レノボのLegion T530は、コスパの高いリーズナブルなゲーミングデスクトップPCです。GPUはGeForce GTX 1650 / 1660 Tiで、Core i5モデルなら値段は税込8~10万円台。税込6万3767円のグラボ(GPU)なしモデルを購入して、別途購入したグラボを追加することもできます。
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
この記事の目次
※2019年11月1日時点
Legion T530のスペック
CPU | ・Core i5-8400 ・Core i7-8700 ・Core i5-9400F ・Core i7-9700 |
---|---|
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・SSD ・SSD + HDD ・HDD + Optane |
グラフィックス | ・UHD 630 ・GTX 1060 ・GTX 1650 ・GTX 1660 Ti |
チップセット | B360 |
電源 | ・450W (80PLUS BRONZE) ・500W (80PLUS BRONZE) |
※2019年11月1日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | ※独自仕様 |
---|---|
SATAポート | 3 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用 + ストレージ用) |
光学ドライブ | ー |
ドライブベイ | 3.5インチ×2 |
拡張スロット | PCI Express x16 ×1 |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | Gen2×2 (背面) |
USB3.0 | 4 (前面2 + 背面2) |
USB2.0 | 2 (背面) |
USB Type-C | ー |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | ー |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ・1 (GTX1660Ti) ・2 (GTX1650) |
DVI | ・1 (GTX1660Ti) ・0 (GTX1650) |
サイズ | 幅185mm 奥行き456mm 高さ440mm |
重量 | 約12kg |
スペック上の注意点
- キーボード/マウスなし
- メモリーカードスロット非搭載
- パーツカスタマイズ非対応
本体の外観と内部
個性的な形のPCケース
Legion T530はデスクトップPCのなかでは中サイズのミニタワー型に分類されます。天面部に取っ手のついたデザインが特徴的で、設置の際には楽に持ち運べる点がメリットです。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
機能:◎ 拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
機能:◎ 拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
機能:○ 拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
機能:△ 拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
端子類は十分な構成
USB端子の数は合計8ポート。Type-C端子には対応していないものの、10Gbpsの高速なUSB3.1 Gen2に対応するなど十分な構成です。なおメモリーカードスロットには対応していない点に注意してください。
前面のインターフェース
- ① USB3.0
- ② ヘッドホン出力/マイク入力
- ③ 電源ボタン
背面I/Oパネルのインターフェース
- ① USB3.0
- ② USB3.1 Gen2
- ③ USB2.0
- ④ 1000BASE-T対応有線LAN
- ⑤ DisplayPort
- ⑥ HDMI
※映像出力端子はグラフィックボードによって変わります
拡張性はイマイチ
Legion T530では独自の規格のマザーボードやPCケースが使われており、余計な部分はとことん省かれています。その代わりスロットやドライブベイの数は少なく、拡張性はあまり高くはありません。自分でパーツを交換することもできますが、あとからどんどん買い足していくような使い方には不向きです。
Legion T530のベンチマーク結果
今回のテストでは、Core i7 + GTX1650搭載モデルを使いました。主なスペックは以下のとおりです。なおベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
型番 | 90L3008CJM |
---|---|
CPU | Core i7-9700 |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | GeForce GTX 1650(4GB) |
ストレージ性能
試用機では1TB SSDと1TB HDDが使われていました。SSDはPCIe 3.0 x4接続の超高速タイプで、アクセス速度は十分です。また合計2TBの容量があれば、ゲームを複数インストールしても空き容量不足で困る場面はありません。
CPU性能
試用機では使われているCore i7-9700のベンチマークテストを行なったところ、同じCore i7-9700のスコアをわずかに上回りました。熱などでパフォーマンスが低下している様子は見られません。非常に高性能なCPUです。
下位モデルで使われているCore i5-9400FはCore i7-9700よりもパフォーマンスが劣るものの、PCとしては十分高性能です。ゲームで利用するには問題ないでしょう。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Legion T530 (Core i7-9700) |
3336
|
Core i7-9700 |
3211
|
Core i7-8700 |
3009
|
Core i5-9400F |
2334
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
FF15ベンチを30分間実施してCPUのクロックと温度を計測したところ、クロックは平均4.45GHzと高めで推移していました。温度は平均69.8℃とかなり低めに抑えられています。CPUの発熱によるパフォーマンスの低下や不具合、熱によるパーツの劣化は心配なさそうです。
静音性もなかなか優秀です。FF15ベンチ実行中の負荷の高い状態でも、駆動音は特に気になりませんでした。しかしウィンドウズの起動直後やなにかしら処理で高い負荷がかかると、一瞬だけ駆動音がとても大きくなります。基本的には静かなのですが、なんらかのタイミングで音が大きくなることを意識しておいてください。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 41.7dBA | 低い回転音が少し聞こえるが気にならない |
FF15ベンチ時 | 46.4dBA | 同上 |
※駆動音の計測方法はコチラ
3D性能
GPUとしてはエントリー (入門)クラスのGeForce GTX 1650と、ミドルレンジ (中級)クラスのGeForce GTX 1660 Tiが用意されています。3D性能を計測するベンチマークテストではGTX 1650の平均値を上回る優れた結果となりましたが、性能的にはGTX 1660 Tiのほうが上です。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2080 |
25484
|
RTX 2070 |
22856
|
GTX 1660 Ti |
15952
|
GTX 1060 |
12415
|
Legion T530 (GTX 1650) |
8893
|
GTX 1650 |
8059
|
GTX 1050 |
6945
|
UHD 630 (Core i7) |
1359
|
UHD 630 (Core i5) |
1051
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークや実際のプレーにおけるFPS (画面の滑らかさを表わす目安)計測結果は以下のとおりです。なお今回は比較用に、Legion C530 (Core i7-9700 + GTX 1660 Ti)の結果もまとめました。厳密には違う機種なのですが、Legion T530でGTX 1660 Tiを選ぶ際の参考にしてください。
結果からザックリ言うと、エントリークラスのGTX 1650でもやや重めの中量級タイトルまでなら快適に楽しめます。ただし高画質で100FPS以上はなかなか難しく、高リフレッシュレート対応ディスプレイでなめらかな動きを堪能するには向いていません。120Hz以上でプレーしたり重い重量級ゲームを楽しむなら、GTX 1660 Tiをおすすめします。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 6110 / 快適 |
標準品質 | 8694 / 快適 |
軽量品質 | 11376 / とても快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
GTX 1650 (T530)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 3467 / 普通 |
標準品質 | 4888 / やや快適 |
軽量品質 | 6445 / 快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 15004 / 非常に快適 / 104FPS |
高品質 | 15768 / 非常に快適 / 112.6FPS |
標準品質 | 19270 / 非常に快適 / 162.0FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 9185 / 非常に快適 / 61.7FPS |
高品質 | 10433 / 非常に快適 / 69.9FPS |
標準品質 | 16154 / 非常に快適 / 115.8FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (超軽量級 / DX9)
GTX 1660 Ti (C530)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
通常 | 286.3 FPS / 230 FPS |
TFT | 117.6 FPS / 98 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
通常 | 283.3 FPS / 217 FPS |
TFT | 104.5 FPS / 67 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 22540 / すごく快適 |
標準品質 | 22662 / すごく快適 |
低品質 | 23551 / すごく快適 |
GTX 1650 (T530)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 22073 / すごく快適 |
標準品質 | 22284 / すごく快適 |
低品質 | 23342 / すごく快適 |
フォートナイト (中量級 / DX11)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 105.4 FPS / 92 FPS |
高 | 143.6 FPS / 124 FPS |
中 | 242.3 FPS / 196 FPS |
低 | 351.8 FPS / 281 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 63.9 FPS / 56 FPS |
高 | 86.6 FPS / 79 FPS |
中 | 246.4 FPS / 215 FPS |
低 | 441.1 FPS / 332 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG (中量級 / DX11)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 95.6 FPS / 88 FPS |
高 | 125.4 FPS / 99 FPS |
中 | 127 FPS / 88 FPS |
低 | 146.9 FPS / 127 FPS |
非常に低い | 153.5 FPS / 124 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 47.8 FPS / 48 FPS |
高 | 69.6 FPS / 60 FPS |
中 | 77.4 FPS / 69 FPS |
低 | 92.9 FPS / 81 FPS |
非常に低い | 112.6 FPS / 96 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽量級 / DX10)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 90.3 FPS / 78 FPS |
ウルトラ | 125 FPS / 113 FPS |
高 | 153.3 FPS / 133 FPS |
NORMAL | 189.2 FPS / 165 FPS |
低 | 240.5 FPS / 209 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 84.5 FPS / 75 FPS |
ウルトラ | 118.2 FPS / 110 FPS |
高 | 139.1 FPS / 122 FPS |
NORMAL | 181.9 FPS / 152 FPS |
低 | 245.4 FPS / 213 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
エーペックスレジェンズ (中量級 / DX11)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 121.7 FPS / 108 FPS |
最低設定 | 143.8 FPS / 143 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 67.7 FPS / 60 FPS |
最低設定 | 135.9 FPS / 111 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 53 FPS / 31 FPS |
中 | 92 FPS / 26 FPS |
低 | 103 FPS / 52 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 31 FPS / 21 FPS |
中 | 62 FPS / 41 FPS |
低 | 73 FPS / 47 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | 平均FPS |
最高 | 78 FPS |
中 | 92 FPS |
最低 | 135 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS |
最高 | 46 FPS |
中 | 55 FPS |
最低 | 71 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ファークライ ニュードーン (中重量級 / DX11)
GTX 1660 Ti (C530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 88 FPS / 71 FPS |
中 | 102 FPS / 88 FPS |
低 | 111 FPS / 94 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 54 FPS / 43 FPS |
中 | 63 FPS / 53 FPS |
低 | 82 FPS / 34 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
価格について
Legion T530は2019年に新モデルが発売されていますが、まだ旧世代のCPU / GPUを搭載した2018年モデルが販売されています。購入の際は十分注意してください。
2019年モデルは以下の3機種です。Core i7搭載モデルはGTX 1650のみで、GTX 1660 Tiは用意されていません。パーツカスタマイズには対応していないので、Core i7 + GTX 1660 Tiの構成を希望する方は、コンパクトなキューブ型のLegion C530を検討してみてください。
ラインナップ (2019年モデル)
90L3008AJM | 90L3008BJM | 90L3008CJM |
---|---|---|
Core i5-9400F | Core i7-9700 | |
8GBメモリー | 16GBメモリー | |
GTX 1650 | GTX 1660 Ti | GTX 1650 |
512GB SSD | 512GB SSD + 1TB HDD | 1TB SSD + 1TB HDD |
8万8209円 | 10万5754円 | 13万2363円 |
※2019年11月1日時点
2018年モデルは以下の2種類です。GPUが「UHD 630」のモデルはグラフィックボードがなく、CPU内蔵のグラフィックス機能を利用します。GTX 1660やRTX 2060 SUPER、あるいはAMDのRadeonシリーズなどのグラフィックボードを自分で購入する場合に、このモデルを選ぶといいでしょう。
ラインナップ (2018年モデル)
90JL002WJM | 90JL00F0JM |
---|---|
Core i5-8400 | Core i7-8700 |
8GBメモリー | 16GBメモリー |
UHD 630 | GTX 1060 |
256GB SSD | 1TB HDD + Optane |
6万3767円 | 11万9750円 |
※2019年11月1日時点
ゲーミングPCを安く買いたい人に
ということで、今回はLegion T530のレビューをお届けしました。
最大の魅力は、なんと言っても価格が安い点です。他社製の同クラス製品と比べると価格は1~2万円程度安く、あるいは価格は同程度でもメモリーやストレージの容量が大きいのでお得です。パーツカスタマイズには非対応ですが、パーツを選ぶのがよくわからない人にとっては逆にありがたいでしょう。それほどPCゲームをカジュアルに楽しみたい人にピッタリです。
※2019年11月1日時点
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