
※機材提供:株式会社グリーンハウス
グリーンハウスの『GH-ELCG27WB』シリーズは、27インチWQHD(2560×1440ドット)でリフレッシュレート180Hzのゲーミングディスプレイです。標準価格は3万9800円ですが、アマゾンや楽天などでは3万5000円前後で販売されています(記事執筆時点)。

ゲーム機では1440p 120Hzディスプレイとしても利用可能
実際に使って感じたのは、「27インチWQHDは作業にも使える」点と「見た目が非常にイイ」点です。ガチゲーマーには24インチ前後のフルHDが人気ですが、カジュアルゲーマーならゲーム以外の作業がはかどる27インチWQHDがおすすめ。また今回使ったホワイトのモデルはデザインがとてもカッコよく、環境を白で統一している人やそうでない人でも、高い満足感を得られるはずです。
加えてこのクラスの機種には珍しく、PIPにも対応している点もポイント。

仕事をしながらゲームを楽しめるPIP機能にも対応
そこで今回はGH-ELCG27WBの実機を使って、外観や映像品質、実際に使った感想などをレビューします。

おことわり
・この記事の検証では、メーカー提供機材を利用しています。また記事中のリンクからほかのサイトを開き物品を購入すると、当サイト運営元が報酬を得る場合があります。
・記事執筆にあたり、機材を1週間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。
・記事の公開にあたり、メーカーによる事前の確認や校閲は受けていません。
スペック
画面サイズ | 27インチ |
---|---|
パネル | AHVA |
解像度 | 2560×1440ドット (WQHD) |
画素ピッチ | 横0.2331mm×縦0.2331mm |
リフレッシュレート | 最大180Hz(DP)、最大144Hz(HDMI) |
応答速度 | 5ms(最高設定時1ms) |
色域 / 輝度 | ※表記なし / 300㏅/㎡(300nit) |
映像入力 | HDMI×2 / DisplayPort 1.4×2 |
HDR | 対応 |
VRR | VESA Adaptive-Sync |
スピーカー | なし |
チルト角度 | 前方5度~後方20度 |
ピボット / スイーベル | 対応 / 左右20度 |
高さ調節 | ±120mm |
VESAマウント | VESA75 |
サイズ / 重量 ※スタンド含む |
幅619mm 奥行き269mm 高さ555mm / 約5.5kg |
インターフェース | ヘッドホン端子 |
付属品 | 電源ケーブル、HDMIケーブル、DPケーブル、VESA取り付けようスペーサー など |
パッケージと設置
パッケージ

GH-ELCG27WBのパッケージ

パネル以外の同梱物

ケーブルはHDMI用とDisplayPort用がそれぞれ1本ずつ

電源はACアダプター方式。アダプター部分の取り回しが面倒ですが、電源コード直差しタイプに比べて本体側をスリムにできるメリットがあります

VESAマウント利用時用のスペーサー
設置方法

ベース部分にスタンドを取り付け。付属スタンドを利用する場合は、ドライバーは不要です

背面部分にカチッとはめ込みます

組み立てはこれだけでOK。時間はかからず、非常に簡単です
ディスプレイアームの取り付け

対応するのはVESA 75

マウント部分。まずはここに取り付けられている4本のネジを、ドライバーで取り外します

次に付属のスペーサーを取り付け。その後、ディスプレイアームを取り付けてください
本体の外観
デザイン

GH-ELCG27WBの前面

背面のデザイン。本体カラーはホワイトとブラックの2色で、今回使用したのはホワイトのモデル

ホワイトのモデルは、かなり見た目がカッコいい印象です。PS5との組み合わせにも合いそう

側面からの外観

背面にはブルーのLED。OSDでオン/オフを設定できます

OSD操作用のボタンは、パネル下部に設置されています。電源オン時にはここがブルーに点灯、エラーが生じているときは赤く点灯します

スタンド部分は広く空いているものの、あまり広くはありません。コンパクトなキーボードなら比較的奥に押し込めますが、テンキー付きのフルサイズなキーボードだと、もうちょっと手前側に配置することになるでしょう

スッキリとした外観で、とてもカッコいい!

ただ、個人的には非表示領域(周囲の黒い部分)が大きく感じました
可動範囲

画面のスイーベル(首振り)は左右20度

チルト角度はうしろ20度、前5度

高さ調節は最大12cm

ピボットは左右90度に対応
インターフェース

端子類は背面に配置。左から電源コネクター、HDMI×2、DisplayPort×2、3.5mmステレオジャック
スピーカー
GH-ELCG27WBはスピーカー非搭載です。PCやゲーム機側にヘッドホンやスピーカーを接続したり、GH-ELCG27WBのヘッドホン端子にサウンド機器をつなぐなどして音声を再生してください。
OSD

パネル下部の操作スティックを右方向に倒すと詳細メニューが表示されます

左側に倒すと映像入力、上方向に倒すとカラーモードを選択可能。スティックは上下が選択、左右が決定/キャンセル。操作がちょっと独特です
ゲーム系機能
主な機能
標準モード | 標準的な映像プリセット。輝度やコントラストの変更が可能 |
---|---|
RTS/RPGモード | コントラストとシャープネスが高い。ゲームの映像を楽しみたい人向け |
FPSモード | 応答速度が速く、色味がやや青い。動きの速いゲーム向け |
MOBAモード | 輝度がもっとも高い |
Adaptive-Sync | VESA Adaptive-Syncの有効/無効の切り替え。有効にすることで、ティアリングやカクつきを抑えられる |
シャドウバランス | 暗い部分を明るく表示する ※効果は後述 |
リフレッシュレート | 画面にリフレッシュレートの設定値を表示する |
ゲームクロスヘア | 画面中央にクロスヘア(照準)を表示する |
タイマー | カウントダウンタイマーの表示設定、時刻設定などを行なう |
ダイナミック輝度 | 表示画面に合わせて、画面の一文の輝度を調節する |
HDR | HDRの有効 / 無効の切り替え |

「リフレッシュレート」で表示されるグラフ

「ゲームクロスヘア」で表示される照準。複数のプリセットのなかからパターンを選択可能
映像系の機能

※HDR、Adaptive-Sync、ゲームモード有効時は、一部の機能を利用できません
主な機能
輝度 | 画面の明るさを調整 |
---|---|
コントラスト | 色のメリハリ、鮮やかさを調整 |
DCR | ダイナミックコントラスト。さらに色のメリハリを強調する |
ピクチャーモード | シーンに合わせて色味をプリセットから変更する |
シャープネス | 映像の輪郭や境界を調整する |
PIP/PBP
プリセットの種類
PIP/PBPモード | PIP/PBPモードの有効/無効を切り替えます |
---|---|
SubWin入力ソース | PIP/PBPモード有効時におけるサブウィンドウ(追加画面)の映像入力を指定 |
オーディオソース | 3.5mmヘッドセットで、どの映像入力からの音声を再生するかを選択 |
PIP位置 | PIPモードにおけるサブウィンドウの位置を選択 |
PIPサイズ | PIPモードにおけるサブウィンドウの大きさを選択 |
ウィンドウスワップ | メイン / サブウィンドウの画面表示を入れ替え |

PIPモードを有効にした状態。メイン画面の一部に、サブ画面を表示できます

PBPモードを有効にした状態。基本的にはそれぞれアスペクト比8:9の画面にストレッチ(変形)されます
映像品質
画面サイズと解像度

画面サイズは27インチで、解像度は2560×1440ドットのWQHD

27インチWQHD(1440p)はドット・バイ・ドットの100%表示でも文字が見やすく、デスクトップの作業領域を大きく使える点が魅力です。フルHDに比べて情報量が多いので、作業効率がアップするでしょう

2560×1440ドットのゲー綿はフルHDよりも高精細で美しいのですが、PC / ゲーム機側にそれなりのパフォーマンスが必要です。PCであれば、RTX 3070またはRTX 4060 Ti以上は欲しいところ。ゲーム時はフルHDに落としてプレーするのもアリ
画素密度の比較
画面サイズと解像度 | 画素密度 |
---|---|
23.8” FHD | 93ppi |
27” WQHD | 109ppi |
27” 4K | 163ppi |
31.5” WQHD | 93ppi |
31.5” 4K | 140ppi |
映像の色合いと明るさ

色域は公開されていませんが、カラーキャリブレーター(i1Display Pro)で計測したところ、sRGBカバー率は100%でした。PC用ディスプレイとしては、標準的な結果です。パネルはIPS相当の「AHVA」。視野角も広く、映像を斜めから見ても色や明るさは大きく変わりません
色域測定結果(プリセット:ゲーム)
sRGBカバー率 100% | sRGB比 127.1% |
DCI-P3カバー率 93% | DCI-P3比 93.7% |

ディスプレイ映像のガンマカーブを確認すると、赤が少し強く出ている(下方向へ出ている)ことがわかります

キャリブレーション前(左)とキャリブレーション後(右)の映像の比較。sRGBを基準としたPC用ディスプレイでは弱い「赤」が強く出るように、チューニングされているようです。「正確な色」よりも「メリハリのある鮮やかな色」を目指していると思われます

明るさは公称値で300㏅/㎡。実測で310㏅/㎡でした。標準では輝度が90%に設定されています

USB顕微鏡で撮影したRGB画素。左は画素にピントを合わせた状態で、右は表面の非光沢パネルに合わせた状態。フィルムやシートによる光の散らばりは少なく、体感的にはギラつきを感じませんでした。ただし上記チューニングの影響なのか、色の強さを感じます

明るさを最低にして画面に白を表示した状態。左右の端にバックライトのムラがわずかに感じられます。とは言え、通常利用ではまったく気になりませんでした

明るさを最大にして黒を表示した状態。左下からわずかに光の漏れが感じられますが、普通は気がつかない程度でしょう ※中央下部の光は操作スティックのLED
HDR

GH-ELCG27WBはHDRに対応しており、ディスプレイ側(OSDで操作)と映像機器側でHDRを有効にすると利用できます。ただしPCで確認したところ映像はややくすんだように感じました。ゲームタイトルや再生コンテンツとの相性がありそうです

HDRをオフにしたときの映像。こちらのほうが映像が明るく鮮やかに見えます。HDRはゲーム機で利用するのにとどめたほうがいいかもしれません
ゲーム向けの機能について
リフレッシュレート

リフレッシュレートはDisplayPort接続時で最大180Hz、HDMI接続時で最大144Hz ※写真の画面はプレー中ではなく、過去のスクリーンショットです
映像の残像について

応答速度はOSDで調整できます。速度調整を行なっていない状態(公式スペック上では5ms)では、残像が4フレーム目まで見えるか見えないかぐらい ※写真はシャッタースピード1/1600で撮影

応答速度「低」の状態。「オフ」の状態から4フレーム目の残像は完全に見えなくなり、3フレーム目の残像がやや薄くなっているように感じます

応答速度「中」の状態。「低」の状態から3フレーム目の残像がさらに薄くなっているように感じます。過去の事例から雑に判断すると、おそらくこれで3~4ms台ではないでしょうか

応答速度「高」の状態(1ms)。逆残像(オーバーシュート)が出ているので、実利用は厳しいでしょう

「FPSモード」で応答速度を「中」にした状態。画面の青みは増していますが、この組み合わせがもっとも残像の影響が少なく感じました
シャドウバランス

標準では「シャドウバランス」は50%に設定されています。黒色を薄くしたいなら、70%前後がバランスがいいでしょう
ゲーム機での利用

ニンテンドースイッチでは、フルHDの60Hzで動作。音声が出ないので、別途スピーカーやイヤホン・ヘッドホンなどを用意する必要があります

PS5での動作も確認。こちらもディスプレイからは音が出ないので、別途サウンド機器を用意してください

PS5では1440pでの120Hz動作が可能

PS5向けのVRRには対応していません
考察とまとめ
仕事とゲームどちらにも使える
個人的にはディスプレイ1枚で作業を行なうなら、27インチのWQHDが最適だと思います。ガチゲーマー勢には23.8インチフルHDのゲーミングディスプレイが人気ですが、この組み合わせはゲーム以外の作業には向いていません。特に複数のソフトを同時に使うような作業では、デスクトップがフルHDより大きいほうが作業がはかどります。27インチWQHDならドット・バイ・ドットの100%表示でも、文字は普通に読める大きさです。個人差はありますが、年齢とともに視力が低下している人でも、この組み合わせなら問題ないでしょう。

27インチのWQHDは作業領域を広く使えるので、フルHDよりも作業効率がアップします
加えて、ゲーミング性能は十分なレベルです。DP接続時は最大180Hzと、現在主流の144~165Hzよりもやや高め。HDMI接続時は144Hzであるものの、いまどきのゲーミングPCでDPを使えないことはほぼあり得ませんし、またHDMIはゲーム機側に回すのであればまったく問題ありません。PIP機能で作業のあい間にゲーム機でゲームを楽しむのもアリです。

PIPモードを使えば、作業画面とゲーム画面を同時に表示できます
GH-ELCG27WBの価格は、標準で3万9800円。しかしセール時期であれば、3万5000円程度で購入できます。27インチWQHDで144Hz以上のゲーミングディスプレイにはさらに安いものがありますが、安いモデルはPIP機能がなかったり、海外インディーズメーカー系でサポートや品質面でちょっと不安があったりするかもしれません。ゲーム以外にも使える、あるいはゲームと同時に使えるという点において、GH-ELCG27WBは悪くないチョイスではないでしょうか。
見た目も映像も「映える」
さらにGH-ELCG27WBを別の角度から見ると、いろいろと見栄えのいい製品だと言えます。
まず白のモデルは、デザインが非常にカッコいい。PC環境を白で統一したい人にはピッタリですし、PS5との組み合わせにもバッチリです。もちろん白以外の機器を使っている人でも、見た目の満足感はかなり高いでしょう。

非常にカッコいいホワイトモデル
もうひとつは、映像は鮮やかである点です。PCでは標準的な100% sRGBよりも派手な色合いですが、やはり色が鮮やかだと映像を見ていてワクワクします。ゲームをWQHDで動かせるパワーがPCにあるなら、インパクトのあるゲーム映像を楽しめるはず。

映像が高精細で鮮やか
気になった点
実際に使ってみて気になったのは2点。まずひとつ目は、パネル周囲の非表示領域がやや太い点です。もう少し細ければ、見た目はよりスタイリッシュになったはず。しかしパネルの強度や価格との兼ね合いもあるので、ここは妥協するべきかもしれません。
ふたつ目は、USBハブ機能がない点。ディスプレイにマウスやキーボード、Webカメラやマイクなどを接続できれば、より便利になることは間違いありません。ただこの点についても、価格との関係があるので仕方がないことです。
オススメ度は高い
個人的な高評価ポイントは「作業用ディスプレイとしての使いやすさ」と「見た目の良さ」、そして「PIPが使える点」です。特に「メインは仕事用だけどゲームでも使いたい」あるいは「ゲームメインだけど、作業にも使いたい」という用途にはピッタリのはず。加えて見た目も良く、高い満足感を得られるでしょう。ガチゲーマーではないけど、ゲームをしっかり楽しみたい人はぜひチェックしてみてください。

いろんな用途で便利に使える点では高コスパです

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