ASUSのVivoBook 15 X512FAは、15インチサイズでスタンダードタイプのノートPCです。特徴は本体サイズがとても小さい点。一般的な15インチノートPCに比べて、ふた周り以上コンパクトです。さらに個性的な本体カラーも魅力。見た目と使い勝手を重視したい人におすすめします。
注目ポイント
- 15インチでは最小クラス
- 高クオリティーなサウンド
- 平均8秒程度の超高速起動
今回はメーカーからお借りした実機を使って、VivoBook 15 X512FAのデザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶価格について
- ▶まとめ
※2019年9月25日時点
VivoBook 15 X512FAのスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i3-8145U ・Core i5-8265U ・Core i7-8565U |
メモリー | 4 / 8 / 12GB |
ストレージ | ・128 / 256GB SSD (SATA) ・512GB SSD (PCIe) |
グラフィックス | UHD 620 |
LTE | - |
幅×奥行き | 357.2×230.4mm |
厚さ | 19.9mm |
重量 | 約1.7kg |
バッテリー | 9.1~10.5時間 |
※2019年9月25日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・トランスペアレントシルバー ・ピーコックブルー ・コーラルクラッシュ |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | TN |
タッチ / ペン | 非対応 |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり |
有線LAN | - |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.1 |
USB3.1 | ー |
USB3.0 | 1 |
USB2.0 | 2 |
USB Type-C | 1 (USB3.1 Gen1) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | あり |
その他 | ー |
オフィス | ※付属モデルあり |
デザインと使いやすさ
15インチとしては極小クラス!
VivoBook 15 X512FAにはパーツ構成の異なる複数のモデルが用意されており、それぞれ本体カラーも異なります。
スペックと本体カラーの組み合わせ
Core i3モデル | Core i5モデル | Core i7モデル ※直販サイト限定 |
---|---|---|
トランスペアレントシルバー | トランスペアレントシルバー ピーコックブルー |
コーラルクラッシュ |
※2019年9月25日時点
今回試用したのは、直販サイト限定のCore i7モデル (X512FA-EJ839T)です。コーラルクラッシュは赤みの強いオレンジで非常に鮮やか。派手すぎるというほどではありませんが、かなり目立ちます。
実機を目の前にして驚いたのは、本体が非常に小さい点です。一般的な15インチノートPCと比べると、VivoBook 15 X512FAはふた周りほど小さめ。さらにやや横長のフォルムなので、比較的スリムに見えます。15インチタイプとしては最小クラスと言っていいでしょう。
作業がはかどるフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイの大きさは、ノートPCのなかではもっとも人気の高い15.6インチです。解像度は1920×1080ドットのフルHD。1366×768ドットのHD解像度よりも映像が高精細で、写真や動画は細部までクッキリと映し出されます。また1画面あたりの情報量 (文章や画像など)が多いので、作業がはかどるのも大きなメリットです。
液晶ディスプレイにはTNパネルが使われています。格安モデルで使われている青みがかったタイプではなく、比較的自然な色合いの高品質タイプです。しかしスマホやノートPCの高級機で使われているIPSパネルと比べると、コントラスト (色のメリハリ)が低く感じました。
クリエイティブな作業で重要となるディスプレイの色域はそれほど良くありませんでした。とは言え内容は普通に確認できるので、色にこだわるプロレベルの作品でなければ問題ないでしょう。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 63.3% |
---|---|
sRGB比 | 63.8% |
Adobe RGBカバー率 | 47.3% |
Adobe RGB比 | 47.3% |
画面の輝度は測定値で239nitでした。それほど明るくはありませんが、作業には十分です。
ただ視野角が若干狭い点が気になります。画面の角度を変えると色や明るさが大きく変わってしまうので、利用時には見やすい角度に調整してください。
ややクセのあるキーボード
キーボードはバックライト対応で、数値入力に便利なテンキー付きです。ただしテンキーは標準的な4列構成ではなく、配置がちょっと特殊な3列構成である点に注意してください。
キーはプチプチとしたタイプ感です。キーストロークは平均1.47mmでほぼ標準的。押した瞬間に固めのクリック感があり、手応えはしっかり感じられます。
タイプ音は軽めのタッチだととても静かでした。強く叩けばトントンとそれなりに響きますが、普通に使っているぶんにはあまり気にならないでしょう。とは言えタイプ感も軽いので、軽いタッチで入力する人向けのキーボードです。
インターフェースは必要十分
周辺機器接続用のインターフェース類は多くはありませんが、必要十分な構成です。有線LANや光学ドライブには非対応である点に注意してください。
スピーカーは底面部に配置されています。このタイプは接地面に向かって音が出るのでややこもりがちなのですが、VivoBook 15 X512FAでは非常にクリアーに聞こえました。一般的なノートPCよりも音の解像感が高く、特に低音域の音は低音らしく聞こえます。高音域もムダに目立つことがなく違和感は感じられません。ノートPCとしては高音質です。
この音質は標準収録のサウンドユーティリティー「AudioWizard」によるもの。試しに効果をオフにしたところ、迫力のないいかにもノートPC的なサウンドでした。AudioWizardによって、ノートPCとしては強めのドンシャリ感が出ていると思います。
Type-C端子はUSB3.1 Gen1ですが、充電やDisplayPort出力には対応していません。データ通信のみに利用できます。
USB Type-Cからの充電
18W | × |
---|---|
24W | × |
30W | × |
45W | × |
65W | × |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | X512FA-EJ839T |
---|---|
OS | Windows 10 Home |
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 12GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 (CPU内蔵) |
CPU性能
CPU性能を計測するベンチマークテストを実施したところ、スタンダードタイプのノートPCとしては非常に優れた結果となりました。ゲーム用の高性能なモデルを除けば、ほぼ最高クラスのパフォーマンスです。同じCore i7-8565Uの平均値を大きく下回ることもなく、熱による性能低下の症状は見られません。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8565U |
9693
|
VivoBook 15 X512FA (Core i7-8565U) |
9601
|
Core i5-8265U |
8851
|
Core i3-8145U |
5549
|
Celeron 4205U |
2026
|
Celeron N4000 |
1553
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ちなみにほかのモデルで使われているCore i5-8265Uも、ノートPCとしては高性能な部類に入ります。Core i3-8265Uは、ノートPC全体では中位クラスといったところ。PCの利用目的に応じて、自分にあったモデルを選ぶといいでしょう。
CPU選びの目安
Celeron | ・Webページを見る ・ネット動画の視聴 ・ごく簡単な文書作成 |
---|---|
Core i3 | ・事務処理 ・文字中心の資料作成 ・写真の簡単な加工 |
Core i5 | ・写真や画像の加工 ・データ処理 ・画像入り資料の作成 |
Core i7 | ・プロ用ソフトの利用 ・大規模なデータ処理 ・企業向け機能の利用 ・小規模な動画編集 |
ストレージ性能
ストレージはモデルによって異なります。試用機で使われていた512GB SSDはPCIe 3.0 x2の高速タイプで、アクセス速度はかなり優秀です。ほかのモデルで使われている128GB / 256GBのSSDはSATA接続の標準タイプですので、アクセス速度はガクッと落ちるでしょう。とは言え、HDDよりははるかに高速です。
起動時間
ウィンドウズの起動時間は平均8.06秒でした。一般的なノートPCではSSD搭載機種が17秒程度、HDD搭載機種が30秒~1分程度 (筆者調べ)ですので、VivoBook 15 X512FAの起動はメチャメチャ高速です。ただしCore i3 / i5搭載のモデルでは、多少起動時間が長くなるかもしれません。
なおスリープ時のネット接続&高速復帰のモダンスタンバイ (コネクテッドスタンバイ)には対応していませんでした。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 8.3秒 |
---|---|
2回目 | 7.8秒 |
3回目 | 8.2秒 |
4回目 | 8.0秒 |
5回目 | 8.0秒 |
平均 | 8.06秒 |
3Dグラフィックス性能
ゲームの快適さに強く影響する3Dグラフィックス性能はごく控えめです。エントリークラスのゲーム用GPUであるGTX 1650と比べると、パフォーマンスは大きく劣ります。CPU内蔵のグラフィックス機能であることを考えれば仕方がありません。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
9039
|
GeForce MX250 |
3595
|
UHD 620 (Core i7) |
1270
|
UHD 620 (Core i5) |
1186
|
VivoBook 15 X512FA (UHD620) |
1183
|
UHD 620 (Core i3) |
860
|
UHD 600 |
394
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲーム系ベンチマークを試したところ、動作が軽いゲームであれば画質を落とすことで快適に遊べそうです。ただしこれはCore i7と12GBメモリーを搭載した試用機だからで、ほかのモデルだと少し厳しいかもしれません。
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 959 / 動作困難 /5.6 FPS |
高品質 | 1339 / 設定変更が必要 / 8.3 FPS |
標準品質 | 1634 / 設定変更を推奨 / 10 FPS |
※フルHD。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 4020 / 普通 |
標準品質 | 5520 / 快適 |
低品質 | 6444 / 快適 |
※フルHD
PSO2ベンチ (軽量級 / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 402 |
3 | 2306 |
1 (最低) | 18618 |
※フルHD。スコア5000以上が快適に遊べる目安
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間の公称値はモデルによって異なります。Core i7搭載の試用機では、公称値で9.1時間とのこと。当サイトでも似たような条件でテストを行なったところ、9時間4分という結果でした。ほぼ公称値どおりの結果です。
しかしメーカーのテストはバッテリー消費量が少なく、実際の利用ではこれより短くなる可能性があります。そこでバッテリー消費量を大きくした状態で実利用に近いテストを行なったところ、7時間16分という結果でした。
バッテリー駆動時間のテスト結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※試用機の公称値 | - | 9.1時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 7時間16分 |
Video (動画視聴) | 中 | 7時間23分 |
Idle (待機) | 小 | 10時間45分 |
VideoとIdleの平均値 | - | 9時間4分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ガッツリ使って7時間は、それほど長いわけではありません。しかしVivoBook 15 X512FAは据え置き利用向けのモデルですので、特に問題はないでしょう。むしろ15インチでもある程度のモバイル利用ができる優秀なモデルと言えます。
価格について
VivoBook 15 X512FAには複数のモデルが用意されていますが、基本となるのは以下の3種類です。あとはそれぞれにOffice Home & Business 2019付属モデル (256GB SSD)や本体カラーの色違いモデルなどが用意されています。
ラインナップ
X512FA-8145 | X512FA-826G512 | X512FA-EJ839T |
---|---|---|
Windows 10 Home (Sモード) | Windows 10 Home | |
Core i3-8145U | Core i5-8265U | Core i7-8565U |
4GB | 8GB | 12GB |
128GB SSD | 512GB SSD | |
1920×1080 | ||
UHD 620 | ||
税込7万5816円 | 税込12万9816円 | 税込14万0555円 |
※2019年8月29日時点
Core i3モデルはOSがWindows 10 Home (Sモード)ですが、これはUWPアプリ (ストアアプリ)のみ利用できる簡易モードです。セキュリティー性能と動作の軽さが魅力ですが、一般的なデスクトップ版のアプリ / ソフトは利用できない点に注意してください。なおSモードは無料で解除可能で、解除後は通常のWindows 10 Homeとして使えます。
快適に使える15インチ
ということで、今回はVivoBook 15 X512FAのレビューをお届けしました。
テンキー配列と液晶ディスプレイの視野角についてはちょっと残念ですが、全体的な仕上がりは良好です。とくに起動が超速い点や本体がとてもコンパクトである点など、直接体感できる部分については群を抜く完成度と言っていいでしょう。パフォーマンス面も申し分なく、インパクトのある本体カラーも魅力です。
※2019年9月25日時点
*
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