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HP 255 G8レビュー:Ryzen搭載で高コスパなビジネス向けスタンダードノートPC

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HP 255 G8レビュー

HP 255 G8は、15.6インチのディスプレイを搭載するスタンダードタイプのビジネス向けノートPCです。AMDのRyzen 5 5500U搭載で値段は6万円台前半(2022年3月上旬時点)とリーズナブルな点が特徴。とにかくコスパ重視の人に向いています。

 

HP 255 G8

HP 255 G8

この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

スペック

OS Windows 10 Pro または Windows 11 Home / Pro
ディスプレイ 15.6インチ 1920×1080 非光沢 タッチ非対応
CPU Athlon Silver 3050U / Ryzen 5 5500U
メモリー 8GB(8GB×1)
ストレージ 256GB NVMe SSD
グラフィックス Radeon Graphics(CPU内蔵)
通信 11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0、ギガビットイーサ
インターフェース USB3.2 Gen1 Type-C(データ通信のみ)×1、USB3.2 Gen1×2、HDMI1.4b、ヘッドフォン出力、SDカードスロット、有線LAN
生体認証 指紋センサー
サイズ / 重量 幅358×奥行き242×高さ19.9mm(最薄部) / 約1.74kg
バッテリー 約8.1時間

本体デザイン

HP 255 G8

HP 255 G8の外観

 

HP 255 G8 カラー

本体カラーはメタリックなグレー。シルバーほど明るくはなく、落ち着いた雰囲気です。指紋の跡はあまり目立ちません

 

HP 255 G8 ボディ

ボディの素材は樹脂(プラスチック)。見た目は安っぽくないものの、手触りはそれなりです。樹脂はキズに弱いので注意

 

HP 255 G8 パームレスト

キーボード面は明るめのシルバー。ツルツルとした手触りで、少し安っぽさを感じます。パームレストにはヘアライン加工風の柄がプリントされていました

 

HP 255 G8 タッチパッド

タッチパッドは誤クリックしにくいボタン分離型

 

HP 255 G8 ベゼル

ディスプレイのベゼルは左右が細め。上下はやや太いのですが、野暮ったく感じるほどではありません

 

HP 255 G8 インターフェース

インターフェースは15.6インチタイプとしては標準的な構成。特に問題なく利用できるでしょう。Type-Cがデータ通信のみなのは残念

 

HP 255 G8 指紋センサー

指紋センサーを標準搭載

 

HP 255 G8 電源アダプター

電源アダプターは45Wの丸口タイプ。重さは287g

 

HP 255 G8 スピーカー

スピーカーはキーボード上部。音はクリアーですが、音の厚みは控えめ。特に高音域がシャカシャカと聞こえます。ビデオ通話や動画視聴には問題ないクオリティーです

 

HP 255 G8 排気口

排気口はヒンジの裏あたり。温風が一度ヒンジに当たるので、ディスプレイには直接当たりません

 

HP 255 G8 底面

底面部

サイズと重量

HP 255 G8 サイズ

本体は幅358mm、奥行き242mm

 

HP 255 G8 大きさ

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較。B4サイズよりもひと回り小さい程度で、15.6インチタイプとしては標準的です

 

HP 255 G8 厚さ

厚さは実測で19.8mm

 

HP 255 G8 背面

本体背面。底面部のゴム足(突起部)を含めた設置時の高さは21.3mm。数値としては標準的です

 

HP 255 G8 重さ

重さは実測で1.69kg。15.6インチとしては軽量です

ディスプレイについて

HP 255 G8 画面サイズ

画面サイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ノートPCとしてはもっともスタンダードなスペックです

 

HP 255 G8 デスクトップ

デスクトップの文字は2~2.4mmでやや小さめ(スケーリング125%)

 

HP 255 G8 映像品質

ディスプレイで使われている「UWVA」は「広視野角」の意味で、品質はIPS相当。やや寒色系ながら、わりと自然な色合いです。体感的にはNTSC 72%あたりの印象

 

HP Pavilion 15-eh(AMD) 映像品質

NTSC 45%程度のやや低品質なパネル ※写真は別の機種

 

OMEN 17 映像品質

sRGB 100%の高品質なパネル ※写真は別の機種

 

HP 255 G8 明るさ

明るさは公称値で250nit。IPS相当のパネルとしてはやや暗めですが、作業には十分な明るさに感じました

キーボードについて

HP 255 G8 キーボード

キーボードはテンキー付きの日本語配列。バックライトには非対応です

 

HP 255 G8 配列

キーピッチは18.7mmでやや狭いものの、配列に違和感はありません。ただしカーソルキーはかなり小さめ

 

HP 255 G8 タイプ感

キーストロークは1.5~1.7mm。ストロークはやや深く、クリック感も固め。手応えはしっかり感じられますが、タイプ感がやや重く感じるかもしれません

 

HP 255 G8 タイプ音

軽い力でもタイプ音がカクカクと聞こえます。打ち下ろすようにして入力するとパチパチと響くので、軽めのタッチを推奨します

ベンチマーク結果

試用機のスペック

CPU Ryzen 5 5500U
メモリー 8GB(8GB×1)
ストレージ 256GB SSD
グラフィックス Radeon Graphics(CPU内蔵)

※各ベンチマークテストは、Windows 10の電源モードを「高パフォーマンス」に設定した上で、電源アダプターに接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

CPU性能

CPUとしては、AMD第4世代(Zen2)のAthlon Silver 3050U(店頭モデルのみ)とRyzen 5 5500Uが使われています。Ryzen 5 5500U搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、非常に優れた結果が出ました。最上位のCPUにはかなわないものの、Ryzen 5 5500Uモデルの値段が6万円台であることを考えれば十分な結果です。

 

ただしメモリーは8GBで、公式には増設非対応である点に注意してください。

※メーカーのメンテナンスマニュアルにはメモリースロットが1基あると記載されていますが、日本向けモデルではメモリースロットがない可能性があります(今回はメーカー貸出機を試用しているため、本体内部は未確認です)

 

CPUの性能差 (総合性能)

CPU PassMark 10 CPU Markスコア
Ryzen 7 5800U
19202
Ryzen 5 5600U
18801
Ryzen 7 5700U
18089
HP 255 G8(Ryzen 5 5500U)
13944
Core i7-1185G7
13135
Ryzen 5 5500U
12362
Core i7-1165G7
11723
Core i5-1135G7
11249
Ryzen 3 5300U
9527
Core i3-1115G4
6750
Ryzen 3 3250U
4441
Athlon Silver 3050U
3351
Celeron 6305
2302
Celeron N4500
2284

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

なお2022年の4~6月にかけてインテルの第12世代Coreプロセッサ、AMDのZen3+世代Ryzen 6000シリーズを搭載した機種が発売される予定です。ともに従来のCPUよりもパフォーマンスが大きく向上すると予想されています。

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われます。Ryzen 5 5500U搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、内蔵グラフィックスとしてはやや低めの結果でした。数値としては悪くはなく、2~3年前のCPU内蔵グラフィックスよりは格段に上です。しかし現行世代で見ると、イマイチ感は否めません。

 

またメモリーが8GB×1のシングルチャネルで動作している点も影響しているかもしれません。Ryzenシリーズはデュアルチャネルだと、グラフィックス性能が大きくアップします。8GB×2で利用できればグラフィックス性能が向上するはずですが、HP 255 G8はデュアルチャネル非対応なのでこのあたりが限界と考えていいでしょう。

 

GPUの性能差(DirectX 12)

GPU 3DMark Time Spy Graphicsスコア
GTX 1650
3241
MX450
1996
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x)
1528
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x)
1302
Iris Xe(Core i7+DDR4)
1149
Radeon (Ryzen 7)
1000
Iris Xe(Core i5+DDR4)
977
Iris Plus
812
Radeon (Ryzen 5)
784
HP 255 G8(Ryzen 5 5500U)
747
Radeon (Ryzen 3)
619
UHD
407

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

GPUの性能差(DirectX 11)

GPU 3DMark Fire Strike Graphicsスコア
GTX 1650
8513
MX450
4900
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x)
4734
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x)
4059
Iris Xe(Core i7+DDR4)
3420
Radeon (Ryzen 7)
3384
Iris Plus
2880
Radeon (Ryzen 5)
2652
Iris Xe(Core i5+DDR4)
2474
Radeon (Ryzen 3)
2324
HP 255 G8(Ryzen 5 5500U)
2303
UHD
1335

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。

 

HP 255 G8 Ryzen 5モデルでは快適に使える目安のスコアを大きく上回っているものの、ほかの機種と比べて特別優秀というわけではありません。特にグラフィック性能が影響するコンテンツ制作のテストでは、もっとも低い結果が出ています。

 

しかしこれらの比較機が15万円オーバーの高級機で、HP 255 G8が6万円台であることを考えれば印象は大きく変わります。価格が安いモデルにしては、健闘していると言っていいでしょう。最高クラスの総合性能ではありませんが、コスパの面では非常に優秀です。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
HP2558809
Pro 89477
Studio8362
Inspiron9667
R5-CA9418
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
HP2557607
Pro 86534
Studio8253
Inspiron8530
R5-CA7927
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
HP2554655
Pro 85363
Studio6187
Inspiron8109
R5-CA8486

※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック

Surface Pro 8 Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe
Surface Studio Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti
Inspiron 16 Plus Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050
raytrek R5-CA Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060

デュアルチャネル非対応でもコスパは優秀

HP 255 G8

残念なのは、メモリーのデュアルチャネルに対応していない点です。ベンチマークテストの結果を見ると、シングルチャネルの影響でスコアが伸びていないことがわかります。CPU本来の性能を引き出せていないため、パフォーマンス重視の人はほかの機種を選んだほうがいいでしょう。個人向けモデルのHP Pavilion 15-ehなら全モデルデュアルチャネル対応でおすすめです。


ただしオフィスを使った資料作りなど、グラフィックス性能が不要な事務処理中心ならありません。むしろ6万円台前半(2022年3月上旬時点)と値段が安いぶん、コスパに優れています。法人向けモデルならではの、きめ細かなサポートサービス(有償)を利用できる点もメリット。高コスパなビジネスPCを検討している人におすすめします。

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記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

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