ポイント
- Ryzen 7 4800Hが超高性能
- 一般的なミドルレンジより安い
- 高リフレッシュレート対応
Dell G5 15 SE (5505)のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Ryzen 5 4600H ・Ryzen 7 4800H |
メモリー | ・8GB (4GB×2) ・16GB (8GB×2) |
SSD | ・512GB ・1TB |
HDD | なし |
グラフィックス | Radeon RX 5500M (6GB) |
リフレッシュレート | ・120Hz ・144Hz |
ディスプレイ | - |
幅×奥行き | 365.5×254mm |
厚さ | 21.6mm |
重量 | 2.5kg |
バッテリー | 51Whr |
※2020年9月26日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | イリデセントシルバー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | 表記なし ※IPS相当 |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり (4列) |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.2 | 1 (Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 2 |
USB Type-C | 1 (DP Altのみ) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 (2.0) |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | 1 (Mini) |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | - |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | なし |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
※2020年9月26日時点
デザインと使いやすさ
特徴的な本体カラー
本体カラーはイリデセントシルバー。基本は明るいシルバーですが、光によるハイライトの部分が角度によって虹色に輝く不思議なカラーです。派手というわけではなく、特徴的な印象を受けました。カッコイイかと問われれば、正直なところ個人的には少し微妙な気もします。
標準的なサイズと重さ
接地面積は幅365.5×奥行き254mm。B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもほんのわずかに小さい程度です。15.6インチタイプとしては標準的な大きさです。高さは21.6mmでほどほどにスリムですが、最近はもっとスリムかつコンパクトな機種もあるので、特別小さいというほどでもありません。
高リフレッシュレート対応ディスプレイ
画面サイズは15.6ンチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ゲーミングノートPCとしては、一般的なスペックです。画面の表面は光沢なしのノングレア仕上げ。リフレッシュレート (画面の書き換え速度を表わす目安)はRyzen 5モデルで120Hz、Ryzen 7モデルで144Hzです。今回は144Hzタイプを試用しましたが、画面の動きはとてもなめらかでした。
映像は自然な色合い
公式スペックによるとディスプレイはWVAパネルとのことですが、コレは液晶の駆動方式を表わす言葉ではなく、単に「Wide View Angle (広視野角)」の略です。試用機ではAUOの「B156HAN」というパネルが使われていましたが、実際にはAHVA (IPS)パネルでした。ロットによって異なるパネルが使われる可能性がありますが、IPS相当と考えていいでしょう。
映像は自然な色合いで、特に違和感はありません。明るさも十分です。プロレベルのクリエイティブな用途には色域の面で厳しいとは思いますが、アマチュアレベルであれば問題ないでしょう。
ややクセのあるキー配列
キーボードはテンキー付きの日本語配列ですが、購入時の有料オプションで英字配列に変更できます。バックライトは日本語配列の場合は1色のみですが、英字配列の場合は4ゾーンRGBバックライトが使われます。
キーピッチは横18.7mm / 縦18mmで若干横長ですが、違和感はありません。ただしEnterキー周辺で一部のキーが隣接しています。特に「¥」キーが小さく、慣れないウチは誤入力があるかもしれません。
タイプ感は一般的なノートPCと同じ感覚でした。カクッとした固めのクリック感があり手応えはしっかり感じられます。普通に使えるものの、ゲーミングノートPCならもう少し深いストローク感とサクッとした心地よいクリック感があるほうが好みです。
キーの同時押し認識数は、英数字キーの組み合わせで最大8キー程度でした。特殊キーを含めると10キー程度まで増えますが、英数字キーだけだと3キーまでしか認識されない場合もあります。
ゲームでよく使うWASDキー周りは比較的しっかりと認識されていたものの、PUBGでいうところの斜め移動しながらのリーン操作 (W+D+EキーあるいはW+A+Qキー)を行なえませんでした。ゲームによってはキー設定を変更する必要があるかもしれません。
十分なインターフェース
周辺機器接続用のインターフェース類は、十分な構成です。ただし電源コネクターや有線LAN端子が左右に配置されているため、両サイド (特に左側面)がケーブルでゴチャつく可能性があります。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | プラチナ(144Hz・大容量メモリー&SSD・RX5600M搭載) |
---|---|
CPU | Ryzen 7 4700U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD |
グラフィックス | Radeon RX 5600M (6GB) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。なおグラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、この記事ではわかりやすさ優先で「CPU」と表記しています
CPU性能は最強クラス
CPUとしては、AMDのRyzen 7 4800Hが使われています。8コア16スレッド動作で、ベンチマークテストではインテル製CPUのスコアを大きく上回りました。ノートPC向けとしては最強クラスと言っていいでしょう。
ノートPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Dell G5 15 5505 (Ryzen 7 4800H) |
4353
|
Ryzen 7 4800H |
4323
|
Ryzen 9 4900HS |
4266
|
Core i9-10885H |
3504
|
Core i7-10875H |
3293
|
Core i7-10750H |
2861
|
Core i7-9750H |
2684
|
Core i7-8750H |
2626
|
Core i5-10300H |
2241
|
Core i5-9300H |
1922
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
デスクトップPC向けCPUと比較しても、遜色ない結果です。超ハイエンド向けCPUにはさすがにかないませんが、ミドルレンジのゲーミングPCや一般用途向けPCよりも高性能。高いパフォーマンスを期待できます。
デスクトップPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Dell G5 15 5505 (Ryzen 7 4800H) |
4353
|
Core i9-9900K |
4244
|
Core i7-10700 |
4177
|
Core i7-9700K |
3397
|
Core i7-9700 |
3190
|
Core i5-10400 |
3170
|
Core i7-8700 |
3026
|
Core i5-9400 |
2357
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能はミドルレンジ相当
グラフィックス機能としては、外付けGPUのRadeon RX 5600Mを使用します。ベンチマークテストのスコアを見る限りでは、NVIDIA製GPUのミドルレンジ相当と言っていいでしょう。
ただしゲームによっては、CPU内蔵のRadeon Gtraphicsが使われることがありました。設定でGPUを切り替えられるゲームもありますが、切り替えられないゲームでは動きがカクカクしてしまいます。もしかするとなにか解決方法があるのかもしれませんが、検証中では見つけられませんでした。
GPUの性能差
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2080 |
23762
|
RTX 2080 Max-Q |
20066
|
RTX 2070 |
20037
|
RTX 2070 SUPER Max-Q |
18723
|
RTX 2070 Max-Q |
17839
|
Dell G5 15 5505 (RX 5600M) |
15718
|
RTX 2060 |
15459
|
GTX 1660 Ti |
14472
|
RTX 2060 Max-Q |
14275
|
RX 5500M |
13021
|
GTX 1650 Ti |
10417
|
GTX 1650 |
8589
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
さまざまな用途で快適に使える
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
9798 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
7193 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
8094 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、すべてのテストで目標値を大きくクリアーしました。動画編集やプログラミングなどの高度な作業でも、快適に使えるでしょう。
ストレージはSSD+HDD
ストレージは512GBまたは1TB SSDです。試用機ではPCIe 3.0 x4の超高速タイプが使われていました。アクセス速度は非常に速く、ファイルの読み書きやゲームの起動、データの読み込みなどは速やかに行なわれます。
内部にはストレージ用のM.2スロットが2ポート (Type 2230/2280)あるとのこと。容量を増やしたいときは、自分でSSDを増設するといいでしょう。ただし空いているスロットがType 2230かType 2280かわかりませんでの、SSD購入前に本体内部を確認してください。
ゲーム性能について
ゲーム系ベンチマークを試したところ、処理の重い重量級ゲームでも画質を落とせばそこそこ快適に遊べそうでした。少し重い程度の中量級タイトルであれば、フルHDの最高画質でも快適です。
ただし、タイトルによっては安定しないことがあります。たとえばFF14ベンチとFF15ベンチについては、画質を上げるとシステムがリセットされて強制的に再起動してしまいました。試用機だけの固有の問題かもしれません。またPSO2では最高画質でベンチマークスコアがありえないほどガクッと下がっています。おそらくCPU内蔵グラフィックスの兼ね合いなどが影響しているのかもしれませんが、検証期間中では原因をつかめませんでした。
※テストはフルHDで実施
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | ※計測不能 |
標準品質 | ※計測不能 |
軽量品質 | 5745 / やや快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | ※計測不能 |
高品質 | ※計測不能 |
標準品質 | 1395 / 112.3 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 10510 / すごく快適 |
標準品質 | 13448 / すごく快適 |
低品質 | 14787 / すごく快適 |
PSO2ベンチ (軽い / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 3,084 |
3 | 14,790 |
1 (最低) | 62,298 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
モンスターハンターワールド:アイスボーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 48.4 FPS / 37 FPS |
高 | 63.6 FPS / 47 FPS |
中 | 95 FPS / 53 FPS |
低 | 90.3 FPS / 74 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
フォートナイト (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 72.3 FPS / 57 FPS |
高 | 88.7 FPS / 71 FPS |
中 | 163.5 FPS / 107 FPS |
低 | 186.3 FPS / 55 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 70.5 FPS / 54 FPS |
高 | 97.3 FPS / 78 FPS |
中 | 109.7 FPS / 69 FPS |
低 | 113.1 FPS / 95 FPS |
非常に低い | 125.4 FPS / 105 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽量級 / DX10)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 122.1 FPS / 109 FPS |
ウルトラ | 159 FPS / 142 FPS |
高 | 208.5 FPS / 190 FPS |
NORMAL | 218.2 FPS / 197 FPS |
低 | 265.5 FPS / 225 FPS |
※レンダースケール100%、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 45 FPS / 13 FPS |
中 | 66 FPS / 31 FPS |
低 | 73 FPS / 12 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ファークライ ニュードーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 66 FPS / 52 FPS |
中 | 76 FPS / 63 FPS |
低 | 85 FPS / 69 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
画質 | 平均FPS |
最高 | 61 FPS |
中 | 75 FPS |
最低 | 102 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
熱と騒音について
FF14ベンチを30分間連続駆動させ続けたときのCPUクロックを計測したところ、1.5~4.2GHzのあいだで推移していましたが、5分を過ぎたあたりから平均2GHz程度で推移していました。温度は一時的に99度まで上がったものの、平均的には75度程度と問題はない範囲です。モニタリングデータを見る限りではサーマルスロットリングは発生していなかったので、かなりシビアな温度調節が行なわれているのだと思います。
本体の熱はゲームでよく使うWASDキー周りはそれほ熱くはありません。しかしキーボード中央では50度近くに達し、排気口付近では60度を超えていました。ゲーム中は不用意に触らないほうがいいでしょう。
駆動音 (ファンの回転音や排気口からの風切音)は大きめです。軽めの作業ではほとんど気になりませんが、重いゲームを長時間プレーするちょっと気になりました。と言っても、隣の部屋まで聞こえるほどではありません。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
軽作業時 | 37.7dBA | ほぼ無音 |
FF14ベンチ時 | 47.4dBA | 排気音と甲高いファンの回転音が目立つ。うるさすぎるほどではないが、長時間聞き続けるのはツライ |
価格について
Dell G5 15 (5505) には、パーツ構成やオフィスの有無が異なる3種類のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおりです。
■価格
スペック | 税込価格 |
---|---|
Ryzen 5 4600H + 8GBメモリー + 512GB SSD + 120Hz | 13万円台半ば |
Ryzen 7 4800H + 16GBメモリー + 512GB SSD + 144Hz | 15万円台半ば |
Ryzen 7 4800H + 16GBメモリー + 1TB SSD + 144Hz | 16万円台半ば |
※GPUはすべてRadeon RX 5600M
価格はタイミングによって大きく変わります。通常は標準価格の15%オフで販売されていますが、セールで17~20%で販売されているときが狙い目です。現在の価格については、以下のリンクからご確認ください。
Dell G5 15 SE (5505)の価格をチェック
CPU性能が高く手頃なミドルレンジ
よかった点
CPU性能は非常に優秀です。ベンチマークスコアを見る限りでは、なぜこれほどのパフォーマンスでこんなに安いのか不思議でなりません。ゲーム以外でもCPU性能が重要となる作業にも向いています。
ゲーム性能については、ミドルレンジ相当で十分なレベル。ただしインテル+NVIDIAのミドルレンジ機種に比べると、1~2万円程度安く購入できます。CPU性能が高く値段もお手頃な、コスパの高いミドルレンジゲーミングノートPCです。
気になる点
ゲームによってはベンチマークテストが正常に動作しなかった点が気になります。試用機固有の問題かもしれませんし、内蔵グラフィックスとどちらの処理を優先するかがうまく設定できていないのかもしれません。解決方法はあると思うのですが、検証期間中には見つけられませんでした。
また個人的には虹色に光る本体カラーはどうなのかなと思います。ただのシルバーのほうが落ち着きがあっていいような気するのですが。
※2020年9月26日時点
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