機材貸し出し:株式会社日本HP
日本HPの17.3型ノートパソコン「HP ENVY 17 k-200」は、グラフィックス機能として外付けGPU(dGPU)の「GeForce 840M」または「GeForce GTX 850M」を搭載しています。さらにCPUはCore i7-5500U(2.40GHz)でメモリー容量は8GB(最大16GB)と、かなりパワフルな構成です。普段の作業はもちろんのこと、ゲームや動画編集など負荷の高い作業でも快適にこなせる性能を持っています。
そこで今回はメーカーからお借りした「HP ENVY 17 フルHDモデル(HP ENVY 17-k220TX)」(メモリーを16GBに増設済み)を使って、各種ベンチマークの結果や実際の使用感を紹介します。
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各モデルと試用機のスペックについて
今回の検証では、「HP ENVY 17 k-200」シリーズの「HP ENVY 17 フルHDモデル(HP ENVY 17-k220TX)」を利用しています。各モデルの主なパーツ構成は、以下の表のとおり。標準のスペックではメモリー容量が8GBになっていますが、試用機では16GBのメモリーが搭載されていました(メモリー容量は購入時の追加オプションで16GBへ増設可能です)。なお、パーツ構成やタイミングによってはベンチマーク結果が異なることがありますので、あらかじめご了承ください。
HP ENVY 17 k-200に用意されているモデル | |||||
パフォーマンスモデル・特別モデル | パフォーマンス3年保証モデル | フルHDモデル・キャンペーンモデル | 『ドラゴンクエストⅩ』 推奨パソコン(特別限定モデル) | プレミアム・フルHDモデル | |
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型番 | HP ENVY 17-k210TX | HP ENVY 17-k220TX | |||
税込み合計金額(送料込み) | 10万2384円 | 12万744円 | 13万2624円 | 14万3424円 | 14万3424円 |
OS | Windows 8.1 Update 64bit | ||||
CPU | Core i7-5500U(2.4GHz) | ||||
メモリー | 8GB | ||||
ディスプレイ | 1600×900ドット、光沢 | 1920×1080ドット、非光沢 | |||
グラフィックス | NVIDIA GeForce 840M(2GB) | NVIDIA GeForce GTX 850M(4GB) | |||
ストレージ | 1TBハイブリッドHDD | 256GB SSD(SATA M.2接続)+1TB HDD | |||
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | ブルーレイディスクドライブ | |||
無線機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac | ||||
有線LAN | 1000BASE-T対応 | ||||
Webカメラ | 92万画素 | ||||
インターフェース | USB3.0×3、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 | ||||
サイズ | 幅422×奥行き281×高さ29.5~32.2mm | ||||
重量 | 2.88kg | ||||
バッテリー駆動時間 | 4時間15分(MobileMark 2012) | ||||
保証期間 | 1年間 | 3年間 | 1年間 | 3年間 | 1年間 |
CPUはBroadwell世代のCore i7-5500U
HP ENVY 17 k-200シリーズでは、CPUにBroadwell世代のCore i7-5500Uを採用しています。2コア4スレッドで動作するデュアルコアCPUで、動作周波数は2.40GHz、最大動作周波数は3GHzです。Ultrabookや薄型ノートパソコン向けのCore i7 Uシリーズのなかでは、いまもっともよく使われています。
メモリー容量は標準で8GB。最大16GBまで増設可能
メモリー容量は、全モデル共通で8GB。多少重めのソフトも問題なく使える、十分な容量を搭載しています。ただし、ファイルサイズの大きい写真や動画を扱うなら、より多くの容量を搭載していたほうが快適に動作します。液晶ディスプレイの解像度が1920×1080ドットの「HP ENVY 17-k220TX」なら、購入時の追加オプションで16GBメモリーを選択できるので、必要に応じて追加するといいでしょう。解像度が1600×900ドットの「HP ENVY 17-k210TX」は8GBまでなので注意してください。
標準で外付けGPUを搭載!
HP ENVY 17 k-200は、標準で外付けGPUを搭載しています。GPUの種類はモデルによって異なり、解像度が1600×900ドットのHP ENVY 17-k210TXでは「GeForce 840M」、解像度が1920×1080ドットのHP ENVY 17-k220TXでは「GeForce GTX 850M」が使われています。
GeForce 840MとGeForce GTX 850Mでは、後者のほうが高性能です。GPUの名前に含まれる「GTX」とは、「ゲームに使えるほどパワフルなGPU」であることを表わしています。名前に「GTX」が含まれないGeForce 840Mでもある程度はゲームを遊べますが、高解像度&高画質でプレーするならGeForce GTX 850Mを搭載したモデルを選ぶべきでしょう。
上位モデルはSSD+HDDのデュアルストレージ構成
HP ENVY 17-k210TXでは、ストレージに1TBのハイブリッドHDDを採用しています。「ハイブリッドHDD」とはフラッシュメモリ(SSD)とHDDを組み合わせることでアクセス速度を高速にしたHDDのこと。標準的なHDDよりも高速にファイルを読み書きできます。
それに対して上位モデルのHP ENVY 17-k220TXでは、システム用のストレージに256GB SSD、データ保存用のストレージに1TBのHDDを採用しています。SSDはHDDよりも数倍程度アクセス速度が速いのが特徴。その高速なSSDにWindows 8.1をインストールすることで、システムがより快適に動作するようになるのです。
ただしSSDは、容量が256GBしかありません。そのためCドライブに写真や動画を貯めこむと、空き容量がすぐになくなってしまいます。サイズの大きいファイルについては、HDDのDドライブに保存するようにしましょう。
光学ドライブはモデルによって異なる
下位モデルのHP ENVY 17-k210TXでは、光学ドライブとしてDVDスーパーマルチドライブを搭載しています。上位モデルではブルーレイディスクドライブで、どちらも光学メディアの書き込みに対応しています。
容量が大きく市販メディアの画質がきれいなのは、ブルーレイディスクドライブです。デジタルビデオカメラで撮影したフルHD動画を美しく残すなら、ブルーレイビデオとして保存するのがおすすめ。書き込み可能な容量も大きく、バックアップ用として使うのにも向いています。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は?
ここからはHP ENVY 17-k220TXのベンチマーク結果を紹介しましょう。Windows 8.1の快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果については、以下の表のとおりとなりました。なお結果をイメージしやすいよう「Windowsエクスペリエンスインデックス」に置き換えています。
HP ENVY 17-k220TXのWindowsエクスペリエンスインデックス | |
プロセッサ(CpuScore) | 7.4 |
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メモリ(MemoryScore) | 7.6 |
グラフィックス(GraphicsScore) | 6.2 |
ゲーム用グラフィックス(GamingScore) | 6.2 |
プライマリハードディスク(DiskScore) | 8.1 |
グラフィックス周りのスコアがあまり高くはありませんが、これはテストにCPU内蔵のIntel HD Graphics 5500が使われているため。実際の性能については、もう少し上と見て構いません。そのほかのスコアについても軒並み高めの結果が出ており、しばらくのあいだはWindows 8.1を快適に使えそうです。
CPU性能はかなり高め
CPU性能を計測する「CINEBENCH」の結果を見てみると、「CPU」のスコアが「279cb」(CINEBENCH R15)と、15W版のUシリーズとしてはかなり高めの結果が出ています。写真の加工や動画編集など、負荷の高い処理でも快適に作業できる性能です。
ストレージは書き込み速度がやや遅い?
ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」を試してみたところ、シーケンシャルリードで497.9MB/秒と十分高速な結果となりました。一般的なHDDは100~110MB/秒程度ですので、4.5~5倍程度速いと言えます。
ただし、シーケンシャルライトのほうでは282.1MB/秒と、それほど速くはありませんでした。と言っても標準的なHDDの2倍以上のアクセス速度ですので、十分な効果を期待できます。
総合的な性能もかなり高い
「PCMark 8」で3種類のテストを試してみたところ、どれも比較的高めの結果が出ています。どのような用途でも、ストレスなく利用できるでしょう。ちなみにテストのスコアが2700以上であればおおむね高性能であると筆者は考えています。
少し気になるのは、一部のベンチマーク中にCPUの温度が80度にまで上昇している点。CPUが高温になるためわずかにサーマルスロットリング(CPUの熱を抑えるために一時的に動作周波数を下げる機能)が発生しているようにも見えますが、下げ幅はほんのわずかですので、それほどの影響はないものと思われます。また熱については排熱が効果的に行なわれていることもあって、本体を触っている限りでは特別熱いとは感じませんでした。
「PassMark」の「PerfomanceTest 8.0」でも、高めの結果が出ています。ゲーム用ノートパソコンには及びませんが、ハイミドルクラス以上の性能だと言っていいでしょう。
3D性能もなかなか良好!国内向けゲームなら問題なし!
総合的な3D性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の高い「Fire Strike」で「2543」という結果でした。海外の大作3Dゲームをプレーするには3500以上は欲しいので少々厳しい性能ですが、国内向けのオンラインゲームなら問題なくプレーできそうです。
ドラクエ10ベンチはフルHDで「快適」
「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン(ドラクエ10)」の快適さを計測する「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、1920×1080ドットの標準画質で「7848」の「とても快適」、最高画質で「6759」の「快適」というスコアでした。この結果から、HP ENVY 17-k220TXではドラクエ10をストレスなくプレーできることがわかります。
FF14ベンチは最高画質で「やや快適」
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、解像度1920×1080ドットの標準品質(ノートPC)で「6059」の「とても快適」、1920×1080ドットの最高品質(DirectX 9)で「2871」の「やや快適」という結果でした。最高品質でも問題なくプレーできますが、少しでもスムーズに動かしたいなら標準品質(ノートPC)か高品質(ノートPC)を選んだほうがよさそうです。
そのほかの結果については、以下の表のとおりです。標準的なDirectX 9よりも負荷の高いDirectX 11ではスコアがやや低くなっていますが、細かな画質調整を行なうことで快適にプレーできるものと思われます。
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」の結果(解像度1920×1080ドット) | ||
DirectX 9 | DirectX 11 | |
---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 6059(とても快適) | 4922(快適) |
高品質(ノートPC) | 3801(快適) | 3499(やや快適) |
最高品質 | 2871(やや快適) | 2453(普通) |
PSO2は問題なくプレー可能!
「ファンタシースターオンライン2」の快適さを計測する「PSO2キャラクタークリエイト体験版」では、解像度1920×1080ドットのウィンドウ表示で、簡易描画モード「3(標準画質)」の結果が「5134」、簡易描画モード「5(最高画質)」で「3177」という結果でした。
簡易描画モード「5」の最高画質では、標準的な動作が見込めるが設定変更でより快適になるという評価が出ていますが、ベンチマーク中はおおむね60FPS以上出ていました。ただキャラクターが多くなるとFPSが60を切る場面もあったので、このような評価となったのでしょう。実際には最高画質でも十分快適に遊べる範囲だと思います。
実際のバッテリー駆動時間は4時間55分
HP ENVY 17 k-200シリーズのバッテリー駆動時間は、カタログ上の公称値で4時間15分(MobileMark2012使用時)とされています。実際の利用では駆動時間が異なる場合もあるため、無線LAN経由でネットにアクセスし続けたときの駆動時間を計測しました。テスト条件については下記の通り。満充電の状態からテストを開始したところ、4時間55分でバッテリー残量が6%に達し休止状態へ移行しました。持ち運び向けではないものの、これだけ駆動すれば十分な結果だといえるのではないでしょうか。
バッテリー駆動時間のテスト条件
- Windows 8.1の電源プランを「省電力」に設定
- 液晶ディスプレイの明るさを40%に変更
- 無線LAN、Bluetoothをオンに
- ボリュームは50%に設定
- 「BBench」による10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
ちなみに試用機のバッテリーレポートを確認すると、設計上の(バッテリー)容量は43,680mWhでした。標準(およど36,000~38,000mWh)よりは容量が大きいため、そのぶん長く駆動したものと思われます。
性能と価格のバランスに優れた名機
HP ENVY 17 k-200シリーズのなかでも外付けGPUにGeForce GTX 850Mを搭載したHP ENVY 17-k220TXをゲーム用ノートパソコンとして見た場合、必ずしも最高性能モデルとは言えません。しかし、ドラクエ10やFF14をプレーするにはまったく問題ない性能を持っています。それでいて価格は税込み13~14万円程度と、比較的お手頃です。性能と価格のバランスに優れたモデルと言えるでしょう。
ドラクエ10やFF14を快適に遊べるノートパソコンが欲しいなら、HP ENVY 17-k220TXを選んでおけば間違いありません。液晶ディスプレイのサイズも17.3型と大きく、迫力のある画面でゲームを楽しめます。