HP Chromebook x360 13cは、13.5インチサイズのモバイル2-in-1なChromebookです。価格は最安モデルで10万円台からとやや高め。しかし本体品質の高さとパフォーマンスの高さはは抜群で、指紋センサーやSIMフリーのLTEなど機能面も充実しています。普段からChromebookをゴリゴリ使うパワーユーザーにおすすめです。

HP Chromebook x360 13c
主なラインナップ
スペック | 価格 |
---|---|
Core i3-10110U / 8GB / 256GB SSD | 10万4800円 |
Core i5-10210U / 8GB / 256GB SSD | 11万4800円 |
Core i7-10510U / 16GB / 256GB SSD | ※販売終了 |
※2021年7月13日時点
HP Chromebook x360 13cのスペック
OS | Chrome OS |
---|---|
画面サイズ | 13.5インチ |
解像度 | 1920×1280 |
CPU | ・Core i3-10110U ・Core i5-10210U ・Core i7-10510U |
メモリー | ・8GB ・16GB ※オンボード DDR4-2666 |
SSD | 256GB |
HDD | なし |
グラフィックス | UHD |
LTE | 対応 |
堅牢性テスト | MiL-STD-810G準拠 |
明るさ | 1000nit |
幅×奥行き | 295×216.9mm |
厚さ | 16.7mm |
重量 | 約1.36kg |
バッテリー | 最大12時間 |
自動更新ポリシー | 2028年6月 |
※2021年7月13日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | シルバー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | 対応 |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.1 | 1 (Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 2(PD、DP Alt対応) |
Thunderbolt 4 | - |
メモリーカード | microSD |
HDMI | - |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | 搭載 |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | なし |
この記事ではメーカーからお借りしたHP Chromebook x360 13cの実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶まとめ

※2021年7月13日時点
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デザインと使いやすさ
外観について
HP Chromebook x360 13cは、画面を回転させることでさまざまなスタイルで利用できます。相手に画面を見せたり、動画を視聴する際に便利です。

画面が回転する2-in-1タイプ
外観はとても高品質です。筐体は質感の剛性に優れるアルミ製で、本体カラーは明るいシルバー。多少のズッシリ感はあるものの、コンパクトかつスリムなシルエットです。雰囲気も手触りも上々で、キラリと光るアクセントが高級感を演出しています。

本体はアルミ製。天板にはHPのプレミアムマークを配置

ツヤ消しでサラサラとした手触り。指紋の跡がほとんど目立ちません

エッジはメタリック感のあるヘアライン加工

ディスプレイは指1本で開きます。これはヒンジのトルクと本体の重さがギリギリのラインでバランスが取れているため

とてもシャープなシルエット

パームレストもアルミ製

タッチパッドにはキラリと光るダイヤモンドカット加工

ベゼル幅(フレームと非表示領域を含む)は左右4.2mm、上部9.2mm、下部11.6mm。非常に細く、画面周りがスッキリとしています

排気口は本体背面

底面部もアルミ製

設置面積は幅295mm×奥行き216.9mm

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較

厚さは実測で16.7mm、ゴム足を含めた設置時の高さは18mm

前面

背面

重さは実測で1.333kg。13インチタイプとしては標準的

電源アダプターは65WのType-C。重さは311g
ディスプレイについて
ディスプレイのサイズは13.5インチで、解像度は1920×1280ドット。アスペクト比(画面の縦横比率)は3:2です。一般的な16:9に比べて縦方向に長いぶん文書の表示行数が増えるので、作業効率がアップすると言われています。

HP Chromebook x360 13cのデスクトップ。解像度は1920×1280ドットですが、125%に拡大表示されています
ディスプレイには、広い視野角と自然な発色が特徴のIPSパネルが使われています。実際の映像を確認すると、違和感のない色で鮮やかに映し出されました。

映像は自然な色合い

写真や動画が鮮やかに映し出されます
ただし若干コントラストが低く、細かな文字が見づらく感じることがありました。これは画面ののぞき見を防ぐプライバシーフィルターの影響によるもの。画面の内容をほかの人に知られにくいのはメリットですが、文字がパキッとクリアーに映し出されない点が気になります。なおプライバシーモードをオフにした状態でも若干見づらく、オンにするとさらに見づらく感じます。

プライバシーフィルターをオフにした状態(左)とオンにした状態(右)

特殊なフォイルターを使っているため、プライバシーモードがオフの状態でもコントラストが低く、視野角も若干狭め
明るさは公称値で1000nitとされています。通常のノートPCのディスプレイよりも3~4倍程度数値が大きいのですが、まぶしく感じることはありません。作業には十分な明るさで、むしろプライバシーモードをオンにすると暗く感じるほどです。おそらく特殊なフィルターによって画面が暗くなってしまうため、明るいパネルを使っているのでしょう。

プライバシーモードをオフにしていれば作業には問題のない明るさ。体感的には300nit程度です
キーボードについて
キーボードはテンキーなしの日本語配列で、バックライトに対応しています。キーピッチは18.7mmで、標準値である19mmよりもやや狭め。とは言え、実際に入力しても違和感はありませんでした。ただEnterキーが細く、さらにキーボード2行目の記号キーも狭いため、使い始めのうちは誤入力があるかもしれません。

Enterキー周辺の配列がやや窮屈

バックライトが付けっぱなしだと、明るい場所でキートップの文字が見づらいので注意
キーピッチは1.5mmで標準的な深さです。入力時にカクッとした軽めのクリック感がありまずが、押し込む力は弱め。指を押し戻す力も弱いので、タイプ時には指の上げ下ろしを意識したほうがいいでしょう。軸にわずかなブレがありますが、キーボード全体のたわみはありません。タイプ音は軽い力でもカタカタと聞こえますが、うるさくはありませんでした。ただし強く叩くとパチパチと響くので、軽めのタッチ推奨です。
別売りのUSIペンを使えば、手書き入力が可能です。ペン入力時の遅延は気になるほどではありません。ただこれは個人的な好みなのですが、ペンの入りが細く抜きが太い独特の筆圧感知がいまいちしっくりきませんでした。

別売りのUSIペンで手書き入力が可能
インターフェース/機能について
周辺機器接続用のインターフェースは多くはないものの、十分な構成です。USB端子は合計3ポートで、うち2ポートがType-C。あとはmicroSDカードスロット、nanoSIMカードスロット、ヘッドホン端子が用意されています。LTE機能はSIMフリーで、MVNOの格安SIMなどを利用可能です。
Type-C端子の機能
USB PD 18W充電 | △ |
---|---|
USB PD 30W充電 | ○ |
USB PD 45W充電 | ○ |
USB PD 65W充電 | ○ |
USB PD 100W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |

ディスプレイ上部の92万画素カメラでビデオ会議が可能

カメラのオンオフを、本体側面のスイッチで切り替え可能

microSDカードスロットを搭載

指紋センサーを標準搭載

底面部のスピーカーは解像感は高いものの、音は軽めでややこもり気味。ビデオ会議には問題なく使えます
ベンチマーク結果
ここからは、HP Chromebook x360 13cのパフォーマンス (性能)について解説します。ベンチマーク結果は環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがある点をあらかじめご了承ください。
試用機のスペック
モデル名 | スイートモデル |
---|---|
CPU | Core i7-10510U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | UHD Graphics (CPU内蔵) |
Octane 2.0
JavaScritの処理速度を計測する「Google Octane 2.0」のスコアは「48847」でした。CPUとして使われているCore i7-10710UはWindows PCではすでに旧世代のCPUですが、Chromebookでは現行のハイエンド向けCPUとして扱われています。2~3万円台の格安モデルよりも、はるかに高い性能です。
ベンチマークスコアの比較
CPU | Octaneスコア |
---|---|
HP Chromebook x360 13c (Core i7-10510U) |
48847
|
Chromebook Flip C436FA (Core i7-10510U) |
48443
|
HP Chromebook x360 14c (Core i3-10110U) |
43914
|
HP Chromebook x360 14 (Core i5-8250U) |
34408
|
CB311-9H-A14P (Celeron N4020) |
16911
|
IdeaPad Slim 350i Chromebook (Celeron N4020) |
15729
|
低価格Windows PC (Celeron N4000) |
14495
|
Lenovo Chromebook S330(MT8173C) |
11460
|
Chromebook Tablet CT100PA(OP1) |
10490
|
Spin 311 (MediaTek M8183C) |
9870
|
GeekBench 5
CPUの処理速度を計測する「GeekBench 5」でも、そこそこ高めの結果が出ています。ハイエンド相当の十分な性能です。
ベンチマークスコアの比較
CPU | Geekbench 5 マルチコアスコア |
---|---|
Chromebook Flip C436FA (Core i7-10510U) |
3626
|
HP Chromebook x360 13c (Core i7-10510U) |
3146
|
HP Chromebook x360 14 (Core i5-8250U) |
2938
|
HP Chromebook x360 14c (Core i3-10110U) |
2209
|
Spin 311(MediaTek M8183C) |
918
|
CB311-9H-A14P (Celeron N4020) |
899
|
Celeron N4020 ※Windows PC |
860
|
PCMark / 3DMark
アプリによる軽めの作業の快適さを計測するPCMarkの結果は、あまり振るいませんでした。しかしアプリの3Dグラフィックス性能を3DMarkでは、かなり優れた結果が出ています。試用機では16GBメモリーが使われていたので、それが影響しているのでしょう。
ベンチマークスコアの比較
CPU | PCMark Work 2.0スコア |
---|---|
Chromebook Flip C436FA (Core i7-10510U) |
11966
|
HP Chromebook x360 14c (Core i3-10110U) |
11792
|
HP Chromebook x360 14 (Core i5-8250U) |
10653
|
HP Chromebook x360 13c (Core i7-10510U) |
10010
|
CB311-9H-A14P (Celeron N4020) |
8564
|
Spin 311(MediaTek M8183C) |
6307
|
ベンチマークスコアの比較
CPU | 3DMakr Sling Shotスコア |
---|---|
HP Chromebook x360 13c (Core i7-10510U) |
5522
|
Chromebook Flip C436FA (Core i7-10510U) |
4648
|
HP Chromebook x360 14c (Core i3-10110U) |
4172
|
CB311-9H-A14P (Celeron N4020) |
1871
|
Spin 311(MediaTek M8183C) |
1458
|
起動時間
電源オフの状態から電源ボタンを押してパスワード入力画面が表示されるまでの時間を計測したところ、平均で6.5秒でした。スリープの状態からなら、液晶ディスプレイを開くと瞬時に復帰します。
レスポンスはかなり良好で、起動に待たされている感はまったくありません。格安なChromebookだと10秒程度ですが、HP Chromebook x360 13cはさらにワンランク高速です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 6.8秒 |
---|---|
2回目 | 6.4秒 |
3回目 | 6.4秒 |
4回目 | 6.6秒 |
5回目 | 6.3秒 |
平均 | 6.5秒 |
高性能だが細かい部分が気になる
よかった点
本体の仕上がりは素晴らしく、Chromebookとしては最高レベルです。そのぶん本体の値段も高いのですが、同機能 / 構成のWindows PCでも同じくらいの値段はするでしょう。普段からChromebookを使ってゴリゴリと作業する人であれば、快適に利用できるはずです。
気になる点
10万円オーバーの高級機であるものの、ディスプレイとキーボードの品質が気になります。特にディスプレイはプライバシーモードの影響で、見づらく感じました。セキュリティ意識の強い人ならアリですが、個人的には作業しづらく感じます。

※2021年7月13日時点
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