マイクロソフトのSurface Pro 8は、大人気タブレットの最新モデルです(2021年12月時点)。前モデルからデザインが変わってスタイリッシュさが増した上に、画面が大型化され使い勝手が向上しました。さらに全モデルにOffice Home & Business 2021が付属しています。

Surface Pro 8 ※写真はタイプカバー付き
ポイント
- 😄 狭額縁化&画面の大型化
- 😄 リフレッシュレートは120Hz
- 😄 非常に高品質なボディ
- 🙄 値段が高い
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

スペック
OS | Windows 11 Home |
---|---|
ディスプレイ | 13インチ 2880×1920 光沢 タッチ対応 120Hz |
CPU | Core i5-1135G7 / Core i7-1185G7 |
メモリー | 8 / 16 / 32GB LPDDR4x |
ストレージ | 128GB ~ 1TB |
グラフィックス | Iris Xe(CPU内蔵) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 |
インターフェース | USB4 / Thunderbolt 4×2、Surface Cinnect、ヘッドフォン出力 |
生体認証 | 顔認証用IRカメラ |
サイズ / 重量 | 幅287×奥行き208×高さ9.3mm / 891g |
バッテリー | 最大16時間 |
※2021年12月27日時点
パッケージ

Surface Pro 8のパッケージ

箱のなかには本体と電源アダプター、Officeのプロダクトカード、スターターガイドなど

全モデルに最新版のOffice Home & Business 2021が付属しています
本体デザイン

Surface Pro 8の外観。壁紙の影響も大いにありますが、以前よりもスタイリッシュな見た目に変更されました

Surface Pro 8(左)とSurface Pro 7(右)。ディスプレイのベゼル(枠)がかなり細く、いまどきのデザインが採用されています

Surface Pro X(右)にかなり似ています

13インチはタブレットしては大型ですが、PCとしてはコンパクトです

背面はアルミ製

従来はエッジが角ばっていましたが、Surface Pro 8では丸みを帯びています

ベゼルは左右6.6mmで上下12.1mm

背面のキックスタンドは角度を無段階で調整可能

別売りのタイプカバーを装着した状態

インターフェースはUSB4 / Thunderbolt 4×2とSurface Connect、ヘッドホン端子

背面には1000万画素のカメラ、前面には500万画素のカメラと顔認証用のIRカメラ

128 / 256GBのSSDは取り外しが可能

スピーカーはディスプレイ上部の両脇に配置されていますが、まったく目立ちません。低音域に厚みがあり、中~高音域はとてもクリアーに聞こえます。タブレットとしては最高クラスの音質
サイズと重量

大きさは幅(横方向)287mm、奥行き(縦方向)208mm

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較。A4サイズよりもわずかに小さい程度

PCとしては非常にコンパクトですが、タブレットとしては大きく感じます

厚さは実測で9.3mm

タブレットのみの重さは実測で893g

タイプカバー装着時は1.185kg

ノートPCとしては軽量ですが、タイプカバー装着時は特別軽量というほどでもありません
ディスプレイについて

画面サイズは13インチで、解像度は2880×1920ドット

デスクトップの文字は1.5~2.1mm程度(スケーリングは200%)

映像は非常に鮮やか。明るく自然な色合いです

カラープロファイルとしては「vivid」(P3相当)と「srgb」(sRGB相当))を用意。「vivid」なら、スマホ並みに鮮やかです
色域測定結果
vivid | srgb | |
---|---|---|
sRGBカバー率 | 88.6% | 98.4% |
Adobe RGBカバー率 | 79.7% | 73% |
DCI-P3カバー率 | 83.2% | 73% |

計測輝度は439nit。明るさを最大にするとまぶしいので、状況に合わせて調整するといいでしょう

映像は非常に高精細で、文字もなめらかに映し出されます

リフレッシュレートは最大で120Hz。高いFPSが出る軽めのゲームなら、動きがなめらかです
キーボードとペンについて

Surface Pro 8用に新たに用意されたSurface Pro Signature キーボード

Surface Pro Signature キーボードにはSurface スリムペン2が付属、キーボード上部で充電と収納が可能です

キーピッチは19mmで、キーストロークは1.5mm。タイプ感は従来と変わらず、入力時に確かな手応えが感じられます

キーボードを傾けると入力時にややたわみ、タイプ音が大きく聞こえます。若干のベコベコ感あり。軽めのタッチで入力する人向きです

Surface Pro Xキーボードも利用可能

従来のSurface Pro用タイプカバーとはサイズとコネクターの形状が異なるため利用できません

ペンは4096段階の筆圧感知と、77度までの傾き検知に対応

上から順にSurfaceペン、Surfaceスリムペン(Pro X向け)、Surfaceスリムペン2(Pro 8向け)

従来のSurfaceペンでも利用できるはずですが、試用機と筆者所有のペンではうまく描画できませんでした
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-1185G7 |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Iris Xe(CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしてはインテル第11世代のCore i5-1135G7またはCore i7-1185G7が使われています。性能としてはAMDのRyzenシリーズに劣るものの、普段使いやビジネス作業には十分なパフォーマンスです。そしてなにより第11世代Coreプロセッサは、Thunderbolt 4の機能を内蔵している点が大きなメリット。機能面を含めたCPUの総合力が高い点が魅力です。
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 5800U |
19202
|
Ryzen 7 5700U |
18089
|
Surface Pro 8(Core i7-1185G7) |
13307
|
Core i7-1185G7 |
13135
|
Ryzen 5 5500U |
12362
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
Ryzen 3 5300U |
9527
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
Ryzen 3 3250U |
4441
|
Athlon Silver 3050U |
3351
|
Celeron 6305 |
2302
|
Celeron N4500 |
2284
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵グラフィックスのIris Xe Graphicsが使われます。3Dベンチマークテストでは、内蔵タイプとしては最高クラスの結果が出ました。GTXシリーズまどのゲーム向けGPUほどではないものの、ゲームやグラフィックス系ソフトでの効果を期待できます。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
MX450 |
1996
|
Surface Pro 8(Core i7-1185G7) |
1658
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
MX350 |
1382
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Iris Plus |
812
|
Radeon (Ryzen 5) |
784
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
Surface Pro 8(Core i7-1185G7) |
5527
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
MX350 |
3931
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ストレージのアクセス速度
試用機で使われていたのは256GB SSDで、接続規格はPCIe 3.0 x4。アクセス速度は高速ではあるものの、個人的には中位クラス程度の印象です。値段が高いわりに、あまりいいSSDが使われていないのでしょうか。512GB以上であれば、もう少し高速なのかもしれません。

256GB SSDのアクセス速度
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。
快適に使える目安の目標値は大きく上回っていますが、第11世代Core i7搭載機としては標準的です。ただコンテンツ制作のテスト結果が、内蔵GPUタイプとしてはけっこう高め。本格的な創作活動にはやや厳しい感はありますが、比較的軽めの画像処理 / 動画編集ならある程度は行なえるでしょう。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9477
9784
9925
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
6534
6630
9276
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
5363
4840
6814
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶THIRDWAVE DX-T7 | Core i7-1165G7 / 16GB |
---|---|
▶IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H / 16GB / GTX 1650 |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
クリエイティブ性能
UL Procyonは、アドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測するベンチマークテストです。「Photo Editing」ではPhotoshopとLightroom Classicを、「Video Editing」ではPremiere Proを利用します。
Surface Pro 8では、PhotoshopとLightroomのテストで高めの結果が出ています。GTX 1650よりもスコアが高いのは、アドビ製ソフトとAMD製CPU/インテル製CPUの相性によるものかもしれません。本格的なクリエイター向けノートPCほどではないものの、Core i7と16GBメモリーの組み合わせであればそれなりに活用できるでしょう。本体が軽量コンパクトであることを考えれば、十分検討するに値します。
Procyonベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Photo Editing ※写真加工全般 |
5677
4695
6358
6860
7406 |
Image Retouching ※Photoshop中心 |
6180
4907
6765
5833
6708 |
Batch Processing ※Lightroom中心 |
5215
4494
5976
8069
8178 |
Video Editing ※Premirer |
2495
3268
4578
5186
5351 |
比較機のスペック
▶IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H / 16GB / GTX 1650 |
---|---|
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
GF76 11U | Core i7-11800H / 16GB /RTX 3050 Ti |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
ゲーム性能
Core i7+16GBメモリーモデルであれば、中量級のタイトルなら画質をグッと落とせば快適に遊べる目安の平均60FPSはクリアーできそうです。競技系の軽いFPS / TPSなら60 FPS以上のなめらかな動きを堪能できるでしょう。ただゲーム用のPCではないので、あくまで息抜き程度のプレーをおすすめします。
FF15ベンチ (重い / DX11)

画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 1720 / 動作困難 |
標準品質 | 2556 / やや重い |
軽量品質 | 3136 / 普通 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)

画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 4535 / 31.5 FPS |
高品質 | 6220 / 43.3 FPS |
標準品質 | 7814 / 55.7 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)

画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 14400 / すごく快適 |
標準品質 | 16063 / すごく快適 |
低品質 | 17381 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
PSO2 ニュージェネシスベンチ(やや重い / DX11)

画質 | スコア / 平均FPS |
ウルトラ | 1434 |
中 | 4482 |
最低 | 11497 |
※1920×1080ドットの結果。5000以上が快適に遊べる目安
フォートナイト (ちょっと重い / DX12)
画質 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 23.3 FPS / 5.4 FPS |
高 | 30.3 FPS / 19.4 FPS |
中 | 50.1 FPS / 31.9 FPS |
低 | 84.1 FPS / 46.2 FPS |
パフォーマンスモード | 114.5 FPS / 62 FPS |
使い勝手とパフォーマンスがアップ
外観が大きく改善され、ようやくいまどきのタブレットっぽくなった点がポイントです。従来の本体デザインは4世代も継続されており、正直なところ野暮ったく感じていました。画面も大型化された上に、USB4 / Thunderbolt 4×2搭載で拡張性もバッチリ。さらに第11世代Coreプロセッサにより、パフォーマンスもアップしました。全体的な使い勝手は、かなり向上していると思います。
本体の大型化によって、従来のタイプカバーが使えなくなったのはちょっと残念です。とは言え古い世代のSurface Proを使っているユーザーは、これを機に本体と一緒に買い換えるといいでしょう。
個人的に残念なのは毎度のことではありますが、価格が高い点です。Core i5 / 8GBメモリー / 128GB SSDの本体だけで14万8280円もします(2021年12月27日時点)。事実上必須アイテムのタイプカバーを加えれば、合計17万円程度。高品質でありなおかつオフィスが付いているとは言え、ポンと出せる値段ではないですよね。予算がないならSurface Laptop Goを選ぶべきなんでしょうけれども、Surface Proシリーズはもう少し値段を下げてもいいんじゃないかと思います。売れすぎると、ほかのメーカーににらまれるのかもしれませんけど。

個人的には、値段の高さがネック
ただし年に何回か行なわれるセールを活用すれば、お得に入手できます。マイクロソフト公式ストアのセールやアマゾンのセールなら、大幅値引きやタイプカバープレゼントなどがあるかもしれません。楽天やYahoo!ショッピング、大手量販店のセールなら、ポイント還元が付くのでお得です。
マイクロソフト公式ストアでは60日間の返品保証や90日間の無償テクニカルサポート、また購入後60日以内に値下がりした場合にその差額を受け取れるなどのメリットが用意されているので、その点を考慮するのもアリです。ショップそれぞれの特典を考慮した上で、お得に入手してください。

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