PC版のマインクラフトで遊びたいけどPCを持っていない、あるいはPCが古すぎて遊べないという人は多いのではないでしょうか。マインクラフトのグラフィックはそれほど凝っていませんが、本格的にプレーするとなると意外にも高いマシン性能が必要となります。そこで今回はCPUにCeleron N2940(1.83GHz)を搭載したマウスコンピューターの格安ノートPC「LuvBook B」を使って、低価格なPCでどれだけ快適に遊べるのかを検証しました。
なお「LuvBook B」はもっとも安いモデルが3万7800円(税別)で販売されていますが、今回はメーカーからお借りした4万9800円(2015年4月6日現在、キャンペーン割引適用ずみ)のSSD&DVDドライブ搭載モデル「LB-B400S-SSD」を利用しています。またベンチマーク結果はパーツ構成によって変わることがあり、検証結果はあくまでも個人的な感想である点をあらかじめご了承ください。
試用機(LB-B400S-SSD)の主なスペック
製品名 | LuvBook B(LB-B400S-SSD) |
---|---|
OS | Windows 8.1 Update 64bit |
CPU | Celeron N2940(1.83GHz) |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 128GB SSD(ADATA SP900シリーズ) |
液晶ディスプレイ | 14型、1366×768ドット、ノングレアタイプ |
グラフィックス | Intel HD Graphics(CPU内蔵) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | 100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0+LE |
Webカメラ | 100万画素 |
インターフェース | USB3.0×1、USB2.0×2、アナログRGB、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC/MS対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
サイズ/重量 | 幅340×奥行き241×高さ12~24.7mm/約1.8kg |
バッテリー駆動時間 | 7.2時間(JEITA2.0) |
お知らせ
この機種はすでに販売が終了しています。以下のリンクから、別の記事をご覧ください。
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3Dグラフィックス性能をベンチマークソフトでチェック
マインクラフトのプレーを始める前に、まずはCeleron N2940を搭載した「LuvBook B」のゲーム性能を確認してみましょう。
「LuvBook B」はグラフィックス機能に、CPU内蔵のIntel HD Graphics(第7世代)を利用します。もともとCeleron N2940は価格の安さや省電力性能を重視したCPUですので、内蔵グラフィックス機能もそれほど高くはありません。
総合的な3D性能(DirectX利用時)を計測するベンチマークソフト「3DMark」では、もっとも負荷の低い「Ice Storm」で「19417」でかなり低めの結果です。国内で人気のオンラインゲームをプレーするなら、最低でも3万以上(1280×720ドット、低画質時)は欲しいところ。「LuvBook B」で3Dゲームをプレーするのは厳しいと言えるでしょう。
もっともマインクラフトは3D描画に一般的なDirectXではなくOpenGLを利用しますので、「3DMark」の結果についてはそれほど参考になりません。そこでOpenGLの性能を簡易的に計測できる「CINEBENCH」の結果を見ると、「OpneGL」が「6.34fps」とかなり低めでした。問題なくプレーするのであれば30fps、快適にプレーするなら60fpsは必要となります。
参考までに「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」と「ファイナルファンタジーX14:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の結果も掲載しておきます。さすがに両方とも、プレーするには厳しめの結果となりました。
Celeron N2940はゲームプレーを目的としたCPUではないため、ゲームの快適さに大きく影響する3D描画性能はかなり控えめです。CPU性能と価格の安さを考えれば、やむを得ないところでしょう。
実際にマインクラフトで遊んでみた結果は!?
ベンチマークの結果が良くなくても、実際にプレーしてみると意外に問題なく遊べることもあります。そこで、いよいよマインクラフトを実際にプレーしてみましょう。
ソフトをインストールする際にJavaのラインタイムが必要となりますが、このとき32ビット版ではなく64ビット版のランタイムを利用します。これだけでもプレーの体感速度が大きく変わってくるためです。
マインクラフトはバージョン1.8.3を利用しました。まずはMODを導入していないプレーンな状態、いわゆる「バニラ」でプレーしてみます。
ウィンドウサイズ854×537ドットの標準設定でプレーしてみたところ、FPSは20~25程度でした。意外とスムーズに遊べます。
FPSについては人それぞれで捉え方が異なるのですが、個人的には以下を目安として考えています。
FPSの目安(個人的な目安) | |
60以上 | ストレスなく快適にプレーできる |
---|---|
59~45 | 処理の重い場面ではやや動きが遅くなるが、全体的には快適 |
44~30 | 問題なくプレーできるレベル。ときおりカクつくことがある |
29~15 | カクつきが見られるが、そこそこ遊べる |
14以下 | 動きがかなり重くなり、ストレスを感じるレベル |
ビデオ設定をもっとも軽い状態にしてみたところ、影や明かりがマス目状に表示されるようになりますが、FPSは最高30まで出るようになりました。
しかしながら、Mob(敵や動物などのキャラクター)が多い場所、あるいは大きな建造物の周辺ではFPSがかなり下がってしまいました。
フルスクリーン表示でも、FPSに大きな変化はありませんでした。性能的にライトなプレーならなんとか可能ですが、やり込みプレーには厳しいかもしれません。
軽量化MODを導入すれば多少は改善される
ノーマルな状態では、やり込むほどに動作が重くなっていきます。このままでは少し厳しいので、マインクラフトの処理を軽くする「軽量化MOD」を導入してみました。MODを導入してからビデオ設定を調整することで、建造物の多い場所でも平均して30FPS前後出るようになっています。ただし、やはりMobの多い場所では重いままです。
軽量化MODを利用することで平均して30FPSは出るようになったとは言っても、やはり多少はカクつく場面があります。大量のMobを発生させないなど工夫が必要になるかもしれません。
総合的に見ると「LuvBook B」はマインクラフトを快適に遊べるというレベルでもないのですが、Mobを増やしすぎなければ十分楽しめる性能です。マルチプレーでのレスポンスは違ってくるとは思いますが、ライトなシングルプレーであれば大丈夫でしょう。どのあたりまでが「ライト」なのかは判断が分かれるところですが、参考までに紹介すると、今回テストに使った環境を作り上げるまでにおよそ300時間以上はかかっています。
なお軽量化MODの導入方法については、下記の記事を参考にしてください。
最高画質でプレーするにはどのくらいの性能が必要か?
参考までに、高画質でプレーするとどのような画面になるのかを紹介しましょう。以下のスクリーンショットは、「影MOD」と呼ばれる高画質化MODを適用した状態です。テクスチャーについては標準のものを利用しています。
まるで別のゲームではないかと思うほど、グラフィックが大幅にパワーアップしています。利用したPCのスペックは以下の表のとおり。このパーツ構成だと、1920×1080ドットのフルスクリーン表示で平均80FPS前後は出ていました。
上記のスクリーンショットを撮影したPCのスペック | |
CPU | Core i7-4790K(4GHz) |
---|---|
メモリー | 8GB |
グラフィックス | GeForce GTX 980(4GB) |
ストレージ | 1TB HDD |
OS | Windows 8.1 Update 64bit |
「艦これ」はまったく問題なく遊べる
話を「LuvBook B」に戻しましょう。
最後に「LuvBook B」で「艦隊これくしょん~艦これ~」を試してみたところ、まったく問題なくプレーすることができました。CPUやメモリーの使用率もそれほど高くはなく、ほかの作業をしながらでも十分快適に楽しめます。
ブラウザーゲームは3Dゲームよりも処理が軽いため、Celeron N2940を搭載した「LuvBook B」でもストレスなく遊べます。
息抜きとしてのゲームなら問題なし!
CPUにCeleron N2940を搭載しCPU内蔵のグラフィックス機能を利用する「LuvBook B」は、そもそもゲームプレー向きのPCではありません。しかし実際にゲームを試してみたところ、やり込みプレーには厳しいかもしれませんが、息抜きがてらに楽しむ程度なら十分な性能を持っています。その点を考慮すると、総合的なコストパフォーマンスはかなり高いと言えるでしょう。
普段の作業もゲームもどちらも楽しみたい人は、グラフィックス機能としてGeForceシリーズなどの外付けGPUを搭載したモデルがオススメです。しかしゲームはあくまでもオマケで、メールやネット、文書作成などの作業がメインなら、低価格な「LuvBook B」をオススメします。