日本HPのHP 15-db0000は、15.6インチディスプレイを搭載したスタンダードタイプのノートPCです。このモデルの魅力は、フルHD(1920×1080ドット)のディスプレイを搭載しながらも、価格が安い点。CPUとしてコストパフォーマンスに優れるAMD製のA4 / Ryzenシリーズを使うことで、税込み4万円台からのリーズナブルな価格を実現しています。
HP 15-db0000の注目ポイント
1920×1080ドットのフルHD
液晶ディスプレイのサイズは人気の15.6インチで、解像度は高精細な1920×1080ドット。1366×768ドットに比べてより多くの文字や画像を表示できるので、作業効率が大きくアップします。
違和感のないキーボード
キーボードは、エクセルなどで数値入力に便利なテンキー付きです。変則的なキー配置がなく、始めから違和感なくスラスラと利用できます。
DVDを利用可能
DVDの再生と書き込みが可能な、DVDスーパーマルチドライブを搭載。市販のDVDを視聴できるほか、ファイルをバックアップしたりDVDビデオの作成も可能です。
HP 15-db0000の評価
総合評価: 3.0/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | 低価格な下位モデルでは高品質だが、5万円以上の上位モデルとしては標準的 |
---|---|
性能 | A4-9125搭載の下位モデルは性能がやや低い。狙い目はRyzen 3モデル |
使いやすさ | キーボードの使い勝手や端子類の数/構成は標準的 |
軽さ | 15.6インチタイプとしては平均的。屋内での持ち歩きなら許容範囲 |
画面 | 高精細なフルHDディスプレイを搭載しているが、映像がやや青被りしている |
今回はメーカーからお借りしたHP 15-db0000の実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
HP 15-db0000
税込5万円台から
HP 15-db0000のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | A4-9125 / Ryzen 3 2200U / Ryzen 5 2500U |
メモリー | 4GB(最大4GB) / 8GB(最大8GB) |
ストレージ | 1TB HDD / 256GB M.2 SSD(PCIe) |
グラフィックス | Radeon R2 Graphics / Radeon Vega 3/8 Graphics |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
ディスプレイ | 15.6インチ、1920×1080ドット、光沢、タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2、1000BASE-T対応有線LAN |
インターフェース | USB3.1 Gen1(フルサイズ)×2、USB2.0×1、HDMI、有線LAN、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
セキュリティー | TPM 2.0、セキュリティースロット、マカフィーリブセーフ30日版 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ/重量 | 幅377×奥行き247×高さ23~26mm/約2.0kg |
バッテリー駆動時間 | 約8時間 |
※2018年9月6日時点。構成や価格は変更される場合があります
HP 15-db0000のラインナップ
HP 15-db0000にはパーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。ベースとなるのは3種類で、それぞれの主なスペックと価格は以下のとおり。4GBメモリー搭載モデルでは追加料金を支払うことで、メモリー容量を8GBにアップグレード可能です。
HP 15-db0000のラインナップ
エントリープラスモデル | |
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税込3万円台~ | |
エントリープラス・オフィスモデル | |
税込4万円台後半~ | |
ベーシックモデル | |
税込5万円台後半~ | |
スタンダードモデル オススメ! | |
税込7万円台前半~ |
※2019年4月19日時点
本体の大きさやデザイン
HP 15-db0000は格安モデルでありながら、凝ったデザインを採用している点が特徴です。本体はホワイトで統一されており、ナチュラルな印象。プライベートはもちろん、ビジネス用としても大いに活用できるでしょう。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
---|---|
11.6インチ | 1.126kg |
12.5インチ | 1.131kg |
13.3インチ | 1.253kg |
14インチ | 1.518kg |
15.6インチ | 2.174kg |
ノートPC全体 | 1.551kg |
※2017年12月~2018年5月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) 50台ぶんの実測値より
画面の色と見やすさ
画面サイズは15.6インチで、もっとも人気の高いスタンダードサイズです。格安モデルでは解像度が1366×768ドットであることが多いのですが、HP 15-db0000では1920×1080ドットのフルHDディスプレイを搭載しています。解像度が高いので、画面に表示される文字や画像などの情報量が多い点がポイント。画面をスクロールする回数やウィンドウを切り替える手間が少なく、作業効率がアップします。
画面の表面は光沢なしのノングレア仕上げです。光沢ありのグレア仕上げに比べて色の鮮やかさでは劣りますが、光の映り込みが抑えられている点がメリット。長時間の作業にも向いています。
しかしながら、映像品質はそれほどよくありません。コントラストが低いので細部がかすれて見えるような場合があったり、写真の青みが強く映し出されることもあります。とは言え色にこだわらない人なら、問題なく利用できるでしょう。
キーボードの使いやすさ
キーボードは数値入力に便利なテンキー付きです。キーピッチ(キーとキーの間隔)は18.7mmで、理想とされる19mmよりもわずかに短め。と言っても、実際に使ってみたところ特に違和感は感じませんでした。
高く評価したいのは、標準的なキー配列で違和感がない点です。格安モデルのなかにはキーの大きさや配置が特殊なものがあるのですが、HP 15-db0000のキーボードは特におかしな場所が見当たりません。カーソルキーは小さいものの、普通に使えるキーボードです。
タイプ感も悪くありません。キーストロークは1.5mmと平均的ですが、入力時にカクッとした軽めのクリック感があり、手応えを確実に感じられます。
タイプ音は標準的でした。軽いタッチなら「タクタクタク」という音で気になりませんが、強めに打つとドスドスと響きます。周りに人がいる場所では、軽めのタイプを意識するといいでしょう。
端子類の種類と使いやすさ
インターフェース(端子類)は多くはありませんが、プライベート利用には十分な構成です。光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブで、市販DVDの再生やDVDビデオの作成に対応しています。
左側面のインターフェース
- ① 電源コネクター
- ② 1000BASE-T対応有線LAN
- ③ HDMI
- ④ USB3.1 Gen1
- ⑤ ヘッドホン出力/マイク入力
右側面のインターフェース
- ① SDカードスロット
- ② USB2.0
- ③ 光学ドライブ
- ④ セキュリティースロット(盗難防止用)
ビジネスシーンで使われる機会が多いVGA(D-sub15ピン)には対応していません。VGA端子が必要な方は、同じ日本HP製の「HP 250 G6」をご確認ください。
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ベンチマーク結果
今回の検証では、CPU(APU)に E2-9000eを搭載したエントリーモデル (注:現在も販売中ですが、価格が割高なのでおすすめしません)を使いました。検証結果はパーツ構成や個体差、環境、タイミングなどによって大きく変わる点をあらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | E2-9000e |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 500GB HDD |
グラフィックス | AMD Radeon R2 グラフィックス |
ストレージ性能
下位 / 中位のモデルでは、ストレージとして1TB HDDが使われています。容量は大きいものの、SSDと比べるとアクセス速度はかなり控えめです(HDDの平均よりは少し遅い程度)。起動時間は長く、起動直後ももたつく場面がたびたびありました。快適に使いたいなら、SSDを搭載した上位モデルがおすすめです。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
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59.8秒 | 47.5秒 | 43.4秒 | 38.3秒 | 37.0秒 | 45.2秒 |
CPU性能
今回試用したたエントリーモデルのE2-9000eは、性能が高くありません。格安モデル向けとしては下位に位置づけられるCPUです。ネットの調べ物や動画視聴には問題ありませんが、高度な処理には不向き。性能にはこだわらないから、とにかく安いPCが欲しい人向けです。
現在販売中のエントリープラスモデルで使われているA4-9125も、それほど性能が高いわけではありません。多少遅くてもガマンできるというのであればアリですが、仕事やプライベートで活用するならRyzen 3 / Ryzen 5がおすすめです。メモリー容量を8GBにアップグレードすれば、問題なく利用できるでしょう。
CPU性能比較(CPU Mark)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8250U |
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Ryzen 5 2500U ※2 |
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Ryzen 3 2200U ※2 |
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Core i3-7020U ※2 |
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A4-9125 ※2 |
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HP 15-db0000(E2-9000e) |
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Celeron N4000 |
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※そのほかのスコアは当サイト計測の平均値 ※2 PassMark CPUBenchmarksを参考
3D性能
3D性能のテストでも、非常に低い結果が出ました。3Dゲームのプレーについては、考えないほうがいいでしょう。Ryzen 3/5搭載モデルであれば、もっと優れた結果が出るはずです。
3D機能の性能比較
CPU | 3DMark Fire Strikeスコア |
---|---|
Celeron N4000 |
|
HP 15-db0000(E2-9000e) |
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バッテリー駆動時間計測結果
当サイトでの計測方法でバッテリー駆動時間のテストを行なったところ、最長で6時間24分という結果でした。公称値よりも短いのですが、そもそも持ち歩き用のモバイルノートPCではないので、大きな問題ではありません。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | 約8時間 |
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BBenchによる計測 | 6時間24分 |
PCMark 8による計測 | 5時間19分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
なおバッテリー駆動時間は作業内容によって大きく変わる点に注意してください。
狙い目はRyzen 3モデル
ということで、今回はHP 15-db0000のレビューをお届けしました。
ベンチマーク結果をご覧いただくとおわかりのように、E2-9000eを搭載したエントリー(下位)モデルは性能がかなり低めです。セキュリティ対策をWindows Defenderだけにしたり、不要なアプリを削除するなどのチューニングを行なえば多少は動きが軽くなりますが、本格的に使うのであればRyzen 3/ Ryzen 5を搭載したベーシックモデルやスタンダードモデルをおすすめします。
ただ「性能は問わないからPCを1台持っておきたい」という人や、「2台目のサブPCとして使うからできるだけ安いほうがいい」という人であれば、エントリープラスモデルを購入するのはアリでしょう。