
製品提供:Minisforum
Minisforum MS-A2は、AMDのRyzen 7/9 HXシリーズを搭載するコンパクトなPCです。CPU性能はゲーミングノートPC向けに匹敵するほどですが、グラボ(dGPU)非搭載の上に内蔵グラフィックス(iGPU)は非常に非力。CPU性能だけが突出して高い、アンバランスでピーキーな機種と言えます。

Minisforum MS-02
この記事ではメーカーから提供された実機を使って、外観や性能、実際の使い心地、そしてこのクセのある機種をどう使うかなどについてレビューします。
おことわり
このレビュー記事では、メーカー提供品を15日間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。またミニPCは、ある程度自分でいろいろと解決できる人のためのものです。
スペック
| 発売日 | 2026年1月 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | Ryzen 9 9955HX(Zen5、16コア32スレッド) Ryzen 9 8945HX(Zen4、16コア32スレッド) Ryzen 9 7945HX(Zen4、16コア32スレッド) Ryzen 7 7745HX(Zen4、8コア16スレッド) |
| メモリー | DDR5-5600 0 / 32 / 64 / 96GB (Ryzen 9、最大96GB) DDR5-5200 0 / 32GB (Ryzen 7、最大96GB) |
| SSD | PCIe4.0 Gen4 SSD 1 / 2TB または なし |
| グラフィックス | Radeon 610M(CPU内蔵) |
| 通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth5.2、10Gbps SFP+ LAN ×2、2.5Gbps RJ45 LAN ×2 |
| インターフェース | USB3.2 Gen2 Type-C(DP)×2、USB3.2 Type-A×4、USB2.0×1、HDMI×1、10G SFP+×2、2.5G RJ45×2、ヘッドホン端子、SDカードスロット |
| スロット | M.2 / U.2スロット×1 M.2スロット×3(ストレージ用×2、Wi-Fi用×1) |
| 付属品 | VESAマウンタ、HDMIケーブル、U.2 変換プレート、電源アダプターなど |
| サイズ | 幅196×奥行き189×高さ48mm |
| 重量 | 約1464g ※実測値 |
Windowsのラインセンス
テスト機では、正規のOEM版Windows 11 Proが使われていました。筆者がこれまでに検証した限り&ネットの評判を見る限り、Minisforum製ミニPCに関しては正規ライセンスが使われているものと認識していいでしょう。

OEM版のWindows 11 Proが使われていました
技適マークについて
無線通信機器に必要な技適マークは、本体底面部にシールとして貼られています。マークの番号を「総務省電波利用ホームページ」で検索したところ、MediaTekの「MT7922A22M」として登録されていました。これはWi-Fiカードの認証を、PC本体がそのまま継承したものです。

Minisforum MS-02の技適マーク
関連リンク
PSEマークについて
電源アダプターには「電気用品安全法」の基準に適合していることを表わすPSEマークがプリントされています。届出事業者名は「UL Japan」で、国内での届け出を別の業者が担当したものと思われます。

電源アダプターのPSEマーク
システムのフルスキャン結果
検証前にWindows Defenderのフルスキャンを実施し、検知可能な脅威が存在しないことを確認しています。

Windows Defenderのフルスキャン結果
本体のシリアルナンバーについて
UEFI(BIOS)画面では、「System Serial Number」に本体のシリアルナンバーが表示されていました(本体側面部のシリアルナンバーと同じ)。ここが「Default string」だとデバイスを管理する企業向けソフト・サービスでうまく認識されない可能性がありますが、Minisforum MS-A2では問題なさそうです。

UEFI(BIOS)画面上でシリアルナンバーを確認
パッケージ

Minisforum MS-A2のパッケージ

箱の中身

付属のHDMIケーブル

付属のU.2変換プレート。U.2SSDの形状は2.5インチストレージと同じですが、PCIe 4.0 x4接続と同程度のアクセス速度が出ます。利用には別途U.2 SSDが必要

U.2 SSDの例。Minisforum MS-A2が対応する7mm厚のモデルは、見た目は2.5インチストレージと変わりません。ただしアクセス速度はGen4 / Gen5 NVMe並み ※写真はトランセンドの「UTE210T」

電源アダプターは239.97Wの丸口タイプ。かなり巨大で、重さは実測で895gでした
外観
「ミニPC」というより「コンパクトPC」
Minisforum MS-A2の筐体は、一般的なミニPCよりもかなり大きめです。とは言え、タワー型のデスクトップPCよりもはるかにコンパクト。デスクに設置すれば、大きさが気になることはないでしょう。そこそこのサイズはあるものの、個人的にはほどほどの存在感が好印象です。
ミニPCとのサイズ比較
| 機種名 | サイズ | 体積 |
|---|---|---|
| GMKtec EVO-X2(Ryzen AI Max+ 395) | 193 × 185.8 × 77 mm | 約2.76L |
| Minisforum MS-A2 | 196 × 189 × 48 mm | 約1.77L |
| GMKtec EVO-T1 | 154 × 151 × 73.6 mm | 約1.71L |
| GEEKOM A9 MAX(Ryzen AI 9 HX 370) | 135 × 132 × 46.9 mm | 約0.84L |
| GMKtec EVO-X1(Ryzen AI 9 HX 370) | 110 × 107 × 68 mm | 約0.8L |
| Mac mini 2024(M4) | 127 × 127 × 50 mm | 約0.8L |
| GEEKOM AIR12(Intel N150) | 117 × 112 × 34.2 mm | 約0.45L |

Minisforum MS-A2の外観

ほかのミニPCよりもかなり大きめ

厚さはほどほど

レノボのThinkCentreシリーズよりもひと回り大きめ

スマホ(Google Pixel 10 Pro XL)とのサイズ比較
インターフェース構成
ネットワーク機能が強力
Minisforum MS-A2には、端子類が豊富に用意されています。特徴的なのは、通信用端子が4ポート用意されている点。普通の1GbEよりも高速な2.5GbE×2と、さらに高速な10GbE×2の構成により、高速な通信が可能です。
ただ合計4ポートは、一般の作業には明らかにオーバースペック。となると、ネットワーク周りでの利用を検討する人向きと考えられるでしょう。それでも単なるNASやファイルサーバーではCPUとして使われているRyzen 7やRyzen 9も明らかにオーバースペックです。高いCPU性能と高速な通信帯域を活かすのであれば、仮想ホスト化あたりが狙い目ではないでしょうか。そのあたりのことを踏まえても、この機種は「わかっている人向き」です。

前面にはヘッドホン端子とUSB3.2 Gen1 Type-A×2、USB2.0×1

背面には10G SFP+×2、2.5G RJ45×2、USB3.2 Type-C×2、HDMI、USB3.2 Type-A×2、電源コネクター

側面に端子類はありません
改造・パーツ交換について
本体の分解方法
Minisforum MS-A2は、背面のツマミを引き出すだけで本体内部にアクセスできます。この点は非常に便利ですが、パーツの交換 / 増設にはネジや部品を外す必要があるので注意してください。

背面のツマミを押し下げながら、ケースをズラします

ケースを外した状態
メモリーの増設方法
メモリースロットは、空冷ファンの下に配置されています。使われているメモリーはDDR5-5600で、テスト機では32GB×2の合計64GBが使われていました。

メモリーはこの部分の下。交換の際にはネジを外します

メモリースロットは2基

テスト機で使われていたメモリー
SSDの増設・換装
GEEKOM A5 Proでは、ストレージ用M.2スロットとしてPCIe Gen3のType-2280が1基と、SATA接続のType-2242が1基用意されています。今回のテスト機では最初から1TB搭載されていたので、特に容量不足で困る場面は少ないはず。足りなくなってきたらSATA SSDを追加するか、外付けストレージなどを利用するといいでしょう。

ストレージ用のM.2スロットは、底面側に配置されています

ストレージ用のM.2スロットは、合計3基。そのうち1基(左側)がU.2 SSDに対応しています(取り付けの際には付属のアダプターを使用)
拡張ボードの取り付け
Minisforum MS-A2では、マザーボード上の拡張スロットにハーフハイト&シングルスロットで170mm以内までの拡張ボードを取り付けられます。ストレージ用 / インターフェース拡張用などにも使えますが、やはりここはグラボ(グラフィックボードまたはビデオカード)を利用するのが王道でしょう。この小さい筐体にグラボを挿すのは、実際に行なうと気分が相当アガります。
しかし補助電源なしの小型タイプは、タワー型向けのグラボよりもパフォーマンスは控えめです。ここに収まりきるサイズで手頃なものは、AMD RX 6400やNVIDIA RTX A400、NVIDIA Quadro P2000あたりでしょうか。これらのGPUのVRAMは4~5GBあたりで、ローカルLLMの利用にも微妙なところではあります。使い道は限定されるでしょう。
グラフィックスパワーをさらに高くしたいのであれば、M.2スロットにOculinkアダプターを挿してeGPUを利用したり、PCIeスロットをライザーケーブルで延長してフルサイズのグラボ(電源は別途用意)を利用する方法があります。ただしその場合は別途アダプターやVGAボックスなどが必要となるため、Minisforum MS-A2の省スペース性が損なわれる点に注意してください。

PCIe 4.0 ×16スロットを搭載。対応ボードはハーフハイトのシングルスロットタイプで、速度はPCIe 4.0×8まで

検証で利用したRX 6400のグラボ

まずはこの部分の留め具を外します

さらにスロットカバーを外します

拡張ボードを挿したあと、留め具を元に戻してから、カバーをセットすればOK

グラボを使う場合は、背面の端子類からグラボの映像出力端子を利用します
Wi-Fiまわりなど

Wi-FiカードはMediaTekのMT7922A22M
ベンチマーク結果
パフォーマンス設定について
ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に設定した上で、UEFI(BIOS)設定のファンモードを標準の「Auto」にしたままで行なっています。
BIOS画面の開き方
電源オン直後にキーボードの「Del」キーを押すと(連打すると確実)、UEFI(BIOS設定)画面が表示されます。

Minisforum MS-A2のUEFI(BIOS)設定画面。一般的な設定には「Setup」を利用します
電源モードの変え方

Setup→Advanced→PowerLimit Settingから、電源モードを変更できます

Setup→Adovanced→FAN Modeから、空冷ファンの強さを変更できます。ここで変わるのはCPU温度と騒音で、CPU性能は変わりません
メモリーの割り当てについて
Minisforum MS-A2のメモリー容量は、販売時にモデルによって異なります。今回検証したのは64GB搭載モデルで、システムメモリーへの割り当ては61.7GB、グラフィックス専用には2GBが割り当てられていました。16 / 32 / 96GBのモデルでは、メモリーの割り当て構成が異なる場合があります。

64GB搭載のテスト機では、システムメモリーとして61.7GB利用可能

テスト機では、専用GPUメモリー(VRAM)の容量は2GBでした
統計データとの比較
割り切り仕様のため総合性能は低い
ベンチマークテスト「PassMark PerformanceTest」の総合スコアを統計データと比較すると、上位「35パーセンタイル」とのことでした。スコアは「3435」で、平均スコアの「6078」をだいぶ下回っています。PCの総合的な評価としては、かなり低めです。

PassMark PeformanceTestの結果
これは、3Dグラフィックス性能の低さが足を引っ張っているため。該当のスコアは「1736」で、平均値である「12473」の1/7しかありません。ここの評価はエントリークラス相当です。

3Dグラフィックス性能を表わす「3D Graphics Mark」の結果。ここはエントリークラスレベルです
Minisforum MS-A2で使われているRyzen 9 9955HXは、dGPU(外付けグラフィックス)と組み合わせて使うゲーミングノートPC向けのCPUです。そのためCPU内蔵のグラフィックス機能であるRadeon 610Mは、最小限の性能でしかありません。そこをあえてCPUだけでなんとかしているMinisforum MS-A2は、はじめからグラフィックス性能を「捨てた」設計であり、これは当然の結果であると言えます。
CPU性能は文句なしのハイエンド
CPU性能についての評価は「97パーセンタイル」(上位3%)で、こちらは文句なしに優秀な結果です。「58148」のスコアは、世界平均である「20469」のおよそ2.8倍。トップクラスではないものの、間違いなくハイエンドクラスと言っていいでしょう。

Minisforum MS-A2
CPU性能(CINEBENCH)
CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」の結果は以下のとおり。今回のテストで使ったRyzen 9 9955HX搭載モデルは16コア32スレッドだけあって、マルチコア性能が群を抜いています。ハイエンドクラスのミニPCを大きく上回っており、ミニPC基準で言うなれば「超ハイエンド」と言ったところでしょう。高い計算能力を必要とする高度な並列処理に向いています。
ミニPCの性能比較
| CPU | CINEBENCH R23 Score |
|---|---|
| Minisforum MS-A2(Ryzen 9 9955HX) |
2021
31071
|
| GEEKOM A9 MAX(Ryzen AI 9 HX370) |
2033
20823
|
| GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H) |
2172
18282
|
| GEEKOM A8 Max(Ryzen 9 8945HS) |
1830
16639
|
| GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) |
1788
16176
|
| GMKtec NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H) |
1558
13374
|
| NiPoGi E3B(Ryzen 7 5700U) |
1246
8311
|
| GMKtec NucBox G3 Plus(N150) |
793
2723
|
※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果
CPU性能(Geekbench)
同じくCPU性能を計測するGeekbench 6の結果は以下のとおり。こちらはマルチプラットフォーム対応なので、Macで使われているM系プロセッサーと比較できます。ARM系のなかでも特に電力効率の高いApple Mシリーズや最新のSnapdragon X2シリーズには及びませんでしたが、x86系のノートPC向けCPUとしてはやはりトップクラスです。
CPU性能比較
| CPU | Geekbench 6 Score |
|---|---|
| Apple M4 Max |
3916
25726
|
| Apple M4 Pro |
3878
22521
|
| Snapdragon X2 Elite Extreme |
3706
21655
|
| MS-02(Ryzen 9 9955HX) |
3050
18340
|
| Ryzen AI Max+ 395 |
2766
17583
|
| Apple M5 |
4228
17459
|
| Core Ultra 9 285H |
2604
14765
|
| Ryzen AI 9 HX 375 |
2638
14008
|
| Core Ultra 7 255H |
2500
13300
|
| Ryzen AI 7 350 |
2476
11329
|
※「S」はシングル、「M」はマルチ。そのほかのスコアは公式サイトの平均値
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon 610Mが使われています。演算ユニットは2基(2CU)で、ミニPCでよく使われるRyzen 5やRyzen 7の6~12CUと比べると、だいぶ控えめな構成です。
実際に3Dベンチマークを行なったところ、エントリークラスのミニPCに相当するスコアが出ました。ハードウェアとしてAV1に対応してるため、YouTubeなどの動画配信は問題なく再生できるでしょう。しかしゲームやグラフィックス処理、AI処理などには、あまりにも非力です。
これは本来なら低消費電力タイプのiGPU(内蔵グラフィックス)で、現在の基準で比べると性能がかなり劣るのは仕方がありません。オールラウンドで使う機種ではなく、必要最低限のグラフィックス性能しか求められない用途で、割り切って運用するための機種です。
ミニPCのグラフィックス性能
| GPU | 3DMark Time Spy Graphics |
|---|---|
| GMKtec EVO-T1(Arc 140T) |
3940
|
| GEEKOM A9 MAX(Radeon 890M) |
3436
|
| GEEKOM A8 Max(Radeon 780M) |
3016
|
| NucBox M7(Radeon 680M) |
2358
|
| GEEKOM A5 Pro 2026(Radeon Vega) |
988
|
| Minisforum MS-A2(Radeon 610M) |
674
|
| NucBox G2 Plus(N150,Intel) |
431
|
※スコアは当サイト計測値、平均値はUL Solutionsのデータを参考にしました
ストレージ性能
テスト機では、NVMe PCIe 4.0 x4の1TB SSDが使われていました。アクセス速度は十分な速さで、快適に利用できるでしょう。ただしモデルや販売タイミングによっては、異なるSSDが使われているかもしれません。

テスト機で使われていた1TB SSDのアクセス速度

内蔵SSDの詳細情報
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。
テスト結果の見方
| テスト名 | 概要 |
|---|---|
| Essentials (一般利用) |
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する |
| Productivity (ビジネス利用) |
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい |
| Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する |
目標値はすべて上回ってはいるものの、グラフィックス性能が強く影響するコンテンツ制作のテストだけハイエンド機らしからぬ結果が出ています。ここだけミドルロー相当と言ったところでしょうか。それに対してCPU性能が強く影響する一般利用とビジネス利用では、ほかのハイエンド機をさらに上回るスコアです。グラフィックス性能よりもCPU性能を特に重視したMinisforum MS-A2ならではの結果と言えます。
PCMark 10ベンチマーク結果
| テスト | スコア |
|---|---|
| Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
11454
6057
7101
8562
10126
9467
10813
|
| Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
16186
5601
9459
13347
12587
15875
14224
|
| Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
6614
2827
3302
5040
8247
11330
11928
|
※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック(ミニPC)
| ACEMAGIC Vista Mini V1 | Intel N150 / DDR4 8GB / Intel Graphics |
|---|---|
| GMKtec G10 | Ryzen 5 3500U / DDR4 16GB / Radeon Graphics |
| ▶GEEKOM A5 Pro 2026 | Ryzen 5 7530U / DDR4 16GB / Radeon Graphics |
| ▶GMKtec M6 Ultra | Ryzen 5 7640HS / DDR5 32GB / Radeon 760M |
| ▶GEEKOM A9 Max | Ryzen AI 9 HX 370 / DDR5 32GB / Radeon 890M |
| ▶GMKtec EVO-T1 | Core Ultra 9 285H / DDR5 64GB / Intel Arc 140T |
クリエイティブ性能
「UL Procyon」は、世界的にも利用者が多く「デファクトスタンダード」とも言えるアドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測します。「PCMark 10」と比べて、より高度で実践的なテストを行なう点が特徴です。
テスト結果の見方
| テスト名 | 概要 |
|---|---|
| Photo Editing | 「Photoshop」と「Lightroom Classic」を利用した、写真の加工・出力に関する総合評価 |
| Video Editing | 「Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間からスコアが算出される |
グラフィックス性能が強く影響する「Video」では、これまでのテストと同様に(ハイエンド機としては)低めの結果でした。しかし写真の加工をメインとする「Photo」のスコアは、意外と悪くありません。これはテストで行なわれるフィルター加工やファイルの出力が、CPU性能やSSDのアクセス速度に影響されるためでしょう。Minisforum MS-A2は基本的にクリエイティブワーク向きではありませんが、多少の写真加工であればなんとかなるようです。
クリエイティブ性能の比較
| CPU | UL Procyon |
|---|---|
| GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H) |
6264
9816
|
| GEEKOM A9 Max(Ryzen AI 9 HX 370) |
7424
9669
|
| GMKtec NucBox K11(Ryzen 9 8945HS) |
6401
9432
|
| GMKtec NucBox M6 Ultra(Ryzen 5 7640HS) |
6078
8507
|
| Minisforum MS-A2(Ryzen 9 9955HX) |
6126
4600
|
| GEEKOM A5 Pro 2026 |
3755
3595
|
※「Photo」はPhoto Editing、「Video」はVideo Editing。スコアは当サイトの実機計測結果
ゲーム性能
これも結果はわかりきっていますが、いちおう念のため。FF14ベンチで実際のゲーム性能を計測したところ、やはりだいぶ低めの結果が出ました。これはやや重めのゲームではあるものの、ゲームについては基本的に考えないほうが無難です。

評価とフレームレート
| フルHD 最低画質 | 3215(設定変更を推奨) 平均21.66 fps |
|---|---|
| フルHD 最高画質 | 1217(設定変更が必要) |
FF14ベンチの結果
| 機種 | FF14黄金のレガシーベンチマーク最高画質 |
|---|---|
| EVO-T1(Intel Arc 140T) |
4755
|
| GEEKOM A9 Max(Radeon 890M) |
4299
|
| NucBox K11(Radeon 780M) |
3898
|
| GMKtec NucBox M6 Ultra(Radeon 760M) |
3212
|
| NucBox M7(Radeon 680M) |
3190
|
| GEEKOM A5 Pro(Radeon Vega) |
1558
|
| Minisforum MS-A2(Radeon 610M) |
1217
|
※スコアは当サイト計測値
AI性能
推論性能(GPUのみ)
ローカルLLMの性能は現在のところ、グラフィックス性能と割り当てられたVRAMの容量に強く依存します。低電力向けのRadeon 610Mと専用グラフィックスメモリーが2GBのMinisforum MS-A2では、ローカルLLMの利用にはだいぶ不利な構成です。
実際にLM Studioを使って計測したところ、ほかのミニPCや一般的なノートPCと比較してもかなり低めの結果が出ました。NPUを利用しないGPU推論(グラフィックス性能とVRAM)によるものですが、標準の状態ではローカルAIの利用には適していないと言わざるを得ないでしょう。
※測定方法:LM Studioから「gpt-oss-20b」をロードしたあと、「ミニPCのメリットとデメリットを詳しく教えてください」とのメッセージを入力し、token per secondを計測
推論性能(GPU)
| 機種 | gpt-oss-20b token per second |
|---|---|
| GMKtec EVO-T1 |
17.4
|
| GEEKOM A9 Max |
14.34
|
| IdeaPad Slim 5 Gen 10 |
14.11
|
| Minisforum MS-A2 |
4.28
|
※スコアは当サイト計測値
推論性能(GPU+NPU)
UL Procyonの「Procyon AI Text Generation Benchmark」では、GPUとNPUを使った場合の推論性能を計測できます。ローカルLLMとしては非常に軽量なモデルである「PHI 3.5」でテストを行なったところ、GPU推論のときと同様にイマイチな結果でした。
特に大きく足を引っ張っているのが、最初のトークンが出力されるまでの時間を表わす「TTFT」です。モデルがVRAMに収まりきらないことから、オフロードが発生していると思われます。同じVRAMが2GBのGEEKOM A9 MaxでTTFTが速いのは、iGPU性能が影響しているためでしょう。また処理が始まってからもRadeon 610Mの演算性能の低さがそのまま出て、OTS(1秒あたりに出力されるトークン数)が5.61 tokens/sにとどまっています。
推論性能(GPU+NPU) ※PHI 3.5
| Score | Average OTS (tokens/s) |
Average TTFT | |
|---|---|---|---|
| Minisforum MS-A2 | 55 | 5.61 | 48.38s |
| GEEKOM A9 Max | 527 | 23.85 | 2.2s |
| GMKtec EVO-T1 | 965 | 22.52 | 0.62s |
| GMKtec M6 Ultra | 264 | 23.76 | 8.72s |
テスト機のスペック
| 機種 | CPU | iGPU | VRAM ※専用GPUメモリー |
NPU |
|---|---|---|---|---|
| Minisforum MS-A2 | Ryzen 9 9955HX | Radeon 610M | 2GB | N/A |
| GEEKOM A9 Max | Ryzen AI 9 HX 370 | Radeon 890M | 2GB | 50TOPS |
| GMKtec EVO-T1 | Core Ultra 9 285H | Intel Arc 140T | 32GB | 13TOPS |
| GMKtec M6 Ultra | Ryzen 5 7640HS | Radeon 760M | 3GB | 10TOPS |
画像生成性能
画像生成の検証には、UL Solutions「Procyon」の「AI Image Generation Benchmark」を利用するのですが、Minisforum MS-A2ではテストに必要なスペックを満たしていないため、検証できませんでした。
グラボ増設の効果について
前述のとおりMinisforum MS-A2は拡張スロットにグラボを追加可能ですが、使えるグラボは限られています。「ハーフハイト」で「170mm以下」で「補助電源なし」の制限をクリアーできるものは少なく、あってもVRAMが2~4GB程度のものが中心。ワークステーション用グラボなら8GB以上のものもありますが、トータルコストが非常に高くつくことを考えると、一般的なタワー型のデスクトップPCにGeForceシリーズを追加したほうがコスパはいいかもしれません。
あとはM.2 NVMe スロットにOculinkアダプターを装着してeGPUボックスやeGPUドックを使ったり、PCIeスロットをライザーケーブルで延長して大型グラボを外付け化する方法もありますが、それはそれでリスキーです。またその場合、Minisforum MS-A2の拡張スロットは帯域がPCIe 4.0 x8止まりなので、ハイエンドGPUの性能を十分に活かせない場合もあります。
とは言え、内部にグラボを収めたらパフォーマンスがどの程度向上するのかに興味がある人はいるでしょう。そこで今回は、2万円前後の手頃な価格で入手できるAMD Radeon RX 6400(GDDR6 4GB)搭載の玄人志向「RD-RX6400-E4GB/LP」を使って、小型グラボ追加時の効果を検証しました。

玄人志向「RD-RX6400-E4GB/LP」

Minisforum MS-A2にRadeon RX 6400を追加した状態。専用GPUメモリー(VRAM)は4GB
グラフィックス性能
Radeon RX 6400は省電力タイプのエントリーGPUのため、グラフィックス性能はそれほど高くはありません。3DベンチマークのスコアはミニPCと比較すれば高めですが、現行のゲーミングPC(RTX 3050 Laptopで5000くらいから)には及びませんでした。3~4世代前のエントリー向けであるGTX 1650 Laptopと同等レベルです。
とは言え、グラボ追加前と比べると、スコアは5倍以上に伸びています。この程度であれば、軽めのゲームならフルHDで快適に楽しめるでしょう。少し重めのゲームだと画質を落としてなんとか、といったところかもしれません。
グラフィックス性能の比較
| GPU | 3DMark Time Spy Graphics |
|---|---|
| GMKtec EVO-T1(Arc 140T) |
3940
|
| Minisforum MS-A2(RX 6400) |
3598
|
| GEEKOM A9 MAX(Radeon 890M) |
3436
|
| GEEKOM A8 Max(Radeon 780M) |
3016
|
| NucBox M7(Radeon 680M) |
2358
|
| GEEKOM A5 Pro 2026(Radeon Vega) |
988
|
| Minisforum MS-A2(Radeon 610M) |
674
|
| NucBox G2 Plus(N150,Intel) |
431
|
※スコアは当サイト計測値
PCとしての総合性能
総合性能を計測するPCMark 10では、「Essentials」のテストでエラーが発生したため、「Productivity」と「Digital Contents Creation」をそれぞれ個別に利用しました。「Productivity」のテストではスコアは9%程度下がっていますが、体感的に大きな違いは感じられないでしょう。「Digital Contents Creation」では、スコアが72%も上昇しています。RX 6400を追加することでようやく、総合性能ではハイエンドミニPCクラスと肩を並べられる程度になったと言えるでしょう。
PCMark 10ベンチマーク結果
| テスト | スコア |
|---|---|
| Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
MS-A2(RX 6400) N/A
11454
9467
10813
|
| Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
15031
16186
15875
14224
|
| Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
11419
6614
11330
11928
|
※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの
クリエイティブ性能
アドビ製クリエイティブソフトの快適さを計測する「Procyon」の「Photo(写真編集ベンチマーク)」と「Video(ビデオ編集ベンチマーク)」では、「Video」のスコアが2.1倍に跳ね上がりました。「Photo」のスコアも1.2倍に上がっています。ミニPCのハイエンドクラスと同等レベルでクリエイティブワーク向けPCには及びませんが、グラボ代でプラス2万円ちょっとの効果としては十分なように感じます。
クリエイティブ性能の比較
| CPU | UL Procyon |
|---|---|
| GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H) |
6264
9816
|
| Minisforum MS-A2(RX 6400) |
7387
9740
|
| GEEKOM A9 Max(Ryzen AI 9 HX 370) |
7424
9669
|
| GMKtec NucBox M6 Ultra(Ryzen 5 7640HS) |
6078
8507
|
| Minisforum MS-A2(Radeon 610M) |
6126
4600
|
| GEEKOM A5 Pro 2026 |
3755
3595
|
※「Photo」はPhoto Editing、「Video」はVideo Editing。スコアは当サイトの実機計測結果
ゲーム性能
ちょっと重めのFF14ベンチでも、スコアは大きく向上しました。最高品質では平均フレームレートが30fpsをやや上回る程度なのでプレーには厳しいものの、標準品質であれば平均60fpsあたりはいくでしょう。やはり軽めのゲーム向きです。
興味深いのは、3D性能ではIntel Arc 140T搭載のEVO-T1を下回りましたが、FF14ベンチではRX 6400搭載Minisforum MS-A2のほうが大きく上回っている点。これはおそらくCPU性能(特にマルチコア性能)が影響しています。CPU依存が高いゲームやフレームレートを伸ばしたいシーンであれば、多少は有利に働くかもしれません。

FF14ベンチの結果
| 機種 | FF14黄金のレガシーベンチマーク最高画質 |
|---|---|
| Minisforum MS-A2(RX 6400) |
5917
|
| EVO-T1(Intel Arc 140T) |
4755
|
| GEEKOM A9 Max(Radeon 890M) |
4299
|
| NucBox K11(Radeon 780M) |
3898
|
| GMKtec NucBox M6 Ultra(Radeon 760M) |
3212
|
| NucBox M7(Radeon 680M) |
3190
|
| GEEKOM A5 Pro(Radeon Vega) |
1558
|
| Minisforum MS-A2(Radeon 610M) |
1217
|
※スコアは当サイト計測値
AI性能
UL Procyonの「Procyon AI Text Generation Benchmark」でローカルLLM「PHI 3.5」のテストを行なったところ、スコアは約2倍に向上したものの、TTFT(最初のトークンが出力されるまでの時間)がだいぶ延長されました。詳しい原因は不明ですが、もしかするとRX 6400側になにか問題があるか、もしくはそういう仕様なのかもしれません。もともと「AIに強いのはNVIDIA」と言われるなかであえてAMDのエントリーGPUを試しているわけですから、AIベンチの結果が振るわないのは当然と言えば当然とも言えます。
推論性能(GPU+NPU) ※PHI 3.5
| Score | Average OTS (tokens/s) |
Average TTFT | |
|---|---|---|---|
| Minisforum MS-A2 (Radeon 610M) | 55 | 5.61 | 48.38s |
| Minisforum MS-A2 (RX 6400) | 112 | 38.75 | 78.45s |
| GEEKOM A9 Max | 527 | 23.85 | 2.2s |
| GMKtec EVO-T1 | 965 | 22.52 | 0.62s |
| GMKtec M6 Ultra | 264 | 23.76 | 8.72s |
熱と騒音について
※環境が変わると、結果が異なる場合があります
CPUと本体の熱設計
Minisforum MS-A2で使われているRyzen 9 9955HXは、元々はゲーミングノートPC向けのハイエンドCPUです。cTDPは55~75Wですが、これはあくまでも「消費電力の目安を表わす熱設計電力の調整幅」ということで、実際の消費電力とは異なります。高い冷却機能を持つ機種であれば、100Wあたりで運用されることもあるでしょう。
Minisforum MS-A2ではMTP(ターボ時の最大電力)が、電力モードごとに90~110Wで設定されています。ただし最大出力で動作する時間は、6秒間または10秒間しかありません。その後はPPT(実質的な持続電力リミット)まで電力が下がるのが一般的ですが、その際に急激な性能低下を避けるために一定期間(Tau期間)PBP(ベース電力)を維持する機種もあります。このあたりが、メーカーあるいは機種ごとのチューニングと呼ばれる部分です。
なおMinisforum MS-A2では電源モード(PowerLimit Setting)に「Balance Mode」(バランス重視)と「Performance Mode」(性能重視)、「Silent Mode」(静音重視)の3種類が用意されています。それぞれ性能や騒音レベルが異なるので、用途や好みに応じて使い分けるといいでしょう。
Ryzen 9 9955HXの概要
| コア数 / スレッド数 | 16コア / 32スレッド |
| 最大クロック | 5.4GHz |
| TDP | デフォルトTDP:55W、cTDP:55~75W |
Minisforum MS-A2の設定
| Balance | Performance | Silent | |
|---|---|---|---|
| PPT (実質的な持続電力リミット) | 74W | 84W | 55W |
| STAPM(表面温度ベースの電力制限) | 55W | 55W | 55W |
| PBP(ベース電力) | 85W | 84W | 75W |
| MTP(ターボ時の最大電力) | 100W | 110W | 90W |
| ブースト持続時間 | 10秒 | 6秒 | 10秒 |
電源モードの性能差
電源モードを変更すると、Minisforum MS-A2のパフォーマンスが変わります。もっとも高性能なのは「Performance Mode」ですが、標準の「Balance Mode」と比べて5%程度しか変わりません。CPUエンコードや数値演算など、少しでも性能を向上させたいときに利用するといいでしょう。逆に静音重視の「Silent Mode」では、ベンチマークスコアが13.3%減少しました。誤差と言えるほど小さい差ではないものの、体感的には大きく変わらないはずです。サーバー用途などで常時運用する際に、騒音を抑えるのに向いています。
電源モードによる性能差
| CPU | CINEBENCH R23 Multi Core Score |
|---|---|
| Balance |
31071
|
| Performance |
32615
|
| Silent |
26931
|
※スコアは当サイト計測値
CPU温度は安全圏内
高負荷時におけるCPUの温度と消費電力のモニタリングデータは、以下のグラフのとおり。CPU温度は「Balance」時で平均80.2度、「Performance」時では平均82.6度、「Silent」時では平均75.8度。モードによっては最大温度が90度近くまで上がることはありましたが、全体的にCPU温度は概ね安全圏内に抑えられていると考えていいでしょう。

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力、コアクロックの推移(パフォーマンス設定「Balance」時)

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力、コアクロックの推移(パフォーマンス設定「Performance」時)

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力、コアクロックの推移(パフォーマンス設定「Quiet」時)
モード別の平均値 / 最大値
| Balance | Performance | Quiet | |
|---|---|---|---|
| CPU温度 | 80.2度 / 89度 | 82.6度 / 90.1度 | 75.8度 / 81.9度 |
| CPU消費電力 | 76.3W / 99.8W | 83.7W / 109.8W | 57.4W / 89.8W |
騒音は大きめ
騒音(空冷ファンのモーター音や排気口からの風切り音)は、やや大きめです。負荷の低い待機状態でも、排気音やモーターの回転音が微妙に聞こえます。置き場所によっては音の聞こえ方は変わりますが、基本的に駆動音はやや大きいと考えたほうがいいでしょう。とは言え、作業のジャマになるほどではないと思います。
駆動音の計測結果
| Windows Update | 軽作業中 | 高負荷時 | |
| 電源オフ時 | 30.5dB | ||
| Balance | 37~44.1dB(通常は排気音とモーターがハッキリと聞こえる程度だが、短時間だけ甲高いモーター音がだいぶ大きく聞こえる) | 37~44.1dB(ときおり甲高いモーター音が大きく聞こえる) | 48.3dB(モーター音がさらに甲高くなり、排気音もだいぶ大きく聞こえる) |
| Performance | 42~54dB(明らかに動作音が大きい。排気音が強く、甲高いモーター音が常時聞こえる) | 43~55dB(排気音が大きく、甲高いモーター音が常時聞こえる。ときおりモーター音がさらに大きくなる) | 51dB(甲高いモーター音と大きな排気音がうるさく感じる) |
| Silent | 37dB(排気音はハッキリと聞こえるが、特にうるさくは感じない) | 36dB(排気音は聞こえるが、うるさくは感じない) | 44.3dB(排気音が大きく聞こえる。モーター音が甲高い) |
| (参考)エアコンの最大出力 | 48~58dB前後 | ||
考察とまとめ

Minisforum MS-A2の使い道
ここまで解説したように、Minisforum MS-A2は一般ユーザー向け機種ではありません。グラフィックス性能が低く、USB4(Thunderbolt)にも非対応。ゲームや動画編集などを含めた「将来的になんでもやりたい」という需要には応えにくい機種だと思います。
極端なスペック構成のため、有効な使い道は自然と限られてきます。コンパクトタイプとしては非常に高性能なCPUを採用しているのに、単なる作業用として使うのはもったいないでしょう。普通のPCでは実現しにくいことに使うのが、この機種を活かす方向性です。
たとえば高いCPU性能を活かしたCPUエンコード。グラボのエンコード機能(NVEnc等)を使わずCPUのみで処理することで、画質を重視した動画を出力できます。ただしグラフィックス性能の低いMinisforum MS-A2は動画編集には弱いためエンコード専用機として使い、編集作業は別マシンで行なう構成になるでしょう。大がかりな映像作品を作りたいクリエイター向けの使い方です。
もうひとつは、NASやファイルサーバーなどのネットワーク機器としての用途。10GbE SFP+ポートを2基備えており、最初から高速なネットワーク環境に組み込めます。ただし単なるファイルのやり取りや保管だけなら、Ryzen 9 9955HXは明らかにオーバースペック。であれば、ネットワーク機能を全部盛りにしたオールインワン型として使うのもアリかもしれません。複数の通信ポートをどう使い分けるか or 最適化するかを考えるのにワクワクする人向きで、ネットワーク技術者向けのロマン枠という位置付けです。
そしてもうひとつが、仮想ホストとしての利用。高いCPU性能 & 最大3枚までSSDを増設可能な拡張性 & 高速通信ポートを備えた構成を考えると、案外これがMinisforum MS-A2活用法の本命なのかもしれません。さらに前述のネットワーク機能を盛り込んで、オールインワンのワークステーションとして運用するのも面白い使い方です。
ローカルAIには向かない
ローカル環境でAIを利用するには、Minisforum MS-A2のAI性能が低すぎます。VRAMが2GBと少ない点についてはUEFI(BIOS)設定から変更して対処できるものの、iGPUのRadeon 610Mが圧倒的にパワー不足です。

UEFI(BIOS)設定のUMA Frame buffer Sizeから、VRAM(専用GPUメモリ)の容量を変更できます
拡張スロットにグラボを挿せば、VRAMもグラフィックス性能も伸ばせます。しかしスペースや電源などの制限によって、利用できるグラボの選択肢はごくわずかです。仮にグラボを追加したとしても、使えるのはエントリークラスのものばかりですから、飛躍的なパフォーマンスアップは期待できません。以上の点からMinisforum MS-A2にとってAI用途はそもそも想定外であり、考えないものとしたほうが無難です。
またこれは、グラフィックス性能が求められるすべての作業においても同じことが言えます。ゲームや動画編集、画像加工などのクリエイティブワーク等はハードウェアを追加することである程度なんとかなりますが、あくまでも「なんとかなる」程度です。それらの用途でゴリゴリに利用するのであれば、フルサイズのグラボを搭載したタワー型PCを選択してください。
一般向けではなく「逸般」向け
このようにMinisforum MS-A2はとてもクセのある機種ですが、個人的にはとても興味深いPCです。明らかに普通ではない「逸般」的な使い方を試してみたい人は、チェックしてみてはいかがでしょうか。








