デルのAlienware x15は、第11世代CoreプロセッサとGeForce RTX 30 Laptopシリーズを搭載するゲーミングノートPCです。グレード的にはミドルハイ~ハイエンド向けで、非常に高いスペックが特徴。また本体がとてもスリムですが、優れた冷却性能によって高いパフォーマンスを実現しています。
ポイント
- 😄 360Hzの超高リフレッシュレート対応
- 😄 スリムな本体
- 😄 Nキーロールオーバー対応
- 🙄 価格が高い
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
スペック
OS | Windows 11 Home / Pro または Windows 10 Home / Pro |
---|---|
ディスプレイ | 15.6インチ 非光沢 タッチ非対応 |
パネル | 1920×1080 360Hz / 2560×1440 240Hz |
CPU | Core i7-11800H / Core i9-11900H |
メモリー | 16 / 32GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB~2TB SSD ※デュアル可 |
グラフィックス | RTX 3070(8GB)/ RTX 3080(8GB) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、有線LAN(Type-C アダプター使用) |
インターフェース | USB3.2 Gen1(フルサイズ)×1、USB3.2 Gen2 Type-C(USB PD / 映像出力対応)×1、Thunderbolt 4(USB PD / 映像出力対応)×1、HDMI2.1、マイク入力/ヘッドフォン出力 |
生体認証 | なし |
サイズ / 重量 | 幅359.7×奥行き277.25×高さ15.9または16.3mm / 約2.27~2.36kg |
バッテリー | 86WHr ※駆動時間は非公開 |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-11800H |
---|---|
メモリー | 32GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 3070 (8GB) |
最大グラフィックスパワー | 110W |
※ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に設定した上で、標準収録ユーティリティー「Alienware Command Center」の「Thermal」を「最高速」に変更して実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、第11世代のCore i7-11800H / Core i9-11900Hが使われています。Core i7-11800H搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、同じCPUの平均値を大きく上回る優秀な結果が出ました。おそらく本体の冷却性能が高めたことで、十分なパフォーマンスを引き出しているのでしょう。
ただしそれでも、最新の第12世代Core i7-12700H(14コア:Pコア6+Eコア8)のほうが高いスコアが出ています。CPUをパフォーマンスを重視するなら、第12世代Coreプロセッサ搭載のNew Alienware x15 R2を検討してみてください。
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New Alienware x15 R2ゲーミング ノートパソコン
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-12700H |
6511
|
Alienware x15 R1(Core i7-11800H) |
5317
|
Ryzen 9 5900HX |
5025
|
Core i9-11900H |
4969
|
Core i7-11800H |
4736
|
Ryzen 7 5800H |
4681
|
Ryzen 7 5800U |
3829
|
Ryzen 7 5700U |
3512
|
Core i5-11400H |
2992
|
Ryzen 5 5500U |
2817
|
Core i7-1185G7 |
2301
|
Core i7-11370H |
2285
|
Core i5-1135G7 |
2063
|
Ryzen 3 5300U |
2010
|
Core i7-1165G7 |
1963
|
Core i3-1115G4 |
1314
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としてはミドルハイ(アッパーミドル)のRTX 3070と、ハイエンド向けのRTX 3080が用意されています。RTX 3070搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、同じGPUの平均値を超える優れた結果が出ました。おそらくCPUとして使われているCore i7-11800Hの高いパフォーマンスが影響しているのでしょう。非常に優秀な結果ですが、上位のRTX 3080であれば、さらに高いスコアを期待できます。
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
11612
|
Alienware x15 R1(RTX 3070) |
10308
|
RTX 3070 |
9707
|
RTX 2080 |
9599
|
RTX 3060 |
8297
|
RTX 2070 |
7660
|
RTX 2060 |
5860
|
GTX 1660 Ti |
5626
|
RTX 3050 Ti |
5207
|
RTX 3050 |
4426
|
GTX 1650 Ti |
3686
|
GTX 1650 |
3178
|
Iris Xe (Core i7) |
1250
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
28274
|
Alienware x15 R1(RTX 3070) |
26399
|
RTX 3070 |
25161
|
RTX 2080 |
25078
|
RTX 3060 |
21476
|
RTX 2070 |
20037
|
RTX 2060 |
15685
|
GTX 1660 Ti |
14451
|
RTX 3050 Ti |
13528
|
RTX 3050 |
11051
|
GTX 1650 Ti |
10123
|
GTX 1650 |
8758
|
Iris Xe (Core i7) |
4486
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
レイトレーシング性能もなかなか優秀です。タイトルによっては、美しい映像を堪能できるでしょう。
GPUの性能 (レイトレーシング)
GPU | 3DMark Port Royal Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
7148
|
Alienware x15 R1(RTX 3070) |
6175
|
RTX 3070 |
5957
|
RTX 2080 |
5675
|
RTX 3060 |
4909
|
RTX 2070 |
4498
|
RTX 2060 |
3330
|
GTX 1660 Ti |
1487
|
RTX 3050 Ti |
585
|
RTX 3050 |
537
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
CPU / GPUともに高性能な試用機では、非常に優れた結果が出ました。特にコンテンツ制作のテストは断トツのスコアです。ゲームだけでなく、さまざまな用途で活用できます。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9762
9784
9925
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
8697
6630
9276
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
10600
4840
6814
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶THIRDWAVE DX-T7 | Core i7-1165G7 / 16GB |
---|---|
▶IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H / 16GB / GTX 1650 |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
駆動音
駆動音(排気音やファンの回転音)は通常利用時には気になりませんが、高い負荷がかかっているときや高パフォーマンス設定にしているときは大きく聞こえました。爆音とまではいきませんが、気になる場合はパフォーマンス設定を下げるなどの対策を行なったほうがいいでしょう。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.2dBA | - |
---|---|---|
「Thermal」を「バランス」待機時 | 37.3dBA | ほぼ無音 |
「Thermal」を「バランス」高負荷時 | 52.6dBA | 排気音がけっこう大きく、高音域のファンの回転音も聞こえる。ヘッドセットをすれば気になるほどではなく、部屋の外にもあまり聞こえない |
「Thermal」を「最高速」 | 53.6dBA | 同上 |
ゲーム性能
RTX 3070搭載モデルであれば、重量級タイトルでも最高画質で平均60 FPS程度で楽しめます。RTX 3080であれば、より高いFPSで楽しめるでしょう。
人気のバトロワ系FPS / TPSについては、軽いタイトルで画質を下げれば250~300FPSあたりで楽しめそうです。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 9340 / 快適 |
標準品質 | 12705 / とても快適 |
軽量品質 | 14563 / とても快適 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
GPU | FF15ベンチのスコア目安(高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
12484
|
RTX 2080 |
9427
|
RTX 3070 |
9067
|
RTX 3060 |
7792
|
RTX 2070 |
7530
|
RTX 2060 |
5584
|
GTX 1660 Ti |
5605
|
RTX 3050 Ti |
4855
|
RTX 3050 |
4122
|
GTX 1650 Ti |
3801.5
|
GTX 1650 |
3472.5
|
Iris Xe (Core i7) |
1347
|
Radeon (Ryzen 7) |
1027
|
※スコアは当サイト計測値の平均
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 17642 / 124.6 FPS |
高品質 | 17800 / 125.6 FPS |
標準品質 | 18106 / 127.1 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GPU | FF14ベンチのFPS目安(最高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
134
|
RTX 2080 |
130.8
|
RTX 3070 |
126.6
|
RTX 3060 |
119.2
|
RTX 2070 |
109.1
|
RTX 2060 |
90.3
|
GTX 1660 Ti |
95.15
|
RTX 3050 Ti |
92.5
|
RTX 3050 |
76.3
|
GTX 1650 Ti |
69.65
|
GTX 1650 |
63.05
|
Iris Xe (Core i7) |
17.2
|
Radeon (Ryzen 7) |
17.9
|
※スコアは当サイト計測値の平均
ファークライ6(ちょっと重い / DX12)
レイトレ無効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 98 FPS / 79 FPS |
高 | 103 FPS / 84 FPS |
中 | 112 FPS / 89 FPS |
低 | 121 FPS / 96 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
レイトレ有効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 75 FPS / 62 FPS |
高 | 80 FPS / 66 FPS |
中 | 84 FPS / 72 FPS |
低 | 105 FPS / 88 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
画質 / DLSS | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ / オフ | 73.1 FPS / 49 FPS |
高 / オフ | 79.1 FPS / 53.9 FPS |
レイトレーシングウルトラ / 自動 | 55.5 FPS / 40.4 FPS |
レイトレーシング中 / 自動 | 64.8 FPS / 45.5 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GPU | ゲーム中のFPS目安(最高画質、レイトレオフ、DLSS有効) |
---|---|
RTX 3080 |
68.8
|
RTX 3070 |
74.5
|
RTX 3060 |
77.7
|
RTX 2060 |
41.5
|
RTX 3050 Ti |
55
|
GTX 1650 Ti |
18.2
|
GTX 1650 |
16.8
|
※スコアは当サイト計測値の平均
アサシン クリード ヴァルハラ (重い / DX12、DLLS非対応)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 81 FPS / 40 FPS |
高+ | 87 FPS / 43 FPS |
高 | 92 FPS / 43 FPS |
中 | 109 FPS / 52 FPS |
低 | 126 FPS / 80 FPS |
※DLSS非対応、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GPU | FPS目安(最高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
74
|
RTX 3070 |
68
|
RTX 3060 |
63
|
RTX 3050 Ti |
35
|
RTX 3050 |
21
|
GTX 1650 Ti |
22
|
※スコアは当サイト計測値の平均
Forza Horizon 5(DX12、やや重い)
画質 | 平均FPS |
エクストリーム | 82 FPS |
最高 | 94 FPS |
高 | 130 FPS |
中 | 141 FPS |
低 | 162 FPS |
最低 | 193 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安、中画質以下はレイトレ無効
エーペックスレジェンズ(やや軽い / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高画質 | 188.1 / 124.5 FPS |
最低画質 | 277.3 / 148.2 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安。射撃訓練場は対戦プレーよりもFPSが大きく向上します
値段は高いけど満足感も高い
全体的に品質の高い機種です。特に本体の薄さは特筆すべきレベル。はじめて実機を手にしたときは、思わず「なんじゃこりゃ」と言ってしまったほどです。さらにNキーロールオーバーのキーボードや高リフレッシュレート対応のディスプレイなど、ゲームを快適に楽しむための機能もキッチリ押さえています。手に入れたときの満足感は非常に高いでしょう。
ただしそのぶん、値段はかなり高めです。記事執筆時点ではCore i7-11800H / RTX 3070モデルで27万円台、RTX 3080モデルでは30万円を超えます。第12世代搭載のR2ではRTX 3060モデルで30万円超、Core i9 / RTX 3080 Tiの組み合わせなら約50万円です。正直なところそこまで払うべきかどうか判断が難しいのですが、金額が購入障壁でないならアリではないでしょうか。
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