レノボのLenovo V15 Gen 2(AMD)は、価格の安さが魅力の15.6インチノートPCです。ボディや映像の品質はそれなりですが、Zen2世代のRyzen 5 5500U搭載で6万円台前半と安く販売されています。価格と性能のコスパを重視したい人に向いています。
ポイント
- 😄 Ryzen搭載で低価格
- 😄 有線LAN/テンキー対応
- 🙄 映像品質がイマイチ
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶まとめ
※2021年10月17日時点
Lenovo V15 Gen 2(AMD)のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro ・Windows 11(カスタマイズモデルのみ) |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Ryzen 3 5300U ・Ryzen 5 5500U ・Ryzen 7 5700U(カスタマイズモデルのみ) |
メモリー | 8GB(オンボード) ※メモリースロット×1、DDR4 3200 |
SSD | ・128GB(カスタマイズモデルのみ) ・256GB ・512GB(カスタマイズモデルのみ) |
HDD | なし |
グラフィックス | Radeon |
リフレッシュレート | 60Hz |
モバイル通信 | - |
堅牢性テスト | ※表記なし |
色域 / 輝度 | 45% NTSC / 250nit |
幅×奥行き | 359×236mm |
厚さ | 19.9mm |
重量 | 約1.7kg |
バッテリー | 約14.1時間 |
※2021年10月17日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ブラック |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | TN |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | 4列 |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.2 | 1(Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | USB3.2 Gen1×1(DP Alt/PD非対応) |
Thunderbolt | - |
メモリーカード | - |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | HD 720p(92万画素) |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | - |
付属品 | 65W ACアダプターなど |
オフィス | ・なし ・Office Personal 2019 ・Office Home & Business 2019 |
デザインと使いやすさ
外観について
Lenovo V15 Gen 2(AMD)は、エントリー(入門向け)ビジネスノートPCという位置付けです。価格の安さを重視しているため、本体はやや安っぽく作られています。とは言え、外観や映像品質にこだわらないなら普通に使えるでしょう。最近の機種としてはわずかにゴツい印象ですが、数年前のノートPCと比べればはるかにスタイリッシュです。
ディスプレイについて
Lenovo V15 Gen 2(AMD)の最大の弱点は、ディスプレイです。
画面サイズは15.6インチで、解像度1920×1080ドットのフルHD。15.6インチタイプでは一般的な組み合わせです。ただしディスプレイには格安ノートPCでよく見られるTNパネルが使われており、文字の色が薄く映像が見づらく感じます。
TNパネルは視野角が狭く、画面の角度を変えると色や明るさが大きく変わります。ディスプレイの角度調整で手間取ることがあるかもしれません。
映像はTNパネル特有の青っぽさが残るものの、極端に色が違うほどではありません。パッと見た感じでは、違和感はないでしょう。とは言え、スマホやタブレットなどと比べると鮮やかさが足りなく感じるはずです。
明るさは公称値で250nit。暗い場所では気にならないものの、明るい照明の下ではやや暗く感じました。照明を落とした環境での作業に向いています。
以上のように、Lenovo V15 Gen 2(AMD)の映像品質は高くありません。ただし色味を気にしない人なら、問題なく使えるでしょう。映像品質が気になる場合なら、外付けディスプレイにつないで作業することをおすすめします。
キーボードについて
キーボードは日本語配列でバックライトには非対応、数値入力に便利なテンキー付きです。キーボード左側の配列には違和感はありませんが、右側のEnterキー周辺がやや窮屈に感じます。使い始めのうちは、誤入力があるかもしれません。
キーピッチは18.4mmで、標準値である19mmよりも狭く作られています。実際に入力してみるとホームポジション付近では違和感はありませんでしたが、左右の端のほうでやや狭く窮屈に感じました。タイプミスが何度かありましたが、慣れれば問題なく使えるでしょう。
キーストロークは実測で平均1.33mmでした。キーを押した瞬間のクリック感は固く、指を押し込む力も強めです。タイプ感はやや重く感じますが、ストロークが浅いのでそれほど力が必要なわけではありません。
タイプ感が固いぶん、タイプ音は軽い力でもカタカタと聞こえます。うるさくはないのですが、静かな場所では周囲への配慮が必要です。指を打ち下ろすようにして入力するとトントンと強く響くので、軽いタッチを推奨します。
インターフェース/機能について
周辺機器接続用のインターフェース(端子)類は多くはありませんが、最近のビジネス向けノートPCとしては十分な構成です。さらに必要な場合は、USBドックやアダプターなどを利用してください。個人的にはType-CがUSB PDと映像出力に対応していない点が残念です。
Type-C端子の機能
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | × |
USB PD 100W充電 | × |
映像出力 | × |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Ryzen 5 5500U |
---|---|
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB NVMe SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics (CPU内蔵) |
※各ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「バランス」に設定した上で、電源オプションを「最も高いパフォーマンス」にして実施しています
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、Zen2世代のRyzen 5000シリーズ・モバイル・プロセッサーが使われています。Ryzen 5 5500U搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、同じCPUの平均値を上回る優秀な結果が出ました。位置付け的には中位クラスのRyzen 5 5500Uでも、スタンダードノートPC向けCPU全体では上位グループに属します。
Lenovo V15 Gen 2(AMD)の結果ではないのですが、Ryzen 3 5300Uでも優秀な結果が出るはずです。現行世代のCore i5/i7にはかないませんが、同じベンチマークテストでは第10世代のCore i5を上回る結果が出ています。
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 5800U |
19202
|
Ryzen 7 5700U |
18089
|
Lenovo V15 Gen2 (Ryzen 5 5500U) |
13653
|
Core i7-1185G7 |
13135
|
Ryzen 5 5500U |
12362
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
Ryzen 3 5300U |
9527
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
Ryzen 3 3250U |
4441
|
Athlon Silver 3050U |
3351
|
Celeron 6305 |
2302
|
Celeron N4500 |
2284
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、内蔵グラフィックスのRadeon Graphicsが使われます。3Dベンチマークテストで同じRyzen 5のスコアを下回っているのは、試用機が8GB×1のシングルチャネル構成だったため。デュアルチャネルで動作すれば、もう少しパワーアップするでしょう。
とは言え、最近は第11世代Coreプロセッサに搭載のIris Xeのほうが高性能です。Radeon Graphicsでもゲームやクリエイター向けソフトで多少の効果を期待できますが、CPU性能的にあまり向いていません。
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
MX350 |
3931
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
Lenovo V15 Gen2 (Ryzen 5) |
2401
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ストレージのアクセス速度
ストレージは128~512GBのNVMe(PCIe 3.0 x4)SSDです。アクセス速度を計測したところライト性能はいまひとつでしたが、エントリー向けとしては十分だと言っていいでしょう。
しかし負荷の高い処理を連続で行なうとアクセス速度が低下することがあります。サーマルスロットリングが影響しているのかもしれません。
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った軽めの作業の快適さを計測するベンチマークテストです。テスト結果の比較用に14インチモバイルノートPCのThinkPad X1 Carbon Gen9(Core i7-1165G7+16GBメモリー)と、クリエイター向けノートPCのraytrek R5-CA(Core i7-10875H+16GBメモリー+RTX 3060)の結果もまとめました。
Ryzen 5 5500U搭載の試用機では、悪くない結果が出ています。さすがに高性能な比較機にはかないませんでしたが、6万円台のPCで20万円前後の高級機に迫る結果が出ていると考えれば、かなり善戦していると言っていいでしょう。
なおRyzen 3モデルでは多少スコアが低下するはずですが、ベンチマークテストの目標値は超えられると思われます。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
8757
10193
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
7782
7072
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
4732
5203
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
起動時間の計測結果
電源オフの状態から電源ボタンを押してウィンドウズのデスクトップが表示されるまでの時間(バッテリー駆動時)は平均10.22秒でした。最近のSSD搭載ノートPCの平均は15秒前後ですので、起動は高速です。待たされている感はほとんどありません。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 9.2秒 |
---|---|
2回目 | 11.0秒 |
3回目 | 9.4秒 |
4回目 | 10.8秒 |
5回目 | 10.7秒 |
平均 | 10.22秒 |
画質を重視しないならアリ
よかった点
高性能であるにも関わらず、Ryzen 3モデルで5万円台、Ryzen 5モデルで6万円台前半と価格が安い点が魅力です。特にRyzen 5モデルであれば、高価なCore i7搭載ノートPCを上回るほどのCPU性能を期待できます。性能とコスパを重視する人に向いています。
気になる点
ディスプレイの見づらさが気になります。TNパネルでも気にならない人はいますが、普段からIPSパネルのノートPCや外付けディスプレイを使っているなら、見づらく感じるはずです。画質を重視しないのならアリですが、見やすい画面で作業したいならほかの機種を選んだほうがいいでしょう。外付けのディスプレイやキーボードをつないで利用する手もあります。
※2021年10月17日時点
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