デルの『Inspiron 24オールインワン(5415)』(以下、”Inspiron 24 5415″)は、23.8インチディスプレイを内蔵する一体型のデスクトップPCです。分離型のようにPC本体の設置場所が必要ない上に、ケーブル1本で設置できるお手軽さが魅力。ノートPCよりも大きな画面で、デスクトップPCよりも手軽に扱いたい人に向いています。
記事執筆時の価格
スペック | 価格 |
---|---|
Ryzen 3 7330U / 8GB / 256GB SSD | 7万5900円 |
Ryzen 5 7530U / 8GB / 512GB SSD | 8万9542円 |
Ryzen 7 7730U / 16GB / 1TB SSD | 12万0137円 |
※2023年11月6日時点
Inspiron 24 5415はCPU(APU)として、ノートPC向けのモバイルRyzen 7030Uシリーズを利用しています。デスクトップPC向けCPUよりも性能は低いものの、普段使いや事務作業には問題ありません。ディスプレイの解像度はフルHD(1920×1080ドット)で、ノートPCの画面では文字が小さく感じる人向き。テレビの録画機能や光学ドライブには非対応ですが、そのぶん価格が安く抑えられています。
ポイント
- ✅光学ドライブ非搭載
- ✅文字が大きく表示される
- ✅8GBモデルは軽い作業向き
- ✅HDMI入力に対応
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
この記事の目次
- ▶ スペック
- ▶ 本体デザイン
- ▶ ディスプレイについて
- ▶ ベンチマーク結果
- ▶ まとめ
Inspiron 24オールインワン(5415)
スペック
発売日 | 2023年3月17日 |
---|---|
OS | Windows 11 Home / Pro |
CPU | Ryzen 3 7330U / Ryzen 5 7530U / Ryzen 7 7730U |
メモリー | 8GB×1 / 16GB(8GB×2) ※スロット2基、DDR4-3200 |
ストレージ | 256GB / 512GB / 1TB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
ディスプレイ | 23.8インチ、1920×1080ドット、非光沢、WVA(広視野角) |
M.2スロット | 2 (ストレージ用×1、Wi-Fiカード用×1) |
光学ドライブ | なし |
ドライブベイ | 2.5インチ×1 |
インターフェース | USB3.2 Gen2 Type-C(データ通信のみ)×1、USB3.1 Gen1×2、USB3.1 Gen2×1、HDMI入力、HDMI出力、有線LAN、ヘッドhん端子、SDカードスロット |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth5.2、有線LAN(1Gb) |
電源 | 180W / 460W |
サイズ / 重量 | 幅542.7×奥行き199.55または200.69×高さ414.3mm / 約5.49kgまたは5.56 |
オフィス | なし / Office 2021(Personal / Home & Business) |
本体デザイン
外観
インターフェース構成
ディスプレイについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Ryzen 3 7330U(4コア/8スレッド) |
---|---|
メモリー | 8GB×1 DDR4-3200 |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics(CPU内蔵) |
※各種ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に、電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定した上で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPU性能
CPU(APU)としては、AMD Zen3世代のRyzen 3 7330U / Ryzen 5 7530U / Ryzen 7 7730Uが使われています。これらはそもそもノートPC向けのCPUで、デスクトップPC向けCPUほど性能は高くありません。Ryzen 3 7330U搭載の検証機でCPUベンチマークテストを行なったところ、デスクトップPC向けCPUの平均スコアを大きく下回りました。
デスクトップPC向けCPUのマルチスレッド性能
CPU | 3DMark CPU Profile Max threads |
---|---|
Core i7-13700 |
12008
|
Core i7-12700 |
9583
|
Core i5-13400 |
7350
|
Core i5-12400 |
5957
|
Core i3-13100 |
4226
|
Core i3-12100 |
4043
|
Inspiron 24(Ryzen 3 7330U) |
3178
|
※そのほかのスコアは3DMark公式サイトによる平均値
しかしノートPC向けCPUと比較すれば、それほど悪くありません。Ryzen 3 7330Uでは下位グループですが、Ryzen 5 7530UやRyzen 7 7730U搭載モデルであれば、そこそこ高めの結果が出るはずです。
薄型ノートPC向けCPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Mark Score |
---|---|
Ryzen 7 7735U |
21043
|
Core i5-1340P |
20760
|
Core i7-1360P |
19623
|
Ryzen 7 7730U |
18979
|
Core i5-1335U |
18240
|
Ryzen 5 7535U |
17163
|
Ryzen 5 7530U |
16196
|
Core i7-1355U |
15636
|
Core i3-1315U |
13033
|
Inspiron 24(Ryzen 3 7330U) |
11818
|
Ryzen 3 7330U |
10909
|
Core i3-N305 |
10265
|
Ryzen 5 7520U |
9759
|
Ryzen 3 7320U |
9249
|
Intel N100 |
5620
|
※そのほかのスコアはPassMark CPU Benchmarksによる集計値
Ryzen 3モデルであれば、ネットの調べ物やメール、ちょっとした文書作成には問題なく使えます。Ryzen 5モデルはCPU性能が高いものの、メモリー容量が8GBなので、ガッツリ作業するには向いていません。本格的な作業(動画編集などの重い処理を除く)に使うのであれば、16GBメモリーを搭載したRyzen 7モデルを選ぶといいでしょう。
グラフィックス性能
グラフィックス処理には、CPU内蔵のグラフィックス機能が使われます。検証機で3Dベンチマークテストを行なったところ、非常に低い結果が出ました。CPU性能が低いのも理由のひとつですが、メモリーがシングルチャネルで動作している点も関係しているかもしれません。Ryzrn 5モデル(要メモリー増設)やRyzen 7モデル(8GB×2)であれば多少は改善するはずですが、それでも大作ゲームや高度な動画編集を行なえるほどではないでしょう。
内蔵グラフィックスの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3445
|
Radeon(RDNA 3) |
2862
|
Radeon 680M(RDNA 2) |
2211
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR) |
1528
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR) |
1302
|
Radeon (Vega) |
1204
|
Iris Xe(Core i7+DDR) |
1149
|
Iris Xe(Core i5+DDR) |
977
|
UHD(Core i3) |
900
|
Inspiron 24(Ryzen3,Radeon Vega) |
618
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
CPUベンチマークテストの結果は低かったものの、実作業に基づいたベンチマークテストでは悪くない結果が出ています。特に一般的な利用(ネット閲覧やビデオ会議など)とビジネス利用(表計算とワープロ)のテストでは、Core i5やRyzen 5搭載ノートPCと同程度(もしくはそれ以上)の結果でした。軽めの作業には、Ryzen 3モデルでも十分なようです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9396
10616
9882
10917
10258
10501 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
9135
10003
6966
9572
7417
7622 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
4354
6018
5500
6536
6026
6624 |
※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック(スリムノートPC)
▶ThinkBook 14 Gen5 | Ryzen 5 7530U / 16GB / Radeon |
---|---|
▶Vostro 15 3550 | Core i5-1335U / 16GB / Iris Xe |
▶IdeaPad Flex 5 Gen 8 | Ryzen 7 7730U / 16GB / Radeon |
▶HP Pavilion 15-eg | Core i7-1355U / 16GB / Iris Xe |
▶Inspiron 16 5630 | Core i7-1360P / 16GB / Iris Xe |
大画面なのに省スペースで利用できる
液晶ディスプレイとPC本体が合体した一体型PCは、デスクトップPCとしては省スペース性の高い点と、ケーブル1本で設置できる手軽さが魅力。ノートPCの画面では文字が見づらい人や、みんなで画面を見ながらPCを使いたい人に向いています。子供用のPCとして利用するのもいいでしょう。
テレビ録画機能などを搭載した国内ブランドモデルと比べると、Inspiron 24 5415は機能が抑えられています。しかしその代わりに、値段が比較的安い点が魅力。さらに個人的には、HDMI入力に対応している点もポイントだと思います。ニンテンドースイッチやDVD / ブルーレイレコーダー、Fire TV Stickなどのストリーミング機器を利用できるのは非常に便利です。お手頃な一体型PCを探している人は、ぜひ検討してみてください。
Inspiron 24オールインワン(5415)
*
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