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GEEKOM A9 Max 2026レビュー:Ryzen AI 9 HX 470搭載のハイエンドミニPC【PR】

4.5
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GEEKOM A9 Max 2026レビュー:Ryzen AI 9 HX 470搭載のハイエンドミニPC【PR】

製品提供:ギコム株式会社

 

GEEKOM A9 Max 2026は、AMDのRyzen AI 9 HX 470を搭載するミニPCです。最新の高性能CPUでガッツリ作業したい人向け。さらに3年間の長期保証も付いているので、ヘビーユーザーでも安心して利用できます。

GEEKOM A9 Max 2026

GEEKOM A9 Max 2026

GEEKOM A9 Max 2026

設置イメージ

この記事ではメーカーから提供された実機を使って、外観や性能、実際の使い心地などについてレビューします。

おことわり

このレビュー記事では、メーカー提供品を2週間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。またミニPCは、ある程度自分でいろいろと解決できる人のためのものです。

スペック

発売日 2026年5月
OS Windows 11 Pro
CPU Ryzen AI 9 HX 470(Zen5、12コア24スレッド)
メモリー DDR5-5600 32GB×1
SSD PCIe Gen4 1 / 2TB SSD
グラフィックス Radeon 890M(CPU内蔵)
通信 Wi-Fi 7、Bluetooth5.4、2.5Gbps RJ45 LAN ×2
インターフェース USB4×2、USB3.2 Gen2 Type-A×5、USB2.0×1、HDMI×2、2.5G RJ45×2、ヘッドホン端子、SDカードスロット
スロット M.2スロット×3(ストレージ用×2、Wi-Fi用×1)
付属品 VESAマウンタ、HDMIケーブル、電源アダプターなど
サイズ 幅135×奥行き132×高さ46.9mm
重量 約695g ※実測値

Windowsのラインセンス

テスト機では、正規のOEM版Windows 11 Proが使われていました。筆者はこれまでにGEEKOM A9 Max 2026を含めて合計7機種を検証しており、さらにネットの評判を見る限りでも、GEEKOM製ミニPCに関しては正規ライセンスが使われていると認識していいでしょう。

GEEKOM A9 Max 2026

Windows 11 Proのリテール版ライセンスが使われていました

技適マークについて

無線通信機器に必要な技適マークは、本体底面部にシールとして貼られています。マークの番号を「総務省電波利用ホームページ」で検索したところ、「A9 Max」として登録されていました(ほかのモデルと共用)。

GEEKOM A9 Max 2026

GEEKOM A9 Max 2026の技適マーク

関連リンク

総務省電波利用ホームページ

PSEマークについて

電源アダプターには「電気用品安全法」の基準に適合していることを表わすPSEマークがプリントされています。届出事業者名は「Shenzhen Huamu Network」で、ブランドおよび製造元として記載されている「Shenzhen Hyleton Technology Co., Ltd.(深圳市海龙通科技有限公司)」とも、GEEKOMとも別の会社です。Hyleton製の電源アダプターについて、Huamu Networkが日本国内流通用のPSE届出を出した、ということでしょう。こういったことはPCではよくあることで、特に問題はありません。

GEEKOM A9 Max 2026

電源アダプターのPSEマーク

システムのフルスキャン結果

検証前にWindows Defenderのフルスキャンを実施し、検知可能な脅威が存在しないことを確認しています。

GEEKOM A9 Max 2026

Windows Defenderのフルスキャン結果

本体のシリアルナンバーについて

UEFI(BIOS)画面では、「System Serial Number」に本体のシリアルナンバーが表示されていました(本体側面部のシリアルナンバーと同じ)。ここが「Default string」だとデバイスを管理する企業向けソフト・サービスでうまく認識されない可能性がありますが、GEEKOM A9 Max 2026では問題なさそうです。

GEEKOM A9 Max 2026

UEFI(BIOS)画面上でシリアルナンバーを確認

Windows 11の初期設定について

GEEKOM A9 Max 2026では、Windows 11の初期設定時に行なうネットワーク設定画面で「インターネットに接続していません」を選択すると、ローカルアカウントで設定を行なえます。

GEEKOM A9 Max 2026

Microsoftアカウントではなく、ローカルアカウントでの初期設定に対応しています

パッケージ

GEEKOM A9 Max 2026

GEEKOM A9 Max 2026のパッケージ

GEEKOM A9 Max 2026

箱の中身

GEEKOM A9 Max 2026

付属のHDMIケーブル

GEEKOM A9 Max 2026

ディスプレイに取り付けるのに使用するVESAマウント ※対応するディスプレイが必要です

GEEKOM A9 Max 2026

付属の電源アダプターは120Wの丸口タイプ。高出力タイプとしてはコンパクトです

外観

ハイエンドとしてはコンパクト

GEEKOM A9 Max 2026の筐体は一般的なミニPCよりもひと回り大きいものの、高性能CPUを搭載したハイエンドタイプとしてはコンパクトです。ミドルレンジクラスのミニPCには、これより大きい機種がいくつもあります。

GEEKOM A9 Max 2026

ハイエンドとしてはかなりコンパクト。ミドルレンジクラスの筐体と大きさは変わりません

GEEKOM A9 Max 2026

M4 Macmini(左)とIntel N150搭載ミニPC(右)とのサイズ比較

GEEKOM A9 Max 2026

スマホ(Google Pixel 10 Pro XL)との比較

 

ミニPCとのサイズ比較

機種名 サイズ 体積
GMKtec EVO-X2(Ryzen AI Max+ 395) 193 × 185.8 × 77 mm 約2.76L
GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H)  154 × 151 × 73.6 mm 約1.71L
ACEMAGIC F5A(Ryzen AI 9 HX 470) 130 × 132 × 62 mm 約1.06L
GEEKOM A9 MAX(Ryzen AI 9 HX 470) 135 × 132 × 46.9 mm 約0.84L
MINISFORUM X1-470(Ryzen AI 9 HX 470) 128 × 126 × 52 mm 約0.841L
Mac mini 2024(M4) 127 × 127 × 50 mm 約0.8L
GEEKOM AIR12(Intel N150) 117 × 112 × 34.2 mm 約0.45L

 

シュッとしたデザイン

GEEKOM A9 MAX 2026の筐体は、底面部を除いてすべてアルミ素材製です。手触りがよく、エッジのたったデザインで見た目にも高級感があります。デスクに置いても圧迫感がありません。

GEEKOM A9 Max 2026

シュッとした見た目。天板はエッジの立ったデザインを採用しています

GEEKOM A9 Max 2026

デスクに置いても圧迫感のない見た目とサイズ

GEEKOM A9 Max 2026

アルミ素材を利用したボディ。剛性と質感に優れるだけでなく、内部の熱を外部へ排出する効果も期待できるでしょう

インターフェース構成

種類も数も配慮も十分

GEEKOM A9 Max 2026のインターフェースは、ハイエンドタイプとしては過不足ない構成だと思います。外付けグラボ接続用で使われるOculinkは非対応ですが、USB4がある程度は代替できるのでそこまでこだわる必要はないでしょう。

個人的に感心したのは、SDカードスロットがついている点と、USB4端子が離れて設置されている点。SDカードスロットはカメラやビデオなどを使う人に便利ですし、離れたUSB4端子はケーブルの取り回しや、ほかの端子との干渉を事前に防ぐための工夫に感じました。

 

GEEKOM A9 Max 2026

前面にはUSB3.2 Gen2 Type-A×4とヘッドホン端子、電源ボタン。最近はUSBメモリーなどもType-C対応のものが増えているので、前面側にもあると助かるのですが、GEEKOM A9 Max 2026は前面にはありません

GEEKOM A9 Max 2026

右側面にはセキュリティーロック(ケンジントンロック)のみ

GEEKOM A9 Max 2026

左側面にはSDカードスロット

GEEKOM A9 Max 2026

SDカードスロット対応のミニPCは少ないのですが、デジカメのカードをそのまま取り込めるなどあればあったで便利です

GEEKOM A9 Max 2026

背面には左から順に電源コネクター、USB4(USB PD対応)、HDMI、2.5Gb有線LAN、USB3.2 Gen2 Tyope-A、USB2.0、USB4(映像出力対応)、HDMI

改造・パーツ交換について

本体の分解方法

GEEKOM A9 Max 2026は、底面部や内部のカバーを外すことで本体内部にアクセスできます。Wi-Fiのアンテナ線がカード側から外れると、元に戻すのがとても面倒なので注意してください。カバーからアンテナ線を外してから作業することをおすすめします。

GEEKOM A9 Max 2026

GEEKOM A9 Max 2026の底面部

GEEKOM A9 Max 2026

4つのゴム足を外してから、さらにネジを外します

GEEKOM A9 Max 2026

底面カバーを外した状態

 

GEEKOM A9 Max 2026

ケーブルでつながれたアンテナ線を外してから、内部カバーを外しましょう。アンテナ線がWi-Fiカードから外れると、元の状態に戻すのがとても面倒です

GEEKOM A9 Max 2026

内部カバーを外した状態

GEEKOM A9 Max 2026

この工程を経て、ようやく本体内部で作業できます。アンテナ線はつないだままにしておきましょう

メモリーの増設方法

メモリースロットは2基用意されていますが、メモリーモジュールについては32GB×1が1枚だけ使われていました。1枚だけだとCPU(特に内蔵グラフィックス)の性能を十分に発揮できないため、2枚で利用することをおすすめします。基本的にはもう1枚追加すれば大丈夫なのですが、チップの種類によっては相性問題などが発生するかもしれません。とは言え、追加する価値はじゅうぶんあると思います。

※メモリー増設時の効果については後述しています

GEEKOM A9 Max 2026

メモリースロットは2基

GEEKOM A9 Max 2026

使われていたのは32GB×1枚

 

SSDの増設・換装

GEEKOM A9 Max 2026では、ストレージ用M.2スロットとしてPCIe Gen4のType-2280が1基と、同じくGen4対応のType-2230が1基用意されています。標準で使われているのは2280で、増設する場合は2230を用意してください。それぞれのポートには、最大4TBのSSDを利用できます。

GEEKOM A9 Max 2026

Type-2280と2230のM.2スロット。なぜか取り付ける向きが異なります

Wi-Fiまわりなど

GEEKOM A9 Max 2026

Wi-FiカードはMediaTek製MT7925を搭載するAzureWave AW-EB600NF

GEEKOM A9 Max 2026

ボタン電池はわかりやすい場所に設置されています

ベンチマーク結果

CPUと電力設定

GEEKOM A9 Max 2026で使われているRyzen AI 9 HX 470は、2026年5月にリリースされた最新のノートPC向けのハイエンドCPUです(記事執筆時)。

GEEKOM A9 Max 2026ではUEFI(BIOS)設定画面から、「Normal Mode」(標準設定)と「Performance Mode」(性能重視)、「Silent Mode」(静音重視)の3種類のファンモードを選択可能です。あくまでも「CPUファンの強さ」として提示されていますが、「Silent Mode」のみCPUの電力制御も行なわれているようです。

Ryzen AI 9 HX 470の概要

コア構成 12コア(Zen 5×4+Zen 5c×8)
スレッド数 24
最大クロック 5.2GHz
TDP デフォルトTDP:28W、cTDP:15~54W
PCIeレーン数 16
AI性能 NPU:最大55TOPS、全体:最大86TOPS
リリース 2026年5月

 

GEEKOM A9 Max 2026の設定

Normal Performance Silent
PBP(ベース電力) 54W 54W 45W
MTP(ターボ時の最大電力) 65W 65W 60W
ブースト持続時間 5秒 5秒 5秒

UEFI(BIOS)画面の開き方

電源オン直後にキーボードの「Del」キーを押すと(連打すると確実)、UEFI(BIOS設定)画面が表示されます。

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

GEEKOM A9 Max 2026のUEFI(BIOS)設定画面

ファンモードの変え方

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

「Advanced」タブの「Fan Mode」を選択

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

3種類のモードのなかから、利用したいものを選びます

 

メモリーの割り当てについて

GEEKOM A9 Max 2026では、標準で32GB×1のメモリーが搭載されています。システムメモリーへの割り当ては27.6GBで、グラフィックス専用には4GBが割り当てられていました。

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

32GBメモリー搭載モデルで、27.6GBがシステムメモリーに割り当てられています

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

専用GPUメモリー(VRAM)の容量は4GBでした

 

統計データとの比較

総合性能はミドルハイクラス

ベンチマークテスト「PassMark PerformanceTest」の総合スコアを統計データと比較すると、上位「63パーセンタイル」とのことでした。これは中央値である「50パーセンタイル」よりも「やや上」程度で、特別優秀なわけではありません。ただしこの統計データには、ハイエンドクラスのゲーミングPCも含まれています。それらと比較するとGEEKOM A9 Max 2026のグラフィックス性能はやや低いという評価となり、総合評価がミドルレンジ~ミドルハイクラスにとどまっているのです。

 

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

PassMark PerformanceTestの結果。総合評価では中央値よりもやや上のミドルレンジ~ミドルハイクラス

CPU性能はハイエンドクラス

CPU性能についての評価は「86パーセンタイル」(上位14%)で、こちらはなかなか優秀です。本来はノートPC向けCPUということもあり、さすがにデスクトップ向けの高性能CPUには及びませんでしたが、それでも十分な結果と言っていいでしょう。

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

CPU性能では上位14%のハイエンドクラス

CPU性能(CINEBENCH)

CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」の結果は以下のとおり。最新のハイエンドCPUだけあって、ミニPC全体のなかではトップクラスの高いパフォーマンスを発揮しています。

ファンモードを変えてテストを行なったところ、シングルコアの性能面ではあまり差がなかったものの、マルチコアのテストではスコアに数パーセント程度の差が現われました。とは言え体感的にパフォーマンスが大きく変わるわけではないので、ファンの動作音の大きさ(検証結果は後述)で利用するモードを決めるといいでしょう。

 

ミニPCの性能比較

CPU CINEBENCH R23 Score
GEEKOM A9 MAX 2026(Ryzen AI 9 HX470) ※Performance
S2080
M22303
GEEKOM A9 MAX 2026(Ryzen AI 9 HX470) ※Normal
S2083
M21226
GEEKOM A9 MAX 2026(Ryzen AI 9 HX470) ※Silent
S2076
M20327
GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H)
S2172
M18282
GEEKOM A8 Max(Ryzen 9 8945HS)
S1830
M16639
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS)
S1788
M16176
GMKtec NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H)
S1558
M13374
NiPoGi E3B(Ryzen 7 5700U)
S1246
M8311
GMKtec NucBox G3 Plus(N150)
S793
M2723

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

CPU性能(Geekbench)

マルチプラットフォーム対応で、Macで使われているMシリーズやARM系のSnapDragonシリーズと比較できるGeekbench 6の結果は以下のとおり。ハイエンド向けとは言え、電力効率に優れるMシリーズやSnapdragon X2 Eliteシリーズには及ばず、さらにフラグシップクラスのx86系CPUよりも下の結果が出ました。CPUの位置付けで考えれば、順当な結果です。

しかし前世代のRyzen AI 9 HX 375(統計値)よりも、マルチコアのスコアが低めに出ています。おそらくこれは熱対策の影響でしょう。筐体の小さなミニPCであるため、CPUからの熱が上がりすぎないようにコントロールしているものと思われます。

 

CPU性能比較

CPU Geekbench 6 Score
Apple M4 Max
S3916
M25726
Apple M4 Pro
S3878
M22521
Snapdragon X2 Elite Extreme
S3706
M21655
Ryzen AI Max+ 395
S2766
M17583
Apple M5
S4228
M17459
Core Ultra 9 285H
S2604
M14765
Ryzen AI 9 HX 375
S2638
M14008
GEEKOM A9 MAX 2026(Ryzen AI 9 HX470) ※Normal
S2930
M11872
Ryzen AI 7 350
S2476
M11329

※「S」はシングル、「M」はマルチ。そのほかのスコアは公式サイトの平均値

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon 890Mが使われています。3Dベンチマークテストを行なったところ、Radeon 890Mとしては低めのスコアが出ました。Ryzen AI 9 370(Radeon 980M)搭載の前モデル「GEEKOM A9 MAX」の「3436」よりもスコアが41%減少しています。

これはGEEKOM A9 MAX 2026のメモリー構成が32GB×1であるため。前モデルでは同じ32GBメモリーでも16GB×2構成でいわゆる”デュアルチャネル”がしっかりと効いていたので、ミニPCとしては十分なスコアが出ていました。しかし32GB×1のシングルチャネルで構成されているGEEKOM A9 MAX 2026では、十分な性能を発揮できていません。文字や数値データ中心の作業であれば問題ありませんが、ゲームやグラフィックス処理を行なうつもりであるなら、メモリー増設やeGPUの追加といった対応を考えたほうがいいでしょう。

※メモリー増設やeGPU追加の結果については後述しています

 

ミニPCのグラフィックス性能

GPU 3DMark Time Spy Graphics
GMKtec EVO-T1(Arc 140T)
3940
GEEKOM A9 MAX(Radeon 890M)
3436
GEEKOM A8 Max(Radeon 780M)
3016
NucBox M7(Radeon 680M)
2358
GEEKOM A9 MAX 2026(Radeon 890M)
2033
GEEKOM A5 Pro 2026(Radeon Vega)
988
Minisforum MS-A2(Radeon 610M)
674
NucBox G2 Plus(N150,Intel)
431

※スコアは当サイト計測値

ストレージ性能

テスト機では、NVMe PCIe 4.0 x4の2TB SSDが使われていました。アクセス速度は十分な速さで、快適に利用できるでしょう。ただしモデルや販売タイミングによっては、異なるSSDが使われているかもしれません

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

テスト機で使われていた2TB SSDのアクセス速度

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

内蔵SSDの詳細情報

 

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。

 

テスト結果の見方

テスト名 概要
Essentials
(一般利用)
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する
Productivity
(ビジネス利用)
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する

 

すべてテストにおいて、目標値は大きく上回りました。ほかのミニPCの結果と比較しても非常に優秀で、総合的にはハイエンドクラスと言っても差し支えありません。ただCPUベンチマークのときと同様に、ファンモードを変えても大きな違いは現われませんでした。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
Normal10759
Performance10497
Silent10610
V16057
G107101
A5 Pro8562
M6 Ultra10126
A9Max9467
EVO-T110813
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
Normal15603
Performance16006
Silent16130
V15601
G109459
A5 Pro13347
M6 Ultra12587
A9Max15875
EVO-T114224
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
Normal10914
Performance11027
Silent10320
V12827
G103302
A5 Pro5040
M6 Ultra8247
A9Max11330
EVO-T111928

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック(ミニPC)

ACEMAGIC Vista Mini V1 Intel N150 / DDR4 8GB / Intel Graphics
GMKtec G10 Ryzen 5 3500U / DDR4 16GB / Radeon Graphics
GEEKOM A5 Pro 2026 Ryzen 5 7530U / DDR4 16GB / Radeon Graphics
GMKtec M6 Ultra Ryzen 5 7640HS / DDR5 32GB / Radeon 760M
GEEKOM A9 Max Ryzen AI 9 HX 370 / DDR5 32GB / Radeon 890M
GMKtec EVO-T1 Core Ultra 9 285H / DDR5 64GB / Intel Arc 140T

クリエイティブ性能

「UL Procyon」は、世界的にも利用者が多く「デファクトスタンダード」とも言えるアドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測します。「PCMark 10」と比べて、より高度で実践的なテストを行なう点が特徴です。

テスト結果の見方

テスト名 概要
Photo Editing 「Photoshop」と「Lightroom Classic」を利用した、写真の加工・出力に関する総合評価
Video Editing 「Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間からスコアが算出される

 

テストを行なったところ、「Photo Editing」では途中でエラーが発生してしまいスコアを出せませんでした。「Video Editing」のテストは完走したものの、同クラスのほかのミニPCと比べて低いスコアが出ています。おそらくこれは、「Video Editing」のテストがグラフィックス性能に大きく影響されるためでしょう。先の3Dベンチマークテストと同様、32GB×1のメモリー構成によって、内蔵グラフィックス(iGPU)本来の性能が引き出せていない状態です。

 

クリエイティブ性能の比較

CPU UL Procyon
GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H)
Photo6264
Video9816
GMKtec NucBox K11(Ryzen 9 8945HS)
Photo6401
Video9432
GEEKOM A9 Max 2026(Ryzen AI 9 HX 470)
Photo N/A
Video5147
GMKtec NucBox M6 Ultra(Ryzen 5 7640HS)
Photo6078
Video8507
GEEKOM A5 Pro 2026
Photo3755
Video3595

※「Photo」はPhoto Editing、「Video」はVideo Editing。スコアは当サイトの実機計測結果

ゲーム性能

※テストはNormal Modeで行なっています

FF14ベンチ(やや重い)

やや高めのGPU性能が要求されるFF14ベンチマークでは、最近のミニPCとしては低めの結果が出ています。最低画質の評価は「普通」とのことですが、平均フレームレートが30 fpsを割り込んでおり(快適に遊べる目安は平均60 fps以上)、ベンチマーク中の画面でもカクつきが目立ちました。やや重めのゲームについては、ちょっと厳しいかもしれません。

 

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

 

評価とフレームレート ※Normal Mode時

フルHD 最低画質 4352(普通) 平均29.55 fps
フルHD 最高画質 2338(設定変更を推奨)

 

FF14ベンチの結果

機種 FF14黄金のレガシーベンチマーク最高画質
EVO-T1(Intel Arc 140T)
4755
GEEKOM A9 Max(Radeon 890M)
4299
NucBox K11(Radeon 780M)
3898
GMKtec NucBox M6 Ultra(Radeon 760M)
3212
NucBox M7(Radeon 680M)
3190
GEEKOM A9 Max 2026(Radeon 890M)
2338
GEEKOM A5 Pro(Radeon Vega)
1558

※スコアは当サイト計測値

エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(やや軽い)

やや軽めの比較的軽量なエーペックスレジェンズでは、最低画質なら普通に遊べる水準です。ただしこれは負荷の軽い射撃訓練場での計測結果で、実戦ではさらにフレームレートが下がる可能性があります。実質的に、最低画質が限界ラインと考えたほうがいいでしょう。

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

 

フレームレート

最低画質 70~80 fpsあたり。画像の荒さが気にならないなら、普通に遊べる
中画質 50 fps前後。動きはそれほどなめらかではないが、たまにカクッとした動きを感じる
最高画質 25~35 fps前後。ときおり明らかにカクカクすることがあり、ちょっとストレスを感じる

サイバーパンク2077(超重い)

重いゲームの代表格として知られるサイバーパンク2077では、フレーム生成を有効にしても、最低画質でようやく47.88 fpsという結果でした。快適とは言わないまでも、なんとか遊べるレベルです。画質を上げたりレイトレを有効化すると極端に重くなります。

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

 

フレームレート

フレーム生成 最低画質 ウルトラ画質 レイトレ最高画質
無効 32.16 fps 18.04 fps 3.41 fps
有効 47.88 fps 29.15 fps 6.49 fps

黒神話:悟空ベンチマーク(超重い)

重量級の黒神話:悟空では、フレーム生成を有効にした状態でも低画質で平均27 fpsという結果でした。GEEKOM A9 Max 2026でのプレーは相当厳しく、考えないほうが無難です。

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

 

フレームレート

低画質 最高画質
フレーム生成有効 平均27 fps 平均10 fps

Forza Horizon 6(重い)

最近人気のレースゲームであるForza Horizon 6では、最低画質で50 fps前後でした。カクッとした動きが気になるか気にならないかのギリギリのラインで、割り切れば十分にプレー可能です。

GEEKOM A9 Max 2026レビュー

 

フレームレート

プリセット フレーム生成 平均fps 1%Low CPUレンダリング
エクストリーム 無効 16.3 11.6 48.3
エクストリーム バランス 18.5 12.8 47.6
最低 無効 50.1 39.8 77.4
最低 バランス 51.1 40.9 76.8

AI性能

推論性能(GPUのみ)

LM Studioから軽めのモデルを使って計測したところ、ほかのミニPCや一般的なノートPCと比較してもかなり低めの結果が出ました。ローカルLLMの性能は現在のところ、グラフィックス性能と割り当てられたVRAMの容量に強く依存します。32GB×1のシングルチャネルで動作するGEEKOM A9 Max 2026はiGPU(内蔵グラフィックス)の性能を十分に引き出せていないことが、この結果に影響しているのでしょう。

※測定方法:LM Studioから「gpt-oss-20b」をロードしたあと、「ミニPCのメリットとデメリットを詳しく教えてください」とのメッセージを入力し、token per secondを計測

推論性能

機種 gpt-oss-20b token per second
GMKtec EVO-T1
17.4
IdeaPad Slim 5 Gen 10
14.11
GEEKOM A9 Max 2026
9.38
Minisforum MS-A2
4.28

※スコアは当サイト計測値

推論性能(GPU+NPU)

UL Procyonの「Procyon AI Text Generation Benchmark」では、GPUとNPUを使った場合の推論性能を計測できます。GEEKOM A9 Max 2026はNPU性能だけ見ればCore Ultra 9 285H(13TOPS)搭載のGMKtec EVO-T1の約4倍にあたる55TOPSを誇りますが、結果はすべてのモデルでGMKtec EVO-T1の半分以下にとどまりました。

これはGEEKOM A9 Max 2026のVRAMが4GBしかなく、GMKtec EVO-T1の32GBに対して大幅に少ないことが大きく影響しています。Mistral 7BやLlama 3.1のように7〜8GBの実メモリーを必要とするモデルではVRAMに収まらず共有メモリー(システムRAM)へのオフロードが発生し、さらに32GB×1のメモリー構成によるシングルチャネル相当の帯域制約が、オフロード時の速度低下につながっています。

結局のところGEEKOM A9 Max 2026は、Ryzen AI 9 HX 470に含まれた50TOPSのNPU性能を、素のままでは半分も活かし切れていません。メモリーの増設とVRAMの拡張(UEFI経由)を行なうことで、やや大きめのモデルがなんとか実用レベルにまで達する可能性はあります。

 

※「Score」=総合スコア、「OTS」=出力トークン速度、「TTFT」=応答開始までの時間

推論性能(GPU+NPU) ※PHI 3.5

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
GEEKOM A9 Max 2026 486 14.01 1.52s
GMKtec EVO-T1 965 22.52 0.62s
GMKtec M6 Ultra 264 23.76 8.72s

 

推論性能(GPU+NPU) ※MISTRAL 7B

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
GEEKOM A9 Max 2026 428 9.39 2.34s
GMKtec EVO-T1 908 14.26 0.79s
GMKtec M6 Ultra 227 15.1 13.41s

 

推論性能(GPU+NPU) ※LLAMA 3.1

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
GEEKOM A9 Max 2026 320 7.97 3.17s
GMKtec EVO-T1 853 13.04 0.73s
GMKtec M6 Ultra 199 12.29 12.65s

テスト機のスペック

機種 CPU iGPU VRAM
※専用GPUメモリー
NPU
GEEKOM A9 Max 2026 Ryzen AI 9 HX 470 Radeon 890M 4GB 55TOPS
GMKtec EVO-T1 Core Ultra 9 285H Intel Arc 140T 32GB 13TOPS
GMKtec M6 Ultra Ryzen 5 7640HS Radeon 760M 3GB 10TOPS

画像生成性能

画像生成の検証には、UL Solutions「Procyon」の「AI Image Generation Benchmark」を利用しました。このテストではGPUとNPUおよびCPUを用いて、「Stable Diffusion 1.5(FP16)」利用時の生成時間と総合スコアを計測します。なおより巨大な画像を生成する「Stable Diffusion XL (FP16)」のテストについては、メモリー周りのスペック要件を満たしていないことから、GEEKOM A9 Max 2026では計測できませんでした。

テストの総合スコアは「180」で、これまで計測したほかのNPU搭載ミニPCのなかでは中位クラスです。1枚あたりの生成時間は平均34.679秒。これも一般的なミニPCの基準と比べると、特別早くはありません。前述のLLM推論と同様、VRAMの少なさ(4GB)とシングルチャネル相当のメモリー帯域が、画像生成性能を伸ばしきれない原因と考えられます。

 

画像生成テストのスコア

検証機 Procyon AI Image Generation Stable Diffusion 1.5(FP16)
GMKtec EVO-T1 64GB
329
GEEKOM A9 Max 2026
180
GMKtec NucBox M6 Ultra
114

※スコアは当サイト計測値

メモリー増設の効果について

これまで解説したとおり、GEEKOM A9 Max 2026で使われているRyzen AI 9 HX 470は非常に高性能ではあるものの、32GB×1メモリーのシングルチャネル的な動作が影響してベンチマークテストで低いスコアが出ていました。

ではメモリー構成を変えたら、スコアにどのような変化が現われるのでしょうか。実際にメモリーを増設・換装した結果を紹介します。

GEEKOM A9 Max 2026

メモリー構成を変えてベンチマークテストを実施しました

テストしたメモリー構成

容量 組み合わせ
32GB 32GB×1 ※標準構成
32GB 16GB×2
64GB 32GB×2 ※異なるメモリーを追加。標準状態に32GB×1追加した状態を想定
64GB 32GB×2 ※同一メモリー2枚
96GB 48GB×2
96GB(VRAM48GB) 48GB×2 ※UEFIからVRAMに48GBを割り当て

PassMark Memory Mark

PassMark PerformanceTest v11の「Memory Mark」は、メモリーまわりの本来の実力を計測するベンチマークテストです。

結果を見るとメモリーの1枚挿しは、明らかにスコアが低く出ています。ほかの2枚挿し構成では多少の差はあるものの、スコアが軒並み3000を超えました。容量やモジュールの銘柄よりも、1枚構成か2枚構成かで、性能差が出るということです。

 

構成別のメモリー性能

CPU PassMark Memory Mark Score
32GB×1
2814
16GB×2
3180
32GB×2(異)
3225
32GB×2(同)
3178
48GB×2
3210
48GB×2(VRAM48GB)
3094

※スコアは当サイト計測値

 

GEEKOM A9 Max 2026

32GB×1(上段)と32GB×2(異種構成)(下段)の結果比較。帯域が強く影響するMemory Threaded と Memory Writeの項目でスコアに大きな差が出ています

3DMark

3DMark Time Spyは、GPU性能を計測する3Dベンチマークです。GEEKOM A9 Max 2026で使われているRadeon 890Mは、CPU(Ryzen AI 9 HX 470)内蔵タイプのiGPU。システムメモリーの一部をVRAM(専用グラフィックスメモリー)として利用するため、メモリー性能がストレートに現われます。

スコアは32GB×1と32GB×2で、半分近い差が現われました。前述のMemory Markでは差が13%程度でしたが、ここでは最大で49%です。つまりメモリー性能の差はユーザー側のデータ処理では大きく現われないものの、グラフィック処理ではほぼ半減すると考えることができます。

 

メモリー構成別のグラフィックス性能

CPU 3DMark Time Spy Graphics
32GB×1
2033
16GB×2
3961
32GB×2(異)
3875
32GB×2(同)
3890
48GB×2
3664
48GB×2(VRAM48GB)
3517

※スコアは当サイト計測値

 

なお48GB×2のスコアが32GB×2に比べて低く出ていますが、これは容量差そのものよりも、モジュールで使われているチップやそのほかの要因によるものかもしれません。今回のテストでは特定できませんでした。

FF14ベンチ

実際のゲーム性能を計測するFF14ベンチでも3Dベンチマークテスト時と同じ傾向が出ていますが、その差はよりハッキリと出ました。1枚挿しでスコアが低いのは相変わらず。特に注目すべきは48GB×2の落ち込みです。ゲームではCPUとiGPUが同時にメモリーへアクセスするため、メモリーの弱点が表面化しやすいと考えられます。前述で現われた細かな違いが、より大きな差となって現われたのでしょう。ゲーム用途で考えるなら、メモリー容量は無理に増やさなくてもいいかもしれません。

 

メモリー構成別のゲーム性能

CPU FF14 Benchmark 最高品質 Score
32GB×1
2338
16GB×2
4513
32GB×2(異)
4023
32GB×2(同)
3806
48GB×2
2863
48GB×2(VRAM48GB)
2777

※スコアは当サイト計測値

推論性能(GPU+NPU)

UL Procyonの「Procyon AI Text Generation Benchmark」を利用して、異なる3種類のサイズのモデルで推論性能を計測しました。

1枚挿しが大きく劣るのは、どのモデルでも変わりません。注目すべきは、モデルサイズが大きくなるほど48GB×2の不利が拡大する点です。モデルが大きくなるほどメモリーへのアクセス量が増えるため、大容量モジュール(48GB)が持つメモリーチップ内部の動作の遅さが表面化する、と読みとれます。

さらに、VRAMに48GBを割り当てた48GB×2構成でも、これまでのテストとは異なり、わずかな改善が見られました。VRAMの容量を変えるとAI性能が変化するのは興味深い点ではあるものの、残念ながら体感速度が大きく変わるほどではありません。

総合的に見ると1枚挿しはローカルLLMの利用には不向き、2枚挿しなら3Bクラスは快適に利用できるでしょう。7~8Bクラスは、メモリーの転送速度によってはなんとかといったところです。

※「Score」=総合スコア、「OTS」=出力トークン速度、「TTFT」=応答開始までの時間

推論性能(GPU+NPU) ※PHI 3.5

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
32GB×1 486 14.01 1.52s
16GB×2 798 25.33 1.02s
32GB×2(異) 784 24.45 1.02s
32GB×2(同) 786 24.31 1.01s
48GB×2 769 24.04 1.04s
48GB×2(VRAM48GB) 770 23.62 1.02s

推論性能(GPU+NPU) ※MISTRAL 7B

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
32GB×1 428 9.39 2.34s
16GB×2 692 16.89 1.61s
32GB×2(異) 682 16.3 1.6s
32GB×2(同) 683 16.49 1.61s
48GB×2 532 12.87 2.07s
48GB×2(VRAM48GB) 553 12.62 1.88s

推論性能(GPU+NPU) ※LLAMA 3.1

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
32GB×1 320 7.97 3.17s
16GB×2 532 14.55 2.09s
32GB×2(異) 527 14.14 2.07s
32GB×2(同) 534 14.05 2.01s
48GB×2 338 8.64 3.006s
48GB×2(VRAM48GB) 358 9.32 2.95s

用途に応じたメモリー構成を選ぶ

性能を底上げするなら、32GB×1を1枚追加して2枚挿しにするのがもっとも手軽です。特にグラフィックス処理やゲーム、AI処理などでのパフォーマンスアップを見込めます。

ただし異なるメモリーモジュールでは、チップの相性問題がある点に注意してください。今回は問題は見られませんでしたが、チップの世代やランク構成、メーカーの違いによっては、速度が落ちる・動作が不安定になるといったケースもあり得ます。同じメモリーを2枚挿すのが理想ですが、それが難しい場合は、同型番のメモリーや同じメーカーのメモリーを選ぶなどの工夫をすると、確実性は多少上がるかもしれません。

あるいは、データ処理や普段使いが中心であれば、メモリーを増設しないまま32GB×1で使う選択肢もあります。標準構成時のベンチマーク結果からも実用性は十分ということがわかっていますし、メモリー帯域の影響が出にくい作業が中心であれば、無理に増設する必要はありません。またグラフィックス性能をアップさせたいのであれば、メモリー以外のパーツ(eGPUなど)を追加する方法もあります。

eGPUの利用について

前の章では、GEEKOM A9 Max 2026の32GB×1メモリー構成はグラフィックス面でやや不利ということを解説しました。ここからはその問題点に対するひとつの解決策である「eGPU」つまり「外部グラフィックス」の利用とその効果について解説します。

今回利用したのは、GIGABYTEの「AORUS RTX 5060 Ti AI BOX(GV-N506TIXEB-16GD)」です。GPUはデスクトップPC向けのRTX 5060 Ti(16GB)。グラボの中身が、そのままケースのなかに収められています(インターフェース配置などは変更されていますが)。

 

GEEKOM A9 Max 2026

RTX 5060 Ti(16GB)内蔵のAORUS RTX 5060 Ti AI BOXとGEEKOM A9 Max 2026。デスクトップPC向けのグラボが収められているだけあって、筐体はかなり大きめです

GEEKOM A9 Max 2026

eGPU利用時のイメージ

 

「AORUS RTX 5060 Ti AI BOX」はThunderbolt 5接続に対応していますが、GEEKOM A9 Max 2026とはUSB4で接続しています。USB4のほうが転送速度が遅いため、「AORUS RTX 5060 Ti AI BOX」本来の性能を十分に活かし切れていないかもしれません。将来的にPCをアップグレードするのであれば問題ありませんが、USB4で利用し続けるのであれば、USB4接続向けに最適化された別のeGPU製品を選択するといいでしょう。ここではあくまでも、eGPUでどの程度性能が向上するのかを紹介します。

 

3Dグラフィックス性能

グラフィックス性能を計測する3DMarkのTime Spyでは、素の状態のRadeon 890Mに比べて7倍にあたる「14341」と出ました。統計データではRTX 5060 Tiの平均値は「15941」ですので、この約10%の差がThunderbolt 5→USB4の差として出ているのかもしれません。これだけのパフォーマンスアップが見込めるのであれば、多少のスコアの低下は個人的には許容範囲のように思えます。

 

3Dグラフィックス性能

CPU 3DMark Time Spy Graphics
Radeon 890M
2033
5060Ti
14341
5060Ti平均値
15941

※GEEKOM A9 Max 2026の計測値、平均値はUL Solutionsの統計データ

軽めの作業の総合性能

PCを使った軽めの作業の快適さを計測するPCMark 10では、一般利用とビジネス利用では多少の差が出ているものの、ほとんど誤差レベルです。コンテンツ制作のテストではスコアが向上したものの、その差は13%程度に過ぎません。これはeGPUの効果はあるものの、小規模な作品作りでは費用対効果が低い可能性があることを示しています。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
Radeon890M10759
5060Ti10133
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
Radeon890M15603
5060Ti15745
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
Radeon890M10914
5060Ti12301

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

クリエイティブ性能

アドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測するProcyonでは、Radeon 890M使用時のPhoto Editingの結果がエラーで計測できませんでした。しかし5060Tiの「6777」はほかのミニPCと比べてもそれほど高いわけではありません。CPUとストレージ性能が大きく影響する写真加工のシーンにおいては、効果は限定的だと言えます。

しかし動画編集のテストであるVideo Editingでは、圧倒的なパフォーマンスを見せつける結果となりました。普通のミニPCでは、ここまでのスコアは出ません。クリエイター向けのデスクトップPCと同程度と言っていいでしょう。非常に優秀な結果です。

 

クリエイティブ性能の比較

CPU UL Procyon
Radeon 890M
Photo N/A
Video5147
5060Ti
Photo6777
Video25397

※「Photo」はPhoto Editing、「Video」はVideo Editing。スコアは当サイトの実機計測結果

ゲーミング性能

ゲーム系ベンチマークでは、軒並み優秀な結果が出ました。(一部を除いて)フルHDの最高画質はもちろん、この結果であればWQHDでも快適にプレーできるだろうと予測できる性能です。5060Tiであれば、タイトルによってはレイトレーシングモードでも普通に楽しめるでしょう。

 

FF14ベンチ

機種 FF14黄金のレガシーベンチマーク最高画質
5060Ti
14649
Radeon 890M
4299

※スコアは当サイト計測値

Cyberpunk 2077 ※FHD、フレーム生成有効

最低画質 ウルトラ画質 レイトレ最高画質
Radeon 890M 47.88 fps 29.15 fps 6.49 fps
5060Ti 172.72 fps 144.76 fps 74.33 fps

 

黒神話:悟空ベンチマーク ※FHD、フレーム生成有効

低画質 最高画質
Radeon 890M 平均27 fps 平均10 fps
5060Ti 平均90 fps 平均36 fps

 

Forza Horizon 6(Radeon 890M)※FHD

プリセット フレーム生成 平均fps 1%Low CPUレンダリング
エクストリーム 無効 16.3 11.6 48.3
エクストリーム バランス 18.5 12.8 47.6
最低 無効 50.1 39.8 77.4
最低 バランス 51.1 40.9 76.8

Forza Horizon 6(5060Ti)※FHD

プリセット フレーム生成 平均fps 1%Low CPUレンダリング
エクストリーム 無効 92.2 75.2 81.7
エクストリーム バランス 97.9 78.6 82.5
Extreme+RT 無効 50.0 43.2 54.8
Extreme+RT バランス 66.9 55.9 55.8

AI性能

eGPUとして使ったRTX 5060 TiはVRAMが16GBのモデルで、AI系のベンチマークテストでは圧倒的なスコアが出ています。GEEKOM A9 Max 2026はもちろんのこと、多くのミニPCを大きく上回る結果です。

正直なところミニPCでのローカルLLMは(Ryzen AI Max+ 395&128GBメモリーの組み合わせを除き)ムリすれば実用でもなんとかというレベルですが、7~8Bモデルぐらいなら爆速で利用できるのではないでしょうか。13Bクラスでも、量子化しだいではなんとかなるかもしれません。今回RTX 5060 Tiの恩恵を一番強く感じたのはこのAI性能についてです。

 

推論性能(GPU)

機種 gpt-oss-20b token per second
Radeon 890M
9.38
5060Ti
64.85

※スコアは当サイト計測値

推論性能(GPU+NPU) ※PHI 3.5

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
Radeon 890M 486 14.01 1.52s
5060Ti 2865 115.85 0.36s

 

推論性能(GPU+NPU) ※MISTRAL 7B

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
Radeon 890M 428 9.39 2.34s
5060Ti 2893 90.26 0.49s

 

推論性能(GPU+NPU) ※LLAMA 3.1

Score Average OTS
(tokens/s)
Average TTFT
Radeon 890M 320 7.97 3.17s
5060Ti 2457 73.9 0.5s

 

画像生成テストのスコア

検証機 Procyon AI Image Generation Stable Diffusion 1.5(FP16)
Radeon 890M
180
5060Ti
2185

※スコアは当サイト計測値

用途によっては費用対効果は高い

今回はRTX 5060 Ti(16GB)のeGPUを利用したため、非常に優秀な結果が出ました。eGPUドックなどを使ってより上位のグラボを利用すればより高い性能を得られるかもしれませんが、USB4の転送速度の都合により、ハイエンド向けグラボでは期待するほどの効果が得られない可能性があります。またAMD Radeon系のeGPU / グラボでは、NVIDIA GeForce系ほどのAI性能を発揮できない場合もあり、ドライバーや環境などに大きく左右される点に注意してください。

GEEKOM A9 Max 2026

eGPUを使えばグラフィックス性能を大きく向上させられます

 

とは言え、やはりeGPUの効果は絶大です。挿すだけで全体的にグラフィック性能が弱いミニPCが、ゲーミングPCやAI PCに一変するわけですから、用途によっては十分アリでしょう。

残念なのは、eGPUの値段がそこそこ高い点です。今回使用した「AORUS RTX 5060 Ti AI BOX」は15万3800円(筆者購入価格は13万9800円)で、ワンランク下のグレードでも7~8万円はします。グラボを持っているなら安く済みますが、eGPUアダプターやATX電源、場合によってはケーブルやNVMe変換アダプターなども必要となるかもしれません。ある意味ではロマン枠なのですが、予算はあまり関係ないのであれば、挑戦してみると楽しいと思います。

前モデルとの違い

2026年5月に発売されたGEEKOM A9 Max 2026、2025年夏発売のGEEKOM A9 Maxの後継モデルです。スペック上はCPUが異なる点以外に細かな変更点はなく、ある意味、前モデルのリフレッシュ版と考えていいでしょう。

 

GEEKOM A9 Max 2026

GEEKOM A9 Maxの2025年モデル(左)と2026年モデル(右)

GEEKOM A9 Max 2026

インターフェース構成を含めた外観はほぼ同じ

 

スペックの違い

2026年モデル 2025年モデル
発売日 2026年5月 2025年8月
CPU Ryzen AI 9 HX 470 Ryzen AI 9 HX 370
メモリー DDR5-5600 最大128GB
SSD PCIe Gen4 SSD 最大2TB
グラフィックス Radeon 890M(CPU内蔵)
通信 Wi-Fi 7、Bluetooth5.4、2.5Gbps RJ45 LAN ×2
インターフェース USB4×2、USB3.2 Gen2 Type-A×5、USB2.0×1、HDMI×2、2.5G RJ45×2、ヘッドホン端子、SDカードスロット
サイズ 幅135×奥行き132×高さ46.9mm

 

CPU自体もあまり変わらないため、性能面もほぼ変わりません。しかしPCパーツが高騰する前に発売された前モデルでは、ロット(出荷タイミング)によっては16GB×2のメモリーが搭載されており、それが現行の32GB×1よりも有利に働く場合があります。

 

CPUスペックの違い

Ryzen AI 9 HX 470 Ryzen AI 9 HX 370
リリース 2026年5月 2024年7月
コア構成 12コア24スレッド
(Zen 5×4 + Zen 5c×8)
最大クロック 5.2GHz 5.1GHz
内蔵GPU Radeon 890M (16CU)
グラフィックス Radeon 890M(CPU内蔵)
GPUクロック 3.1GHz 2.9GHz
NPU 55TOPS 50TOPS

 

ロットの違いを考えると単純には性能を比較できないため、ここではベンチマーク結果の掲載を差し控えます。興味がある人は以下のリンクから前のモデルのレビュー記事で確認してください(現行ロットとはおそらく結果が異なります)。

 

GEEKOM A9 MAXレビュー:Ryzen AI 9 HX 370搭載で安心&高性能なミニPC【PR】
GEEKOM A9 MAXは、AMDのRyzen AI 9 HX 370を搭載するハイエンド(上位)クラスのミニPCです。高度な作業にもガッツリ使える性能と抜群の拡張性に加え、しっかりした作りと3年間の長期保証も完備。ヘビーユーザーでも安心...

熱と騒音について

※環境が変わると、結果が異なる場合があります

ファンモードの性能差

UEFI(BIOS)設定からファンモードを変更すると、CPUファンの強度が変わります。CPU性能自体が直接変わるわけではありませんが(Silentモードのみ電力調整あり)、冷却効果によりパフォーマンスは若干改善されるようです。ただし劇的に変わるわけではありません。

 

ファンモードによる性能差

CPU CINEBENCH R23 Multi core Score
Performance
22303
Normal
21226
Silent
20327

※スコアは当サイトの実機計測結果

CPU温度は安全圏内

高負荷時におけるCPUの温度と消費電力のモニタリングデータは、以下のグラフのとおり。CPU温度は「Normal」時で平均87.6度、「Performance」時では平均83.2度、「Silent」時では平均81.4度。Normal時はやや温度が高めに出ているものの、特には問題ない範囲でしょう。

特徴的なのは、GEEKOM A9 Max 2026は温度によって消費電力が調整されているように見受けられる点です。NJomalとSilentでは、CPU温度が90度に達すると温度を維持あるいは下げるために電力が下がる一方、PerformanceではCPU温度が一定値(85度付近)を超えないように電力を上げ下げして調整しています。これがGEEKOM A9 Max 2026のチューニングなのでしょう。

 

GEEKOM A9 Max 2026

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力、コアクロックの推移(ファンモード「Normal」時)

GEEKOM A9 Max 2026

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力、コアクロックの推移(ファンモード「Performance」時)

GEEKOM A9 Max 2026

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力、コアクロックの推移(ファンモード「Silent」時)

モード別の平均値 / 最大値

Normal Performance Silent
CPU温度 87.6度 / 90.1度 83.2度 / 88.2度 81.4度 / 89.9度
CPU消費電力 50.8W / 65W 53.9W / 65W 40.6W / 59.9W

音は大きいがストレスは小さい

騒音(空冷ファンのモーター音や排気口からの風切り音)は、高負荷時には大きく聞こえます。ただし振動を伴う低音や、高周波のようなモーター音は聞こえませんでした。個体差の可能性はありますが、筆者が試した限りでは排気音が大きいとは言え、それほどストレスには感じません。

駆動音の計測結果

Normal Performance Silent
電源オフ時 30.3dB
待機中 31.1dB(音がうっすらと聞こえるが無音に近い) 33.5dB(排気音がうっすらと聞こえる) 30.7dB(音がうっすらと聞こえるが無音に近い)
Windows Update 42.3dB(排気音がけっこう大きく聞こえる) 52.2dB(排気音とモーターの回転音がかなり大きく聞こえる) 34.2dB(排気音がうっすらと聞こえるがうるさくない)
軽作業中
(PCMark 10)
31.5~42.5(ときおり排気音が大きく聞こえる) 33.5~48.5(ときおり排気音とかすれるようなモーター音が大きく聞こえる) 31.2~34dB(ときおり排気音が聞こえるが全体的には静か)
高負荷時
(CINEBENCH R23)
41.8dB(排気音が大きく聞こえる) 52dB(排気音とモーターの回転音がかなり大きく聞こえる) 33.9dB(排気音がうっすらと聞こえるがうるさくない)

※(参考)エアコンの最大出力は48~58dB前後

 

筐体温度は低い

ベンチマーク時の筐体温度を計測したところ、触れないほど熱くなっている箇所はありませんでした。最大でも34度付近で、まったく問題ありません。

 

GEEKOM A9 Max 2026

本体の表面温度は最大で34度付近でした

GEEKOM A9 Max 2026

電源アダプターは46度とやや高めですが、熱くは感じません

考察とまとめ

GEEKOM A9 Max 2026

モノはいいけど時代が悪かった

筆者は昨年一時的に単身赴任していたことがあり、その際に前モデルのGEEKOM A9 MaxをメインPCとして3ヵ月程度利用していたことがあります。そのときは日常的な情報収集から画像の加工、記事の執筆、そしてちょっとしたゲームまで、不自由なく利用できました。少し重めのゲームについては、eGPUボックスを接続していましたが。自宅に戻ったいまでは4年前から使っているデスクトップPC(OMEN 45L)に戻しているのですが、メモリー周りが弱いので、GEEKOM A9 Maxに戻そうかと思ったほどです。

今回も機材の提供を受けて新モデルのGEEKOM A9 Max 2026を検証したわけですが、使用感はほぼ同じでした。悪く言えばマイナーチェンジ、よく言えば完成された機種のリフレッシュモデルと言えるでしょう。

ただ決定的に違うのが、メモリー構成が16GB×2から32GB×1に変わり、値段が14万円前後(2025年夏ごろ)から22~24万円(2026年6月)に変わってしまった点です。

ベンチマーク結果を見るとおわかりのとおり、1枚挿しではCPU(特に内蔵グラフィックス)の性能を十分に発揮できません。それ故に、いくつかやや不満のある結果が出ています。グラフィックス処理の影響が小さい作業であれば問題ありませんが、ハイエンドタイプを事務作業だけに使うシーンは少ないはずです。

じゃあこれが製品としての悪いところなのかと言うと、そうではないんですよね。PCの市場を見ている人ならわかると思いますが、結局のところ時代が悪かったと言うしかない状況です。AIブームによるパーツの高騰さえなければ、16GB×2で前モデルよりちょっぴり値上がりした程度で販売されていたでしょう。でもあまりにもパーツ、特にメモリーとSSDが値上がりしてしまい、この値段で出さざるを得なかった、メモリーも32GB×1にせざるを得なかったということです。

ほかのメーカーに目を移してみると、同様のスペックであれば、値段的に大きく変わるわけではありません(セールの場合を除いて)。Ryzen AI 9で32GBのミニPCを入手するなら、20万円前後はかかる状況です。そんななかでの選択肢としてであれば、品質面での定評があり3年間の長期保証が付いたGEEKOM A9 Max 2026は悪くないチョイスだと思います。

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記事を書いた人
こまめ

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