デルの「Inspiron 15 5515(以下、15.6インチモデル)」は、Ryzenモバイル5000シリーズを搭載する15.6インチのスタンダードノートPCです。デルからは同じRyzenシリーズを搭載する機種として14インチの「Inspiron 14 5415(以下、14インチモデル)」が発売されています。どちらも似たような機種ですが、細部が微妙に異なります。
そこでこの記事では筆者が購入した実機を使って、Inspiron 15 5515とInspiron 14 5415の違いや選び方について解説します。どちらを選べばいいのか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
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スペックの違い
15.6インチモデルと14インチモデルのスペックは以下の表のとおり。基本スペックについては、ほぼ同じです。そのほか共通する部分も多いのですが、サイズや重さ以外にも異なる部分がいくつかあります。
Inspiron 15 5515とInspiron 14 5415の違い
Inspiron 15 5515 | Inspiron 14 5415 | |
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APU | Ryzen 5 5500U / Ryzen 7 5700U | |
グラフィックス | Radeon Graphics | |
メモリー容量 | 8(8GB×1)/16GB(8GB×2) | 8GB(8GB×1) |
メモリー規格 | SO-DIMM DDR4-3200、スロット×2、最大32GB | |
ストレージ | 256 / 512GB SSD ※M.2スロットはType 2230またはType-2280対応(1スロット) |
|
M.2スロット | 3(ストレージ×2+Wi-Fi×1) | 2(ストレージ×1+Wi-Fi×1) |
画面サイズ | 15.6インチ | 14インチ |
液晶パネル | 1920×1080、広視野角パネル、非光沢、タッチ非対応、NTSC 45%、250nit | |
インターフェース | USB3.2 Gen1×2、USB3.2 Gen1 Type-C、HDMI、ヘッドホン端子 | |
メモリーカードスロット | SD | microSD |
ワイヤレス通信 | Wi-Fi 6 + Bluetooth 5 | |
サイズ | 幅356.06×奥行き228.9×高さ17.99mm | 幅321.27×奥行き212.8×高さ17.99mm |
重量 | 最小1.643kg | 最小1.44kg |
バッテリー駆動時間 | 4セル 54WHr ※駆動時間は非公開 |
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本体デザインの違い
ここからは実際の見た目の違いについて解説します。
本体カラーは15.6インチモデルがプラチナシルバーとミストブルー、14インチモデルがプラチナシルバーとピーチダストです。両モデルに共通のプラチナシルバーは無難な色で、指紋の跡が目立たないメリットがあります。個人的にはミストブルーよりもピーチダストのほうが個性的で好みです。
本体サイズは、15.6インチのほうが14インチよりもひと回り大きめです。とは言え、劇的に変わるほどではありません。持ち運ぶなら大きさや重さの違いは重要ですが、どちらも据え置き用なので大して変わらないと言っていいでしょう。
ディスプレイの違い
15.6インチモデルと14インチモデルのもっとも大きな違いは、画面の大きさです。ただしこの点についても劇的に違うわけではなく、せいぜいひと回り違う程度です。しかしデスクトップのスケーリング(拡大率)設定が異なるため、同じ解像度でもそれぞれ表示される情報量が異なります。14インチモデルのほうが拡大率が大きいため、文字や画像が大きく表示されます。ただしそのぶん、1画面あたりの情報量が少なめです。
キーボードの違い
キーボードも大きく異る点のひとつです。15.6インチモデルには数値入力に便利なテンキーが付いていますが、14インチモデルには付いていません。エクセルなどで数値を入力する機会が多いなら、15.6インチが有利です。ただし外付けのテンキーキーボードを利用すれば、14インチモデルも楽に数値入力できます。
14インチモデルはテンキーがないぶん、キーの大きさに余裕があります。キーピッチ(キーとキーの間隔)は14インチモデルが19mmですが、15.6インチモデルはやや狭めの18.7mm。その差は0.3mmしかありませんが、実際に比べると15.6インチタイプのほうが窮屈に感じます。
またキー配列についても、14インチモデルのほうが使いやすく作られています。特にEnterキー周辺が15.6インチモデルは窮屈です。14インチモデルのほうが違和感がありません。
キーストロークは15.6インチモデルが1.21mm、14インチモデルが1.28mmでした。ほとんど変わりませんが、わずかに14インチモデルのほうがストロークが深くて手応えがハッキリとしているように感じます。
筆者の好みで言えば、14インチモデルのほうがキーボードが使いやすいと思います。ただなでるように軽くタイプする人には、15.6インチモデルのほうが合っているかもしれません。
インターフェースの違い
15.6インチモデルと14インチモデルで、インターフェース構成はほとんど変わりません。ただしメモリーカードスロットの対応サイズが異なります。15.6インチモデルはデジカメやデジタルビデオカメラなどでよく使われるSDサイズ、14インチモデルはAndroid系のスマホやタブレットで使われるmicroSDサイズです。
インターフェース構成はほぼ同じですが、15.6インチモデルのほうがガッツリ作業をする人向けであることを考えると、やや少ない気がします。たとえば、個人的には15.6インチモデルには有線LAN端子が欲しいところです。またType-C端子も左側だけでなく右側にあれば、ケーブルの取り回しが楽に行なえるのではないかと思います。
本体内部の違い
本体内部のレイアウトは、かなり似ています。おそらく一部で共通のパーツが使われているためでしょう。CPUクーラーやヒートパイプは同じものが使われているので、パフォーマンスにも違いはなさそうです。またスピーカーの形状も異なりますが、スペック的には出力は同じ。音質にも違いは感じられませんでした。
本体内部で大きく異るのは、15.6インチモデルにはストレージ用のM.2スロットが2ポート用意されている点です。標準ストレージだけでは容量が少ない場合、新たにSSDを追加することで容量を増やすことができます。
どちらを選ぶべきか
パフォーマンスについては、どちらも同じCPUとストレージが使われています。メモリー容量は15.6インチモデルのみ16GBモデルが用意されていますが、自分でメモリーを増設すれば性能的には変わりません。自分で増設するのがイヤなら、15.6インチモデルのRyzen7+16GBメモリーモデルを選んでください。
キーボードの使いやすさを重視するなら、14インチモデルを選ぶといいでしょう。テンキーが必要なら15.6インチモデルですが、外付けのテンキーキーボードを使う方法もあります。
画面サイズはあまり変わりませんが、文字が大きいほうがいいなら15.6インチモデルがおすすめです。14インチモデルのほうが標準時の文字が大きいのですが、標準のスケーリング設定であれば15.6インチのほうが情報が多く表示されます。
あとは本体カラーなども考慮に入れるといいでしょう。値段はどちらも同じなので、そのときの納期で決めるのもアリです。
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