HP 255 G8は、15.6インチのディスプレイを搭載するスタンダードタイプのビジネス向けノートPCです。AMDのRyzen 5 5500U搭載で値段は6万円台前半(2022年3月上旬時点)とリーズナブルな点が特徴。とにかくコスパ重視の人に向いています。
ポイント
- 😄 価格が安い
- 😄 高性能なRyzen 5搭載
- 🙄 デュアルチャネル非対応
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
スペック
OS | Windows 10 Pro または Windows 11 Home / Pro |
---|---|
ディスプレイ | 15.6インチ 1920×1080 非光沢 タッチ非対応 |
CPU | Athlon Silver 3050U / Ryzen 5 5500U |
メモリー | 8GB(8GB×1) |
ストレージ | 256GB NVMe SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
通信 | 11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0、ギガビットイーサ |
インターフェース | USB3.2 Gen1 Type-C(データ通信のみ)×1、USB3.2 Gen1×2、HDMI1.4b、ヘッドフォン出力、SDカードスロット、有線LAN |
生体認証 | 指紋センサー |
サイズ / 重量 | 幅358×奥行き242×高さ19.9mm(最薄部) / 約1.74kg |
バッテリー | 約8.1時間 |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Ryzen 5 5500U |
---|---|
メモリー | 8GB(8GB×1) |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
※各ベンチマークテストは、Windows 10の電源モードを「高パフォーマンス」に設定した上で、電源アダプターに接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、AMD第4世代(Zen2)のAthlon Silver 3050U(店頭モデルのみ)とRyzen 5 5500Uが使われています。Ryzen 5 5500U搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、非常に優れた結果が出ました。最上位のCPUにはかなわないものの、Ryzen 5 5500Uモデルの値段が6万円台であることを考えれば十分な結果です。
ただしメモリーは8GBで、公式には増設非対応である点に注意してください。
※メーカーのメンテナンスマニュアルにはメモリースロットが1基あると記載されていますが、日本向けモデルではメモリースロットがない可能性があります(今回はメーカー貸出機を試用しているため、本体内部は未確認です)
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 5800U |
19202
|
Ryzen 5 5600U |
18801
|
Ryzen 7 5700U |
18089
|
HP 255 G8(Ryzen 5 5500U) |
13944
|
Core i7-1185G7 |
13135
|
Ryzen 5 5500U |
12362
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
Ryzen 3 5300U |
9527
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
Ryzen 3 3250U |
4441
|
Athlon Silver 3050U |
3351
|
Celeron 6305 |
2302
|
Celeron N4500 |
2284
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
なお2022年の4~6月にかけてインテルの第12世代Coreプロセッサ、AMDのZen3+世代Ryzen 6000シリーズを搭載した機種が発売される予定です。ともに従来のCPUよりもパフォーマンスが大きく向上すると予想されています。
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われます。Ryzen 5 5500U搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、内蔵グラフィックスとしてはやや低めの結果でした。数値としては悪くはなく、2~3年前のCPU内蔵グラフィックスよりは格段に上です。しかし現行世代で見ると、イマイチ感は否めません。
またメモリーが8GB×1のシングルチャネルで動作している点も影響しているかもしれません。Ryzenシリーズはデュアルチャネルだと、グラフィックス性能が大きくアップします。8GB×2で利用できればグラフィックス性能が向上するはずですが、HP 255 G8はデュアルチャネル非対応なのでこのあたりが限界と考えていいでしょう。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
MX450 |
1996
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Iris Plus |
812
|
Radeon (Ryzen 5) |
784
|
HP 255 G8(Ryzen 5 5500U) |
747
|
Radeon (Ryzen 3) |
619
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
HP 255 G8(Ryzen 5 5500U) |
2303
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
HP 255 G8 Ryzen 5モデルでは快適に使える目安のスコアを大きく上回っているものの、ほかの機種と比べて特別優秀というわけではありません。特にグラフィック性能が影響するコンテンツ制作のテストでは、もっとも低い結果が出ています。
しかしこれらの比較機が15万円オーバーの高級機で、HP 255 G8が6万円台であることを考えれば印象は大きく変わります。価格が安いモデルにしては、健闘していると言っていいでしょう。最高クラスの総合性能ではありませんが、コスパの面では非常に優秀です。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
8809
9477
8362
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
7607
6534
8253
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
4655
5363
6187
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
デュアルチャネル非対応でもコスパは優秀
残念なのは、メモリーのデュアルチャネルに対応していない点です。ベンチマークテストの結果を見ると、シングルチャネルの影響でスコアが伸びていないことがわかります。CPU本来の性能を引き出せていないため、パフォーマンス重視の人はほかの機種を選んだほうがいいでしょう。個人向けモデルのHP Pavilion 15-ehなら全モデルデュアルチャネル対応でおすすめです。
ただしオフィスを使った資料作りなど、グラフィックス性能が不要な事務処理中心ならありません。むしろ6万円台前半(2022年3月上旬時点)と値段が安いぶん、コスパに優れています。法人向けモデルならではの、きめ細かなサポートサービス(有償)を利用できる点もメリット。高コスパなビジネスPCを検討している人におすすめします。
*
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