ロジクールのERGO K860(以下、”K860″)は、ワイヤレスタイプのキーボードです。人間工学に基づいて設計されたエルゴノミックデザイン採用で、手首や肩、首等を自然な位置に配置したまま操作できる点が特徴。リラックスした状態で、PCを利用できます。
最大の特徴は、キーが左右に分かれる『スプリットレイアウト』を採用している点です。キーが左右にわかれているので操作には慣れが必要ですが、腕を「ハの字」型に開くことでより良い姿勢で入力できます。
今回はメーカーから提供いただいた実機を使って、K860の使い心地をレビューします。
M575の使い心地
パッケージ
キーが左右に分かれた独特の形状
手首と肩に負担がかかりにくい
実際にK860に手を置くと、手首と肩に違和感がないことに気付きます。筆者の場合だと特に、普通のキーボードに比べて肩が開き正しい姿勢で作業できるように感じました。
また指が手の甲よりも下がっているので、指の上げ下げ際に指の筋への負担が少ないように思います。確かにこれなら、長時間利用しても疲れにくいでしょう。
実際の入力感
使い始めは違和感がありますが、30分程度でなんとなく慣れてきます。キーボードの入力に慣れているなら、普通に使えるようになるでしょう。
ただしタッチタイピングをどれだけ身に付けているかによって、習熟具合は変わります。運指を完璧に身に付けているなら、比較的早く慣れるはずです。筆者は独自の「なんちゃってタッチタイピング」なので、何度か違和感を感じました。ある程度はタッチタイピングの矯正にも使える気がします。
タイプ感については悪くはありません。スイッチの感触としては、ノートPCで使われるパンタグラフ方式に似ています。ストロークは実測で1.5~1.8mm程度。入力時はタクタクとしたタイプ感がありました。
たわみや軸のブレなどはないものの、キートップの処理がやや安っぽく感じます。わずかにくぼみがあり指にフィットしやすくなっているものの、表面はザラついた感触でキートップの文字はシルクプリント。格安キーボードでは一般的な仕上がりです。安い製品ではないので、そのあたりはもう少し手をかけてほしかったと思います。
タイプ音は思っていたよりも静かです。メカニカルや無接点方式のスイッチのキーボードよりは音がだいぶ抑えられています。ノートPCのタイプ音より、やや大きい程度でした。ただ底面部の空きで音が反響しているため、入力時に低音域の音がやや強く聞こえます。
F1~F12キーは通常はホットキー(メディアキー)として割り当てられています。ファンクションキーとして使う場合は、専用ユーティリティー「logicool Options」で設定を変更すればOK。また最大3種類までの接続先を設定可能で、キーボードのキーで使用デバイスを気軽に切り替えられます。
より自然なタイピングが魅力
キーボードを使うと、肩や首、手首などへ負担がかかります。長時間使う人なら、体を痛めることもあるでしょう。筆者も10年ほど前に腱鞘炎を経験してからは、キーボードやマウス、イスなどに気を使うようになりました。手首や指などを痛めると仕事にならないので、普段から疲れにくい機器を使用するのは大切なことだと思います。
実際にK860を使ったところ、手首と肩への負担がだいぶ軽減されるように感じました。標準的なキーボードだと肩を狭めるようにして使うので筆者の場合だと姿勢が悪くなりがちですが、K860では肩を開いて使うので自然な姿勢をキープできます。配列については好みがわかれるとは思いますが、我流の人でもタッチタイピングの矯正に使えるのではないでしょうか。
個人的に残念なのは、ノートPCのようなパンタグラフ方式のスイッチでは文字を高速に入力しづらい点です。メカニカルとまではいかなくても、指を押し戻す力の強いスイッチだともっと軽快に入力できる気がします(ちなみに筆者の常用キーボードはREALFORCEの45g)。
とは言え、自然な姿勢で無理に力を入れることなく作業できる点は魅力です。体への負担が気になる人は、検討してみてはいかがでしょうか。
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