2015年発売のパソコンVAIOノートパソコンレビュー

名機の予感!新生VAIO Zハンズオンレビュー

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2015年2月16日に行なわれた「VAIO meeting 2015」に参加して、新しい「VAIO Z」に触れてきました。今回はその使用感やVAIO Zの特徴などについて、イベントの内容を交えながら紹介します。

東京・渋谷で行なわれたVAIOファンのためのイベント「VAIO meeting 2015」

東京・渋谷で行なわれたVAIOファンのためのイベント「VAIO meeting 2015」

 

なお掲載している写真の一部に、イベント内で行なわれた「VAIO Z徹底分解」の映像を使用しています(写真は個人的に撮影したもので、見やすくするために変形して使っています)。

本体を分解しながら、中身のパーツについて詳しく説明する催しも行なわれた

本体を分解しながら、中身のパーツについて詳しく説明する催しも行なわれた

お知らせ

この機種はすでに販売が終了しています。以下のリンクから、別の記事をご覧ください。
VAIO製品のレビュー一覧
2015年発売のパソコンのレビュー一覧

2-in-1 PCとして生まれ変わった新しいVAIO Z

新しいVAIO Zのもっとも大きな特徴は、液晶ディスプレイを回転させることでタブレットとしても使えるコンバーチブル型の「2-in-1 PC」へと変化した点です。ソニー時代の旧モデル「VAIO Fit A」シリーズと同じく、「マルチフリップヒンジ」と呼ばれる変形機構を採用しています。

天板中央にあるラインが「マルチフリップヒンジ」。ここを軸として、液晶ディスプレイを180度回転させる

天板中央にあるラインが「マルチフリップヒンジ」。ここを軸として、液晶ディスプレイを180度回転させる

キーボード上部にある「リリーススイッチ」を操作することで、液晶ディスプレイが可動する

キーボード上部にある「リリーススイッチ」を操作することで、液晶ディスプレイが可動する

標準的なクラムシェル型の「キーボードモード」から液晶ディスプレイを回転した状態の「ビューモード」

標準的なクラムシェル型の「キーボードモード」から液晶ディスプレイを回転した「ビューモード」

ビューモードから天板を閉じた「タブレットモード」

ビューモードから天板を閉じた「タブレットモード」

 

VAIO Fit 13Aとの違いは? 本体デザインを比較

VAIO Zは13.3型でマルチフリップヒンジを採用していることから、外観がソニー時代の旧モデル「VAIO Fit 13A」とかなり似ています。ただVAIO Zを単体で見ると確かにVAIO Fit 13Aを彷彿とさせるのですが、実際にこの2台を並べてみると異なる部分が多いことに気が付きます。

VAIO Fit 13A(手前)とVAIO Z(奥)

VAIO Fit 13A(手前)とVAIO Z(奥)。こちらのVAIO Zはシルバーモデル

サイズはVAIO Fit 13A(左)のほうが、ひと回り大きい印象

サイズはVAIO Fit 13A(左)のほうが、ひと回り大きい印象。こちらのVAIO Zはブラックモデル

幅は1.2mm、奥行きは8.1mm異なる

幅は1.2mm、奥行きは8.1mm異なる

マルチフリップヒンジを採用した変形機構は同じ

マルチフリップヒンジを採用した変形機構は同じ

 

実際に触ってこの2台を比べてみると、VAIO Zのほうがはるかに完成度が高いことがわかります。ボディの質感が高く、またキーボードの使用感も上です。私もはじめて新しいVAIO Zを見たときは「これVAIO Fit 13Aじゃないの?」と思いましたが、似て非なるものだと痛感しました。

十分な薄型で重量も妥協できる範囲

VAIO Zの高さは最厚部で16.8mmです。「Z2」こと前モデルのVAIO Zでは16.65mmでしたので、0.15mmしか厚くなっていません。確かにこれよりも薄い製品はありますが、十分「薄い」と言えるのではないでしょうか。

 

重量は1.34kgで、最近の軽量薄型ノートPCと比べるとやや重く感じるかもしれません。しかし実際に手に持ってみるとそれほどの重さは感じなく、問題なく持ち運べる重さでした。

高さは16.8mm。薄型と称された前モデル「VPCZ219FJ/B」よりも厚いが、その差はわずか0.15mm

高さは16.8mm。薄型と称された前モデル「VPCZ219FJ/B」よりも厚いが、その差はわずか0.15mm

エッジの立ったデザインで、実際に手にすると予想していたよりも薄く感じる

エッジの立ったデザインで、実際に手にすると予想していたよりも薄く感じる

 

キーボードの作りはしっかりしているが、ストロークは浅め

キーボードの配列は、VAIO Pro 13とまったく同じでした。キーピッチは19mmと、デスクトップ向けキーボード並みの大きさが確保されています。しかしキーストロークが約1.2mmとかなり浅め。VAIO Pro 13では約1.4mmでしたが、0.2mm浅くなっています。実際に入力してみるとかなりストロークが浅く、キーを押しているかどうかわからなくなる場面もありました。ただ軽いタッチで入力するとクリック感を感じるので、使い込んでいけば慣れるでしょう。

 

もっとも前モデルのVAIO Zではキーストロークが約1mmだったので、旧モデルのユーザーならタイプ感が増して使いやすく感じるかもしれません。

キーストロークは約1.2mmとかなり浅い

キーストロークは約1.2mmとかなり浅い

 

実際にキーを入力してみると、キーの作りがとてもしっかりしていてブレがなく、さらにタイプ音が小さいことがわかります。薄型キーボードにありがちな「カチャカチャ」という音がまったくしないのには感心しました。またタッチパッドの感度が非常によく、マルチジェスチャーもストレスなく使えます。

可動時のブレをなくすことで、タイプ時に耳障りな2KHz帯のノイズを低減。タッチパッドはクリック感を高めるために、「マイカ(雲母片岩)」と呼ばれる石を利用している

可動時のブレをなくすことで、タイプ時に耳障りな2KHz帯のノイズを低減。タッチパッドはクリック感を高めるために、「マイカ(雲母片岩)」と呼ばれる石を利用している

タッチパッドの部分で使われているマイカ。通常は0.7mmのものが使われるが、VAIO Zではクリック感を向上させるために、1mm厚のものを使っている

タッチパッドの部分で使われているマイカ。通常は0.7mmのものが使われるが、VAIO Zではクリック感を向上させるために、1mm厚のものを使っている。この厚さで快適に操作できるよう、タッチパッドのドライバソフトも作りなおしているとのこと

ボディは頑丈で質感も高い

VAIO Zではボディの素材として、アルミ素材とカーボンを使っています。このふたつはどちらも軽くて剛性が高い(歪みに強い)点が特徴です。内部パーツをこのふたつの部品サンドイッチ状に挟み込むことで、歪みに強くしかも軽いボディを実現しています。

VAIO Zのアルミフレーム。キーボードの桟とパームレストを一体化することで、強度を向上させている

VAIO Zのアルミフレーム。キーボードの桟とパームレストを一体化することで、強度を向上させている。実際に持ってみると、金属とは思えないほど軽い

裏面はさらに違う素材で補強されている

裏面はさらに違う素材で補強されている

従来のフレームはキーボード部分がぽっかり空いていた

従来のフレームはキーボード部分がぽっかり空いていた

ボトムケースには、東レのUDカーボンを使用。ちなみに、PCにカーボンを使ったのはVAIOが初とのこと

ボトムケースには、東レのUDカーボンを使用。ちなみに、PCにカーボンを使ったのはVAIOが初とのこと

 

質感の高さも特筆モノです。もともとアルミ素材は質感が高いことで知られていますが、さらにブレスト加工を施すことでより高級感のある仕上がりになっていました。さらに指紋や油脂などの汚れもほとんど目立ちません。

ブレスト加工のアルミ素材を利用することで、質感の高さを実現している

ブレスト加工のアルミ素材を利用することで、質感の高さを実現している

天板の「VAIO」のロゴ。エッジ部分だけがシルバーの凝ったデザイン

天板の「VAIO」のロゴ。エッジ部分だけがシルバーの凝ったデザイン

インターフェースは必要十分な構成

インターフェースとしては、USB3.0端子×2、HDMI端子、SD/SDHC/SDXCカードスロットが用意されています。モバイルノートPCとしては十分な構成です。ちなみにUSB3.0端子については、自社で新たに作っているとのこと。端子内にある青いモールドが目立つのがイヤなので黒にしたという、たったそれだけの理由だそうです。

右側面には電源コネクターとHDMI端子、ヘッドホン端子、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロットが用意されている

右側面には電源コネクターとHDMI端子、ヘッドホン端子、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロットが用意されている

左側面にはUSB3.0端子×を配置

左側面にはUSB3.0端子×を配置

端子内のモールドが青だと外観を損ねるという理由から、端子を作っているとのこと

端子内のモールドが青だと外観を損ねるという理由から、端子を作っているとのこと

メモリーカードスロットとHDMI端子などを搭載した小基板。スロットの操作感を高めるために、1/100mm単位で調整を行なったのだとか

メモリーカードスロットとHDMI端子などを搭載した小基板。カードスロットの操作感を高めるために、1/100mm単位で調整を行なったのだとか

電源ボタンは左側面、音量調節ボタンは背面に用意されている

電源ボタンは左側面、音量調節ボタンは背面に用意されている

気になる性能をベンチマークでチェック!

続いて、VAIO Zのベンチマーク結果を紹介しましょう。と言っても展示機でテストできる範囲は限られていますので、今回はWindowシステム評価ツール(Windowsエクスペリエンスインデックス)だけです。テストにはCore i7と16GBのメモリーを搭載したモデルを使いました。

Core i7+16GBメモリー搭載モデルの結果

Core i7+16GBメモリー搭載モデルの結果

全体的にスコアはかなり高めです。特にグラフィックス(GraphicsScore)とゲーム用グラフィックス(GamingScore)が「6.2」と、CPU内蔵のグラフィックス機能としてはかなり高いスコアが出ています(モバイルノートPCでは5~5.9あたりが一般的)。多少軽めの3Dゲームなら、問題なく利用できるでしょう。

質感の高さと使い勝手の良さが魅力

実際に触れてみて強く感じたのは、質感が非常に高い点と入力デバイスの使い勝手がとても優れている点です。現在発売されているノートPCのなかでは、最高クラスの使いやすさではないでしょうか。個人的にはもう少し薄くて軽ければとは思いますが、十分納得できる範囲です。

記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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