ポイント
- 高品質なのに安い!
- バッテリー駆動時間が超長い
- 平均7秒の高速起動
Yoga S740 (14) のスペック
画面サイズ | 14インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i5-1035G4 ・Core i7-1065G7 |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・256GB SSD ・512GB SSD |
グラフィックス | Iris Plus |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 322×212mm |
厚さ | 14.9mm |
重量 | 1.4kg |
バッテリー | ・約23時間 (Core i5) ・約26時間 (Core i7) |
※2020年5月7日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | アイアングレー |
---|---|
画面の表面 | 光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | ・11a/b/g/n/ac (Core i5) ・11a/b/g/n/ac/ax (Core i7) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 |
Thunderbolt 3 | 対応 |
メモリーカード | - |
HDMI | - |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | 720p (92万画素相当) |
顔認証カメラ | 標準搭載 |
指紋センサー | - |
付属品 | 電源アダプターなど |
オフィス | ※別途付属モデルあり |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶価格について
- ▶まとめ
※2020年5月7日時点
デザインと使いやすさ
画面が回らない”Yoga”
レノボの「Yoga」シリーズと言えば、ディスプレイが360度回転する2-in-1タイプとしておなじみ。しかしYoga S740 (14) は画面が回転しない、いわゆる”クラムシェル型”のノートPCです。タッチ操作やペン入力にも対応していません。
アルミ製の頑丈なボディ
Yoga S740 (14)の本体カラーはアイアングレー。写真では明るく写っていますが、普通の照明の下ではガンメタリック風、暗い場所ではブラックっぽく見えます。筐体には質感と剛性 (ねじれに対する強さ)に優れるアルミ素材が使われており、たわみやゆがみは見られませんでした。落ち着いた雰囲気ながらも、シャープな印象です。
14インチでもコンパクト
接地面積は幅328×奥行き212mm。A4サイズ (幅297×奥行き210mm)よりも横幅が3cm大きい程度と考えれば、サイズ感をイメージしやすいでしょう。14インチタイプとしてはとても小さく、筆者所有のThinkPad X1 Carbonよりもコンパクトでした。ただし高さは公称値よりも大きく、設置時はやや厚く感じます。
14インチのフルHDディスプレイ
ディスプレイのサイズは14インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。14インチタイプのノートPCとしては、標準的なスペックです。デスクトップの文字はやや小さいものの、クッキと表示されるので見づらくは感じませんでした。それでも小さくて読みづらく感じるなら、スケーリング (拡大率)を調整するといいでしょう。
明るく色鮮やかな映像
映像はとても明るく、色鮮やかです。実際に写真や動画を表示したところやや赤みが弱いものの、違和感はありませんでした。コントラストが効いているので、色にメリハリが感じられます。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 97.1% |
---|---|
sRGB比 | 100.7% |
Adobe RGBカバー率 | 73.0% |
Adobe RGB比 | 74.6% |
映り込みありの光沢仕上げ
ディスプレイは光沢ありのグレアタイプです。コントラストが高いメリットはあるものの、背景や照明などが映り込むことがあります。気になる場合は画面の角度を調整するか、反射防止用の液晶保護フィルムを使うといいでしょう。
キーは十分な大きさ
キーボードはテンキーなしの日本語配列です。キーピッチ (キーとキーの間隔)は19mmと十分なサイズで、窮屈には感じませんでした。ただしEnterキー周辺で一部のキーが隣接しているため、慣れないうちはタイプミスがあるかもしれません。
キーボードバックライト対応
キーボードはバックライト対応です。Fnキーとスペースキーの同時押しで、明るさを2段階で調整できます。
タイプ感は浅い
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.1.5mmでした。ストロークが非常に浅く、キーを押し切るようにして打つ人には物足りなく感じるかもしれません。しかしもともと軽く打つ人であれば、問題なく使えるでしょう。キーを押した瞬間のクリック感は固めで、弱い力であればカタカタとしたタイプ感を感じられます。
タイプ音は軽いタッチでも多少カタカタと聞こえます。と言っても、気になるほどではありません。しかし強く打つとドンドンと響くので、軽めの力で入力する人向きです。
インターフェースは少ない
周辺機器接続用のインターフェース (端子類)は控えめな構成です。USB端子は全部で3ポート (うち1ポートはType-C)で、あとはヘッドホン出力のみ。映像出力用のHDMI端子やSD / microSDカードスロットは用意されていないので注意してください。機器をあれこれつなぐのではなく、PCとワイヤレス機器のみでスマートに作業する人向きです。
Type-Cは映像出力 / 充電とThunderbolt 3対応
USB PD 18W充電 | ◯ |
---|---|
USB PD 30W充電 | ◯ |
USB PD 45W充電 | ◯ |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | ◯ |
Type-C端子は映像出力とUSB PDでの充電に対応しています。充電はワット数の低い充電器からでも行なえました。ただType-C経由での充電だとPCのパフォーマンスがわずかに低下します。フルパワーで利用したい場合は、付属の電源アダプターを利用してください。
個人的に高評価なのは、Type-C端子がThunderbolt 3に対応している点です。VGAボックスやストレージ、インターフェース追加用のドッキングステーションなどを利用できます。この価格帯でThunderbolt 3に対応しているノートPCはなかなかありません。
クリアーなサウンド
スピーカーはキーボードの左右に配置されています。現在主流の底面配置スピーカーのように音の出口がふさがれないため、サウンドはとてもクリアーです。解像感が高く、微妙な音の違いも聞き取れました。ただ低音域の厚みに欠けるのは残念。それでもノートPCとしては高音質です。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | 81RS0021JP |
---|---|
CPU | Core i7-1035G4 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Iris Plus (CPU内蔵) |
第10世代の高性能CPUを搭載
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13685
|
Core i7-1065G7 |
11872
|
Core i7-10510U |
10863
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Yoga S740 (Core i5-1035G4) |
10308
|
Core i5-10210U |
9988
|
Core i7-8565U |
9814
|
Core i5-8265U |
8593
|
Ryzen 5 3500U |
8447
|
Core i3-8145U |
5549
|
Core i3-10110U |
5534
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Core i3-7020U |
3769
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2026
|
Celeron N4000 |
1550
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
Yoga S740 (14)ではCPUとして、10世代 (Ice Lake)のCore i5-1035G4またはCore i5-1065G7が使われています。Core i5-1035G4搭載の試用機でCPU性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、ノートPCとしては非常に優れた結果が出ました。同じCore i5-1035G4の平均値をやや下回ったものの、スコアは前世代のCore i7-8565Uを上回っています。上位のCore i7-1065G7搭載機なら、より高いパフォーマンスを期待できるでしょう。
内蔵グラフィックスとしては高性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8689
|
GTX 1050 |
6008
|
MX250 |
3606
|
Iris Plus(Core i7) |
2846
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2344
|
Yoga S740 (Core i5 Iris Plus) |
2335
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
MX130 |
2076
|
UHD (Ice Lake Core i5) |
1396
|
UHD (Comet Lake Core i7) |
1335
|
UHD 620 (Core i7) |
1265
|
UHD (Comet Lake Core i5) |
1263
|
UHD 620 (Core i5) |
1186
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
Yoga S740 (14)ではグラフィックス機能として、CPU内蔵のIris Plus Graphicsが使われます。Comet LakeのCore i5-10210U / Core i7-10510Uに内蔵のUHD Graphicsに比べてグラフィックス性能が高い点が特徴。3D性能を計測するベンチマークテストでは、UHDの1.7倍以前後のスコアが出ています。CPU内蔵のグラフィックス機能としては高性能です。
ただしゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPCで使われているGeForce GTX / RTXシリーズほどではありません。UHD搭載のCore i5 / i7に比べてゲームやクリエイター向けソフトの体感速度が少し改善される程度。とは言えプライベートでのちょっとした動画編集や写真の加工に使うなら、Comet LakeのCore i5 / i7搭載ノートPCよりも有利です。
SSDは超高速タイプ
試用機ではPCIe 3.0 x4接続の超高速SSDが使われていました。アクセス速度を計測したところ、非常に優れた結果でした。ファイルのやり取りはとてもスムーズで、ウィンドウズやアプリの起動も高速です。
ウィンドウズの起動は約7秒!
ウィンドウズの起動時間は平均7.08秒でした。筆者がこれまでに計測したノートPCのなかで最速です。最近は10秒を切る機種も増えてきましたが、まだまだ14~17秒あたりが平均的 (筆者調べ)。Yoga S740 (14)は群を抜く速さです。
※スペックや個体差によって変わる場合があります
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 7.2秒 |
---|---|
2回目 | 7.3秒 |
3回目 | 7.0秒 |
4回目 | 7.0秒 |
5回目 | 6.9秒 |
平均 | 7.08秒 |
最大パフォーマンスでも15時間以上駆動
バッテリー駆動時間の公称値はCore i5モデルで約23時間、Core i7モデルで約26時間とされています。ただしこれはパフォーマンスを最低限の状態にした上での結果。実際の利用では駆動時間はもっと短いのが普通です。
そこで最大パフォーマンスを出せる状態でビジネス作業のテスト (文書作成やWeb閲覧、ビデオチャットなど)を行なったところ、15時間13分でバッテリー切れとなりました。少しパフォーマンスを落とした状態での動画再生では18時間21分です。一般的なモバイルノートPCでも8~10時間程度なので、Yoga S740 (14)のバッテリー性能は非常に優れています。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Core i5モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 約23時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 15時間13分 |
Video (動画視聴) | 中 | 18時間21分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間3分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
価格について
Yoga S740 (14)には複数のモデルが用意されていますが、ベースと成るのはCore i5モデルとCore i7モデルの2種類。あとはそれぞれのオフィス付きモデルです。
■主なラインナップ
81RS0021JP | |
---|---|
7万5790円 | |
81RS0014JP ※オフィス付き | |
9万3775円 | |
81RS0022JP | |
10万0980円 | |
81RS0015JP ※オフィス付き | |
12万0120円 |
※2020年5月7日時点
なお、レノボの公式サイトには通常価格のページとは別に特別価格のページが用意されています。特別価格のページは普通に検索しただけではたどり着きにくいので注意してください。この記事では特別価格のページを紹介しています。
リンク
品質の高さと起動時間の速さにビックリ
よかった点
重量はやや重いものの、14インチタイプとしては非常にコンパクト。本体は頑丈でさらにパフォーマンスも十分なのに、税込7万円台はお買得です。個人的には約7秒という起動時間の速さと、フルパワーで実働15時間以上のバッテリー性能にとても驚きました。
気になる点
インターフェースが極端に少ないのは残念。ただ絶対に必要かと言うと人によってはそうでもないので、割り切って使うならアリでしょう。あと個人的にはキーストロークが深いほうが好みなのですが、最近はストロークが浅い機種が増えているので、これも時代の流れなのかもしれません。
※2020年5月7日時点
*
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