筆者はいまから4年前に、ドスパラの「GALLERIA ZF」というゲーミングPCを購入しました。ゴリゴリにパーツをカスタマイズしており、当時としてはかなり気合いの入った(と自分では思っている)構成です。
https://komameblog.jp/review/galleria-zf/
主なスペック
標準構成 | 筆者購入機 | |
---|---|---|
OS | Windows 10 Home | Windows 10 Pro |
CPU/チップセット | Core i7-8700K / Intel Z370 Chipset | |
グラフィックス | GeForce GTX 1070(8GB) | |
メモリー | 8GB | 32GB |
ストレージ | 500GB SSD+2TB HDD | 256GB NVMe SSD(Samsung SM961)+500GB SSD |
CPUクーラー | 空冷 | 水冷 |
電源 | 500W 静音電源(80PLUS BRONZE) | オウルテック AS-700(FSP AURUM、80PLUS GOLD) |
購入から4年たち、CPUもGPUも4世代前のものとなってしまいました。当時はミドルハイクラスだったPCも、いまではひと世代前のミドルレンジ相当。RTX 30シリーズではエントリー向けがリリースされていないのですが、もし出たとすると同じくらいかもしれません。このパフォーマンスだと最新の大作ゲームはかなり厳しく、中規模クラスのゲームだとフルHDで画質を下げてなんとかというレベルです。
そこで今回はグラボメーカーであるPalit提供の現行ミドルレンジ「Palit GeForce RTX 3060 Dual OC」を使って、4~5年前の旧型ゲーミングPCがどれほどパフォーマンスアップするのかを検証しました。グラボのパフォーマンス不足で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
Palit GeForce RTX 3060 Dual OCのスペック
GPU | NVIDIA GeForce RTX3060 |
---|---|
接続 | PCI Express 4.0 x16 |
メモリー | GDDR6 12GB |
クロック | ベース:1320MHz / ブースト:1837MHz |
メモリー | 16GB DDR4-3200 |
CUDAコア | 3584 |
消費電力 / 推奨電力 | 180W / 550W |
映像出力 | HDMI2.1×1、DisplayPort 1.4a×3 |
冷却システム | 空冷ファン×2(2スロット占有) |
電源 | 8品×1 |
サイズ | 長さ245×幅119×高さ40mm |
外観
Palit GeForce RTX 3060 Dual OCの外観は特に派手さはなく、スタンダードな作りです。LEDは「GeForce RTX」の部分が白く光るのみ。RGBイルミネーションには対応していません。
取り付け
グラボの取り付けは簡単で、元から使われていたグラボを外し、新しいグラボを挿してネジで固定してから8ピンの電源コードを挿すだけ。なんとなく理解している程度の人でも、10分かからずに終わるでしょう。なお作業の際は静電気でパーツが破損しないよう、手袋を装着したり静電気を逃してから作業を行なってください。
ベンチマーク結果
3Dグラフィックス性能を計測する3DMarkを試したところ、GTX 1070からRTX 3060に変えたことでパフォーマンスがワンランクアップしました。性能的には、2世代前のミドルハイ(RTX2070)相当。現行のNVIDIA系ミドルレンジ帯GPUとしては、もっとも高性能です。
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3090 |
18521
|
RTX 3080 |
16540
|
RTX 2080 Ti |
13077
|
RTX 3070 |
13072
|
RTX 2080 SUPER |
11327
|
RTX 2080 |
10305
|
RTX 2070 SUPER |
10151
|
RTX 3060 |
8870
|
RTX 2070 |
8738
|
RTX 2060 SUPER |
8289
|
RTX 2060 |
6754
|
GTX 1660 Ti |
6238
|
GTX 1070 |
6078
|
GTX 1660 |
5303
|
GTX 1650 SUPER |
4614
|
GTX 1650 |
3383
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3090 |
44130
|
RTX 3080 |
39977
|
RTX 3070 |
32448
|
RTX 2080 Ti |
32170
|
RTX 2080 SUPER |
27932
|
RTX 2080 |
25358
|
RTX 2070 SUPER |
25322
|
RTX 2070 |
22766
|
RTX 3060 |
22471
|
RTX 2060 SUPER |
20640
|
RTX 2060 |
17645
|
GTX 1070 |
16080
|
GTX 1660 Ti |
15747
|
GTX 1660 |
13004
|
GTX 1650 SUPER |
11853
|
GTX 1650 |
9005
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
またRTXシリーズは、リアルタイムレイトレーシングに対応しています。レイトレーシング性能を計測するベンチマークテストでも上記テストと同様、ミドルレンジとしては優秀な結果が出ました。
GPUの性能 (レイトレーシング)
GPU | 3DMark Port Royalスコア |
---|---|
RTX 3090 |
12485
|
RTX 3080 |
10813
|
RTX 3070 |
8109
|
RTX 2080 Ti |
7911
|
RTX 2080 SUPER |
6883
|
RTX 2080 |
5926
|
RTX 2070 SUPER |
5996
|
RTX 3060 |
5265
|
RTX 2070 |
4922
|
RTX 2060 SUPER |
4858
|
RTX 2060 |
4164
|
GTX 1660 Ti |
1610
|
GTX 1660 |
1405
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲーム系ベンチマーク
まずはGTX 1070搭載時とRTX 3060搭載時の違いから。以前に行なったテストに合わせて、古いベンチマークを使っています。結果は標準品質ではほとんど変わりませんでしたが、高品質以上の設定でRTX 3060のほうが優れた結果が出ています。ただこの程度の規模のタイトルだと、体感的にはそれほど変わらないかもしれません。高FPSを出すには高いCPU性能が求められるので、おそらく旧型CPUの性能の低さがボトルネックになっているような気がします。
FF14紅蓮のリベレーターベンチマーク結果
画質 | RTX 3060 | GTX 1070 |
最高品質 | 120.0 FPS | 108.3 FPS |
高品質 | 140.2 FPS | 115.9 FPS |
標準品質 | 155.3 FPS | 155.0 FPS |
※1920×1200ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
続いては、定番ゲーム系ベンチの結果。処理の重いFF15ベンチでも、高画質で「快適」との評価でした。スコア的に高リフレッシュレートでヌルヌル動くほどではありませんが、通常時で平均60FPSはクリアーできると思われます。
中規模タイトルのFF14でも、問題ない結果です。人気のバトロワ系FPS / TPSもこのあたりに該当するので、画質の調整しだいで常時144Hzクリアーできるはず。動作の軽い競技系ゲームであれば、165Hzは余裕でしょう。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 8216 / 快適 |
標準品質 | 11890 / とても快適 |
軽量品質 | 14618 / 非常に快適 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 17439 / 126.3 FPS |
高品質 | 19848 / 147.1 FPS |
標準品質 | 21383 / 159.4 FPS |
※1920×1200ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
最後に重量級のレイトレーシング対応タイトルを。レイトレーシングを無効化した状態なら、フルHDの最高画質で平均60FPSはクリアーできるでしょう。100Hz以上は画質設定しだいといったところ。レイトレーシングを有効にした場合、画質をわずかに落とせば平均60 FPSはクリアーできそうです。映像の美しいレイトレーシング対応タイトルを十分に堪能できるでしょう。
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
FPS計測結果 ※テクスチャの質:高
画質設定 | 平均FPS / 最小FPS |
画質:ウルトラ / DLSS:バランス | 83.7 FPS / 57.7 FPS |
画質:高 / DLSS:バランス | 87.9 FPS / 53.8 FPS |
画質:レイトレーシングウルトラ / DLSS:バランス | 59.36 FPS / 44.5 FPS |
画質:レイトレーシング中 / DLSS:バランス | 63.6 FPS / 47.8 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PC本体を買うより安くパワーアップできる
年数がたってパフォーマンスがいまの基準に合わなくなったゲーミングPCでも、グラボを交換するだけで手軽にアップグレードできるのは魅力です。Palit GeForce RTX 3060 Dual OCなら現在の値段は6万3800円(2021年12月6日時点)。ゲーミングPCを丸ごと買うよりも、はるかに安くパワーアップできます。
RTX 3060は2021年年末時点で、現行世代のミドルレンジGPUです。対象としてはフルHD向けで、中量級タイトルなら144Hz、重量級タイトルなら60Hzあたりでプレー可能。簡単に言えば、フルHDでいろいろゲームを楽しみたい人に向いています。使っているPCが古くなってゲームの動きがカクカクするようなら、グラボを交換してみてはいかがでしょうか。
なおグラボを購入する際は、使っているPCの電源容量と補助電源ピンの構成に注意してください。
*
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