ドスパラのGALLERIA RL5C-R35Tは、第11世代のCore i5-11400HとGeForce RTX 3050 Tiを搭載するエントリー(入門)クラスのゲーミングノートPCです。エントリー向けとは言え、前世代のミドルレンジクラスに迫る高いパフォーマンスが魅力。さらに144Hzの高リフレッシュレート対応で、ゲームをなめらかな動きで楽しめます。
GALLERIA RL5C-R35Tのスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | Core i5-11400H (6コア12スレッド) |
メモリー | 16GB(8GB×2) ※スロット2基、PC4-25600 |
SSD | 512GB NVMe SSD |
HDD | なし |
グラフィックス | RTX 3050 Ti (4GB) |
リフレッシュレート | 144Hz |
モバイル通信 | - |
堅牢性テスト | ※表記なし |
色域 / 輝度 | ※表記なし |
幅×奥行き | 360×244mm |
厚さ | 20.0mm |
重量 | 約2.0kg |
バッテリー | 約4.1時間 |
※2021年9月11日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | グレー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | 表記なし ※IPS相当 |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | 3列 |
有線LAN | 2.5Gbps |
無線LAN | Wi-Fi 6(最大2.4Gbps) |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.1 | 2(Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | 1(3.1 Gen2、DP Alt対応/PD非対応) |
Thunderbolt | - |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1(2.1) |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | HD画質(92万画素) |
顔認証カメラ | 搭載 |
指紋センサー | - |
付属品 | 120W ACアダプターなど |
オフィス | なし(オプションで追加可能) |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶まとめ
※2021年12月3日時点、価格は税込+送料込み
デザインと使いやすさ
外観について
GALLERIA RL5C-R35Tは高性能なCPUとGPUを搭載するゲーミングノートPCですが、本体サイズは一般的な15.6インチノートPCと変わりません。試しに筆者所有のThinkPad E15 Gen 3と大きさと比べたところ、ほぼ同じ大きさでした。薄型の▶Inspiron 15 5515よりは厚くて大きいものの、ゲーミングノートPCとしてはコンパクトかつスリムです。
ちなみに筆者は最近同じRTX 3050 Tiを搭載する▶HP Pavilion Gaming 15(AMD)を買ったのですが、サイズはGALLERIA RL5C-R35Tのほうがコンパクトです。
ディスプレイについて
ディスプレイのサイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ゲーミングノートPCと一般的なスペックです。パネルの表面は光沢なしのノングレアで、眼精疲労や集中力低下の原因と言われる映り込みは生じません。
リフレッシュレート(画面の書き換え速度の目安)は144Hzで、ゲーム画面の動きは非常になめらか。最近は165Hzや240Hzなどより高いリフレッシュレートの機種もありますが、これからゲームを始めようとする人には十分でしょう。ゲーミングノートPCとしては、もっともスタンダードな仕様です。
映像には違和感はありません。やや寒色系で赤みが弱い印象ですが、パッと見では普通の色合いに感じます。ただしスマホやタブレットなどと比べると、鮮やかさに欠けるように感じるかもしれません。ゲームには影響ありませんが、色味を重視するクリエイティブワークで利用するなら色域の広い外付けディスプレイの使用をおすすめします。
キーボードについて
キーボードはバックライト対応の日本語配列です。数値入力に便利なテンキーが付いていますが、一般的な4列構成ではなく3列構成である点に注意してください。下から2行目の記号キーがやや小ぶりですが、ゲームや日本語入力にはあまり影響ないでしょう。しかしプログラミングなど記号キーを多用する作業では、違和感があるかもしれません。
キーピッチは実測で18.7mmでした。一般的な19mmよりもわずかに狭く、実際に使うとほんのわずかに窮屈に感じます。キーストロークは実測で平均1.39mm。1.5mmの標準値よりも浅いのですが、クリック感が固いので手応えはしっかりと感じられます。
クリック感が固いぶん、弱い力でもタイプ音がカタカタと聞こえます。とは言え、うるさく感じるほどではありません。ゲームプレー時であれば、(タイプ音については)周囲への配慮も必要ないでしょう。ただし静かな場所では、少し気にしたほうがいいかもしれません。
キーの同時押し認識数は英数字のみで最大5キー程度、組み合わせや押す順番によっては2~3キーしか認識されない場合もあります。WASDキー周りも認識数はキーの組み合わせしだいですが、ゲームでの必要最低限の基準はクリアーしていると言っていいでしょう。
インターフェース/機能について
周辺機器接続用のインターフェース(端子)類は十分な構成です。左右側面にUSB端子があるので取り回しの自由度が高く、繋ぎっぱなしで使う端子類は背面に配置されているのでケーブルがジャマになりません。
またSDカードサイズのメモリーカードスロットが用意されている点もポイント。デジカメで撮影した画像を、手軽に取り込めます。Type-Cは充電には非対応ですが、電源アダプターが180Wと高出力なので仕方がないでしょう。
Type-C端子の機能
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | × |
USB PD 100W充電 | × |
映像出力 | ○ |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i5-11400H |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 3050 Ti(4GB) ※最大グラフィックスパワーは95W |
※各ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「高パフォーマンス」に設定した上で、標準収録ソフト「Gaming Center」の「ターボモード」を有効化した最大パフォーマンス設定で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第11世代のCore i5-11400Hが使われています。6コア12スレッドのCPUで、前世代のCore i5-10300H(4コア8スレッド)よりも性能が向上しました。ゲーミングノートPC向けCPUのなかでは下位クラスではあるものの、PCとしては非常に高性能。ゲームには十分なパフォーマンスです。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 9 5900HX |
5262
|
Core i7-11800H |
5060
|
Ryzen 7 5800H |
4732
|
Core i9-11900H |
4210
|
Core i7-10875H |
3551
|
Ryzen 5 4600H |
3303
|
GALLERIA RL5C-R35T(Core i5-11400H) |
2992
|
Core i7-10750H |
2825
|
Core i5-10300H |
2249
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、専用グラフィックスのGeForce RTX 3050 Tiが使われています。位置付け的にはエントリークラスですが、前世代のミドルレンジであるGTX 1660 Tiに迫るパフォーマンスです。
またGALLERIA RL5C-R35Tは最大グラフィックスパワーが95W(仕様上の上限80W + DYNAMIC BOOST 2.0の加算ぶん15W)に設定されており、ほかのRTX 3050 Ti搭載機(45~60W)より高いパフォーマンスを発揮できます。エントリー向けとしては優れた性能です。
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
11914
|
RTX 2080 |
9599
|
RTX 3070 |
8831
|
RTX 3060 |
8262
|
RTX 2070 |
7660
|
RTX 2060 |
5860
|
GTX 1660 Ti |
5626
|
GALLERIA RL5C-R35T(RTX 3050 Ti) |
5350
|
RTX 3050 Ti |
5166
|
GTX 1650 Ti |
3686
|
GTX 1650 |
3178
|
Iris Xe (Core i7) |
1250
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
28566
|
RTX 2080 |
25078
|
RTX 3070 |
24153
|
RTX 3060 |
21620
|
RTX 2070 |
20037
|
RTX 2060 |
15685
|
GTX 1660 Ti |
14451
|
GALLERIA RL5C-R35T(RTX 3050 Ti) |
14039
|
RTX 3050 Ti |
13385
|
GTX 1650 Ti |
10123
|
GTX 1650 |
8758
|
Iris Xe (Core i7) |
4486
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
RTX 3050 Tiはリアルタイムレイトレーシングに対応しています。しかしレイトレ性能は高くはありません。ゲームをよりリアルな映像で楽しむには厳しいでしょう。ただしフォトモードなどで一瞬だけレイトレ機能を有効化するぐらいなアリです。
GPUの性能 (レイトレーシング)
GPU | 3DMark Port Royal Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
7351
|
RTX 2080 |
5675
|
RTX 3070 |
5242
|
RTX 3060 |
5006
|
RTX 2070 |
4498
|
RTX 2060 |
3330
|
GTX 1660 Ti |
1487
|
GALLERIA RL5C-R35T(RTX 3050 Ti) |
859
|
RTX 3050 Ti |
604
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ストレージのアクセス速度
ストレージは512GBのNVMe(PCIe 3.0 x4)SSDです。注文時のパーツカスタマイズには対応していません。
アクセス速度を計測したところ、なかなか優秀な結果が出ました。しかし負荷の高い処理を連続で行なうとランダムアクセス速度が低下することがあります。サーマルスロットリングが影響しているのかもしれません。とは言え、ゲームではそれほど大きなの影響はないと思われます。
本体の熱と騒音について
FF15ベンチを10分間実行し続けた際のCPUとGPU温度を計測したところ、CPUは平均57.3度でGPUは平均61.5度でした。数値としてはかなり低めで、計測中にエラーが生じたのかと思うほどです。ここまで低い状態は、なかなかありません。
ただしクロックは平均2.81Ghzとやや低めを推移しています。とは言え3Dベンチマークの結果を見る限りでは十分なパフォーマンスが出ているので問題ないでしょう。
キーボード面の熱もそれほど高くはありません。WASDキーは38度前後で特に熱は感じませんでした。ほかの部分は最大でも43度前後で、やはり熱くは感じません。
ただし駆動音(排気音やファンの回転音)はかなり大きく聞こえます。特に重いゲームでPCに高い負荷がかかっていると、排気音がうるさく感じました。建物の作りによっては、部屋の外にまで聞こえる可能性があります。静かな環境では、周囲への配慮が必要かもしれません。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.1dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 39.1dBA | ほぼ無音 |
高負荷時 | 60.5dBA | 排気音がかなり大きく聞こえる。ヘッドホンを着用してもハッキリと聞こえるほど |
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークテストや実際のゲームでFPS(描画速度の目安)をチェックしたところ、フルHDであれば非常に重いゲームでも最高画質で問題なく楽しめそうです。人気の競技系シューターでは、画質を調整すれば144Hzの高リフレッシュレートを活かしたプレーが可能。GPUはミドルレンジクラスですが、相当高いパフォーマンスです。
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 13388 / 93 FPS |
高品質 | 15693 / 112 FPS |
標準品質 | 17067 / 121.2 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 21865 / すごく快適 |
標準品質 | 21976 / すごく快適 |
低品質 | 22773 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
PSO2 ニュージェネシスベンチ(やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
ウルトラ | 13532 |
中 | 32139 |
最低 | 46970 |
※1920×1080ドットの結果。5000以上が快適に遊べる目安
フォートナイト (ちょっと重い / DX12)
フルHD
画質設定 | 平均FPS / 最小FPS |
レイトレ:オフ/画質:最高/DLSS:オフ | 81.4 FPS |
レイトレ:オフ/画質:最高/DLSS:パフォーマンス | 125.4 FPS |
レイトレ:最高/画質:最高/DLSS:パフォーマンス | 30.2 FPS |
レイトレ:最低/画質:最高/DLSS:パフォーマンス | 27.9 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
画質設定 | 平均FPS |
画質:ウルトラ/DLSS:ウルトラパフォーマンス | 55 FPS |
画質:中/DLSS:ウルトラパフォーマンス | 71.5 FPS |
画質:レイトレーシングウルトラ/DLSS:ウルトラパフォーマンス | 40.9 FPS |
画質:レイトレーシング中/DLSS:ウルトラパフォーマンス | 40.5 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシン クリード ヴァルハラ (重い / DX12)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 35 FPS / 6 FPS |
中 | 69 FPS / 39 FPS |
低 | 83FPS / 50 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
エントリー向けとしては優秀なパフォーマンス
よかった点
エントリークラスながら、高いゲーミング性能が魅力です。前世代のGTX 1650シリーズからパフォーマンスが大きく向上した上に、DLSSに対応したことでゲームをより快適にプレーできるようになりました。特にGTX 1650 / GTX 1650 Tiでは重量級のタイトルは厳しかったのですが、RTX 3050 Tiでは画質を調整すれば問題なく楽しめる程度にまで達しています。値段も手頃で、コスパの高い機種です。
気になる点
駆動音の大きさが気になります。ターボモードは使わず、なるべく音を抑えてプレーしたほうがいいでしょう。
また、第10世代Core i7-10875H + RTX 3060搭載のGALLERIA XL7C-R36(16万3280円)と、1万円しか変わらない点も気になります。この価格差であれば、1万円追加してスペックの高い機種を選んだほうがいいでしょう。
https://komameblog.jp/review/xl7c-r36/
※2021年12月3日時点、価格は税込+送料込み
*
当サイトでは2~3万円台の格安ノートPCから高性能ノートPCまで、さまざまな最新モデルを検証・解説しています。記事の更新情報やお買い得情報を当サイトのツイッターアカウントでお知らせしているので、ぜひフォローをお願いします。
ツイッターでこまめブログをフォローする
関連記事