
【PR】※検証機は当サイトで購入しました
TRIGKEYの『TRIGKEY GREEN G4 Mini PC』(以下、”TRIGKEY GREEN G4″)は、人気のAlderLake-Nを搭載するコンパクトサイズのミニPCです。価格が安いながらも、性能はちょっとした軽作業には十分。ガッツリ作業するのには向いていませんが、ネットの調べ物や写真・動画の管理などには普通に使えます。

TRIGKEY GREEN G4
記事執筆時の価格
| モデル | 価格 | 
|---|---|
| N95 / 8GB / 256GB | ※販売終了 | 
| N100 / 16GB / 500GB | 2万2800円 | 
※2023年10月22日時点
今回検証したIntel N95搭載モデルは、すでに販売が終了しました。現在はIntel N100搭載モデルが販売中ですが、細かなスペックが異なるので注してください。検証機の性能はそれなりでしたが、静音性はなかなか優秀でごくごく小規模なサーバーのように使うのもいいかもしれません。
この記事では筆者が購入した実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
この記事の目次
- ▶ スペック
 - ▶ 本体デザイン
 - ▶ メモリー/SSDの増設について
 - ▶ ベンチマーク結果
 - ▶ まとめ
 

スペック
| 発売 | 2023年春 | 
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro | 
| CPU | IntelプロセッサーN95(4コア4スレッド、TDP 15W) | 
| グラフィックス | UHD Graphics(CPU内蔵) | 
| メモリー | 8GB×1 ※スロット1基、DDR4-3200、最大16GB | 
| ストレージ | 256GB SSD ※Type-2280 PCIe Gen3 | 
| インターフェース | USB3.2 Gen2×4(前面2+背面2)、HDMI(4Kp60Hz)×2、3.5mmステレオジャック、有線LAN | 
| 拡張スロット | なし | 
| ドライブベイ | 2.5インチ×1 | 
| 通信 | Wi-Fi 5 + BT 4.2 + 有線LAN(1Gbps)×1 | 
| サイズ / 重量 | 幅115mm、奥行き102mm、高さ41mm / 269g(実測値) | 
| 付属品 | 電源ケーブル、HDMIケーブル×2、取り付けマウンタなど | 
| オフィス | なし | 
※Intel N95搭載モデルのスペックで、現行のIntel N100版とは異なります
Windowsのラインセンス
格安PCのなかには個人利用不可のボリュームライセンス(VL)が使われていることがありますが、TRIGKEY GREEN G4では正規版のOEMライセンスが使われているのを確認しています。なおネットに接続しないまま初期設定を行なうとVLで動作するため、必ずネットに接続した状態で初期設定を行なってください。

ネットに接続して初期設定を行なうことで、正規のOEMライセンスで利用できます
認証マークについて
技適マークやPSEマークについても、ちゃんと掲載されています。正式な手続きが行なわれた機種です。

技適マークはパッケージにシールとして貼られています。これがOKなのかは不明ですが、本体に貼り付けておけば問題ないでしょう

電気用品安全法」の基準に適合していることを表わすPSEマーク
本体デザイン
TRIGKEY GREEN G4の本体は、デスクトップPCとしては非常にコンパクトです。ただし、最近のミニPCとしては標準的な大きさ。オモチャのような安っぽさが多少感じられますが、値段が安いことを考えれば仕方がないでしょう。

TRIGKEY GREEN G4のパッケージ

箱の中身。本体と電源アダプターのほかにディスプレイ用の接続ケーブルやVESAマウンタなどが同梱されています

TRIGKEY GREEN G4の外観。カラーはブラックで、ケースは樹脂(プラスチック)製

別メーカー製品『Beelink S12 Pro』と天板が微妙に異なるものの、大きさや端子の位置はまったく同じ。同じOEM元なのか、もしくはどちらかがOEMを担当しているのかもしれません

本体の大きさは幅115mm、奥行き102mm

高さは41mm

重さは実測で269g

付属の電源アダプターは36Wの丸口タイプ。重さは155g

前面にはUSB3.2 Gen2×2、ヘッドホン端子、電源ボタン

背面にはUSB3.2 Gen2×2、有線LAN、HDMI×2、電源コネクター

側面に端子類は用意されていません

底面部
メモリー/SSDの増設について
TRIGKEY GREEN G4(N95版)ではM.2 SSDとメモリーがスロット方式のため、別のパーツに交換可能です。また2.5インチストレージも追加可能で、単にデータ保存容量を増やしたいだけならこちらを利用するといいでしょう。

底面カバーを開けた状態。ケーブルを引きちぎらないよう注意

ケーブルをマザーボードから取り外そうとしたら、固定用パーツが壊れてしまいました。こうなると2.5インチストレージを使えなくなるので注意してください

底面カバーには2.5インチ7mm厚のドライブベイ。SSDを挿すだけで、容量を簡単に増やせます

TRIGKEY GREEN G4の本体内部。メモリースロットとM.2スロット(PCIe Gen3 x4)は1基

TRIGKEY GREEN G4(N95版)で使われていたメモリーとSSD
ベンチマーク結果
試用機のスペック
| CPU | IntelプロセッサーN95(4コア/4スレッド) | 
|---|---|
| メモリー | 8GB DDR4-3200 | 
| ストレージ | 256GB NVMe SSD | 
| グラフィックス | UHD Graphics(CPU内蔵) | 
※各種ベンチマークテストは、ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「高パフォーマンス」に設定した上で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、ノートPC向けでAlder Lake-N世代のIntelプロセッサーN95が使われています。4コア4スレッドで動作するCPUで、TDP(消費電力量の目安)は標準で15W。ちなみにTRIGKEY GREEN G4ではPL1が20W、PL2が35Wに設定されていました。
Intel N95とIntel N100を比べると、スペック上ではIntel N95のほうがTDPが高いことから性能が上のように感じられます。しかし実際のベンチマークテストでは、Intel N100のスコアがN95を上回ることが多いようです。

Intel N95とIntel N100のスペックの違い
N95搭載のTRIGKEY GREEN G4CPUでCPUベンチマークテストを行なったところ、やはりほかのN100搭載機よりも低い結果が出ました。ただしその差は10%で、体感的に大きく変わるほどではないと思います。
激安ミニPCの性能差
| CPU | PassMark CPU Mark Score | 
|---|---|
| LarkBox X 2023(N100) | 
 6235 
 | 
| SkyBarium Mini PC(N100) | 
 6219 
 | 
| Beelink S12 Pro(N100) | 
 6134 
 | 
| HeroBox 2023(N100) | 
 6165 
 | 
| TRIGKEY GREEN G4(N95) | 
 5787 
 | 
| Intel N100 PassMark平均 | 
 5620 
 | 
| Intel N95 PassMark平均 | 
 5425 
 | 
※PassMark平均はPassMark CPU Benchmarksによる集計値、そのほかは当サイトの計測値
ノートPC向けCPUとベンチマークスコアを比較すると、現行世代のCPUのなかでは下位クラスです。より高性能なデスクトップPC向けCPUとでは、その差はさらに大きく広がります。
薄型ノートPC向けCPUの性能差 (総合性能)
| CPU | PassMark CPU Mark Score | 
|---|---|
| Ryzen 7 7735U | 
 21043 
 | 
| Core i5-1340P | 
 20760 
 | 
| Core i7-1360P | 
 19623 
 | 
| Ryzen 7 7730U | 
 18979 
 | 
| Core i5-1335U | 
 18240 
 | 
| Ryzen 5 7535U | 
 17163 
 | 
| Ryzen 5 7530U | 
 16196 
 | 
| Core i7-1355U | 
 15636 
 | 
| Core i3-1315U | 
 13033 
 | 
| Ryzen 3 7330U | 
 10909 
 | 
| Core i3-N305 | 
 10265 
 | 
| Ryzen 5 7520U | 
 9759 
 | 
| Ryzen 3 7320U | 
 9249 
 | 
| TRIGKEY G4(Intel N95) | 
 5787 
 | 
| Intel N100 | 
 5620 
 | 
| Intel N95 | 
 5425 
 | 
| Athlon Silver 7120U | 
 3088 
 | 
※そのほかのスコアはPassMark CPU Benchmarksによる集計値
軽めの作業で強く影響するシングルスレッド(シングルコア)のスコアで見ても、やはり低めの結果です。ただし上記の総合性能の結果ほど、他CPUとの差は大きくありません。数値的には、ネットの調べ物や動画視聴などの軽めの作業であれば十分なスコアです。
薄型ノートPC向けCPUの性能差 (シングルスレッド)
| CPU | PassMark CPU Mark Score | 
|---|---|
| Core i7-1360P | 
 3670 
 | 
| Core i5-1335U | 
 3665 
 | 
| Core i7-1355U | 
 3606 
 | 
| Core i3-1315U | 
 3573 
 | 
| Ryzen 7 7735U | 
 3289 
 | 
| Ryzen 7 7730U | 
 3228 
 | 
| Ryzen 5 7530U | 
 3136 
 | 
| Ryzen 5 7535U | 
 3105 
 | 
| Ryzen 3 7330U | 
 3089 
 | 
| Ryzen 5 7520U | 
 2573 
 | 
| Ryzen 3 7320U | 
 2485 
 | 
| Core i3-N305 | 
 2279 
 | 
| Athlon Silver 7120U | 
 2103 
 | 
| TRIGKEY G4(Intel N95) | 
 2089 
 | 
| Intel N100 | 
 1971 
 | 
| Intel N95 | 
 1968 
 | 
※そのほかのスコアはPassMark CPU Benchmarksによる集計値
グラフィックス性能
グラフィックス周りの処理には、CPU内蔵のグラフィックス機能が使われます。グラフィックス性能を計測する3Dベンチマークテストの結果はかなり低く、現在の水準では最低クラスです。ですが、ゲームや動画編集を行なわないのであれば、特に問題はないでしょう。ゲームについても、ソリティアレベルであれば問題なくプレーできます。
GPUの性能差(DirectX 12)
| GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア | 
|---|---|
| GTX 1650 | 
 3241 
 | 
| Radeon 680M(Zen3+) | 
 2211 
 | 
| Iris Xe(Core i7+LPDDR4) | 
 1528 
 | 
| Iris Xe(Core i5+LPDDR4) | 
 1302 
 | 
| Radeon (Zen3) | 
 1204 
 | 
| Iris Xe(Core i7+DDR4) | 
 1149 
 | 
| Radeon (Zen2+) | 
 1000 
 | 
| Iris Xe(Core i5+DDR4) | 
 977 
 | 
| UHD(Core i3) | 
 900 
 | 
| TRIGKEY G4(Intel N195) | 
 272 
 | 
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ストレージ性能
ストレージには、256GB SSDが使われていました。システム上からは型番を認識できず、どこのメーカー製なのかを確認できません。SSDの基盤に書かれている「MAP1202」で判断するとMaxio Technology製かとも思われますが、シール部分の「AZW 256G M.2280」で調べるとSilicon Motion製ともとれます。いずれにしても、有名どころのSSDではありません。

TRIGKEY GREEN G4(N95版)で使われていたメモリーとSSD
接続規格としてはPCIe 3.0 x4とのことですが、アクセス速度計測結果はかなり低めの結果が出ています。x1に制限されているという話もありますが、実際のところは不明です。

256GB SSDのアクセス速度計測結果
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
一般的な利用(Web閲覧やビデオ会議)のテストでは目標値を大きくクリアーしているものの、ビジネス利用(表計算やワープロ)のテストでは目標値ギリギリ、コンテンツ制作(写真加工や3D制作、動画編集)では目標値を下回っています。やはり軽めの作業向きです。
PCMark 10ベンチマーク結果
| テスト | スコア | 
|---|---|
| Essentials (一般的な利用) 目標値:4100  | 
 7202 
7142 
8052 
8228 
10616 
 | 
| Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500  | 
 5085 
4879 
7166 
7774 
10003 
 | 
| Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450  | 
 2393 
2515 
3585 
3687 
6018 
 | 
※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック(格安PC)
| ▶LarkBox X 2023 | Intel N100 / 12GB / UHD | 
|---|---|
| ▶Inspiron 15 3535 | Ryzen 3 7320U / 8GB / Radeon | 
| ▶Lenovo V14 Gen 4 | Ryzen 5 7520U / 8GB / Radeon | 
| ▶ThinkBook 14 Gen5 | Ryzen 5 7530U / 16GB / Radeon | 
駆動音について
駆動音(ファンの回転音や排気口からの風切り音)は、実作業中はほとんど聞こえません。高負荷のCPUベンチマークテストにわずかに排気音が聞こえる程度でした。静音性については、かなり優秀と考えていいでしょう。
駆動音の計測結果
| 電源オフ | 37.7dBA | - | 
|---|---|---|
| 待機中 | 37.7dBA前後 | ほぼ無音 | 
| 高負荷時 | 38.8dBA前後 | 排気音がわずかに聞こえるが気にならない。静かな場所で注意しないと聞こえないレベル | 
| (参考)エアコンの最大出力時 | 48~58dBA前後 | - | 
N95でもN100と変わらない性能

Intel N95搭載の検証機では数々のベンチマークテストで、ほかのIntel N100搭載機よりもやや低めの結果が出ました。ただその差はごくわずかで、大きな違いを感じるほどではありません。実際に使い比べてみても、どちらが高性能か判断しづらい可能性もあるでしょう。
TRIGKEY GREEN G4のN95版は販売が終了したものの、他社製品ではまだ販売中のものもあります。値段はN100搭載機種よりもやや安いので、安さを重視するなら狙い目かもしれません。ただ格安PCのなかでも多少は性能にこだわりたいのであれば、N100+DDR5(LPDDR5)の組み合わせを狙うべきです。
機能面や拡張性については、良くもなく悪くもなくといったところ。Type-Cを使えないのは残念ですが、人によっては必ずしも必要というわけではありません。メモリースロットが付いていれば非公式ながらも32GBに増設できる可能性があるので、そういうところを狙いたい人向けです。

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