフト」では、1920×1080ドットのフルスクリーンモードでFPSを計測しました。ビデオ設定はほぼ標準のまま(垂直同期はオフ、FPSは無制限に変更)でテストを行なったところ、チャンクが高い(描画範囲が広い)設定でもストレスなく楽しめるレベルです。
マインクラフトFPS計測結果(1920×1080ドット、フルスクリーンモード) | ||||
チャンク | 最小FPS | 最大FPS | 平均FPS | 感想 |
---|---|---|---|---|
12(標準) | 81 | 148 | 98.4 | 動きが非常になめらか。カクつきもなく、快適にプレーできる |
16 | 58 | 116 | 72.8 | 同上 |
20 | 40 | 133 | 62.9 | 一瞬動きが荒くなる場面はあるが、ほとんど気にならないレベル |
16 | 38 | 119 | 56.8 | 全体的に多少動きは荒くなるが、カクカクすることはない。この設定で遊べるレベルなのは驚き |
フルスクリーンモードでは快適にプレーできたので、影MODこと「Shaders MOD」も試してみました。シェーダーはおなじみの「Sonic Ether’s Unbelievable Shaders(SEUS)」です。
FPS計測結果については、以下の表のとおりです。ひょっとして影MODでもサクサクなんじゃないか? と思ったのですが、そんなに甘くはありませんでした。Intel HD Graphics 530でも影MODの利用は不可能ではありませんが、快適にプレーするにはいろいろな工夫が必要となりそうです。
影MOD利用時のFPS計測結果(1920×1080ドット、フルスクリーンモード、チャンク12) | ||||
Shader | 最小FPS | 最大FPS | 平均FPS | 感想 |
---|---|---|---|---|
なし | 63 | 88 | 81.2 | - |
Lite | 18 | 31 | 24.3 | フレームの描画がかなり省略されている。操作に描画が追いついていないため、プレーは難しい |
Standard | 14 | 21 | 17.7 | 速く動かくすためにフレームを省略しているため動きが雑になり、細かな操作が難しい |
Ultra | 11 | 15 | 12.9 | スクリーンショット撮影用のためだけに導入するのはアリ |
ノートパソコンとしてはかなり高い性能!ゲームも息抜き程度ならOK
ということで、今回はLIFEBOOK WA3/Wのベンチマーク結果を紹介しました。パーツカスタマイズ対応のモデルですが、CPUはすべて同じなので、基本性能部分で大きく変わることはないはずです。
各テストの結果をご覧いただければおわかりのように、ノートパソコンとしては非常に優秀なスコアが出ています。負荷の高い写真加工や動画編集なども、バッチリこなせることでしょう。またゲームなら息抜き程度に楽しめる性能は持っています。ビジネスはもちろん、プライベートや趣味に活用できるパワフルなノートパソコンを探している人におすすめです。
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リンク
- LIFEBOOK WA3/Z (富士通WEB MART)
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