ポイント
- 高コスパなRyzen搭載
- ミニタワー型としては小さい
- VGA (D-sub15ピン)対応
HP Desktop M01のスペック
CPU | ・Ryzen 3 3200G ・Ryzen 5 3400G |
---|---|
メモリー | 8GB (最大32GB) |
ストレージ | 2TB HDD |
グラフィックス | ・Radeon Vega 8 (Ryzen 3) ・Radeon RX Vega 11 (Ryzen 5) |
チップセット | B550 |
電源 | 180W (80PLUS GOLD) |
※2020年6月12日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | ※独自仕様 |
---|---|
SATAポート | 3 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用×1+ストレージ用×1) |
光学ドライブ | DVDライター (DVDスーパーマルチ) |
ドライブベイ | 3.5インチ×2 |
拡張スロット | PCI Express x16×1 PCI Express x1×1 |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | 4 (Gen2×2、Gen1×2、前面) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 4 (背面) |
USB Type-C | - |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | 1 |
DisplayPort | - |
DVI | - |
シリアルポート | - |
PS/2 | - |
サイズ | 幅155mm 奥行き303mm 高さ337mm |
重量 | 約4.7kg |
付属品 | USBマウス、USBキーボード、電源ケーブルなど |
オフィス | なし ※オプションで追加可能 |
この記事では筆者が購入した実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
※2020年6月12日時点、価格や構成は変更されることがあります
本体の外観
HP Desktop M01は、デスクトップPCとしては一般的なミニタワー型に分類されます。ただし標準的なミニタワー型に比べてひと回り以上コンパクト。十分な機能やインターフェースを備えながらも、設置に場所を取りません。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
機能:◎ 拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
機能:◎ 拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
機能:○ 拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
機能:△ 拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
前面のインターフェース
- ① 光学ドライブ
- ② 電源ボタン
- ③ ヘッドセット端子
- ④ USB3.1 Gen1
- ⑤ USB3.1 Gen2 (10Gbps)
- ⑥ SDカードスロット
背面I/Oパネルのインターフェース
- ① オーディオ端子
- ② VGA (D-sub15ピン)
- ③ HDMI
- ④ USB2.0
- ⑤ USB2.0
- ⑥ 有線LAN
分解方法とパーツ交換について
HP Desktop M01は、左側面のパネルを外すことでメンテナンスやパーツ交換を行なえます。ただし取り外すパーツが多く、作業は少々面倒です。また本体サイズがコンパクトなこともあり、拡張性は標準的なミニタワー型ほどではありません。
拡張スロットの構成
- ① PCIExpress x1
- ② M.2スロット
- ③ PCIExpress x16
HP Desktop M01のベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | エレメンタルモデル |
---|---|
CPU | Ryzen 3 3200G |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 2TB HDD |
グラフィックス | Radeon Vega 8 Graphics (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記しています。ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
ストレージ性能
ストレージは2TB HDDです。アクセス速度はSSDより遅く、ファイル操作やウィンドウズの起動に若干時間がかかります。とは言え、実際に使ったところでは気になるほど遅くはありませんでした。
ただし長期間使い続けるうちに、反応が遅くなる可能性が大です。ストレージ用のM.2スロットが用意されているので、システムドライブをSSDに変更すればより快適に利用できるでしょう。
CPU性能
CPUとしては、AMDのRyzen 3 3200GまたはRyzen 5 3400Gが使われています。CPU性能を計測するベンチマークテストを試したところ、デスクトップ向けCPUとしては低めの結果でした。ほかのCPUと比べると、インテルのCore i3よりもやや下程度。とは言え、普段使いやビジネスには十分なパフォーマンスです。
上位モデルで使われているRyzen 5 3400Gであれば、もう少し高いパフォーマンスを見込めるでしょう。性能的にはCore i5よりもやや下程度ですが、これでも十分高性能です。
CPUの性能比較
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i9-9900K |
19867
|
Core i7-9700K |
17208
|
Core i7-9700 |
17114
|
Core i7-8700 |
15412
|
Core i5-9400 |
12179
|
Core i5-8400 |
11229
|
Ryzen 5 3400G |
9383
|
Core i3-9100 |
8784
|
Core i3-8100 |
8027
|
HP Desktop M01 (Ryzen 3 3200G) |
7643
|
Pentium G5400 |
4969
|
Celeron G4930 |
3377
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Vega 8 (Ryzen 3)またはRadeon RX Vega 11 (Ryzen 5)が使われます。エントリー向けのGTXシリーズよりも性能は劣るものの、CPU内蔵タイプとしては高性能です。ゲームやクリエイター向けソフトで多少の効果を期待していいでしょう。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8893
|
GTX 1050 |
6945
|
HP Desktop M01 (Ryzen 3) |
2178
|
UHD 630 (Core i7) |
1359
|
UHD 630 (Core i5) |
1051
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCとしての汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
6712 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
6069 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
3546 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。Ryzen3搭載機ではすべてのテストにおいて、目標スコアを上回りました。インテルのCore i3やCore i5搭載機ではコンテンツ制作の目標値をクリアーできないことが多いのですが、もしかするとRyzenシリーズの高いグラフィックス性能が影響しているのかもしれません。意外にもさまざまな用途で使える、汎用性の高い機種です。
ゲーム系ベンチマーク結果
CPU内蔵グラフィックスの性能が高いとは言え、重いゲームを楽しめるほどではありません。実際にゲーム系ベンチマークテストを試したところ、解像度を1280×720ドットに落としても、かなり厳しい結果が出ました。PCゲームとしては非常に軽いドラクエ10であれば、フルHDの高画質でも快適にプレー可能とのこと。2D描画主体の軽いゲームであれば、なんとか遊べるといったレベルでしょう。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 874 / 動作困難 |
標準品質 | 1649 / 動作困難 |
軽量品質 | 2023 / 重い |
※1280×720ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 2987 / 20.3 FPS |
高品質 | 3129 / 21.3 FPS |
標準品質 | 4754 / 33.4 FPS |
※1280×720ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 5356 / 快適 |
標準品質 | 7794 / とても快適 |
低品質 | 8464 / とても快適 |
※1920×1080ドットの結果
価格について
HP Desktop M01には、パーツ構成の異なる2種類のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおりです。
ラインナップ
エレメンタル | モデレート |
---|---|
Ryzen 3 3200G | Ryzen 5 3400G |
8GBメモリー | |
2TB HDD | |
Radeon Vega 8 (APU内蔵) | Radeon Vega 11 (APU内蔵) |
DVDライター (DVDスーパーマルチ) | |
USBキーボード、USBマウス付属 | |
5万0380円 | 5万8080円 |
2020年6月12日時点、価格は税込
タイミングによっては、期間限定のキャンペーンで安く販売されていることがあります。以下のリンクからキャンペーン情報をチェックしてみてください。
オンライン限定キャンペーンの価格
エレメンタル (Ryzen 3) | 4万7080円 |
---|---|
モデレート (Ryzen 5) | 5万3680円 |
2020年7月30日時点、価格は税込
リンク
十分な性能でコンパクト&手頃な値段
よかった点
CPU性能はやや低めですがグラフィックス性能がインテル系CPUよりも高く、トータルのバランスに優れています。プロ向けのソフトをバリバリ使いこなせるほどではありませんが、ちょっとしたさまざまな用途で活用できるでしょう。
またミニタワー型としてはコンパクトな点もポイント。特に幅と奥行きが狭いので、設置に場所を取りません。値段も税込5万円台と手頃で、コスパの高い機種です。
気になる点
ストレージが低速なHDDのみである点が気になります。SSDを利用すると体感速度が大きく変わるので、ぜひSSD搭載モデルを用意していただきたいところです。
※2020年6月12日時点、価格や構成は変更されることがあります
*
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