デルのVostro 14 5000 (5481)は、リーズナブルな価格ながらもデザインとパフォーマンスに優れる14インチタイプのノートPCです。しかも本体はモバイルノートPC並みにコンパクト。ビジネス用としてちょっと高品質なノートPCを使いたい人に向いています。
Vostro 14 5000 (5481)の注目ポイント
13インチクラスの大きさ
大きさはA4用紙よりもふた回り大きい程度。一般的な15.6 / 14インチタイプよりも小さく、接地面積が小さくてすみます。収納にも便利。
Vostro 14 5000 (5481)の評価
総合評価: 3.4/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | 一部にアルミ素材を使ったボディは質感が高い。14型としてはコンパクト |
---|---|
性能 | Core iシリーズ搭載で性能面は十分。上位モデルはdGPU対応 |
使いやすさ | キーボードや取り回しは標準的。端子類は比較的充実している |
軽さ | 実測1.6kgで、14インチタイプとしてはやや重い |
画面 | やや暗いながらも、高精細で自然な発色の映像。画面はわずかに小さい |
こんな人にオススメ
- 👍 高性能モデルを7~8万円台で手に入れたい
- 👍 本体は小さいほうがいい
- 👍 DVDやテンキーは使わない
今回はメーカーからお借りしたVostro 14 5000 (5481)の実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶価格
- ▶本体の大きさやデザイン
- ▶画面の色と見やすさ
- ▶キーボードの使いやすさ
- ▶端子類の種類と使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶まとめ
法人モデルは個人でも購入可能
Vostro 14 5000 (5481)は法人向けのノートPCで、企業や官公庁、自治体、各種団体向けに販売されています。しかし個人事業主や自営業の方でも購入可能です。公式サイトから注文すれば、所属確認などは必要ありません。
Vostro 14 5000 (5481)のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
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CPU | ・Core i5-8265U ・Core i7-8565U |
メモリー | ・4GB ・8GB ※最大32GB、DDR4-2666 SODIMM (2400MHzで動作) |
ストレージ | ・1TB HDD ・256GB SSD (PCIe) ・128GB SSD (PCIe) + 1TB HDD |
グラフィックス | ・Intel UHD Graphics 620 ・GeForce MX 130 (2GB) |
ディスプレイ | 14インチ、 1920×1080ドット、 タッチ非対応、非光沢、IPS |
光学ドライブ | なし |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac、 Bluetooth 5.0、 100BASE-TX対応有線LAN |
インターフェース | USB3.1 Gen1 (フルサイズ) ×2、 USB3.1 Gen1 (Type-C)×1 ※DP対応、 USB2.0 ×1、 HDMI、 有線LAN、 SDカードスロット、 ヘッドセット端子 |
セキュリティー | TPM2.0、 指紋センサー (オプション)、 セキュリティースロット、 マカフィー スモール ビジネス セキュリティ 12ヵ月版 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ | 幅324.9×奥行き232×高さ18.13mm |
重量 | 約1.55kg~ |
バッテリー駆動時間 | ※非公開 |
オフィス | ※オプション |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2019年3月28日時点。構成は変更される場合があります
Vostro 14 5000 (5481)の価格
Vostro 14 5000 (5481)には、パーツ構成の異なる4種類のモデルが用意されています。主なラインナップは以下のとおり。タイミングによっては納期の早い「即納モデル」が販売されていることもあります。
主なラインナップと価格の目安
プレミアムモデル | |
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税込7万円台~ | |
プレミアムモデル(大容量メモリ・SSD搭載) | |
税込8万円台~ | |
プラチナモデル(大容量メモリ・SSD・グラフィックス搭載) | |
税込10万円台~ | |
プラチナモデル(大容量メモリ・SSD・グラフィックス搭載) | |
税込10万円台~ |
※2019年3月28日時点。20%オフクーポン適用時
オフィスソフトが必要な場合は、購入時に追加します。商品ページで「構成を確認・購入」ボタンを押してカスタマイズ画面を表示し、必要なエディション (種類)を選んでください。なおオフィスの追加には、別途追加料金が必要です。
オフィスの追加料金
エディション | 通常時の税込価格 | クーポン適用時の税込価格 |
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Office Home & Business 2016 | 3万2400円 | 2万5920円 |
Office Personal 2016 | 2万1600円 | 1万7280円 |
Office Professional 2016 | 6万0480円 | 4万8384円 |
Office Home & Business 2019 | 3万5640円 | 2万8512円 |
Office Personal 2019 | 2万4840円 | 1万9872円 |
Office Professional 2019 | 6万4800円 | 5万1840円 |
※20%オフクーポン適用時
Vostro 14 5000 (5481)の本体の大きさやデザイン
Vostro 14 5000 (5481)は14インチの液晶ディスプレイを搭載した、いわゆる14型 (14インチ)タイプのノートPCです。ノートPCとして人気の高い15.6インチタイプよりも画面と本体が少しだけ小さく、そのぶん接地面積が小さくてすみます。
Vostro 14 5000 (5481)は14インチタイプのなかでも特に本体サイズが小さく、13.3インチのモバイルノートPC程度しかありません。画面はそこそこ大きくて見やすいのに、本体サイズがコンパクトという点が特徴です。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
---|---|
11.6インチ | 1.06kg |
12.5インチ | 1.095kg |
13.3インチ | 1.209kg |
14インチ | 1.582kg |
15.6インチ (スタンダード) | 2.131kg |
15.6インチ (ゲーミング) | 2.413kg |
17.3インチ | 2.814kg |
※2018年1月~12月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) の実測値より
Vostro 14 5000 (5481)の画面の色と見やすさ
前述のとおり、Vostro 14 5000 (5481)の液晶ディスプレイの大きさは14インチです。15.6インチに比べて面積比で20%ほど小さいのですが、標準ではデスクトップが150%に拡大表示されているため、文字が小さくて読みづらいということはありません。
IPSパネルを使った映像は自然な色合いなのですが、画面がやや暗いため鮮やかさに欠けます。とは言え、オフィス資料の作成や事務処理には影響ないでしょう。適度に暗いほうが目にかかる負担が少ないため、ビジネス向けとしてはこのほうが適しているかもしれません。
Vostro 14 5000 (5481)の色域測定結果
sRGBカバー率 | 62.2% |
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sRGB比 | 64.9% |
Adobe RGBカバー率 | 46.2% |
Adobe RGB比 | 46.2% |
液晶ディスプレイの表面は、光沢なしのノングレア仕上げです。眼精疲労の原因となる映り込みが抑えられており、長時間の作業にも向いています。
Vostro 14 5000 (5481) のキーボードの使いやすさ
キーボードはテンキーなしの日本語配列です。バックライトはオプションとして用意されています (要追加料金)。キーピッチ (キーとキーの間隔)は横19mm、縦18mmで若干横長ですが、入力時の違和感はありませんでした。ただしキー配列の一部にクセがあり、慣れるまではタイプミスがあるかもしれません。
キーストロークは実測で1.5mm弱、もしかすると1.5mmあるかもしれません。しかしストロークは若干浅く感じます。押した瞬間のクリック感はやや硬めですがそのあとの押し込む力は軽く、スコッと抜けるような感覚です。軽いタッチで入力する人に向いているでしょう。
タイプ音は軽めのタッチなら「トストス」という感じで控えめ。強めに打っても「トストス」とあまり大きくはありません。静かな場所でも気兼ねなく使えますが、軽めのタッチを意識したほうが良さそうです。
タッチパッドはボタン一体型です。サイズは十分で、ダイナミックなジェスチャーにも適しています。反応は特別なめらかというわけではありませんが、普通に利用できました。
Vostro 14 5000 (5481) の端子類の種類と使いやすさ
USB端子は全部で4ポート。そのうち1ポートはType-Cで、DisplayPort出力にも対応しています。そのほか1000BASE-T (1000Mbps)対応の有線LANやHDMIに対応するなど、端子類は十分な構成です。ただし光学ドライブには対応していないほか、USB端子の抜き差しが若干硬めなのが気になりました。
左側面のインターフェース
- ① 電源コネクター
- ② USB3.1 Gen1 Type-C
- ③ HDMI
- ④ USB3.1 Gen1
- ⑤ ヘッドセット端子
右側面のインターフェース
- ① SDカードスロット
- ② USB2.0
- ③ 1000BASE-T対応有線LAN
- ④ セキュリティースロット ※盗難防止用
Vostro 14 5000 (5481)のベンチマーク結果
今回のテストでは、プラチナモデル(大容量メモリ・SSD・グラフィックス搭載)を使いました。主なスペックは以下のとおり。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
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CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 128GB SSD (PCIe) + 1TB HDD |
グラフィックス | GeForce MX 130 (2GB) |
ストレージ性能
システムドライブとしてSSDが使われていると、ウィンドウズがサクサクと動きます。これはSSDのほうがHDDよりも読み込み / 書き込み速度が速いため。ファイルのコピーや移動だけでなく、ファイルアクセスを伴う処理がすばやく終わるため、PCの総合的な快適さが格段に向上するのです。
試用機を検証している最中でも、ファイルアクセスでストレスを感じる場面はありませんでした。たとえばHDD搭載機だとWindows Updateに時間がかかるのですが、SSD搭載の試用機ではすぐに終わります。SSD搭載機のほうが値段は高いのですが、長期間利用することを考えれば作業時間を短縮できるSSDのほうがおすすめです。
ちなみに試用機で使われていたSSDは東芝のBG3シリーズで、公式スペックによると転送モードはPCIe 3.0 x2です。M.2スロット自体はさらに高速なPCIe 3.0 x4に対応しています。
ウィンドウズの起動時間は平均16.96秒でした。SATA接続SSD並みではあるものの、HDDのみの場合だと40秒以上かかることを考えれば十分高速です。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
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16.8秒 | 16.3秒 | 16.5秒 | 19.2秒 | 16.0秒 | 16.96秒 |
CPU性能
試用機で使われているCore i7-8565Uは非常に高性能で、現在流通しているスタンダード / モバイルノートPC向けCPUとしては最高クラスです。Vostro 14 5000 (5481)のベンチマークテストでは平均値をやや下回ったものの、十分快適に利用できるでしょう。下位モデルで使われているCore i5-8265Uも性能が高く、2年以上前によく使われていたCore i7を上回るほどです。
ちなみにCore i7-8565Uは本体内部の熱対策や熱設計によってパフォーマンスが大きく変わることがあり、特に排熱性能の高いハイエンド向けモデルでは5~10%程度性能が向上することもあります。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i7-8565U |
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Vostro 14 5481 (Core i7-8565U) |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8265U |
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Core i7-7500U |
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Core i5-7200U |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
ただし本格的な動画編集や高度な科学技術計算には、ゲーミングPCで使われているCore i7-8750Hなどより上位のCPUのほうが向いています。Core i7-8565Uならちょっとした動画編集 (スマホで撮影した動画からDVDを作るなど)やデータ処理なども可能ですが、自分でメモリー容量を16GBに増やしたほうがいいでしょう。日常的な作業や画像を使った資料作りなどが中心なら、Core i5-8265Uでも十分です。
ゲーム・グラフィックス性能
Vostro 14 5000 (5481)の一部のモデルでは専用グラフィックス機能としてGeForce MX 130 (2GB)が使われていますが、ゲームを快適にプレーできるほどの性能ではありません。ベンチマーク結果をご覧いただくとおわかりのように、CPU内蔵のIntel UHD Graphics 620よりもちょっといい程度。そこそこの規模のゲームを快適にプレーするにはベンチマークスコアが6000以上は欲しいので、ゲーム用としてはパフォーマンス不足です。
GPUベンチマーク
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
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GeForce MX150 |
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Vostro 14 5481 (GeForce MX130) |
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Radeon 530 |
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Radeon 520 |
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UHD 620 (Core i7) |
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UHD 620 (Core i5) |
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※そのほかのGPUのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
ただし、ドラクエ10やLeague of Legendsなどの軽めのゲームであれば、画質や解像度を調整することで快適に楽しめるでしょう。ゲームについては、息抜き程度だと考えてください。GeForce MX 130はあくまでもウィンドウズのグラフィックス処理 (画面表示やちょっとした加工など)をサポートするためのものです。
バッテリー性能
実際のバッテリー駆動時間を計測したところ、バッテリー消費の少ないテストでは8時間56分、バッテリー消費がかなり大きいテストでは5時間37分という結果でした。外出先でヘビーに使っても、数時間はもちそうです。あまり長くはありませんが、モバイル用のモデルではないので、これで十分とも考えられます。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | ※非公開 |
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BBenchによる計測 | 8時間56分 |
PCMark 8による計測 | 5時間37分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
低価格ながらハイスペックモバイルとしても使える
ということで、今回はVostro 14 5000 (5481)のレビューをお届けしました。
価格はCore i5搭載の下位モデルで7万円台、Core i7搭載の上位モデルで10万円台と、ノートPCとしては高すぎるというほどではありません。中級機としては標準的な値段です。しかしながら性能面とルックスは、高級機並みのクオリティーを実現しています。特に13.3インチのモバイルノートPCクラスの小ささである点がポイント。重量はちょっと重いのですが、モバイル用として使うのもアリでしょう。コスパの高さは抜群のモデルです。