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レノボThinkBook 14 Gen5(AMD)レビュー:高コスパな14インチノートPC

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レノボThinkBook 15 Gen5(AMD)

レノボのThinkBook 14 Gen 5(AMD)(以下、”ThinkBook 14 Gen5″)は、14インチのフルHDディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCです。2023年時点では最新のRyzen 7030Uシリーズ搭載で、価格は7万円台から。本体はコンパクトではあるものの、モバイル向きではなくデスクに設置する据え置き用途に向いています。

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

ThinkBook 14 Gen 5(AMD)

 

Ryzen 7030Uシリーズは旧世代の「Zen3」アーキテクチャで驚くほど高性能というほどではありませんが、各種ベンチマークテストでは普段使いやビジネスには十分な結果が出ています。なにより最新&最強世代のCPUを搭載したノートPCに比べて、安く入手できる点が魅力です。多少安っぽい部分はありますが、こだわらないなら許容範囲内でしょう。このシリーズはここ2~3年のあいだサイズも機能もほぼ変わらないので、最近のモデルを使っているなら特に買い換える必要もないと思います。

 

この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

スペック

OS Windows 11 Home / Pro
ディスプレイ 14インチ 1920×1080 IPS 非光沢 300nit 45% NTSC
CPU Ryzen 3 7330U / Ryzen 5 7530U / Ryzen 7 7730U
メモリー 8 / 16GB DDR4-3200 ※オンボード、スロット空き1、最大32GB
ストレージ 256GB~1TB NVMe SSD
グラフィックス Radeon Graphics(CPU内蔵、Vega)
通信 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、有線LAN(1Gbps)
インターフェース USB3.2 Gen2 Type-C(USB PD / 映像出力対応)×2、USB3.2 Gen1×1、HDMI、有線LAN、SDカードスロット、ヘッドホン端子
生体認証 指紋センサー
サイズ / 重量 幅323×奥行き218×高さ17.9mm / 約1.4kg
バッテリー 約12.7時間

本体デザイン

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

ThinkBook 14 Gen5(AMD)の外観。本体カラーはミネラルグレーで、実際の色合いはやや暗めのシルバーです

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

天板はアルミ製で高級感のある仕上がり。指紋の跡はほとんど目立ちません

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

ディスプレイを開いた状態

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

ディスプレイはほぼ180度まで開きます

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

キーボード面は樹脂(プラスチック)製。パームレストはやや明るめのシルバーで、キーはグレー

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

ディスプレイのベゼル(枠)は、最近の機種としてはやや太めの印象です。3~4世代に渡って同じデザインを使い続けているので、若干古さを感じます

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

インターフェースは据え置きの14インチとしては十分構成

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

ディスプレイ上部のWebカメラはプライバシーシャッター付き。1920×1080ドットの写真撮影と、1080p 30fpsの動画撮影に対応しています。画角は広めのため、ビデオ会議の際には背景が広く映り込むでしょう

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

電源ボタンは指紋センサー内蔵

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

電源アダプターは65WのType-Cで、重さは319g。従来モデルに付属していたものよりも、わずかに小型化されました

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

スピーカーは底面左右に配置されています。低~中音域がややこもって聞こえますが、動画の音声ははっきりと聞き取れます。ビデオ会議でも問題なく使えるでしょう

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

底面部はアルミ製

サイズと重量

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

本体サイズは幅323mm、奥行き218mm。A4サイズよりもひと回り大きい程度で、14インチタイプとしては標準的な大きさです

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

高さは実測で18.9mm(突起部を除く)

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

底面部のゴム足(突起部)を含めた23.7mm

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

本体の薄さは標準的ですが、ゴム足が高いので設置時にはやや厚みを感じます

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

重さは実測で1.461kg。14インチタイプとしては標準的な重さ

ディスプレイについて

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

画面サイズは14インチで解像度は1920×1080ドット。良くも悪くも普通のスペックです

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

色域は45% NTSC。格安ノートPC向けと同じクラスのパネルが使われています。色に大きな違和感はないものの、スマホやタブレットのほうが色味は鮮やかに感じるでしょう。文字中心の作業に向いています

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

明るさは公称値で300nit。この価格帯のノートPCとしては標準的な明るさです。ただし画面の角度によっては、若干暗く感じるかもしれません

キーボードについて

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

キーボードはテンキーなしの日本語配列。バックライトに対応しています

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

Enterキー周辺の配列。一部のキーが隣接していますが、それほど使いづらくは感じませんでした。強いて言うなら、カーソルキーの上下が小さくて打ちづらい程度です

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

キーは十分な大きさ。窮屈さは感じませんでした

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

タイプ感は普通に感じられます。ストローク(キーを押す深さ)は標準的ですが、ThinkPad並みのしっかりしたタイプ感を期待する人には、浅く感じるかもしれません

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

タイプ音は軽い力で入力してもカタカタと聞こえますが、うるさく感じるほどではありません。しかし静かな場所では、周囲へ多少配慮したほうがいいでしょう

 

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

キーボードの使い心地は、一般的なノートPCと変わりません(最近のノートPCは軽いタイプ感が主流です)。指をあまり上げ下ろしせずに、軽い力で入力する人に向いています。強く打つと底打ち感があるので注意


ベンチマーク結果

試用機のスペック

CPU Ryzen 5 7530U
メモリー 16GB
ストレージ 512GB NVMe SSD
グラフィックス Radeon Graphics(CPU内蔵)

※ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「高パフォーマンス」に設定した上で、標準収録ユーティリティー「Lenovo Vantage」の「電源およびパフォーマンス」-「スマートパワー」を最高設定の「エクストリーム・パフォーマンス」に変更。さらに電源アダプターを接続した状態で実施しています

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

CPU性能

CPU(APU)としては Ryzen 3 7330U(4コア8スレッド、Zen3) / Ryzen 5 7530U(6コア12スレッド、Zen3) / Ryzen 7 7730U(8コア16スレッド、Zen3)の4種類が使われています。

 

Ryzen 5 7530U搭載の試用機でCPUベンチマークを行なったところ、薄型ノートPC向けCPU全体(一般用途 / モバイル用途)としては、中位クラスの結果が出ました。Ryzen 7030Uシリーズは最新CPUではあるものの、CPUアーキテクチャ(製造技術みたいなもの)的には旧世代なので実際のパフォーマンスはこんなところでしょう。そのほかのCPUについても、そう変わらない結果がでるはずです。

 

CPUの性能差 (マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R23 CPUスコア
Ryzen 7 7735U
11379
Ryzen 7 6800U
10183
Core i7-1360P
10104
Ryzen 7 5825U
9740
Ryzen 7 7730U
9293
Core i7-1260P
9254
Core i5-1240P
8928
Ryzen 5 5625U
8376
ThinkBook 14(Ryzen 5 7530U)
8031
Core i7-1255U
7819
Core i5-1235U
7664
Core i3-1215U
6216
Ryzen 3 7330U
5108
Ryzen 5 7520U
5029
Intel N100
2252

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

CPUの性能差 (シングルコア性能)

CPU CINEBENCH R23 CPUスコア
Core i7-1255U
1743
Core i7-1250U
1726
Core i7-1260P
1680
Core i3-1215U
1623
Core i5-1240P
1606
Core i5-1235U
1589
Ryzen 7 7735U
1549
Ryzen 7 6800U
1471
ThinkBook 14(Ryzen 5 7530U)
1463
Ryzen 7 7730U
1441
Ryzen 7 5825U
1437
Ryzen 5 5625U
1390
Ryzen 3 7330U
1369
Ryzen 5 7520U
1176
Ryzen 3 5300U
1125
Intel N100
712

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。

 

各テストの目標値は、大きくクリアーしています。スコアは非常に優秀で、最新のCore i7やRyzen 7にも引けを取らないほど。Ryzen 5モデルは位置付け的には中位クラスですが、十分快適に利用できそうです。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
ThinkBook10616
Flex510917
ZenBook159869
Spectre10647
XPS10093
Slim 5i10454
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
ThinkBook10003
Flex59572
ZenBook158854
Spectre6968
XPS6759
Slim 5i7669
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
ThinkBook6018
Flex56536
ZenBook8298
Spectre5997
XPS6342
Slim 5i7061

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック(スリムノートPC)

▶IdeaPad Flex 5 Gen8 Ryzen 7-7730U / 16GB / Radeon
▶Zenbook 15 OLED Ryzen 7 7735U / 16GB / Radeon
HP Spectre x360-14 Core i7-1255U / 16GB / Iris Xe
XPS 13 Plus Core i7-1260P / 16GB / Iris Xe
IdeaPad Slim 5i Gen8 Core i7-1360P / 16GB / Iris Xe

バッテリー駆動時間

バッテリーの駆動時間は公称値で約12.7時間とされています。しかしこれはバッテリー消費量をかなり抑えた状態での結果。実際の利用とは、結果が大きくかけ離れている場合があります。

 

そこでビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、開始から5時間1分で休止状態へ移行しました。公称値よりもだいぶ短い結果ですが、これは消費電力量が大きい状態でテストを行なったため。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。

 

バッテリー駆動時間の計測結果(Core i7-1360Pモデル)

テスト方法 バッテリー消費 駆動時間
※公称値 12.7時間
Modern Office (ビジネス作業) 5時間1分

※テストの条件や計測方法についてはコチラ

不満はあるがコスパは高い

ThinkBook 15 Gen3(AMD) 

ここ2~3年のThinkBook 14シリーズは毎年CPUは変わっているものの、機能やサイズはほぼ変わっていません。細かな部分ではブラッシュアップしているかもしれませんが、フィーリングはほぼ同じです。

 

ただ購入時のカスタマイズメニューで、ディスプレイの上位パネル(100% sRGB)を選べなくなったのは残念。45% NTSCでも問題なく作業はできますが、より上質なパネルを使いたい人もいるでしょう。そのぶん価格が安く押さえられている恩恵もあるので、判断が難しいところです。

 

ThinkBook 14

色鮮やかなパネルを選べなくなったのは残念です

 

価格は16GBメモリー搭載モデルで7万円台後半から(2023年6月末時点)。他社製品には同程度のスペックでもっと安い機種がありますが、筐体の品質と頑丈さで見ればThinkBook 14 Gen5のほうが上です。キーボードもストロークは浅いものの、安い製品に見られがちなたわみがなく普通に使えます。安さを重視しながらも、使い勝手にも多少は重視したい人向きです。

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

ThinkBook 14 Gen5(AMD)

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記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

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