デルのInspiron 13 7000 2-in-1(7386)は、13.3インチタイプのモバイル2-in-1ノートPCです。本体は非常にコンパクトで質感が高い上に、スペックが高くパフォーマンス面も優秀。なのに高品質モデルとしては価格が安く、公式サイトでは下位モデルが税込み11万円台で販売されています。
Inspiron 13 7000 2-in-1(7386)の注目ポイント
スリムでコンパクト
大きさはA4用紙よりもほんのちょっと大きい程度。変形機構を搭載しているにもかかわらず、普通のノートPCよりもサイズが小さい点がポイントです。
Inspiron 13 7000 2-in-1(7386)の評価
総合評価: 4.0/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | アルミ素材を使ったボディは質感が高い。ほかの13.3インチタイプよりもコンパクト |
---|---|
性能 | CPUはWhisky Lake世代のCore i5/i7で性能は高め。大容量メモリー/SSDにも対応 |
使いやすさ | 端子類はやや少ないものの、指紋センサーによるサインインが便利 |
軽さ | 重さは実測1.4kgで、13.3インチタイプとしては重い。とは言え持ち歩けない重さではない |
画面 | 解像度はフルHD/4Kで高精細な上に発色も良好。ペン入力やタッチ操作にも対応 |
今回はメーカーからお借りしたInspiron 13 7000 2-in-1(7386)の実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
Inspiron 13 7000 2-in-1(7386)
税込11万円台~
Inspiron 13 7000 2-in-1(7386)のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | 第8世代 Core i5-8265U / Core i7-8565U |
メモリー | 8 / 16GB |
ストレージ | 256GB / 512GB SSD(PCIe) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620(CPU内蔵) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチ、1920×1080/3840×2160ドット、光沢、IPS、ペン/タッチ対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 5.0 |
インターフェース | USB3.1 Gen1(フルサイズ)×1、USB3.1 Gen1(Type-C)×1、HDMI、microSDカードスロット、ヘッドホン出力 |
セキュリティー | TPM 2.0、指紋センサー、マカフィー・リブセーフ 12ヵ月版 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ/重量 | 幅307.7×奥行き212.45×高さ13.68mm/約1.45kg |
バッテリー駆動時間 | ※非公開 |
オフィス | ※オプション |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2019年1月8日時点。構成は変更される場合があります
Inspiron 13 7000 2-in-1(7386)のラインナップ
Inspiron 13 7000 2-in-1にはさまざまな種類のモデルが用意されていますが、ベースとなるのは以下の4種類です。あとはそれぞれにOffice Personal付きのモデルがバリエーションとして用意されています。
ラインナップ
プレミアム・タッチパネル | |
---|---|
税込11万円台 | |
プラチナ・タッチパネル | |
税込12万円台 | |
プラチナ ハイエンド・タッチパネル | |
税込15万円台 | |
プラチナ ブラックエディション・4Kタッチパネル | |
税込16万円台 |
※2019年1月8日時点
価格はそのとき実施されているキャンペーンによって大きく変わります。最新価格については別の記事にまとめていますので、そちらをご覧ください。
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Inspiron 13 7000 2-in-1(7386)のセール情報
本体の大きさやデザイン
Inspiron 13 7000 2-in-1は、液晶ディスプレイが360度回転するコバーチブル型の2-in-1ノートPCです。通常のノートPCのスタイルのほか、タブレットやスタンド型にも変更できます。動画や電子書籍など用途に応じてスタイルを使い分けられるほか、プレゼンや打ち合わせなどのビジネスシーンでも活用できるでしょう。
基本の本体カラーはプラチナシルバーですが、4Kディスプレイ搭載の最上位モデルのみブラックです。今回はブラックのモデルを試用しましたが、重厚感のあるデザインでした。
サイズは非常にコンパクトですが、重量がやや重めです。本体に頑丈なアルミ素材が使われている点と変形機構を搭載していることを考えれば、ある程度の重さは仕方がないでしょう。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
---|---|
11.6インチ | 1.126kg |
12.5インチ | 1.131kg |
13.3インチ | 1.253kg |
14インチ | 1.518kg |
15.6インチ | 2.174kg |
ノートPC全体 | 1.551kg |
※2017年12月~2018年5月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) 50台ぶんの実測値より
画面の色と見やすさ
画面サイズは13.3インチで、モバイルノートPCとしては一般的な大きさ。解像度は1920×1080ドットが基本ですが、最上位モデルのみ3840×2160ドットの4Kです。4Kのディスプレイは映像が明るい上に色鮮やかで、写真や動画が細部まで鮮明に映し出されます。
液晶ディスプレイの表面は、光沢ありのグレア仕上げです。グレアタイプは映像が色鮮やかであるものの、光や背景が映り込みやすいのが欠点。映り込まないように角度を変えればある程度は緩和されますが、気になる人は反射防止タイプの画面保護フィルムを貼るといいでしょう。
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キーボードの使いやすさ
キーボードはテンキーなしで、バックライト対応です。キーピッチは実測19mmで理想的なサイズでしたが、キーストロークが実測1.5mm弱とやや浅めでした。タイピング時の窮屈さはなく、使い始めからスラスラと入力できます。
ただしEnterキー周辺で、一部のキーが隣接しています。特にBackSpaceキーが小さく、慣れないうちはタイプミスしてしまうかもしれません。
タイプ感はやや軽めではあるものの、軽い力でサクサク入力するのに向いています。ストロークが浅いので若干の底打ち感はありますが、それほど気にならないでしょう。タイプ音はとても静かですが、強めに打つと「パチパチ」と音がします。
端子類の種類と使いやすさ
端子類はかなり少なめです。USB端子はフルサイズ×1とType-C×1で合計2ポートしかありません。とは言え、薄型のモバイルノートPCと考えれば仕方がないでしょう。映像出力としてHDMIに対応しているのは評価できます。
左側面のインターフェース
- ① 電源コネクター
- ② HDMI
- ③ USB3.1 Gen1 Type-C
右側面のインターフェース
- ① microSDカードスロット
- ② ヘッドホン出力
- ③ USB3.1 Gen1(フルサイズ)
セキュリティー機能としては、指紋センサーによる指紋認証に対応しています。あらかじめ指紋を登録しておけば、パスワードやPINを入力しなくてもサインインできるので便利です。
ベンチマーク結果
今回のテストでは、最上位のプラチナ ブラックエディション・4Kタッチパネルモデルを使いました。主なスペックは以下のとおりです。なおベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620(CPU内蔵) |
ストレージ性能
試用機で使われていた512GB SSDはSK HynixのBC501で、PCIe Gen3 x2接続でした。公式の仕様を確認しても「PCIe NVMe Gen3」までしか明記されておらず、より高速なPCIe Gen3 x4に対応しているかは不明です。
CPU性能
CPU性能を計測するベンチマークでは、非常に優れた結果が出ました。ゲーミングノートPC向けのCore i7-8750Hには及ばないものの、前世代のCore i7-8550Uの平均値を13%程度上回っています。結果は個体差によるもので試用機だけの症状という可能性もありますが、基本的には高いパフォーマンスを期待してもいいでしょう。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8750H |
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Inspiron 13 7000 2-in-1(Core i7-8565U) |
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Core i7-8550U |
|
Core i5-8250U |
|
Core i7-7500U |
|
※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
グラフィックス性能について
グラフィックス性能については、CPU内蔵タイプとしては優秀です。しかしグラフィックス重視のゲームを快適に楽しめるほどではありません。ベンチマークスコアではゲームを楽しむために最低限はクリアーしたいGeForce GTX 1050Tiのスコアを大きく下回っています。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
---|---|
GTX 1050 Ti |
|
GTX 1050 |
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Inspiron 13 7000 2-in-1(UHD 620) |
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※そのほかのGPUのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
しかしドラクエ10のベンチマークでは快適という評価が出ました。ごく軽めの3Dゲームならある程度は遊べるでしょう。ちなみにFF14ベンチでは標準品質で「やや快適」という評価ですが、理想は平均60FPS以上なので快適どころかガクガクです。
ゲーム系ベンチマーク結果
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中量級
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1920×1080 (フルHD) | 最高品質 | 1121(設定変更が必要) ※6.864 FPS |
高品質(ノートPC) | 1826(設定変更を推奨) ※11.808 FPS | |
標準品質(ノートPC) | 2593(やや快適) ※17.268 FPS | |
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
|
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1920×1080 (フルHD) | 最高品質 | 5090(快適) |
標準品質 | 6482(快適) | |
低品質 | 7839(とても快適) |
バッテリー性能
実際のバッテリー駆動時間を計測したところ、最長でも5時間24分という結果でした。モバイルノートPCとしてはかなり短いのですが、これは試用機ではバッテリー消費が大きい4Kディスプレイが使われていたためです。フルHDモデルであれば、駆動時間はもっと長くなるでしょう。
とは言えほかの4KモバイルノートPCよりも駆動時間は短いので、バッテリー性能についてはあまり高くないのかもしれません。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | ※非公開 |
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BBenchによる計測 | 5時間24分(4K) |
PCMark 8による計測 | 3時間39分(4K) |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
バランスに優れる高品質2-in-1
ということで、今回はInspiron 13 7000 2-in-1のレビューをお届けしました。
本体は非常にコンパクトで、ほぼフルアルミボディのボディは高品質。画面の色合いもいい上に高性能と文句のない仕上がりが魅力です。あえて残念なところを上げるとすれば、13.3インチタイプとしてはやや重いという点でしょうか。しかし価格は安く、コスパに優れるモデルです。