日本HPのHP Spectre Folio 13-ak0000(以下、”HP Spectre Folio 13″)は、13.3インチの液晶ディスプレイを搭載した2-in-1タイプのモバイルノートPCです。最大の特徴は、本体の外装に本革が使われている点。画面を閉じると、見た目は高級システム手帳のようです。
さらにユニークなのは、液晶ディスプレイを裏側にクルリと回転させられる点です。動画を観たりペンでメモしたりなど、用途によってさまざまなスタイルに変形できます。
見た目や手に持ったときのしっくり感は素晴らしいのですが、CPU性能が若干低めです。これは一般的なノートPCで使われているUシリーズ(Core i5-8250U/Core i7-8550U)ではなく、省電力性能を重視したYシリーズ(Core i5-8200Y/Core i7-8500Y)が使われているため。調べ物や資料の作成には十分ですが、動画の加工やRAW現像などの重い処理には向いていません。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i7-8565U ※最新 |
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Core i7-8550U ※1年前 |
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Core i5-8250U ※1年前 |
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Core i7-7500U ※2年前 |
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HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y) |
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Core i5-7200U ※2年前 |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
とは言うものの、2年前によく使われていたCore i5やCore i7相当の性能はありますし、メモリーやSSDの容量は十分です。実際に使ってみたところ、ネットや動画視聴にはまったく問題はなく、ちょっとした作業用のソフトもキビキビと動作しました。
HP Spectre Folio 13はこんな人にオススメ
- 👍 外出先でサクッと作業したい
- 👍 ネットや文書作成中心
- 👍 バッテリー切れの心配なく長時間使いたい
- 👍 ほかの人に見せびらかしたい
ここからはメーカーからお借りしたHP Spectre Folio 13の実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをもう少し詳しくレビューします。
この記事の目次
HP Spectre Folio 13-ak0000
税込16万円台~
HP Spectre Folio 13-ak0000のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | 第8世代 Core i5-8200Y / Core i7-8500Y |
メモリー | 8GB(オンボード) |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB SSD(PCIe) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 615(CPU内蔵) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチ、1920×1080ドット、光沢、IPS、ペン/タッチ対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2 |
インターフェース | USB3.1 (Type-C)×1、Thundebolt 3 / USB3.1(Type-C)×2、ヘッドホン出力 |
セキュリティー | TPM 2.0、マカフィー・リブセーフ 1年版 |
カメラ | 200万画素、赤外線カメラ(Windows Hello対応) |
サイズ/重量 | 幅321×奥行き236×高さ15.9~17.2mm/約1.48kg |
バッテリー駆動時間 | 最大19時間 |
オフィス | ※互換ソフトのオプションあり、搭載モデルあり |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2019年1月9日時点。構成は変更される場合があります
HP Spectre Folio 13-ak0000のラインナップ
基本となるモデルはCore i5-8200Y搭載のベーシックモデルと、Core i7-8500Y搭載のスタンダードモデルの2種類です。それぞれCPUとSSDの容量が異なりますが、SSDについては購入時の追加オプションで容量アップグレードできます。
ラインナップ
ベーシックモデル | |
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税込16万円台 | |
スタンダードモデル | |
税込19万円台 | |
スタンダード・Office モデル ※2019年1月発売予定 | |
税込21万円台 |
※2019年3月8日時点、7%オフクーポン適用時
なお価格はタイミングによって変わる場合があります。最新の価格については、別記事のセール情報をご確認ください。
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HP Spectre Folio 13のセール情報
本体の大きさやデザイン
HP Spectre Folio 13の本体カラーはコニャックブラウンとボルドーバーガンディの2色。現在はコニャックブランのみ販売中で(2019年1月9日時点)、ボルドーバーガンディは2019年早春に販売予定です。
HP Spectre Folio 13は単に本革でノートPC本体を覆っているわけではなく、外装(ケース)自体が本革でできています。そのため本革部分をノートPCから取り外すことはできません。
本革には最高級の「フルグレインレザー」が使われており、手触りの良さは抜群です。まるで高級なブランドバッグのような触感と匂いを感じます。実物を見るとわかるのですが、とにかく存在感がスゴイ!
本革の加工には、耐久性の高い「クロムなめし」が施されています。革の表面はとても柔らかいのですが、変色しやすい「タンニンなめし」のように頻繁にお手入れする必要はありません。
ただし光や水分には弱いので、直射日光に長時間さらしたり付着した水分をそのままにしないでください。お手入れは柔らかいマイクロファイバーのクロスで汚れを拭き取る程度でOKです。
アルミやマグネシウムなどの金属素材のような固さや冷たさはなく、また樹脂(プラスチック)素材のような安っぽさも感じられません。触感は非常に素晴らしく、手になじむように感じました。
ただし本体サイズはやや大きく、さらに若干重く感じます。とは言え、本革をぜいたくに使っていることを考えれば仕方がないでしょう。本革製のPCケースを使っていると思えば、ある程度は納得できます。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
---|---|
11.6インチ | 1.126kg |
12.5インチ | 1.131kg |
13.3インチ | 1.253kg |
14インチ | 1.518kg |
15.6インチ | 2.174kg |
ノートPC全体 | 1.551kg |
※2017年12月~2018年5月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) 50台ぶんの実測値より
変形はとても簡単で、液晶ディスプレイの背面を折り曲げるようにして力を入れるだけです。パームレストに引っかけるようにすれば動画視聴向きの「メディアモード」に、完全に横に倒せばペン入力向きの「タブレットモード」に変形します。
画面の色と見やすさ
画面サイズは13.3インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHDです。モバイルノートPCとしては標準的なスペックですが、輝度が400nit(ニト)と非常に明るいので映像がとても鮮やかに映し出されます。
ただし光沢が強く、光や背景にがハッキリと映り込むことがありました。映り込みが気になる人は購入時の追加オプションとして用意されている「液晶保護フィルム」を購入するといいでしょう。ただし”低反射タイプ”と表記されていますので、ノングレアではなくハーフグレア程度だと思われます。
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キーボードの使いやすさ
キーボードはテンキーなしで、バックライト対応です。キーピッチは19.7mmと、理想とされる19mmよりもだいぶ余裕があります。実際に使ったところ打ちづらくはないのですが、指を少し広げることを意識するといいかもしれません。
キーストロークは1.3mmで、一般的なノートPC(1.5mm)よりも浅く作られています。クリック感は非常に軽く、入力時にわずかな底打ち感を感じました。打ち下ろすようにタイプするとパチパチと音が響くのですが、ごく軽めのタッチであれば音はほとんど気になりません。
端子類の種類と使いやすさ
端子類はUSB Type-C×3とヘッドホン出力のみです。付属の電源アダプターを使えば、どのType-C端子からでも充電できます。フルサイズのUSB端子を使う場合は、付属のアダプターを利用してください。
左側面のインターフェース
- ① ヘッドホン出力
- ② USB3.1 Type-C(Thunderbolt 3対応)
右側面のインターフェース
- ① USB3.1 Type-C
- ② USB3.1 Type-C(Thunderbolt 3対応)
手書き入力用のペンは標準で付属するので、追加で購入する必要はありません。ペンは1024段階の筆圧感知と傾き検知に対応しています。バッテリーは充電式で、USB Type-Cからの充電に対応しています。
ベンチマーク結果
今回のテストでは、Core i5-8200Y搭載のベーシックモデルを使いました。主なスペックは以下のとおりです。なおベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i5-8200Y |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD(PCIe) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 615(CPU内蔵) |
ストレージ性能
試用機で使われていた256GB SSDはPCIe Gen3 x4接続の超高速タイプです。シーケンシャルライトがやや遅めですが、それでも十分な性能だと言えます。
ウィンドウズの起動時間は、平均で26.82秒でした。PCIe接続の超高速SSDを使っている機種では12秒程度ということもあるのですが、試用機ではSATA接続SSD搭載機種の平均(16~17秒)よりも遅い結果が出ています。とは言え、40秒以上かかるHDDよりは高速です。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
28.2秒 | 26.0秒 | 26.8秒 | 26.2秒 | 26.9秒 | 26.82秒 |
CPU性能
前述のとおり、HP Spectre Folio 13のCPU性能はあまり高くありません。ネットや文書作成、動画視聴などには十分ですが、重い処理にはけっこうな時間がかかります。
CPUベンチマーク結果(再掲)
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8565U ※最新 |
|
Core i7-8550U ※1年前 |
|
Core i5-8250U ※1年前 |
|
Core i7-7500U ※2年前 |
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HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y) |
|
Core i5-7200U ※2年前 |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
プロ向けのソフトを使ってクリエイティブな作業にかかる時間を計測したところ、広く使われているCore i5-8250Uよりも遅い結果となりました。
クリエイティブソフトを使った検証結果
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y) | HP Pavilion 15-cs0000(Core i5-8250U) | Surface Pro 6(Core i5-8250U) | |
---|---|---|---|
動画の書き出し ※1 | 12分19秒 | 7分03秒 | 6分20秒 |
動画変換 ※2 | 19分34秒 | 10分46秒 | 10分39秒 |
RAW現像 ※3 | 3分24秒 | 1分44秒 | 1分44秒 |
※1 Adobe Premiere Pro CC 2018を使って、FF14ベンチをキャプチャーした6分44秒のフルHD動画に画像とテロップ、音声を追加した合計7分のゲーム実況風動画を作成。書き出し設定は「H.264」で、「YouTube 1080p HD」のプリセットを使用したときにファイル出力にかかった時間/※2 Adobe Media Encorder CCで5分間の4K映像(XAVC-S、3.51GB)をプリセット「YouTube 1080p HD」で変換するのにかかった時間/※3 Adobe Photoshop Lightroom Classic CCで5184×3456ドットのRAW画像を長辺1920ドット、画質80%、解像度240、シャープ出力 強のJPEGファイルに出力するのにかかった時間(フィルター類適用なし)
ただし繰り返しにはなりますが、2年前によく使われていたCore i7-7500U相当の性能ですのでメチャメチャ性能が低いわけではありません。高度な処理には向いていないだけで、軽めの作業が中心なら問題なく利用できるでしょう。
グラフィックス性能について
グラフィックス性能は、かなり低めです。Core i5として広く使われているCore i5-8250Uも内蔵グラフィックス機能を利用しますが、ベンチマークテストでは20%程度低い結果が出ました。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
---|---|
UHD 620(Core i5-8250U) |
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HP Spectre Folio 13(UHD 615) |
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※そのほかのGPUのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
3Dゲームについてはごく軽いタイトルなら、解像度や画質を抑えることでなんとかプレーできるレベルです。2D描画主体のゲームや軽めのブラウザーゲームであれば問題ありません。
ゲーム系ベンチマーク結果
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中量級
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---|---|---|
1920×1080 (フルHD) | 最高品質 | 743(動作困難) ※4.241 FPS |
高品質(ノートPC) | 1078(設定変更が必要) ※6.596 FPS | |
標準品質(ノートPC) | 1381(設定変更が必要) ※8.986 FPS | |
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
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1920×1080 (フルHD) | 最高品質 | 2899(やや重い) |
標準品質 | 4808(普通) | |
低品質 | 5179(快適) |
バッテリー性能
バッテリー駆動時間はBBenchのテストで公称値に近い18時間44分という結果でした。ただしこのテストはバッテリー消費が少ないため、実際の利用ではもっと短くなるでしょう。バッテリー消費が極端に大きいPCMark 8では6時間弱でしたから、それぞれのあいだを12時間半といったところでしょうか。省電力性能が高いCPUが使われているだけあって、ほかのモバイルノートPCよりも優れた結果です。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | 最大19時間 |
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BBenchによる計測 | 18時間44分 |
PCMark 8による計測 | 5時間57分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
パワーよりも質感とスタミナ重視
ということで、今回はHP Spectre Folio 13のレビューをお届けしました。
さまざまなテストを実施したところCPU性能についてはやや控えめでしたが、バッテリー駆動時間については非常に優れた結果となりました。このことからHP Spectre Folio 13はPCで重い作業をバリバリする人よりも、軽めの作業を長時間行ないたい人、あるいは外出時間が長い人に向いています。
大きくて重いという点で必ずしも機動性に優れているわけではありませんが、これくらいの重さなら気にならない人、もしくは車での移動が多い人なら問題ないでしょう。高いパフォーマンスよりも見た目の良さや手にしたときの満足感、あるいはバッテリー駆動時間の長さにこだわりたい人におすすめです。
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