2024年発売のパソコンHPノートパソコンレビュー

HP ProBook 445 G11レビュー:14インチで日本語配列重視ならコレ

3.0
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HP ProBook 445 G11

機材貸し出し:株式会社日本HP

通販でノートPCを買ったら、キーボードが残念仕様だった、なんて経験はないでしょうか。たとえばこんな風に。

IdeaPad Slim 360 Chromebook 配列

実機を確認しないまま通販でパソコンを購入すると、キーボードに違和感のある機種が届くことがあります ※写真はほかの機種

リーズナブルな海外メーカー製ノートPCでは、配列にクセのある日本語キーボードが採用されていることがよくあります。キー同士が隣接していたり、一部のキーがやたら小さかったり、変なところに使わないキーがあったり、などなど。慣れればなんとか使えるようにはなりますが、そこそこの金額を払ったのになにも知らされないまま、違和感のあるキーボードの製品が送られてくれば、納得したくない気分の場合もあるでしょう。

 

そんな人はまず、HPのミドルレンジ以上の機種をチェックしてみてください。エントリークラスにはクセのある配列の機種もありますが、最近は中級クラス以上の機種だと標準的な日本語配列が採用されています(一部機種をのぞく)。

 

『HP ProBook 445 G11』も、標準的な日本語配列キーボードを採用する14インチノートPCです。価格と性能&機能のバランスを重視したミドルレンジ(中級)クラスのビジネス向けモデルで、個人向けモデルよりも高い堅牢性と手厚いサポートがポイント。文章をガッツリ入力したい人に向いています。

HP ProBook 445 G11

HP ProBook 445 G11

HP ProBook 445 G11

HP ProBook 445 G11の日本語キーボード。

 

CPUはZen3+世代のRyzen 7035Uシリーズで、一般用途向けノートPCとしては上位クラスのパフォーマンスです。物理的にもセキュリティー的にも強固な上に、標準でWindows 11 Proを搭載。値段は11~13万円台あたりと特別安いわけではありませんが、性能と機能を考えれば十分納得できる金額だと思います。

 

この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。パソコンに安心感を求める人は、ぜひチェックしてみてください。

HP ProBook 445 G11

HP ProBook 445 G11

公式サイトを見るicon

おことわり

このレビュー記事では、メーカー貸し出し機材を1週間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。

スペック

発売日 2024年5月
OS Windows 11 Pro
ディスプレイ 14インチ、1920×1200(WUXGA)、非光沢、300nit
CPU Ryzen 5 7535U / Ryzen 7 7735U
メモリー 8 / 16GB DDR5-4800(スロット×2、最大32GB)
ストレージ 256 / 512GB NVMe SSD
グラフィックス Radeon 660M(Ryzen 5) / Radeon 680M(Ryzen 7)(CPU内蔵)
通信 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、有線LAN(1Gb)、4G LTE(オプション)
インターフェース USB Gen2 Type-C(PD/DP対応)×2、USB Type-A Gen1×2、HDMI2.1、ヘッドホン端子、nanoSIMスロット(LTE対応モデル)
生体認証 指紋センサー
サイズ / 重量 幅318.6×奥行き224.4×高さ10.9~17mm / 約1.44kg
バッテリー 最大 約10時間(JEITA3.0)

価格(記事執筆時)

スペック 価格
Ryzen 5 7535U / 8GB / 256GB 10万8689円
Ryzen 5 7535U / 16GB / 512GB 11万9249円
Ryzen 7 7735U / 16GB / 512GB 13万5089円
Ryzen 5 7535U / 16GB / 512GB / LTE 18万7889円

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外観

HP ProBook 445 G11の見た目は、普通のノートPCといった印象です。特別薄いわけでも小さいわけでもなく、シルバーの筐体はよくある雰囲気といった印象を受けます。

しかしビジネス向けノートPCは一般的に黒くてゴツいものが多いことを考えると、軽やかなスタンダードデザインは、それだけでも十分満足できるものかもしれません。いい意味で標準的です。

HP ProBook 445 G11

HP ProBook 445 G11の外観。本体カラーは明るいシルバー。個人向けモデルにはよくある雰囲気ですが、ゴリゴリのビジネス向けモデルではあまり見かけないかもしれません

HP ProBook 445 G11

ディスプレイを閉じると、比較的スリムに見えます

HP ProBook 445 G11

天板はアルミ製。サラサラとした手触りで、指紋の跡はほとんど目立ちません。電波の受信感度を上げるためのアンテナラインが配置されていますが、あまり目立たないように感じます

HP ProBook 445 G11

ディスプレイを開いた状態

HP ProBook 445 G11

ディスプレイは180度近くまで開きます

HP ProBook 445 G11

ディスプレイのベゼル(枠)は比較的細めです

HP ProBook 445 G11

キーボードのベゼルやパームレストはアルミ製。キーはダークグレー

HP ProBook 445 G11

底面部は樹脂(プラスチック)製

 

サイズと重量

HP ProBook 445 G11は、14インチのややコンパクトなディスプレイを搭載しています。一般的な15.6インチタイプよりも小さいため、設置面積が小さくてすむ点がポイントです。

 

重さは公称値で約1.44kg。持ち運べない重さではないものの、モバイル利用に快適というほどでもありません。これくらいの重さならガマンできるなら、外出先への持ち歩きに利用するのもアリでしょう。

 

HP ProBook 445 G11

大きさは幅318.6mm×奥行き224.4mm

HP ProBook 445 G11

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較。A4サイズよりもひと回り大きい程度で、14インチクラスとしては一般的な大きさです

HP ProBook 445 G11

厚さは公称値で17mmとのことでしたが、実測では19mm以上ありました

HP ProBook 445 G11

底面部のゴム足を含めると、22.8mm前後あります。設置時にはちょっと厚みを感じるかもしれません

HP ProBook 445 G11

見た目はスッキリと細身です

HP ProBook 445 G11

実測では1.456kg

HP ProBook 445 G11

実際に手に持つと、それなりのズッシリ感があります。持ち歩けない重さではありませんが、軽々というほどでもないでしょう

HP ProBook 445 G11

付属の電源アダプターは45WのType-C。重さは293g。他社製の軽くて小さい充電器のほうが持ち歩きに向いていますが、純正品以外を使うと警告画面が表示されるので注意してください(動作に影響はたぶんありません)

ディスプレイ

画面は、ミドルレンジクラスの14インチとしては一般的なスペックです。ただ格安モデルで使われているような、低品質のパネルではないと思います。高級機ほどの鮮やかさはありませんが、文字中心の作業向けであれば問題ないはずです。

HP ProBook 445 G11

画面サイズは14インチで、解像度は1920×1200ドット(WUXGA)

HP ProBook 445 G11

色合いはほどほどといったところ。違和感はないものの、sRGB 100%の高品質パネルほどではないように感じました。おそらく45% NTSCあたりの標準的なパネルが使われているのかもしれません

HP ProBook 445 G11

左が標準の色合いで、右がカラーキャリブレーション後の色合い。補正前は赤味がだいぶ落ち込んでいるように見えます

HP ProBook 445 G11

ディスプレイのガンマカーブ。赤がやや弱い(上方向にズレている)ものの、基本的なバランスはそう悪くはありません。パッと見では、違和感はないと思います

HP ProBook 445 G11

画面の明るさを最大にした状態の輝度は314nit。十分な明るさが出ており、明るい照明の下でも見づらく感じることはありませんでした。安いパネルだと輝度は200nit台で、そんなパネルだと青みがかって見えることがあります

HP ProBook 445 G11

ただデスクトップのスケーリング(拡大率)が「150%」に設定されているため、文字やアイコンが大きく感じるかもしれません。このままでは情報の表示量も少ないので、スケーリングを125%や100%に変えるといいでしょう

キーボード

海外メーカー製の14インチノートPCで、キーボードの日本語配列がちゃんとしているものはなかなかありません。筆者が把握する限りでは、HPのミドルレンジ~ハイエンドクラスだけです。日本語キーボードで違和感なく入力したいなら、HP製品を選ぶといいでしょう。

 

ただし評価が高いのは配列についてで、全体的な品質が高いわけではありません。タイプ感や仕上がりについては標準レベルです。

 

HP ProBook 445 G11

HP ProBook 445 G11のキーボード。標準的な日本語配列です

HP ProBook 445 G11

キーボード左側

HP ProBook 445 G11

右側。カーソルキーの上下はやや小さめ

ThinkPad X1 Carbon Gen 11

ThinkPad X1 Carbon Gen 11の日本語キーボード。20万円オーバーの高級機ですが、Enterキー周辺が窮屈に作られています

HP ProBook 445 G11

キーピッチは横19mm縦19mmの標準的な広さ。たわみや軸のブレは感じられず、入力時にカクッとしっかりした手応えを感じました。ただしタイプ音はやや響いて聞こえます。うるさくはないものの、静かな場所では軽く打つなどの配慮が必要かもしれません

HP ProBook 445 G11

Copilotキーが付いていますが、HP ProBook 445 G11は新たなAI PCの基準である「Copilot+」の要件を満たしていません

HP ProBook 445 G11

電源ボタンはこの位置。押し間違えやすい場所ではあるものの、ちょっと長押ししないと反応しないので、タイプミスくらいの操作では問題ないはずです

HP ProBook 445 G11

個人的に残念に感じるのが、キーがやや安っぽい点。キートップにはザラつきがあり、文字はコーティングがほどこされたシルク印刷です

 

端子類

端子類は十分な構成です。有線LANやHDMIなども用意されており、据え置き用としても問題ありません。メモリーカードスロットやThunderbolt 4には非対応ですが、ミドルレンジクラスであればこんなところでしょう。

HP ProBook 445 G11

左側面にはHDMI、USB Type-A、USB Type-C(PD/DP)×2、ヘッドホン端子

HP ProBook 445 G11

右側面にはnanoSIMカードスロット(LTE対応モデル)、USB Type-A、有線LAN、セキュリティーロック

HP ProBook 445 G11

キーボード右下には指紋センサー

HP ProBook 445 G11

ディスプレイ上部にはプライバシーシャッター付きの1080p 30fps対応カメラ

HP ProBook 445 G11

排気口はこの部分。温められた空気はディスプレイに直接当たらず、まずはヒンジ部分に当たります

堅牢性とセキュリティー

HP ProBook 445 G11

MIL-STD-810Hクリアーの頑丈設計

HP ProBook 445 G11は、米国国防総省制定の耐久基準「MIL-STD-810H」(通称「MILスペック」)の19項目の試験をクリアーしているとのこと。試験のl内容は、以下のとおり。

HP MIL-STD-810H

HPが実施しているMIL-STD-810Hの試験内容

これだけだとちょっとわかりづらいのですが、たとえばほかのメーカーだと試験項目が8~10種類だけだったりするので、そのぶん安心感はあるかなと思います

 

またさらに「HP Total Test Process」と呼ばれる独自の試験も行なわれています。試験内容は電気・通信・電力・信頼性・熱・音響・性能、落下や温度変化などなど。満員電車での圧力を想定した圧縮荷重試験なども行なわれています。

HP Total Test Process

落下や圧力などに対する耐久性を確認する独自の「HP Total Test Process」

 

HP製品で堅牢性(壊れにくさ)がアピールされているイメージはないのですが、テストを自体はしっかり行なわれているようです。それも一部では、他社製品よりも厳しいテスト内容かもしれません。某社なら安心とか◯◯じゃなきゃダメなんて声もありますが、これだけの試験が行なわれているのであれば、安心して使えるのではないでしょうか。

充実のセキュリティー機能

HP ProBook 445 G11はHPのセキュリティー保護機能「HP Wolf Security for Business」に対応しています。BIOS / ファームウェアレベルからメールやWebサイトへのアクセスまで、さまざまな場面で悪意ある攻撃からパソコンを保護することが可能です。

HP Wolf Security

起動時に表示される「HP Wolf Security」のロゴ ※写真は別の機種

 

UEFI(BIOS設定)からさまざまな機能を利用可能 ※写真は別の機種

 

HP Wolf Security

ソフトからはファイルやメール、アクセス先のWebページを監視 ※写真は別の機種

ベンチマーク結果

試用機のスペック

CPU Ryzen 7 7735U(Zen3+、8コア16スレッド)
メモリー DDR5-4800 16GB(8GB×2)
ストレージ 512GB NVMe SSD
グラフィックス Radeon 680M(RDNA2) ※CPU内蔵

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

パフォーマンス設定について

ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」、電源モードを「バランス」に設定した上で、電源アダプターを接続した状態で実施しています。専用ソフトなどを使ったパフォーマンス調整は行なっていません。

CPU性能

CPUとしては、AMD Zen3+世代のRyzen 5 7535UまたはRyzen 7 7735Uが使われています。世代的には最新ではないものの、現在の水準でも十分高性能です。

 

CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」を試したところ、優秀な結果が出ました。最新世代のハイエンドCPUには及ばないものの、十分な結果です。電源接続時とバッテリー駆動時では、マルチコア性能については大きな差は出ていません。ただしシングルコア性能では、17%程度落ち込みました。全体的に見て問題のない結果ですが、Ryzen 7000シリーズの弱点であるシングル性能の弱さがちょっと出ているかなという印象です。

 

最近のノートPCとの性能比較

CPU PassMark CPU Mark Score
HP ProBook 465 G11(Ryzen 7 7735U) 電源接続時
S1532
M10132
HP ProBook 465 G11(Ryzen 7 7735U) バッテリー接続時
S1272
M10254
Yoga 7i Gen 9(Core Ultra 7 155H)
S1751
M8704
HP 245 G10(Ryzen 7 7730U)
S1443
M9521
ThinkBook 16(Ryzen 5 7530U)
S1458
M7683
Inspiron 14 5445(Ryzen 7 8840U)
S1707
M10666
HP Pavilion Aero 13-bg(Ryzen 5 8640U)
S1677
M9317

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

 

CPU性能を計測する「PassMark CPU Mark」の統計データを参照すると、性能的には上位グループに位置していることがわかります。「最強レベルではないものの、それでも非常に優秀」と考えていいでしょう。電源駆動時とバッテリー駆動時の性能差もわずかです。

 

ノートPC向けCPUの性能差 (総合性能)

CPU PassMark CPU Mark Score
Ryzen 7 7840U
24988
Core Ultra 7 155H
24944
Ryzen 7 8840U
24588
テスト機(Ryzen 7 7735U) 電源接続時
21744
Core Ultra 5 125H
21813
Ryzen 7 7735U
21341
テスト機(Ryzen 7 7735U) バッテリー駆動時
20683
Ryzen 5 8640U
19266
Ryzen 7 7730U
18651
Core Ultra 5 125U
17935
Core 5 120U
17471
Core Ultra 7 155U
16624
Ryzen 5 7535U
16371
Ryzen 5 7530U
16190
Core 7 150U
13990
Core 3 100U
11885
Ryzen 3 7330U
10874
Ryzen 5 7520U
9301
Ryzen 3 7320U
9001
N100
5549

※そのほかのスコアはPassMark CPU Benchmarksによる集計値

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon 660M(Ryzen 5)またはRadeon 680M(Ryzen 7)が使われています。RDNA2世代で旧世代のCPUよりもグラフィックス性能が向上している点がポイント。ただしAMD製品に関して言えば現在はRDNA3に対応するCPUもリリースされており、現時点で最上位クラスというわけではありません。

 

3Dベンチマークテストの結果は以下のとおり。同じGPUの平均値を下回る結果でした。このくらいになると誤差レベルではなく、なんらかの制限がかかっていると思われます。

 

ノートPC向けGPUの性能(DirectX 12)

GPU 3DMark Time Spy Graphics
RTX 3050
4874
Intel Arc Graphics(Meteor Lake)
3759
GTX 1650
3444
Radeon 780M(RDNA3)
2727
Radeon 680M(RDNA2)
2350
Radeon 760M(RDNA3)
2282
テスト機(Radeon 680M)
1865
Iris Xe
1522
Radeon 660M(RDNA2)
1189

※そのほかのスコアはUL Solutionsによる平均値

 

とは言え、今回のHP ProBook 445 G11はビジネス向けの機種であり、ゲームや動画編集などを行なわないのであれば特に問題はありません。逆に言えば、ゲームや動画編集なども行ないたいのであれば、もっとグラフィックス性能が高い機種を選ぶといいでしょう。

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。

 

テスト結果の見方

テスト名 概要
Essentials
(一般利用)
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する
Productivity
(ビジネス利用)
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する

 

今回は電源接続時とバッテリー駆動時とで、同じテストを2回行ないました。どちらも目標値は大きく上回っており、一般的な作業であれば快適に利用できるでしょう。ただしバッテリー駆動時は電源接続時よりもパフォーマンスが下がります。

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
目標値:4100
電源9352
バッテリー7754
Yoga11277
HP2459902
ThinkBook9961
Ins1410649
Aero10100
Productivity
目標値:4500
電源9213
バッテリー6224
Yoga8283
HP2459336
ThinkBook9878
Ins1411053
Aero9964
Digital Contents Creation
目標値:3450
電源7209
バッテリー6608
Yoga8866
HP2455781
ThinkBook4833
Ins148243
Aero7374

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック

Yoga 7i Gen 9 Core Ultra 7 155H / 16GB / Intel Arc
HP 245 G10 Ryzen 7 7730U / 16GB / Radeon
ThinkBook 16 Gen 6 Ryzen 5 7530U / 16GB / Radeon
Inspiron 14 5445 Ryzen 7 8840U / 16GB / Radeon 780M
HP Pavilion Aero 13-bg Ryzen 5 8640U / 16GB / Radeon 760M

バッテリー性能

HP ProBook 445 G11

バッテリーの駆動時間は、公称値で最大 約10時間(JEITA3.0)とされています。しかしこれは消費電力を抑えた状態の結果で、実際の利用を想定した測定結果ではありません。実際の利用では、駆動時間が短くなりがちです。

 

そこで各種バッテリーベンチマークテストを行なったところ、概ね11時間前後でバッテリー切れとなりました。画面を明るくして重い作業をガッツリ行なえばもっと短くなるはずですが、これだけもてば十分な結果だと思います。

バッテリー駆動時間の計測結果(Ryzen 7モデル)

テスト方法 駆動時間
※公称値 最大 約10時間(JEITA3.0) / 最大 約14時間(MobileMark 25)
PCMark 10 Modern Office (ビジネス作業) 10時間44分
PCMark 10 Video (動画再生) 11時間39分
50%充電までにかかった時間 37分
フル充電までにかかった時間 1時間55分

※テストの条件や計測方法についてはコチラ

他機種との比較

同じHPから14インチのビジネス向けモデルとして、「HP 245 G10」が販売されています。HP ProBook 445 G11がミドルレンジクラスであるのに対して、HP 245 G10はよりランク低いエントリー(入門)向け。どちらも用途的には同じなので、どちらを購入するべきか迷う人もいるでしょう。

 

HP245 G10

エントリーグレードの「HP245 G10」

関連リンク

HP 245 G10 製品詳細(HP公式サイト)
icon

 

サイズは似ていても、使われているパーツの種類や仕上がりがまったく異なります。ここまで異なるのは、ちょっと珍しいくらいです。そのぶん値段の差もありますが、これくらいであれば値段が高いHP ProBook 445 G11を選んでもいいのではないでしょうか。個人的には、HP ProBook 445 G11のほうが満足度が高いと思います。

 

HP ProBook 445 G11とHP 245 G10の比較

HP ProBook 445 G11 HP 245 G10
HP ProBook 445 G11 HP245 G10
Windows 11 Pro Windows 11 Home
14インチ1920×1200ドット 14インチ1920×1080ドット
Ryzen 5 7535U
Ryzen 7 7735U
Ryzen 5 7530U
Ryzen 7 7730U
DDR5-4800 8 / 16GB DDR4-3200 8 / 16GB
256GB SSD または 512GB SSD
512GB SSD 256GB SSD または 512GB SSD
Type-C PD/DP対応 Type-C データ通信のみ
最大9時間18分(JEITA3.0) 最大14時間48分(JEITA2.0)
アルミ製ボディ
※一部プラスチック
プラスチック製ボディ
違和感のない日本語配列 キーボード右端に特殊キーあり
約1.44kg 約1.36kg
最厚部 17mm 最薄部 17.9mm
11~13.7万円 11.5万円(Ryzen 7)
※在庫処分価格

 

考察とまとめ

HP ProBook 465 G11

まともな日本語配列

個人的に最大の魅力は、違和感のない「まともな日本語配列」を採用している点だと思います。

国内大手メーカーの製品であれば標準的な配列の機種はあるものの、値段の高さがネックです。そこそこリーズナブルな海外メーカー製でちゃんとした日本語配列のキーボードを実現しているのは、HP以外にはなかなかないでしょう。デルのLatitudeシリーズもわりとまともですが、キーボード内にある電源ボタンを軽く押すとスリープ状態へ移行したり、安い機種はかなりチープだったりするのでやや難あり。ThinkPadシリーズは20万円以上もするのに、サイズの小さなキーを直そうともしません。ビジネス向けモデルで日本語キーボードを重視するなら、まずはHPの製品をチェックしてみてください。

セキュリティー機能がお得

HP ProBookシリーズはハードウェアレベルのセキュリティー保護機能に加え、セキュリティー対策ソフトのようなマルウェアやメール、Webページのスキャン・隔離機能が付いています。セキュリティー対策ソフトは別に買うとけっこうな値段がしますし、これらを更新なく使えるのは大きなメリットではないでしょうか。なにより某ソフトのように、しつこい通知が何度も表示されることがないのは好印象です。

 

最近はWindows Defenderだけでも十分という声もあり実際のところ筆者もそう思うのですが、なにか起きたときに「ちゃんと標準以上の対策をしています」と言える状態は大切だと思います。追加料金なしで一式そろえられるのは、HP製ビジネスPCの強みだと言えるでしょう。

トータルの品質で見ればお得

4%オフクーポン利用時の価格は、Ryzen 5 7535U + 16GBで約12万円、Ryzen 7 7735U+16GBで13.5万円。スペックと値段だけで見れば、特別安いわけでもありません。

 

しかしセキュリティー機能 / ソフトが付いている点やWindowsのエディションがHomeではなくPro(アップグレード料金は1万円以上)である点を考えれば、値段的には悪くないでしょう。そしてなにより、まともな日本語配列を採用しているビジネス向けノートPCのなかでは、圧倒的にリーズナブルです。キーボードの(タイプ感ではなく)配列を重視したい人は、ぜひチェックしてみてください。

HP ProBook 445 G11

HP ProBook 445 G11

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記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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