デルのInspiron 15 5000 (5583) は、15インチの液晶ディスプレイを搭載したスタンダードタイプのノートPCです。価格と性能のバランスに優れている点が特徴で、Core i5 + 8GBメモリー + 256GB SSDの鉄板構成でも税込8万円前後とリーズナブル。安くても性能面も重視したい人におすすめです。
今回はメーカーからお借りしたInspiron 15 5000 (5583)の実機を使って、デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
Inspiron 15 5000 (5583)
税込6万円前後~
Inspiron 15 5000 (5583)のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i3-8145U ・Core i5-8265U ・Core i7-8565U |
メモリー | ・4GB ・8GB |
ストレージ | ・1TB HDD ・256GB SSD ・128GB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | ・UHD 620 ・GeForce MX 130 |
幅×奥行き | 380×258mm |
厚さ | 19.4~22.6mm |
重量 | 約2.17kg |
バッテリー | ※非公開 |
※2019年5月11日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・ブラック ・プラチナシルバー |
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画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | TNパネル |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
テンキー | あり |
有線LAN | 100Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | 2 (Gen1 ) |
USB3.0 | ー |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | 1 (MX130搭載モデルのみ、データ通信専用) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | あり (電源ボタン内蔵) ※注 |
オフィス | なし ※付属モデルあり |
デザインと使いやすさ
スタンダードな外観
Inspiron 15 5000 (5583)は、15インチタイプとしては標準的な大きさです。ボディは樹脂製で高級感はありませんが、かと言ってビジネス向けの割り切ったデザインのようなゴツさや野暮ったさは感じられません。あくまでもスタンダードなデザインです。価格が安いことを考えれば、納得できる範囲でしょう。
フルHDディスプレイの画質はほどほど
液晶ディスプレイは15.6インチのフルHD (1920×1080ドット)。広々としたデスクトップで作業がはかどります。ただしTNパネルが使われているためコントラストが低く、色にメリハリがありません。また若干青みがかっています。写真や動画を美しい映像で楽しみたい人には向いていませんが、映像にこだわりがないなら問題なく使えるでしょう。
キーボードは軽いタッチでタイプする人向き
キーボードはテンキー付きの日本語配列です。キーの大きさや感覚は十分ですが、Enterキー周辺の配列で少し違和感を感じました。特に「¥」キーが小さく、間違えてその右にあるBackSpaceキーを押してしまうことがあります。
キーストロークは実測1.2mm程度で、タイプ感は非常に浅めです。手応えが軽いので、しっかり打ち込む使い方だと物足りなさを感じるかもしれません。指先でなでるような軽いタッチの人に向いています。タイプ音は標準的な大きさで、特にうるさくもなければ静かというほどでもありませんでした。
インターフェース類は十分な構成
USB端子は左側面×2 + 右側面×1で、映像出力はHDMIのみ。メモリーカードや有線LANも利用できます。VGA (D-sub15ピン)には対応していませんが、個人用なら端子の構成は十分です。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | プラチナ(SSD+HDD・MX130搭載) |
---|---|
OS | Windows 10 Home |
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 128GB SSD (PCIe) + 1TB HDD |
グラフィックス | GeForce MX130 + Intel UHD Graphics 620 |
CPU性能
CPUには第8世代のCore i3 / i5 / i7が使われています。Core i7-8565U搭載の試用機ではベンチマークテストの結果が平均値をやや下回ったものの、性能的には十分パワフルです。ほかのモデルで使われているCore i5-8265Uでも、快適に使えるでしょう。
Core i3-8145Uは若干性能が低いものの、2~3年前に使われていたCore i7と同等クラス。プロ向けの重いソフトを使わないのであれば、十分なパフォーマンスです。
CPUベンチマーク結果
名称 | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8565U |
9672
|
Inspiron 15 5583 (Core i7-8565U) |
9396
|
Core i5-8265U |
8595
|
Core i7-7500U |
5564
|
Core i3-8145U |
5549
|
Core i5-7200U |
4948
|
Celeron N4000 |
1554
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPU選びの目安
Celeron | ・Webページを見る ・ネット動画の視聴 ・ごく簡単な文書作成 |
---|---|
Core i3 | ・事務処理 ・文字中心の資料作成 ・写真の簡単な加工 |
Core i5 | ・写真や画像の加工 ・データ処理 ・画像入り資料の作成 |
Core i7 | ・プロ用ソフトの利用 ・大規模なデータ処理 ・企業向け機能の利用 ・小規模な動画編集 |
ストレージ性能
試用機では128GBのSSDと1TB HDDが使われていました。SSDはPCIe接続の高速タイプですが、一般的なSSDに比べて書き込み速度 (Write)がやや遅めです。SSDは容量が少ないとアクセス速度が伸び悩む傾向にあるので、その影響を受けているものと思われます。とは言え、HDDと比べれば十分高速です。
起動時間
SSD搭載の試用機では、ウィンドウズの平均起動時間は15.6秒でした。SSD搭載機としては標準的ですが、HDDのみの機種では40秒以上かかることがあることを考えれば十分高速です。快適に使うなら、SSD搭載機種をおすすめします。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 16.2秒 |
---|---|
2回目 | 15.8秒 |
3回目 | 16.0秒 |
4回目 | 15.9秒 |
5回目 | 15.9秒 |
平均 | 15.69秒 |
3Dグラフィックス性能
Inspiron 15 5000 (5583)の上位モデルでは、専用グラフィックス機能としてGeForce MX130が使われています。
CPU内蔵のグラフィックス機能よりも1.6~1.7倍程度高性能ですが、人気の3Dゲームを快適に遊べるほどではありません。また動画編集や写真加工、3D制作などのクリエイティブな作業でパフォーマンスアップを体感できるほどではありませんでした。
GPUの性能比較
CPU | 3DMark Fire Strikeスコア |
---|---|
MX250 |
3261
|
MX150 |
3091
|
MX130 |
1952
|
Inspiron 15 5583 (MX130) |
1877
|
Radeon 530 |
1605
|
Radeon 520 |
1456
|
UHD 620 (Core i7-8565U) |
1162
|
UHD 620 (Core i5-8265U) |
1061
|
※そのほかのスコアは2019年7月時点での当サイトの平均値
ただし専用ビデオメモリーが4GB搭載されているので、ウィンドウズのグラフィックス処理 (画面の描画や写真の表示)は多少改善されているかもしれません。また外部ディスプレイを接続してマルチディスプレイ環境で利用するときにも、快適に利用できるはずです。
ゲーム系ベンチマーク結果
GeForce MX130の性能はいまひとつとは言え、軽めのドラクエ10ベンチマークテストでは非常に高い評価が出ました。CPU内蔵グラフィックス機能のみのときと比べて、評価がワンランクアップしています。リーグ・オブ・レジェンドなどのMOBAタイプや2D描画主体のRTSなどなら快適に楽しめるでしょう。
ただしそこそこの性能が必要な中量級以上になると厳しいようです。FF14ベンチでは標準品質で「とても快適」という評価ですが、34 FPSだと画面がカクカクして見えるはず。解像度を下げるか画質を落とせば、なんとかプレーできるというレベルです。CPU内蔵グラフィックス機能のみモデルの場合はさらに画面がカクカクするでしょう。
FF14:漆黒のヴィランズ (DX11) ※中量級
|
||
---|---|---|
フルHD | 最高品質 | 2203(普通) ※14.54 FPS |
高品質 | 3321(やや快適) ※22.47 FPS | |
標準品質 | 5124(とても快適) ※34.39 FPS | |
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
|
||
1920×1080 | 最高品質 | 8491(とても快適) |
標準品質 | 10256(すごく快適) | |
低品質 | 12516(すごく快適) |
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間は公開されていませんが実際の駆動時間を計測したところ、3時間1分と非常に短い結果でした。いくらなんでも短すぎるので、計測時になんらかの問題があったのかもしれません。GeForce MX130を搭載しているぶん、消費電力が上がった可能性もあります。
ただそもそも持ち運び用のモデルではないので、駆動時間が短くても大きな問題ではないとも言えます。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | ※非公開 |
---|---|
BBenchによる計測 | 3時間1分 |
PCMark 8による計測 | ※未計測 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
駆動音計測結果
駆動音 (通風口からの排気音やファンの回転音など)は比較的静かです。負荷の高い処理では少し聞こえますが、気になるほどではありませんでした。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.6dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 39.8dBA | ファンの回転音がわずかに聞こえるが気にならない |
高負荷時 | 41.2dBA | ファンの回転音が少し聞こえる |
価格について
Inspiron 15 5000 (5583)には多くのモデルが用意されていますが、ベースとなるのは以下の5種類です。あとはそれぞれに納期の早い「即納モデル」や、Office Personal 2019が付属する「Office付モデル」が用意されています。
ラインナップ
スタンダード | |
---|---|
税込6万円前後 | |
プレミアム | |
税込7万円台 | |
プレミアム (SSD・MX130搭載) | |
税込8万円前後 | |
プラチナ(SSD+HDD搭載) オススメ | |
税込8万円台後半 | |
プラチナ(SSD+HDD・MX130搭載) | |
税込9万円台 |
※2019年7月25日時点
価格はタイミングによって変わります。最新の価格は別記事のセール情報をご確認ください。
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Inspiron 15 5000 (5583)のセール情報
とことんスタンダードな15インチ
ということで、今回はInspiron 15 5000 (5583)のレビューをお届けしました。
外観的にも機能的にも普通のモデル、というのが正直な感想です。言うなれば「ザ・スタンダードノートPC」といったところでしょうか。目を引くようなハデな部分はないものの、堅実な作りです。
ただ個人的にはディスプレイの映像品質があまりよくない点と、有線LANが100Mbpsでやや遅い点、キーボードにクセがある点が気になります。そのあたりを含めての価格の安さということでしょう。普通のノートPCを普通に使いたい人におすすめです。