デルのInspiron 13 5310は、13.3インチディスプレイを搭載するモバイルノートPCです。本体はほぼA4サイズと、非常にコンパクトである点が特徴。位置付け的にはスタンダードクラスでありながら、プレミアムクラスの性能と品質を実現しています。
ポイント
- 😄 本体が超小さい
- 😄 高解像度ディスプレイ対応
- 😄 高いパフォーマンス
- 🙄 モデルが多くて選びにくい
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
スペック
OS | Windows 11 Home |
---|---|
ディスプレイ | 13.3インチ 1920×1200 / 2560×1600 非光沢 タッチ非対応 |
CPU | Core i3-1125G4 / Core i5-11320H / Core i7-11390H |
メモリー | 8 / 16GB ※オンボード LPDDR4x-4267 |
ストレージ | 256GB~1TB |
グラフィックス | UHD / Iris Xe(CPU内蔵) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1 |
インターフェース | Thunderbolt 4×2、USB3.2 Gen1×1、HDMI、ヘッドフォン出力 |
生体認証 | 指紋センサー |
サイズ / 重量 | 幅296.78×奥行き210×高さ15.9mm / 約1.25kg |
バッテリー | 4セル 54Whr (駆動時間は非公開) |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-11370H |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD |
グラフィックス | Iris Xe(CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしてはインテル第11世代のCore i3-1125G4 / Core i5-11320H / Core i7-11390Hが使われています。このうちCore i5-11320HとCore i7-11390HはTDP35Wのハイパフォーマンス版(Tiger Lake H35)で、通常使われているTDP28WのCore i5-1135G7やCore i7-1165G7(Tiger Lake UP3)よりも位置付け的には上位です。ただし過去に当サイトが検証したTiger Lake -H35搭載機では発熱の影響により、パフォーマンスが伸びないことが何度かありました。
またInspiron 13 5310では、CPUが一度リニューアルされています。リニューアル前のCPUはCore i5-11300H / Core i7-11370Hで、今回の試用機はリニューアル前のモデルです。現行モデルではCPUのスペックがわずかに上がっているので、ベンチマークテストではより高いスコアが出るかもしれません。
Core i7-11370H搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、主流のCore i5 / Core i7を上回る優れた結果が出ています。ほかにより高性能なCPUはあるものの、モバイルノートPCとしては十分なパフォーマンスと言っていいでしょう。Core i5-11320Hであればスコアが多少落ちるかもしれませんが、ビジネス作業には十分です。Core i3は普段使いに向いています。
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 5800U |
19202
|
Ryzen 7 5700U |
18089
|
Core i7-1185G7 |
13135
|
Inspiron 13 5310(Core i7-11370H) |
13053
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
Ryzen 3 5300U |
9527
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
Ryzen 3 3250U |
4441
|
Athlon Silver 3050U |
3351
|
Celeron 6305 |
2302
|
Celeron N4500 |
2284
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵グラフィックスのUHD Graphics (Core i3)またはIris Xe Graphics (Core i5 / i7)または外付けGPUのGeForce MX450が使われます。Core i7搭載の試用機では3Dベンチマークテストにおいて、内蔵グラフィックスとしては非常に優秀な結果が出ました。GTXシリーズまどのゲーム向けGPUほどではないものの、ゲームやグラフィックス系ソフトでの効果を期待できます。MX450搭載モデルも用意されていますが、Core i7搭載であれば外付けGPUなしでも十分でしょう。ただしCore i5モデルやCore i3モデルでは、そこまでのパフォーマンスは期待できないかもしれません。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
MX450 |
1996
|
Inspiron 13 5310(Core i7+LPDDR4x) |
1665
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Iris Plus |
812
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
Inspiron 13 5310(Core i7+LPDDR4x) |
5483
|
MX450 |
4900
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。
Core i7搭載の試用機では快適に使える目安の目標値は大きく上回っており、モバイルノートPとしてはなかなか優秀な結果です。グラフィックス性能が要求されるコンテンツ制作ではGPU搭載機種のほうが有利ではあるものの、一般利用では十分快適に利用できるでしょう。エクセルやワード等の重い作業でも、問題なく行なえるはずです。ただしCore i3 / i5モデルではスコアが多少下がるので注意してください。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
10109
9784
9925
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
7077
6630
9276
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
5417
4840
6814
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶THIRDWAVE DX-T7 | Core i7-1165G7 / 16GB |
---|---|
▶IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H / 16GB / GTX 1650 |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
ゲーム系ベンチマーク結果
Core i7搭載の試用機でゲーム系ベンチマークテストを試したところ、ごく軽いドラクエ10ベンチではフルHDの最高画質でも快適に楽しめるとの評価でした。軽めのゲームであれば、解像度や画質の調整で問題なくプレーできるはずです。ただし少し重めのゲームでは、画質や解像度を下げないと厳しいかもしれません。基本的にはごく軽いゲームを息抜き程度でと考えたほうが無難です。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 1641 / 動作困難 |
標準品質 | 2438 / 重い |
軽量品質 | 3026 / 普通 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 12799 / とても快適 |
標準品質 | 14537 / すごく快適 |
低品質 | 16202 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
お買い得なコンパクトモバイルノートPC
まず本体の小ささが魅力です。大きさはほぼA4サイズで、非常にコンパクト。その上軽量かつスリムで、モバイルノートPCとしては十分すぎるほどの携帯性と言っていいでしょう。重量については1kgをオーバーしていますが、軽さよりも小ささを重視するなら断然おすすめです。
またこれだけ小さいにも関わらず、価格が比較的安い点も魅力。と言ってもCore i5 / i7モデルで10万円を超えるのですが、これだけのクオリティーであれば他社製品なら15万円程度はするでしょう。パフォーマンス的にも十分で、仕上がりの良さはプレミアムクラスです。
個人的に気になるのは製品そのものよりも、ラインナップが多すぎる点。2022年1月下旬時点では販売ページに29モデルも用意されており、選ぶのにひと苦労するかもしれません。
個人的におすすめしたいのは、Core i7-11390H / 16GBメモリー / 1TB SSD / 2560×1600ドットのモデル。価格は12~13万円台で、性能と品質を考慮すれば高コスパです。Core i5モデルはやや割高な印象を受けます。
*
当サイトでは2~3万円台の格安ノートPCから高性能ノートPCまで、さまざまな最新モデルを検証・解説しています。記事の更新情報やお買い得情報を当サイトのツイッターアカウントでお知らせしているので、ぜひフォローをお願いします。
ツイッターでこまめブログをフォローする
関連記事
ノートPCレビュー一覧
パソコンお買い得情報一覧