HP ProBook x360 435 G8は、13.3インチディスプレイを搭載するビジネス向けのモバイル2-in-1ノートPCです。AMDのZen3 Ryzen搭載でモバイルノートPCとしてはトップクラスの性能でありながら、価格は9~11万円台(2022年3月上旬時点)と高性能タイプとしては比較的お手ごろ。頑丈な作りで、安心して外出先に持ち歩けます。
ポイント
- 😄 高性能なZen3搭載
- 😄 MIL-STD-810G準拠
- 🙄 ややゴツくて重い
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
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スペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
ディスプレイ | 13.3インチ 1920×1080 光沢 タッチ対応 |
CPU | Ryzen 3 5400U / Ryzen 5 5600U / Ryzen 7 5800U |
メモリー | 8GB(8GB×1) / 16GB(8GB×2) ※2スロット、DDR4-3200 |
ストレージ | 256 / 512GB NVMe SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
通信 | 11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
インターフェース | USB3.1 Gen1 Type-C(USB PD / 映像出力対応)×1、USB3.1 Gen1×2、HDMI1.4b、ヘッドフォン出力 |
生体認証 | 指紋センサー |
サイズ / 重量 | 幅308.5×奥行き222.95×高さ17.9mm(最薄部) / 約1.45kg |
バッテリー | 最大11.6時間 |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Ryzen 7 5800U |
---|---|
メモリー | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
※各ベンチマークテストは、Windows 10の電源モードを「バランス」に設定した上で、電源アダプターに接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
ストレージ性能
ストレージはNVMe SSDですが、512GB SSD搭載の試用機ではアクセス速度が思ったほど伸びませんでした。使われていたのはインテルの「SSDPEKNW512G8H」です。とは言え、大容量のファイルを頻繁にアクセスするのでなければ、特に問題はないでしょう。
CPU性能
CPUとしては、AMD Zen3世代のRyzen 3 5400U / Ryzen 5 5600U / Ryzen 7 5800Uが使われています。Ryzen 7 5800U搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、現時点でのモバイルノートPCとしては最高クラスのスコアが出ました。ゲーミングPC向けCPUにも匹敵するほどの優秀な結果です。
下位のRyzen 3 5400Uについては未検証のため不明ですが、中位のRyzen 5 5600Uでも高いパフォーマンスを期待できます。
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
HP ProBook(Ryzen 7 5800U) |
20202
|
Ryzen 7 5800U |
19702
|
Ryzen 5 5600U |
18801
|
Ryzen 7 5700U |
18089
|
Core i7-1185G7 |
13135
|
Ryzen 5 5500U |
12362
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
Ryzen 3 5300U |
9527
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
Ryzen 3 3250U |
4441
|
Athlon Silver 3050U |
3351
|
Celeron 6305 |
2302
|
Celeron N4500 |
2284
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 7 5800U |
3792
|
HP ProBook(Ryzen 7 5800U) |
3754
|
Ryzen 5 5600U |
3640
|
Ryzen 7 5700U |
3512
|
Ryzen 5 5500U |
2817
|
Core i7-1185G7 |
2301
|
Core i5-1135G7 |
2063
|
Ryzen 3 5300U |
2010
|
Core i7-1165G7 |
1963
|
Core i3-1115G4 |
1314
|
Ryzen 3 3250U |
818
|
Athlon Silver 3050U |
624
|
Celeron N4500 |
426
|
Celeron 6305 |
416
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
なお2022年の4~6月にかけてインテルの第12世代Coreプロセッサ、AMDのZen3+世代Ryzen 6000シリーズを搭載した機種が発売される予定です。ともに従来のCPUよりもパフォーマンスが大きく向上すると予想されています。
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われます。Ryzen 7 5800U搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、内蔵グラフィックスとしてはなかなか優秀な結果が出ました。ただしインテル第11世代Coreプロセッサ のIris XeとLPDDR4xの組み合わせよりは若干劣ります。
とは言えRyzen 7モデルであれば、ゲームやクリエイター向けソフトである程度の効果を期待できるでしょう。Ryzen 5以下では、あまり期待しないほうがいいかもしれません。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
MX450 |
1996
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
HP ProBook(Ryzen 7 5800U) |
1247
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Iris Plus |
812
|
Radeon (Ryzen 5) |
784
|
Radeon (Ryzen 3) |
619
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
HP ProBook(Ryzen 7 5800U) |
4019
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
HP ProBook x360 435 G8のRyzen 7モデルでは、非常に優秀な結果が出ました。特に一般利用やビジネス利用では、インテルCPU搭載の高性能機を上回っています。CPUによって得手不得手はあるものの、一般的な作業であれば20万円クラスのプレミアムPCよりも高コスパです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
10053
9477
8362
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
9119
6534
8253
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
6096
5363
6187
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は公称値で、最大11.6時間とされています。しかし公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、9時間3分で休止状態へ移行しました。それほど長くはありませんが、バッテリー消費が比較的大きい状態であることを考えれば、十分な結果と言えるでしょう。電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 最大11.6時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 9時間3分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 38分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間12分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
頑丈でパワフルなビジネス2-in-1
外出先でもガッツリ使いたい人のための、モバイル2-in-1です。本体はややゴツくて重いものの、これは強度を確保するため。軽やかさよりも頑丈さを重視する人に向いています。キーボードの打ち心地もしっかりしており、薄型モデルにありがちな軽さや物足りなさはあまりありません。とりたててスタイリッシュというわけではないものの、安心感があります。
加えて、Zen3世代のRyzenによる高いパフォーマンスも魅力です。モバイルノートPCにこれほどの性能が必要か疑問に感じるほどですが、デスクに据え置きで使うこともあると考えれば納得できます。値段は上位のRyzen 7モデルで11万円台と、高性能モバイルPCとしてはお買い得。コスパの高いビジネスノートPCとしておすすめします。