ポイント
- 14インチ2-in-1でも軽量スリム
- 6コアCPUや2TB SSDを搭載可能
- SIMフリーのLTEに対応
ThinkPad X1 Yoga 2019年モデルのスペック
画面サイズ | 14インチ |
---|---|
解像度 | ・1920×1080 ・2560×1440 ・3840×2160 |
CPU | ・Core i5-8265U ・Core i7-8565U ・Core i7-10510U ・Core i7-10710U |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・SSD ・SSD + Optane |
グラフィックス | ・UHD 620 (第8世代) ・UHD (第10世代) |
LTE | 対応 |
幅×奥行き | 323×218mm |
厚さ | 15.5mm |
重量 | ・約1.36kg~ |
バッテリー | 最大約19時間 |
※2019年12月30日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | アイアングレー |
---|---|
画面の表面 | 光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | 対応 |
光学ドライブ | ー |
テンキー | ー |
有線LAN | ー |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | 2 |
USB3.0 | ー |
USB2.0 | ー |
USB Type-C | 2 (USB3.1 Gen2) |
Thunderbolt 3 | 対応 |
メモリーカード | microSD |
HDMI | ー |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 720p (92万画素) |
顔認証カメラ | オプション |
指紋センサー | 対応 |
付属品 | スタイラスペン、電源アダプターなど |
オフィス | なし ※有料オプションで追加可能 |
この記事ではメーカーからお借りしたThinkPad X1 Yoga 2019年モデルの実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶価格について
- ▶まとめ
デザインと使いやすさ
本体の外観
ThinkPad X1 Yoga 2019年モデルは、液晶ディスプレイが回転するタイプの2-in-1ノートPCです。普通のノートPCとして使えるのはもちろん、動画視聴向きのテントモードやWebページ / 電子書籍を見るのに適したタブレットモードなど、さまざまなスタイルで利用できます。
本体カラーはアイアングレー。パット見た感じではブラックのようにも見えますが、ほかのThinkPadと比べると確かにグレーであることがわかります。天板は強度と質感に優れるアルミ製で、高級感は抜群。底面部分は軽量かつ頑丈なマグネシウム製です。
本体サイズと重さ
大きさは幅323×奥行き218mm。で、A4サイズ (幅297×奥行き210mm)よりひと回りちょっと大きめです。より画面の小さい13インチタイプと比べると接地面積はやや大きいものの、14インチタイプとしてはかなりコンパクト。重量も気軽に持ち運べる重さで、持ち歩きが苦になりません。
画面サイズ
画面の大きさは14インチ。モバイル向けとして人気の高い13.3インチよりもひと回り大きめです。そのぶん文字やボタンが大きく表示されるので、作業しやすい点がメリット。
解像度としては1920×1080ドットのフルHDと2560×1440ドットのWQHD、3840×2160ドットの4Kが用意されています。解像度が高いほど映像が精細でドット感が薄れるのですが、バッテリー消費が大きくなる点に注意してください。モバイル用としてはフルHDがおすすめです。
映像品質
液晶ディスプレイには、自然な発色と広い視野角が特徴のIPSパネルが使われています。実際に写真や動画を表示したところ、とても鮮やかに映し出されました。ただ若干赤みが強い印象です。輝度はフルHDで400nit、WQHDで300nit、4Kで500nit。非常に明るく文書作成時には少しまぶしく感じるので、明るさを下げて使うといいでしょう。
色域測定結果 (4Kモデル)
sRGBカバー率 | 99.5% |
---|---|
sRGB比 | 117.5% |
Adobe RGBカバー率 | 83.7% |
Adobe RGB比 | 87.1% |
画面の映り込み
液晶ディスプレイの表面は光沢ありのグレアタイプですが反射防止 / 汚れ防止加工が施されているので、通常のグレアディスプレイよりも映り込みは抑えられています。とは言え光沢なしのノングレアほどではありません。映り込みが気になる場合は画面の角度を変えるか、反射防止用の液晶保護フィルムを使うといいでしょう。
キーボード
キーボードはテンキーなしでバックライトに対応しています。標準は日本語配列ですが、追加料金 (1500円程度)の追加料金を支払えば英字配列に変更可能です。配列は極めて標準的で、違和感はありません。キーピッチ (キーとキーの間隔)は実測で19mmと、十分なサイズでした。もちろんThinkPadシリーズの象徴であるトラックポイントにも対応しています。
キーのタイプ感とタイプ音
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.69mmでした。ノートPCの標準値である1.5mmよりも深く、しっかりとしたタイプ感です。ThinkPad X1 Carbonに似ているのですが、わずかにストロークが浅いように感じました。とは言え、個人的にはとても打ちやすいキーボードです。
タイプ音は軽めのタッチであれば静かです。ただし強めに叩くとトントン響くので、軽いタッチを意識して使うといいでしょう。
インターフェース
周辺機器接続用のインターフェース (端子類)はモバイル向けとしては十分な構成です。ただしSDカードスロットには非対応である点に注意してください。有線LANは非対応ですが、別売りのLANアダプターを購入すればLANケーブルを接続できます。
USB Type-Cの機能
USB PD 18W充電 | △ |
---|---|
USB PD 30W充電 | △ |
USB PD 45W充電 | ◯ |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | ◯ |
USB Type-C端子は18 /30Wの充電器でも充電できましたが、時間のかかる低速充電です。高速に充電&十分なパフォーマンスを引き出すには45W以上で利用してください。またType-Cは映像出力にも対応しています。
ペン入力
ThinkPad X1 Yoga 2019年モデルには、4096段階の筆圧感知に対応する「ThinkPad Pen Pro-6」が付属します。本体側面のスロットに挿れるだけで充電が可能です。ペンの描き味はツルツルとしていて遅延は控えめ。ただペン自体が小さくて細いので、じっくりと描き込むような使い方には向いていないかもしれません。メモやスケッチには問題なく利用できます。
スピーカーの品質
スピーカーは底面に配置されています。接地面に向かって音が出るため、わずかにこもった印象を受けました。低音域は大迫力とまではいかないものの、標準的なノートPCのスピーカーよりも厚みを感じます。また高音域のシャカシャカとした耳障りな音も控えめ。ノートPCとしては高音質です。
LTE機能
ThinkPad X1 Yoga 2019年モデルはSIMフリーのLTE通信に対応しています。SIMカードのサイズはnanoSIMサイズ。大手キャリアのデータ通信SIMはもちろん、MVNOの格安SIMも利用可能です。標準ではLTE機能は非搭載なので、購入時のオプションで「WWAN対応」を追加してください。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | プレミアム・LTE対応 |
---|---|
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | UHD 620 (CPU内蔵) |
CPU性能
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13244
|
Core i7-1065G7 |
12518
|
Core i5-1035G4 |
11379
|
Core i7-10510U |
11309
|
ThinkPad X1 Yoga 2019 (Core i7-8565U) |
10221
|
Core i5-10210U |
9988
|
Core i7-8565U |
9814
|
Core i5-1035G1 |
9164
|
Core i5-8265U |
8593
|
Ryzen 5 3500U |
8475
|
Core i3-8145U |
5549
|
Core i3-10110U |
5534
|
Core i3-7020U |
3769
|
Celeron 4205U |
2026
|
Celeron N4000 |
1553
|
※スコアは当サイト計測値の平均
試用機では第8世代のCore i7-8565Uが使われていました。CPU性能は高性能な部類に含まれますが、第10世代のCore i7搭載モデルよりもパフォーマンスは若干劣ります。とは言え、ビジネスや普段使いには十分すぎるほどの性能です。
パフォーマンスを重視するなら、第10世代のCore i7-10710Uがおすすめです。ほかのCPUが4コア / 8スレッドであるのに対し、Core i7-10710Uは6コア / 12スレッドで動作します。ゲーミングノートPC向けのCore i7 Hシリーズに迫るパフォーマンスで、並みのデスクトップPCよりも高性能です。
3Dグラフィックス性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8770
|
GTX 1050 |
6008
|
MX250 |
3711
|
MX150 |
3386
|
Iris Plus (Core i7) |
2981
|
Iris Plus (Core i5) |
2136
|
UHD (Ice Lake Core i5) |
1396
|
ThinkPad X1 Yoga (UHD 620) |
1322
|
UHD 620 (Core i7) |
1265
|
UHD (Comet Lake Core i5) |
1251
|
UHD 620 (Core i5) |
1186
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均 ※2は一般用途向けノートPC用
ゲームの快適さやクリエイター向けソフトの操作感に影響するグラフィックス性能については、それほど高くありません。同じ第8世代Core i7のUHD 620の平均値は上回っているものの、第10世代のIris Plusや外付けGPUに比べると非力です。CPU性能が高いので動画編集や画像加工などにも使えますが、本格的な創作には別のGPU付きノートPCをおすすめします。
ストレージ性能
試用機ではストレージにPCIe 3.0 x4タイプの超高速SSDが使われていました。アクセス速度は非常に速く、ファイルのやり取りやウィンドウズ / ソフトの起動は高速です。パーツカスタマイズのオプションに用意されているSSD + Optaneメモリーを選べば、さらにアクセス速度が向上すると思われます。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間の公称値は、最大で約19時間とされています。実際の駆動時間を計測したところ、バッテリー消費の大きい状態で6時間29分でした。公称値よりもだいぶ短いのですが、これは液晶ディスプレイがバッテリー消費の大きい4Kであるため。フルHDモデルであれば、より長く駆動するはずです。とは言えガッツリ使って連続6時間29分であれば、多少控えめに使うことで丸1日は利用できるでしょう。
バッテリー駆動時間の計測結果 (4K)
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 最大約19時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 6時間29分 |
Video (動画視聴) | 中 | 6時間20分 |
Idle (待機) | 小 | 14時間47分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間14分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
起動時間
ウィンドウズの起動時間は平均17.6秒でした。SATA接続SSD搭載機並みの時間で、高級モデルとしてはそれほど速いわけではありません。とは言えHDD搭載機種が30秒~1分程度 (筆者調べ)なので、古いPCを使っていた人には十分高速に感じられるはずです。
ちなみにスリープ時のネット接続&高速復帰のモダンスタンバイ (コネクテッドスタンバイ)に対応しています。スリープ状態から電源ボタンを押したり液晶ディスプレイを開いたりすればスグに復帰します。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 12.8秒 |
---|---|
2回目 | 21.7秒 |
3回目 | 19.3秒 |
4回目 | 14.5秒 |
5回目 | 19.7秒 |
平均 | 17.6秒 |
価格について
ThinkPad X1 Yoga 2019年モデルには、パーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下のとおり。ただしタイミングによってパーツ構成や価格が変わることがあるので注意してください。なお「(Pro OS選択可能)」と書かれたモデルでは、OSにWindows 10 Proが使われています (ほかはWindows 10 Home)。
主なラインナップ
パフォーマンス(Pro OS選択可能) | |
---|---|
21万6920円 | |
プレミアム | |
24万0856円 | |
パフォーマンス(Pro OS選択可能) ※第10世代 | |
25万2824円 | |
プレミアム・WQHD搭載 ※第10世代 | |
27万0776円 | |
プレミアム・LTE対応 | |
27万9004円 | |
エクストリーム・e-PrivercyFilter搭載 LTE対応 ※第10世代 | |
29万3216円 |
価格は税込、2019年12月30日時点
値段はかなり高めですが、購入時のカスタマイズ画面でパーツをダウングレードしたり不要な機能を省けば価格を抑えられます。また無料のメルマガ会員に登録するとThinkPad X1 Yoga 2019年モデルを安く買えることがあるのでおすすめです。
パワフルで軽量な14インチモバイル2-in-1
よかった点
モバイル向けとして一般的な13.3インチよりも画面が大きく、文字を読みやすい点は大きなメリットです。にも関わらず重量は軽く、しかも超スリムでパフォーマンス面もバッチリ。キーボードのタイプ感もよく。文字を入力する機会が多い人にもおすすめです。さすがはThinkPad X1シリーズと思わせる出来ばえ。
気になる点
いくら高品質&高性能とは言え、最安でも21万円台からはちょっと高いと思います。パーツをダウングレードしてさらにメルマガ限定クーポンを使えば17万円台まで抑えられますが、それでも割高感は否めません。予算が障壁でないならアリです。