この記事で取り上げている「HP 14-ac100」はすでに販売が終了しており、現在は新モデル「HP 15-ay000」が販売中です。詳しくは下記のリンクより詳細をご確認ください。
リンク
- 税別3万7800円でフルHD! 15.6型ノートPC「HP 15-ay000」自腹レビュー(外観編)(関連記事)
- HP 15-ay000自腹レビュー(性能編) Celeron N3060+フルHDの15.6型モデルはどこまで使えるのか?(関連記事)
- HP 15-ay000 製品詳細(HP Directplus)
日本HPの「HP 14-ac100」は、14型で解像度1366×768ドットの液晶ディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCです。CPUの異なる3種類のモデルが用意されており、もっとも安い「ベーシックモデル」は3万7800円(税別、2016年1月29日時点)で購入できます。スタンダートな機能を備えながらも、リーズナブルな点が最大の魅力です。
今回はメーカーからお借りした実機を使って、Celeron N3050搭載でもっとも安いベーシックモデルのベンチマーク結果や実際の使い勝手についてレビューします。
リンク
HP 14-ac100 製品詳細 (メーカー直販サイト)
CPUの異なる3種類のモデルを用意
前述のとおり、HP 14-ac100にはCPUの3種類のモデルが用意されています。その内訳はCeleronN3050搭載でもっとも価格が安い「ベーシックモデル」とCore i3搭載の「エントリーモデル」、Core i5搭載の「第6世代スタンダードモデル」です。それぞれのスペックは、以下の表のとおり。各機種にはメモリー容量が4GBのモデルと8GBのモデルが用意されおり個別の型番も割り当てられていますが、直販サイトから選択できるのは基本的に3種類です。
HP 14-ac100各モデルの違い | |||
モデル名 | ベーシックモデル | エントリーモデル | スタンダードモデル |
---|---|---|---|
税別価格(2016年1月29日時点のキャンペーン適用時) | 3万7800円から | 5万4800円から | 5万9800円から |
OS | Windows 10 Home 64bit | ||
CPU | Celeron N3050(1.60GHz) | Core i3-5005U(2.20GHz) | Core i5-6200U(2.30GHz) |
メモリー | DDR3L 4/8GB | ||
ディスプレイ | 14型、1366×768ドット、光沢あり | ||
グラフィックス | Intel HD Graphics(CPU内蔵) | Intel HD Graphics 5500(CPU内蔵) | Intel HD Graphics 520(CPU内蔵) |
ストレージ | 500GB HDD(5400回転) | ||
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | ||
通信機能 | 100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0 | ||
インターフェース | USB3.0×1、USB2.0×2、アナログRGB(D-sub15ピン)、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 | ||
Webカメラ | 92万画素 | ||
バッテリー駆動時間(MobileMark 2012) | 8時間 | 7時間15分 | 8時間 |
サイズ | 幅345×奥行き241×高さ23.9mm | ||
重量 | 1.94kg |
現在は「おひとり様1台までキャンペーン」により、それぞれのモデルが通常よりも安く販売されています。キャンペーンは期間限定ですので、早めにチェックされることをおすすめします。
リンク
おひとり様1台までキャンペーン (HP Directplus)(キャンペーンは終了しました)
ベンチマーク結果をチェック!
それでは、HP14-ac100ベーシックモデルのベンチマーク結果を紹介しましょう。繰り返しになりますが、今回の結果はCeleron N3050を搭載したベーシックモデル(メモリー容量は4GB)のものであり、ラインナップのなかではもっとも性能が低いモデルです。実際に利用するモデルやタイミング、環境によってベンチマーク結果が大きく変わることがある点を、あらかじめご了承ください。
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windows 10の快適さを計測する「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」の結果は、以下の表のとおりになりました。ちなみにWindows 10ではDirect3Dのテストが正常に行なわれないため、「ゲーム用グラフィックス」のスコアが正常に表示されません。
HP 14-ac100ベーシックモデル(14-ac103TU)のWindowsエクスペリエンスインデックス | |
プロセッサ(CpuScore) | 5 |
---|---|
メモリ(MemoryScore) | 5.9 |
グラフィックス(GraphicsScore) | 3.9 |
ゲーム用グラフィックス(GamingScore) | -(計測不能) |
プライマリハードディスク(DiskScore) | 5.9 |
「グラフィックス」のスコアが「3.9」と低いのですが、このスコアはWindows 10の快適さに大きく影響する部分ではないので、気にしなくてもいいでしょう。そのほかのスコアは5~5.9で、とりあえず問題なく使えるといったレベルです。各スコアの最大値が「9.9」ですので平均以上の値ではありますが、それほどいいスコアというわけではありません。
CINEBENCHベンチマーク結果
CPUの計算性能を計測する「CINEBENCH」では、格安パソコン向けCPU相当のスコアが出ています。負荷の高い作業には向きませんが、ネットや動画の視聴、文書作成には十分です。
ただしちょっと気になるのは、前世代のCeleron N2840(2.17GHz)よりもスコアが低くなっている点です。CeleronN3050のほうが動作周波数が低いので、スコアが下がるのは仕方がないことでしょう。ライトな作業であれば、あまり大きな差は感じないかもしれません。そのぶんグラフィックス性能は前世代よりも向上しているのですが、それでも性能は低めなので、パフォーマンスアップの恩恵を感じるほどではないと思います。
CrystalDiskMarkベンチマーク結果
ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」を試してみたところ、シーケンシャルリード(Seq Q32T1)で85.42MB/秒という結果になりました。平均的なHDDでは100MB/秒前後ですから、かなり遅くなっています。
使われているHDDを確認したところ、HGSTの「HTS545050A7E680」でした。このHDDの最大速度はおよそ135MB/秒前後とのこと。もしかすると、ベンチマーク実行時にほかのタスクが動いていたのかもしれません。
Windows 10になって、更新プログラムのダウンロードやアプリの更新タイミングがわかりづらくなりました。あるとき突然遅く感じることもあるかと思います。今回のストレージのアクセス速度の結果についても、おそらくなんらかのプログラムが動いていたのでしょう。実際には、これよりもアクセス速度は速くなると思われます。特にHP 14-ac100のように低スペックモデルではその傾向が強いので、使っているパソコンが突然遅くなったらしばらく待ってみることをおすすめします。
PCMark 8ベンチマーク結果
総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 8」では、以下のような結果となりました。それなりの性能が要求される「Home」と「Creative」では低めの結果が出ていますが、ビジネスにおける快適さを表わす「Work」では意外に標準的な性能が出ています。
「PCMark 8」ベンチマーク結果 | |
Home conventinal 3.0 | 1166 |
---|---|
Home accelerated 3.0 | 1572 |
Creative conventinal 3.0 | 955 |
Creative accelerated 3.0 | 1605 |
Work conventinal 2.0 | 1489 |
Work accelerated 2.0 | 1277 |
PassMark PerfomanceTest 8.0ベンチマーク結果
総合的なパフォーマンスを計測する「PassMark PerfomanceTest 8.0」でも、低めの結果が出ています。低価格モデルであることを考えれば、やむを得ない結果でしょう。
3DMarkベンチマーク結果
3D性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の高い「Fire Strike」(DirectX 11相当)で「209」、もっとも軽い「Ice Storm」でも「17135」という結果となりました。中規模クラスのゲームをプレーするなら「Ice Storm」でも4万以上のスコアは欲しいところ。そう考えると、HP 14-ac100でのゲームプレーはかなり厳しいと言えます。
そもそもHP 14-ac100はゲームプレーを想定したパソコンではないので、3D系ベンチマークのスコアが高くないのは仕方がないことです。Celeron N3050では内蔵グラフィックス機能のIntel HD Graphicsが従来よりもパワーアップしているのですが、それでもゲームを快適に楽しむにはまだまだパワーが足りません。
ドラクエ10ベンチマーク結果
「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン(ドラクエ10)」の快適さを計測する「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、解像度1280×720ドットの低品質で「1965」の「重い」という結果でした。解像度をさらに低くすることはできますが、画面比率が変わるため、実質的にこのあたりが最低品質のはず。にも関わらず「重い」という結果ですので、設定変更でもプレーは厳しいと思われます。
FF14ベンチマーク結果
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」でも同様に厳しい結果が出ています。「設定変更が必要」という評価ですが、実質的な最低品質でテストを行なっていますので、これ以上設定を低くしようがありません。
ドラゴンズドクマオンラインベンチマーク結果
「ドラゴンズドクマオンライン ベンチマークソフト」では、もっとも負荷の軽い設定で「動作困難」という評価でした。プレーは考えないほうがいいでしょう。
PSO2ベンチマーク結果
「PSO2キャラクタークリエイト体験版」のベンチマークテストでは、1280×720ドットの簡易描画設定「1(最低画質)」で「2270」という結果でした。「5000」を超えると快適とされているので、なんとか遊べるレベルかもしれません。ただしグラフィックス品質がかなり落ちてしまいますので、そこまでしてプレーするべきかは疑問です。
本体の外観をチェック
続いて、HP 14-ac100の本体デザインについて紹介します。ザックリとした内容は別の記事でまとめていますので、まずはそちらをご覧になることをおすすめします。
本体カラーについて
HP 14-ac100のトップカバーはホワイトで、ボトムケースはブラックのツートンカラーとなっています。トップカバーの表面にはダイアモンドパターンが刻み込まれており、指紋や油脂が目立ちにくくなっていました。
パームレスト部分は、光沢のあるホワイトシルバーです。格子状の薄いラインがプリントされているため、ノッペリした安っぽさは感じられません。
本体サイズについて
本体のサイズは幅345×奥行き241×高さ23.9mmです。接地面積についてはB4サイズよりもひと回り小さい程度と考えれば、サイズ感をイメージしやすいでしょう。
本体の重量について
カタログ上では、本体重量は1.94kgとされています。実際に計測してみたところ2kgを少しオーバーしましたが、誤差の範囲でしょう。
インターフェース類について
インターフェースはスタンダードなノートPCとしては必要十分な数と種類を備えています。アナログRGB(D-sub15ピン)や有線LANも利用可能で、ビジネス用途にも活用できます。
キーボードとタッチパッドについて
キーボードはテンキーなしの89キー構成で、日本語配列を採用しています。キーピッチは約18.7mmと十分な大きさ。キーストロークは約1.5mmとやや浅めですが、軽いクリック感がありました。
やや気になるのは、Enterキーの右側に、特殊キーが並んでいる点です。Enterキーは右端であることが多いので、使い始めのうちは違和感を感じるかもしれません。またカーソルキーの上下がとても小さく、慣れないうちは操作に少し苦労しました。
タッチパッドは比較的大きめなのですが、パームレストと一体化しているので、スッキリしたデザインです。パームレストからややくぼんだ部分がパッド部分になるのですが、慣れないうちは違うところを操作してしまうことがあるかもしれません。
評価したいのは、左右ボタンがパッド部分から独立している点です。格安パソコンのなかにはボタンとパッドが一体化しているものがありますが、それはコストを抑えるためという側面もあります。ですが格安なHP 14-ac100では、あえてコストが高くなる独立式のタッチパッドを採用しています。このあたりはユーザー側の視点から、使いやすさにこだわっていると言えるでしょう。
液晶ディスプレイについて
14型の液晶パネルには、格安パソコンでは標準てきなTNパネルが使われているようです。視野角はそれほど広くはなく、斜めから見ると映像の色合いが大きく変わります。正面からの映像については違和感はないものの、IPSパネルなどと比べると青みがかっているように見えるでしょう。高品質とは言えませんが、値段を考えれば納得できる範囲です。
3万円台でも十分な性能。使い勝手はイイ!
ということで、今回はベンチマーク結果を中心にHP 14-ac100の性能や使い勝手についてレビューしました。Celeron N3050はそれほど性能が高いCPUではないのですが、思ったよりも普通に使うことができます。何度かわずかな「間」を感じる場面はありましたが、使っているうちに気にならなくなるでしょう。より快適に使いたい方は、Core i3やCore i5を搭載した上位モデルの購入をおすすめします。
また格安モデルでありながら本体デザインやキーボード/タッチパッドの使い勝手にこだわっている点も好印象です。いかにもな安っぽさは感じられないどころか、この値段でこのクオリティであることが信じられないほどでした。安くても使いやすいという点でおすすめのノートパソコンです。
この記事で取り上げている「HP 14-ac100」はすでに販売が終了しており、現在は新モデル「HP 15-ay000」が販売中です。詳しくは下記のリンクより詳細をご確認ください。
リンク
- 税別3万7800円でフルHD! 15.6型ノートPC「HP 15-ay000」自腹レビュー(外観編)(関連記事)
- HP 15-ay000自腹レビュー(性能編) Celeron N3060+フルHDの15.6型モデルはどこまで使えるのか?(関連記事)
- HP 15-ay000 製品詳細(HP Directplus)
リンク
HP 14-ac100 製品詳細 (メーカー直販サイト)(販売終了)