日本HPのHP ProDesk 400 G6 SFは、本体がコンパクトな省スペース型のデスクトップPCです。リーズナブルな価格でありながらもそこそこ性能が高く、またメモリー容量やストレージ / インターフェース構成などを細かくカスタマイズできる点が特徴。自分仕様のコンパクトPCが欲しい人に向いています。
この記事ではメーカーからお借りしたHP ProDesk 400 G6 SFの実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
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※HP ProDesk 400 G6 SFは法人向けのモデルですが、個人でも購入できます。
HP ProDesk 400 G6 SFのスペック
CPU | ・Celeron G4930 ・Core i3-9100 ・Core i5-9500 ・Core i5-9600 |
---|---|
メモリー | 4~32GB (最大64GB) |
SSD | ・なし ・128GB ・256GB ・512GB |
HDD | ・500GB ・1TB ・2TB ※Optane追加可能 |
グラフィックス | ・UHD 610 / 630 ・Radeon R7 430 LP ・Radeon RX 550X LP |
チップセット | B360 |
電源 | 180W (80PLUS GOLD) |
※2019年11月5日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | 独自仕様 |
---|---|
SATAポート | 3 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用×1、ストレージ用×1) |
光学ドライブ | ・なし ・DVD-ROMドライブ ・DVDスーパーマルチ |
ドライブベイ | 3.5インチ×1 |
拡張スロット | PCIe x16 ×1、PCIe x1 ×1 ※ロープロファイル専用 |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | ・なし ・IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | ・なし ・5 |
USB3.1 | Gen1×4 (前面×2、背面×2) |
USB3.0 | ー |
USB2.0 | 4 (背面) |
USB Type-C | ・なし ・1 |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | ・なし ・SD |
HDMI | ・なし ・1 |
VGA (D-sub15) | 1 |
DisplayPort | 1 |
DVI | ー |
サイズ | 幅270mm 奥行き296mm 高さ95mm |
重量 | 約4.6kg |
HP ProDesk 400 G6 SFの外観と内部
外観について
HP ProDesk 400 G6 SFは、コンパクトタイプのデスクトップPC。接地面積は幅270×奥行き296mmと小さく、A4用紙 (幅210×奥行き297mm)よりもコンパクト。縦置きでも設置可能で、場所を取らない点が魅力です。ただしそのぶん拡張性はあまり高くありません。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
機能:◎ 拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
機能:◎ 拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
機能:○ 拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
機能:△ 拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
インターフェースについて
インターフェースは多くはありませんが、普通に利用するぶんには十分な構成です。ただし標準ではSDカードスロットやHDMIなどには対応しておらず、別途料金を支払うことで追加できます。
前面のインターフェース
- ① SDカードスロット ※有料オプション
- ② USB3.1
- ③ ヘッドセット端子
- ④ 電源ボタン
背面I/Oパネルのインターフェース
- ① オーディオ端子類
- ② DisplayPort
- ③ VGA (D-sub15ピン)
- ④ HDMI ※有料オプション
- ⑤ 有線LAN
- ⑥ USB2.0
- ⑦ USB2.0
- ⑧ USB3.1
拡張性について
HP ProDesk 400 G6 SFはコンパクトタイプのデスクトップPCで、スロット類やドライブベイはあまり多くありません。しかしある程度はパーツを交換 / 追加できるようになっています。必要に応じてメモリーやストレージ、拡張ボードなどを追加するといいでしょう。
拡張スロットの構成
- ② PCIExpress x1
- ③ PCIExpress x16
HP ProDesk 400 G6 SFのベンチマーク結果
試用機のスペック
OS | Windows 10 Pro |
---|---|
CPU | Core i5-9500 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | UHD Graphics 630 |
ストレージ性能
HP ProDesk 400 G6 SFでは標準で500GB HDDが使われていますが、購入時のカスタマイズオプションでストレージをSSDに変更可能です。SSDには超高速なPCIe 3.0 x4タイプが使われており、ファイルのやりとやウィンドウズの起動が高速化されるメリットがあります。
ただし256GB SSDのみでは容量が少ないかもしれません。外付けHDDやNASなどを使うのであれば問題ありませんが、外付けドライブを利用しないのであればHDDを追加したほうがいいでしょう。もしくは1TB以上のHDDを選択し、さらにHDDを高速化するOptaneメモリーを利用するのもアリです。
おすすめのストレージ構成
ストレージ構成 | 追加料金 (税別) |
---|---|
256GB SSD + 1TB HDD | 1万4000円 |
1TB HDD + Optaneメモリー | 7000円 |
512GB SSD | 2万2000円 |
※2019年11月5日時点。価格は変更される場合があります
CPU性能
CPUとしては、第9世代のCore i3とCore i5、Celeronが用意されています。試用機で使われていたCore i5-9500は上位のCore i7には及ばないものの、デスクトップPC向けとしてはかなり高性能です。高度なプロレベルの処理には向きませんが、ちょっとした動画編集や画像加工には問題ありません。
そのほかのCPUとして用意されているCore i3-9100は、文書作成や軽いデータ処理などの事務作業用です。Celeron G4930は性能が低く、ごく軽めの作業に向いています。
CPUの性能比較
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-9700 |
16409
|
Core i7-8700 |
15412
|
Core i5-9600 ※2 |
13931
|
HP ProDesk 400 G6 SF (Core i5-9500) |
11943
|
Core i5-9400 |
11718
|
Core i5-8400 |
11229
|
Core i3-9100 |
8784
|
Core i3-8100 |
8026
|
Celeron G4930 ※2 |
3503
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均 ※2はPassMark CPU Benchmarksのデータを参考にしました
CPU選びの目安
Celeron | ・Webページを見る ・ネット動画の視聴 ・ごく簡単な文書作成 |
---|---|
Core i3 | ・事務処理 ・文字中心の資料作成 ・写真の簡単な加工 |
Core i5 | ・写真や画像の加工 ・データ処理 ・画像入り資料の作成 |
Core i7 | ・プロ用ソフトの利用 ・大規模なデータ処理 ・企業向け機能の利用 ・小規模な動画編集 |
3D性能
CPU内蔵のグラフィックス機能は、性能は高くありません。クリエイティブ用途向けで使われるGeForce GTX 1050 / 1650に比べると、性能はだいぶ劣ります。
オプションとしてRadeon R7 430 LP (2GB)と Radeon RX550X LP (4GB)が用意されていますが、どちらもGTXシリーズに匹敵するものではなく、CPU内蔵のUHD 630の2~3倍程度の性能です。クリエイティブ系ソフトの処理をサポートするものではなく、専用のグラフィックスメモリーを搭載することでウィンドウズの処理を少しサポートするものと考えたほうがいいでしょう。動画編集などに利用するのであれば、自分でGeForce GTXシリーズのグラフィックボードを追加することをおすすめします。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8893
|
GTX 1050 |
6945
|
UHD 630 (Core i7) |
1359
|
HP ProDesk 400 G6 SF (Core i5-9500) |
1126
|
UHD 630 (Core i5) |
1051
|
UHD 630 (Core i3) |
980
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
小ささとカスタマイズ性が魅力
ということで、今回はHP ProDesk 400 G6 SFのレビューをお届けしました。
この機種の魅力は本体がコンパクトである点と多少なりとも拡張性を備えているところ、そしてCPUやメモリー、端子類などのパーツカスタマイズ要素が豊富に用意されている点にあります。価格も比較的リーズナブルでありながら仕様を細かく変えられる点は、他社の同クラス製品にはない特徴です。かゆいところに手が届くコンパクトPCと言えるでしょう。自分で仕様をいろいろカスタマイズしたい人に向いています。
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