ポイント
- MIL規格準拠の高い堅牢性
- SSD+HDDのデュアル構成対応
- 約9秒の高速起動
ThinkBook 15のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i3-1005G1 ・Core i5-1035G1 ・Core i7-1065G7 |
メモリー | ・4GB ・8GB |
SSD | ・なし ・128GB ・256GB ・512GB ・1TB |
HDD | ・なし ・500GB ・1TB ・2TB |
グラフィックス | ・UHD (Core i3 / i5) ・Iris Plus (Core i7) |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 365×245mm |
厚さ | 18.9mm |
重量 | 1.84kg~ |
バッテリー | 最大 約11.3時間 |
※2020年4月27日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ミネラルグレー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | ・TN ・IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり (4列) |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac/ |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | 2 (Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | 2 (USB3.1 Gen1×1、Gen2×1) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 720p (92万画素) |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | 標準搭載 |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | なし ※オプションで追加可能 |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶価格について
- ▶まとめ
※2020年4月27日時点
デザインと使いやすさ
スタイリッシュな外観
ThinkBook 15の本体カラーはミネラルグレー。やや暗いシルバー風のメタリックな色合いで、安っぽさは感じられません。天板はアルミニウム製で、パームレストと底面部には樹脂 (プラスチック)素材が使われています。
頑丈なボディ
日本の公式サイトには明記されていませんが、海外の公式スペックによると「MIL-STD-810G (MILスタンダード)」と呼ばれる米国国防総省の耐久テストクリアーしているとのこと。さらにキーボードは耐水仕様 (spill-resistant)。頑丈で壊れにくいのは大きな魅力です。
15インチとしてはコンパクト
接地面積は幅365×奥行き245mm。B4サイズ (幅364×奥行き257)よりもひと回り小さいと考えれば、サイズ感をイメージしやすいでしょう。15インチタイプとしてはコンパクトです。高さは公称値で18.9mmですがゴム足が高く、底面部が持ち上がっているので厚みを感じます。
スタンダードな15インチのフルHD
画面サイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドット。ノートPCとしてはもっとも標準的な仕様です。デスクトップの文字の大きさは2~2.7mm程度 (スケーリング125%)。新聞 (3.3~3.7mm)よりも若干小さいのですが、読みづらさは感じませんでした。
見やすいIPSパネルがおすすめ
ディスプレイには、TNパネルとIPSパネルの2種類が用意されています (“IPS”と明記されていない場合はTNパネル)。TNパネルのほうが価格は安いものの、色がやや青みがかっている上に映像がぼんやり気味です。自然な発色で色にメリハリがあるIPSパネルをおすすめします。
IPSパネルが使われた試用機では、写真や動画が自然な色合いで映し出されました。ただ映像が若干暗い上にコントラストが低く、鮮やかさについてはいまひとつです。と言っても普段の利用には気にならないレベルと言っていいでしょう。
目に優しいノングレア
ディスプレイの表面は非光沢のノングレアタイプです。光沢ありのグレアタイプに比べて、映り込みが抑えられています。画面への映り込みは集中力の低下や眼精疲労の原因と言われており、その点においては目に優しい仕様です。
ややクセのあるキーボード
キーボードはテンキーありの日本語配列です。英数字キーのキーピッチ (キーとキーの間隔)は実測で19mmと十分な広さでしたが、Enterキー周りでかなり小さいキーが存在します。プログラミングなどで記号キーをよく使う人だと使いづらいかもしれません。
バックライト対応
キーボードはバックライト対応です。Fnキー + スペースキーで明るさを2段階に調整できます。
浅いながらもハッキリとしたタイプ感
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.3mmでした。一般的なノートPCの標準値 (1.5mm)よりもやや浅く作られています。押した瞬間にカクッとした固めのクリック感はあるものの、全体的なタイプ感はかなり軽め。キーの深く押し込むようにして打つ人には物足りないかもしれませんが、軽いタッチで入力する人なら違和感はないでしょう。
やや固めのクリック感があるぶんタイプ音も静かというわけではなく、カタカタと聞こえます。と言ってもうるさく感じるほどではありません。とは言えEnterキーは強めに叩くと「チャキッ」と音がするので、軽めのタッチで入力することをおすすめします。
インターフェースは十分な構成
周辺機器接続用のインターフェース (端子類)は十分な構成です。光学ドライブやVGA (D-sub15ピン)には非対応ですが、最近は使う機会が少ないので特に困る場面も少ないでしょう。USB端子は全部で5ポートで、そのうち2ポートはType-Cです。これだけあれば据え置き利用では十分なはずです。
Type-Cは映像出力と充電に対応
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 45W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | ◯ |
USB Type-C端子は2ポート用意されていますが、そのうちの1ポート (右側)のみ映像出力とUSB PDによる充電に対応しています。ワット数が低い充電器やモバイルバッテリーでは充電に時間がかかることがあるので、高いワット数の製品が必要です。
指紋センサー標準搭載
キーボード右上の電源ボタンには指紋センサーが内蔵されています。あらかじめ指紋を登録しておけば、センサーに触れるだけでサインインできるので便利です。
液晶ディスプレイ上部のWebカメラはシャッター付きで、カメラ経由ののぞき見を防ぐことができます。なお顔認証には対応していません。
スピーカーはビデオチャット向き
スピーカーは底面配置です。音の出る部分が接地面でふさがれているため、音はややこもった印象を受けました。全体的に音の厚みに欠けますが、中音域は比較的クリアーに聞こえます。音楽鑑賞には向きませんが、ビデオチャットや動画視聴、音声通話などには問題なく使えるでしょう。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | 20RW000BJP |
---|---|
CPU | Core i5-10210U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | UHD Graphics (CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やユーザーの環境、タイミング、個体差などさまざまな要因で大きく変わることがあります。
高性能な第10世代Core iプロセッサを搭載
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13685
|
Core i7-1065G7 |
11946
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i7-8565U |
9814
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
ThinkBook 15 (Core i5-10210U) |
8562
|
Ryzen 5 3500U |
8373
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4000 |
1550
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ThinkBook 15ではCPUとして、第10世代 (Ice Lake)世代のCore i3-1005G1 / Core i5-1035G1 / Core i7-1065G7が使われています。試用機では同じ第10世代でもComet LakeのCore i5-10210Uが使われていましたが、これは2019年秋ごろまで短期間発売されていたモデルであるため。性能は若干変わるものの、使い勝手そのものはほぼ同じです。
CPU性能を計測するベンチマークテストを試したところ、同じCPUの平均値をわずかに下回る結果が出ました。もしかすると、ほかのCPUでも同様の結果となるかもしれません。ただCore i5-1035G1やCore i7-1065G7であれば、十分快適に利用できるはずです。Core i3-1005G1については詳細は不明ですが、同じ第10世代Core i3-10110Uの結果を見る限りでは軽めの作業なら問題ないと思われます。
Core i7なら内蔵グラフィックスは高性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus(Core i7) |
2846
|
UHD (Ice Lake Core i5) |
1396
|
UHD (Comet Lake Core i7) |
1335
|
UHD (Comet Lake Core i5) |
1273
|
ThinkBook 15 (UHD Core i5) |
1051
|
UHD (Comet Lake Core i3) |
860
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ThinkBook 15のCore i3 / i5モデルでは、グラフィックス機能としてCPU内蔵のUHD graphicsが使われます。性能はいまひとつで、ゲームやクリエイター向けソフトでの効果は見込めません。
しかしCore i7モデルでは同じCPU内蔵グラフィックス機能でもワンランク上のIris Plusが使われており、高いパフォーマンスを期待できます。外付けGPUほど高性能ではありませんが、ゲームやクリエイター向けソフトで多少の効果を感じられるでしょう。
普段使いやビジネスには快適
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100 82436
|
Productivity (ビジネス利用) |
4500 6315
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450 3153
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、一般利用とビジネス利用では快適に使えるとの評価が出ています。Core i5モデルとCore i7モデルであれば、普段使いには問題なく利用できるでしょう。Core i3モデルでも、おそらくなんとかクリアーできると思われます。
ただしコンテンツ制作のテストでは、目標値に届きませんでした。Core i7モデルであれば多少は改善されると思われますが、本格的な作業には向いていません。あくまでもちょっとした写真加工や動画編集であればなんとかなるレベルです。
超高速SSDを搭載
試用機で使われていた256GB SSDはPCIe 3.0 x4の超高速タイプでした。ファイルアクセスはもちろんウィンドウズやアプリの起動も速く、快適に利用できます。ただしモデルによっては、異なるSSDが使われているかもしれません。
ストレージの基本構成はSSDのみ、またはSSD + HDDです。SSDのみのモデルでも、購入時のパーツカスタマイズでHDDを追加できます。動画や写真などの容量の大きいファイルを扱うとストレージの空き容量がスグに減るので、SSD容量のアップグレードやHDDの追加をおすすめします。
ウィンドウズの起動は9秒程度
ウィンドウズの起動時間を計測したところ、平均8.94秒でした。10万円を超える高級機でも15秒前後のことが多いので (筆者調べ)、かなり優秀な結果です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 9.3秒 |
---|---|
2回目 | 8.9秒 |
3回目 | 8.8秒 |
4回目 | 8.9秒 |
5回目 | 8.8秒 |
平均 | 8.94秒 |
実駆動時間は10~11時間程度
バッテリー駆動時間は、公称値で約11.3時間とされています。当サイトの駆動時間計測テストでは、10~11時間程度でした。これはバッテリー消費の大きい高パフォーマンス状態での結果ですので、実駆動時間にかなり近いはずです。ThinkBook 15は本来据え置き用ですが、バッテリー性能はモバイルノートPCにも匹敵します。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 約11.3時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 10時間25分 |
Video (動画視聴) | 中 | 11時間23分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間23分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
価格について
ThinkBook 15には複数のモデルが用意されていますが、ベースとなるのは以下の5機種です。あとはそれぞれにWindows 10 Pro搭載モデルやオフィス付きモデルなどが用意されています。
主なラインナップ
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Core i3-1005G1 | 4GB | 500GB HDD | 4万8675円 ※カスタマイズ対応 |
Core i3-1005G1 | 8GB | 256GB SSD | 5万5990円 |
Core i5-1035G1 | 8GB | 500GB HDD | 5万8806円 |
Core i5-1035G1 | 8GB | 256GB SSD | 6万8200円 |
Core i7-1065G7 | 8GB | 256GB SSD + 1TB HDD | 9万8340円 ※カスタマイズ対応 |
手堅いビジネス向けPC
よかった点
15インチタイプしては軽量コンパクトでスタイリッシュな外観であるにも関わらず、MILスタンダードをクリアーする高い堅牢性が魅力です。またパーツカスタマイズ対応で、とことん高性能なモデルに仕上げられる点もポイント。値段は比較的リーズナブルですが、中身は高級ビジネス向けモデルのThinkPad相当だと言っていいでしょう。手堅いビジネス向けPCとしておすすめします。
気になる点
標準時のメモリー容量が最大8GBで、16GB以上のモデルが用意されていない点が残念です。自分で増設はできますが、できれば16GBメモリー搭載モデルがあればよかったと思います。あとは天板のロゴの大きさと、一部キーの小ささが気になりました。
※2020年4月27日時点
*
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