ミニPCレビュー

GMKtec NucBox G2 Plusレビュー:Intel N150搭載でよりコンパクトなミニPC

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GMKtec NucBox G2 Plus

※検証機は筆者が購入しました

GMKtecの「NucBox G2 Plus」は、「インテルプロセッサーN150(以下、”N150″)」を搭載したミニPCです。一般的なミニPCよりも、さらに小さい点が特徴。12GBメモリー搭載で、軽めの作業には普通に使えます。

GMKtec NucBox G2 Plus

GMKtec NucBox G2 Plus

GMKtec NucBox G2 Plus

一般的なミニPCよりもひと回り以上コンパクト

GMKtec NucBox G2 Plus

底面部にはLEDイルミネーション。色はUEFI(BIOS)設定で変えられます

主な特徴

発売 2025年1月 価格 2万3000円前後
OS Windows 11 Pro ライセンス OEM版(問題なし)
CPU インテルプロセッサーN150 メモリースロット なし
グラフィックス UHD Graphics SSD増設 非対応
メモリー LPDDR5-4800 12GB Type-C なし
ストレージ 512GB M.2 SATASSD 電力制限(標準時) PL1:10W / PL2:15W
有線LAN 1Gb××2 騒音 ほぼ無音

 

実際にいろいろと触ってみましたが、ほかの格安ミニPCよりも性能はやや低めです。しかしその差は体感できるほどではなく、遅さが気になる場面はありませんでした。それよりも一般的なミニPCより小さいので扱いやすく、駆動音も静か。コンパクトなミニPC環境を作りたい人に向いています。

 

GMKtec NucBox G2 Plus

設置イメージ ※ディスプレイは15.6インチ

 

この記事では筆者が購入した実機を使って、外観や性能、実際の使い心地などをレビューします。

おことわり

このレビュー記事では、実機を10日間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。

スペック

発売日 2025年1月
OS Windows 11 Pro
CPU Intel N150(4コア4スレッド)
NPU なし
メモリー DDR5-4800 12GB ※オンボードのため増設非対応
SSD 512GB M.2 SATA SSD
グラフィックス UHD Graphics(CPU内蔵)
通信 Wi-Fi 6、Bluetooth5.2、有線LAN(1Gb)×2
インターフェース USB3.2 Gen1×3、HDMI×2、DisplayPort×1、3.5mmステレオジャック、有線LAN(1Gb)×2
ドライブベイ なし
スロット M.2スロット×2(ストレージ用×1、Wi-Fi用×1)
付属品 VESAマウンタ、HDMIケーブル、電源アダプターなど
サイズ / 重量 幅87×奥行き87×高さ39.5mm / 210g

Windowsのラインセンス

OSはWindows 11 Proで、ライセンスは通常のOEMライセンスです。ミニPCでは個人利用不可のボリュームライセンス(VL)が使われていることがありますが、NucBox G2 Plusでは問題ありません。

GMKtec NucBox G2 Plus

個人での利用が可能な、OEMライセンスが使われています

技適マークについて

無線通信機器に必要な技適マークは、本体底面部にシールとして貼られています。

GMKtec NucBox G2 Plus

本体底面部に技適マークを確認

 

上記番号は「総務省電波利用ホームページ」の検索結果で「G2」(他モデルと共通)のものとして登録されているのを確認しました。

関連リンク

総務省電波利用ホームページ

PSEマークについて

電源アダプターには「電気用品安全法」の基準に適合していることを表わすPSEマークがプリントされていました。届出事業者名は「UL Japan」と「株式会社味福」で、国内での届け出を別の業者が担当したものと思われます。

GMKtec NucBox G2 Plus

GMKtec NucBox G2 Plus

余談ですが「UL Japan(UL Solutions Japan)」は電源アダプターなどの国内登録検査機関として経済産業省に登録されている企業で、PC向けベンチマークソフト「PCMark」や「3DMark」を公開している「UL Solutions」の日本法人でもあります。

システムのフルスキャン結果

検証時にWindows Defenderのフルスキャンを実施し、検知可能な脅威が存在しないことを確認しています。

GMKtec NucBox G2 Plus

Windows Defenderのフルスキャン結果

価格

NucBox G2 Plusは、アマゾンや楽天で2万円台前半で販売されています。そのときのセールやクーポンによって大きく変わることがあるので、購入のタイミングには注意してください。

最安モデルの価格

販売ショップ 価格
アマゾン 2万2700円 ※クーポン使用時
楽天 公式ショップ 2万2700円 ※クーポン使用時

※2025年1月23日時点

パッケージ

GMKtec NucBox G2 Plus

NucBox G2 Plusのパッケージ

GMKtec NucBox G2 Plus

箱の中身

GMKtec NucBox G2 Plus

電源アダプターはType-C型の36W

GMKtec NucBox G2 Plus

形状がType-C型であるだけで、USB PDには対応していない可能性があります。事故を避けるために、必ず付属のアダプターを使うようにしてください

GMKtec NucBox G2 Plus

付属のHDMIケーブル

GMKtec NucBox G2 Plus

色の異なる予備の天板カバーが付属

GMKtec NucBox G2 Plus

天板カバーはペラッペラの薄い板

GMKtec NucBox G2 Plus

天板カバーを変更した状態

GMKtec NucBox G2 Plus

VESA対応ディスプレイ背面に取り付けるためのマウンタ

VESAディスプレイへの取り付け方法

GMKtec NucBox G2 Plus

付属のマウンタを、本体にネジで取り付けます

GMKtec NucBox G2 Plus

ディスプレイ背面のVESA穴に付属のネジを付けて、マウンタを引っかけます。必要に応じてスペーサーを使うなどしてください

外観

GMKtec NucBox G2 Plus

NucBox G2 Plusは、手のひらサイズの小さなデスクトップパソコン、いわゆる「ミニPC」です

GMKtec NucBox G2 Plus

スマホ(Google Pixel 9 Pro XL)とのサイズ比較

GMKtec NucBox G2 Plus

一般的なミニPCよりもひと回り以上コンパクト

GMKtec NucBox G2 Plus

厚みも普通のミニPCよりはスリム

GMKtec NucBox G2 Plus

サイズの実測値

GMKtec NucBox G2 Plus

底面部のゴム足の高さを含めると41.2mm

GMKtec NucBox G2 Plus

ボディはプラスチック製

GMKtec NucBox G2 Plus

底面部

GMKtec NucBox G2 Plus

本体の重さは実測で202gでした。とても軽量です

GMKtec NucBox G2 Plus

底面部にはLEDが組み込まれており、電源オン時に点灯。UEFI(BIOS)設定で色やオン / オフを切り替えられます

インターフェース構成

GMKtec NucBox G2 Plus

前面には電源ボタンだけ

GMKtec NucBox G2 Plus

右側面にはUSB3.2 Tyep-A×3

GMKtec NucBox G2 Plus

背面には電源コネクターと有線LAN端子、ヘッドホン端子

GMKtec NucBox G2 Plus

左側面にはHDMI×2、DisplayPort×1

分解・パーツ交換について

本体の分解方法

GMKtec NucBox G2 Plus

天板カバーはスキマからツメや柔らかいプラスチックなどを引っかけてこじ開ければ外れます

GMKtec NucBox G2 Plus

カバーを外した状態

GMKtec NucBox G2 Plus

内部にあるプラスチック製のフレームは外せます

GMKtec NucBox G2 Plus

マザーボード

GMKtec NucBox G2 Plus

さらにケースからマザーボードを取り外した状態。ケース側にはLEDの基板があり、マザーボードとケーブルで繋がっています

GMKtec NucBox G2 Plus

使われているCPUクーラー

メモリーの増設について

NucBox G2 Plusはオンボードメモリー(マザーボード直付け)のため、メモリーの増設には対応していません。

SSDの増設・換装について

NucBox G2 Plus

ストレージ用のM.2スロット。Type-2242のSATA SSDに対応しています

NucBox G2 Plus

検証機で使われていたSSD

NucBox G2 Plus

SSDのS.M.A.R.T.情報

NucBox G2 Plus

512GB SSDのアクセス速度。SATA SSDとしては妥当な結果ですが、最近主流のNVMeよりは低速です

Wi-Fiまわりなど

NucBox G2 Plus

Wi-FiカードはCdtech(China Dragon Technology)の「CDW-C9852BE-VB」。チップはRealtek RTL8852BE-VB

NucBox G2 Plus

アンテナはけっこう小さめ。これで大丈夫なのかと思うほどですが、とりあえずは正常に動作していました

NucBox G2 Plus

もう片方の線もアンテナっぽい板に繋がっています

NucBox G2 Plus

アンテナは内部のプラスチック製フレームに固定されており、セットするとアンテナの接続端子がWi-Fiカードに触れる仕組み

NucBox G2 Plus

アンテナ接続用の接触子

 

メンテナンス性

GMKtec NucBox G2 Plus

SSDの交換は天板カバーを外すだけなので簡単

GMKtec NucBox G2 Plus

マザーボードも比較的簡単に現われます。コイン電池の交換も楽に行なえるでしょう

GMKtec NucBox G2 Plus

今回は天板側からマザーボードを外しましたが、底面側からならもっと簡単にファンのメンテナンス(ホコリの掃除など)を行なえます

UEFI(BIOS)設定画面

GMKtec NucBox G2 Plus

起動直後のロゴ表示画面でESCキーまたはDelキーを連打するとUEFI(BIOS)画面が表示されます

GMKtec NucBox G2 Plus

UEFI(BIOS)画面の「Main」タブ

GMKtec NucBox G2 Plus

「Advanced」タブ

GMKtec NucBox G2 Plus

「Security」タブ

GMKtec NucBox G2 Plus

「Boot」タブ

GMKtec NucBox G2 Plus

「Save & Exit」タブ

CPUの電力設定

「Main」→「Power Mode Select」から、CPUの消費電力モードを選択できます。標準は「Balance」で、「High Peformance」を選べばCPU性能を底上げすることが可能です。「Quiet」を選ぶと、駆動音を抑えられます。

GMKtec NucBox G2 Plus

CPUの消費電力設定を選択可能

電力設定

項目名 概要 PL1 / PL2
Quiet 性能を抑えることで駆動音を低減する 8W / 10W
Balance ※標準 標準のモード 10W / 15W
High Performance もっとも高性能だが騒音も大きい 15W / 15W

LED設定

GMKtec NucBox G2 Plus

「Boot」タブの「LED Colour Setting」から、本体底面部に設置されたLEDの色やオン / オフを切り替えられます

GMKtec NucBox G2 Plus

底面部のLED

ベンチマーク結果

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

パフォーマンス設定について

ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に、電源モードを「バランス」に設定した上で、UEFI(BIOS)設定から電力モードを「Balance」と「Performance」、「Quiet」に切り替えて実施しています。付属の電源アダプターは接続した状態です。

N150とN100の違いについて

N150こと「インテルプロセッサーN150」は、2025年1月に発表された格安パソコン向けのCPUです。これまで使われていた「N95」「N97」「N100」など「Alder Lake-N」シリーズの後継にあたります。

 

Intel N150

Intel N150と旧世代のAlder Lake-Nとの違い

後継CPUと言っても、性能や機能はあまり変わりません。基本的には「N100の動作クロックがわずかに向上し、内蔵グラフィックスの名前が変わったリフレッシュ版」と考えていいでしょう。

CPU性能(ミニPC全体で比較)

CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」の結果は、以下のとおり。電力設定を変えれば多少は性能が向上しますが、それでもミニPC全体で見ればかなり性能が低い部類に入ります。

しかし2万円台で買えることと、本体サイズが小さい(小型筐体は熱がこもりやすくいので、性能をあえて抑える場合がある)ことを考えると、妥当な結果かもしれません。検証時はいくつかのソフトを利用していますが、処理の重いテスト以外ではレスポンスに不満を感じませんでした。

 

ミニPCの性能比較

CPU CINEBENCH R23 Score
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS)
S1788
M16176
ThinkCentre M75q Gen5(Ryzen 7 PRO 8700GE)
S1810
M14957
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS)
S1781
M14483
MINISFORUM MS-01(Core i9-12900H)
S1720
M14156
GMKtec NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H)
S1558
M13374
MINISFORUM UM773 Lite(Ryzen 7 7735HS)
S1571
M12478
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H)
S1723
M11651
GMKtec NucBox M6 (Ryzen 5 6600H)
S1504
M10281
GMKtec NucBox M5 Plus(Ryzen 7 5825U)
S1364
M6514
GMKtec NucBox M5 (Ryzen 7 5700U)
S1228
M6397
GMKtec NucBox G6(Ryzen 3 5425U)
S1334
M4705
NucBox G2 Plus(N150) ※High Performance
S790
M2954
GMKtec NucBox G3(Intel N100)
S796
M2865
GMKtec NucBox G5(N97)
S791
M2877
NucBox G3 Plus(N150)
S793
M2723
NucBox G2 Plus(N150) ※Balance
S790
M2579
NucBox G2 Plus(N150) ※Quiet
S790
M2336

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

CPU性能(格安ミニPCで比較)

1~2万円台の格安ミニPCのなかで比べても、やや低めの性能です。電力設定を変えればベンチマークスコアはかなり改善するので、少しでも速く動かしたい人は設定を変更するといいでしょう。

 

Alder Lake-N搭載ミニPCの性能比較

CPU CINEBENCH R23
CHUWI LarkBox X 2023(N100)
S933
M2996
NucBox G2 Plus(N150) ※High Performance
S790
M2954
Acemagic T8 Plus(N100)
S911
M2883
NucBox G5(N97)
S791
M2877
NucBox G3(N100)
S796
M2865
TRIGKEY GREEN G4(N95)
S936
M2797
CHUWI HeroBox 2023(N100)
S926
M2753
NucBox G3 Plus(N150)
S793
M2723
NiPoGi AK1PLUS(N97)
S969
M2656
SkyBarium MN22(N100)
S944
M2643
NucBox G2 Plus(N150) ※Balance
S790
M2579
NucBox G2 Plus(N150) ※Quiet
S790
M2336

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵の「Intel Graphics」が使われています。これはAlder Lake-N世代で使われていた従来の「UHD Graphics」をリネームしただけのもので、構造や機能自体は変わりません。しかしグラフィックスコアのクロックがN100(0.75GHz)よりもN150(1.00GHz)のほうが向上しているぶん、ベンチマークスコアに差が出ているようです。

とは言えミニPC全体で見れば、グラフィックス性能はかなり低い部類に入ります。大作ゲームや動画編集などでの効果は、期待しないほうがいいでしょう。

 

ミニPCのグラフィックス性能

GPU 3DMark Time Spy Graphics
RTX 3050(ノートPC)平均値
4874
Arc Graphics(LunarLake)平均値
3767
GMKtec NucBox K8 Plus(Radeon 780M)
3047
MINISFORUM UM773 Lite(Radeon 680M)
2363
Minisforum MS-01(Iris Xe)
1779
NucBox M6(Radeon 660M)
1559
NucBox M5 Plus(Radeon Vega)
1104
NucBox G2 Plus(N150) ※High Performance
435
NucBox G2 Plus(N150) ※Quiet
435
NucBox G5(N97, UHD)
433
NucBox G2 Plus(N150) ※Balance
431
NucBox G3(N100, UHD)
323
NucBox G1(N95, UHD)
321

※スコアは当サイト計測値、平均値はUL Solutionsのデータを参考にしました

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。

 

テスト結果の見方

テスト名 概要
Essentials
(一般利用)
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する
Productivity
(ビジネス利用)
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する

 

電力モードを変えてテストを行なったところ、目標値を超えられたのは「一般利用」と「ビジネス利用」のテストで、「コンテンツ制作」のテストは目標値をクリアーできませんでした。軽めのビジネス作業であれば、問題なく利用できるでしょう。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
Quiet6964
Balance7165
Performance7327
G37119
M5 Plus9832
UM77310783
GT13P10921
MS-0110849
M75q10755
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
Quiet4624
Balance4641
Performance4827
G34259
M5 Plus8842
UM7739785
GT13P6840
MS-017023
M75q10805
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
Quiet2636
Balance2747
Performance2793
G32406
M5 Plus4968
UM7738695
GT13P7429
MS-017978
M75q8559

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック(ミニPC)

NucBox G3 Intel N100 / 8GB / UHD
NucBox M5 Plus Ryzen 7 5825U / 16GB / Radeon
UM773 Lite Ryzen 7 7735HS / 16GB / Radeon 680M
GEEKOM GT13 Pro Core i9-13900H / 32GB / Iris Xe
MS-01 Core i9-12900H / 32GB / Iris Xe
ThinkCentre M75q Gen5 Ryzen 7 PRO 8700GE / 32GB / Radeon 780M

ゲーム性能について

ゲームについては、動作の軽い作品で画質や解像度を大きく落とせばプレーできるレベルです。息抜き程度ならアリかもしれませんが、ガッツリ楽しむには性能不足と考えてください。
※テスト結果は電源モード「Balance」時のものです

FF14ベンチ(やや重い)

GMKtec NucBox G2 Plus

評価とフレームレート

フルHD 最低画質
1955(設定変更が必要) 平均12.89 fps

ドラクエ3(軽い)

GMKtec NucBox G2 Plus

 

フレームレート

最低画質 最高画質
街のなかだと47~58 fps前後、フィールドだと60 fps前後。遊べないことはないが、画質はかなり貧相 常時10~20 fpsあたり。動きがかなりガクガクで遊びづらい

マインクラフト 統合版(軽い)

GMKtec NucBox G2 Plus

 

フレームレート

標準画質(フルスクリーン、チャンク34)
プレー開始直後で、概ね20~30 fpsあたり。遊べないことはないが、全体的に重く感じる。建物を増やしたりすると、処理落ちする可能性大

熱と騒音について

※計測時の室温は16度前後。室温が変わると、結果が異なる場合があります

GMKtec NucBox G2 Plus

駆動音については本体から20cm離した簡易騒音計で計測しています

標準時(Balance)の熱と騒音

まず標準モードの「Balance」(PL1:10W / PL2:15W)で見ると、CPU温度は最大で85度、平均では74.3度でした。同じIntel N150を搭載したNucBox G3 Plusの同じモードでは最大70度 / 平均67.6度だったので、だいぶ熱が上がっています。筐体が小さいことから、内部に熱がこもりやすくなっているのでしょう。とは言え、この程度なら十分許容範囲内ではあると思います。

 

GMKtec NucBox G2 Plus

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移(電源モード「Balance」時)

各項目の平均値と最大値

コアクロック 平均2547MHz 最大2892MHz
CPU温度 平均74.3度 最大85度
CPU消費電力 平均9.9W 最大14W

 

騒音については、かなり静かでした。高負荷時に音がわずかに聞こえるものの、うるさくはありません。

駆動音の計測結果(Balance)

電源オフ時 36.5dB
待機中 36.8dB前後 ほぼ無音
Windows Update時 36.7dB前後 耳をすませば高いモーター音がわずかに聞こえるが、無音に近い
軽作業時(PCMark 10) 36.7dB前後 ほぼ無音
高負荷時(CINEBENCH) 37.4dB前後 甲高いモーター音とわずかな排気音がきこえるが、うるさくはない
(参考)エアコンの最大出力 48~58dB前後

高出力時(High Performance)の熱と騒音

高いパフォーマンスを発揮できる「High Performance」モード(PL1:15W / PL2:15W)では、CPU温度が最大で87度、平均では81度でした。やはりこれも温度的には許容範囲内ではあるものの、GMKtec製のほかのミニPCよりも温度が高めに出ています。

 

GMKtec NucBox G2 Plus

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移(電源モード「High Performance」時)

各項目の平均値と最大値

コアクロック 平均2886MHz 最大2893MHz
CPU温度 平均81度 最大87度
CPU消費電力 平均13.3W 最大14.7W

 

GMKtec NucBox G2 Plus

筐体表面温度は36度前後

GMKtec NucBox G2 Plus

内部のSSDは温度が上昇しています

 

高出力モードでは高負荷時に騒音が聞こえるものの、そのほかの状態では標準設定時と変わりません。

駆動音の計測結果(Performance)

電源オフ時 36.5dB
待機中 36.5dB前後 ほぼ無音
Windows Update時 36.9dB前後 耳をすませば高いモーター音がわずかに聞こえるが、無音に近い
軽作業時(PCMark 10) 36.7dB前後 同上
高負荷時(CINEBENCH) 38.8dB前後 排気音はハッキリと聞こえる。モーター音も聞こえるが、全体的にはうるさくは感じない。ただ音が甲高いので、長時間聞き続けるとストレスが溜まるかも
(参考)エアコンの最大出力 48~58dBA前後

静音時(Quiet)の熱と騒音

「Quiet」モードでは、CPUの平均温度が69.9度と低く抑えられていましたす。熱によるパーツの劣化を防ぐという点でなら、このモードが好ましいでしょう。ただそのぶん平均クロックも11%程度落ちており、パフォーマンスが落ちています。消費電力はかなり低いので、常時つけっぱなしで運用するのに向いています。

 

GMKtec NucBox G2 Plus

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移(電源モード「Quiet」時)

各項目の平均値と最大値

コアクロック 平均2258MHz 最大2892MHz
CPU温度 平均69.9度 最大75度
CPU消費電力 平均8.0W 最大10.2W

 

このモードでは、動作音はかなり静かです。高い負荷のかかるCPUベンチマークでも、音はほとんど気になりませんでした。

駆動音の計測結果(Quiet)

電源オフ時 36.6dB
待機中 36.7dB前後 ほぼ無音
Windows Update時 36.9dB前後 耳をすませば高いモーター音がわずかに聞こえるが、無音に近い
軽作業時(PCMark 10) 36.7dB前後 ほぼ無音
高負荷時(CINEBENCH) 36.8dB前後 耳をすませば高いモーター音がわずかに聞こえるが、無音に近い
(参考)エアコンの最大出力 48~58dBA前後

他機種との騒音比較

騒音(ファンの回転音や通気口からの排気音など)については、かなり静かです。無音とまではいきませんが、ストレスなく利用できるでしょう。

ミニPCの騒音比較 ※標準時

CPU CINEBENCH R23 Score
GEEKOM GT13 Pro
37.6
53
GEEKOM AE7
39.3
52
GMKtec NucBox M5 Plus
48
50.5
ThinkCentre M75q Gen5 ※Ryzen 7
49.7
49.6
MINISFORUM MS-01
40.1
49
GMKtec NucBox M6
43
47.7
Acemagic T8 Plus N100
39.5
42
GMKtec NucBox K8 Plus
41.3
41.9
MINISFORUM UM773 Lite
41
41.9
GMKtec NucBox M7
40.3
41.3
NiPoGi AK1PLUS N97
37.2
40.5
GMKtec NucBox G6
39.4
38.7
NucBox G3
36.9
40.3
NucBox G2 Plus
36.7
37.4
NucBox G3 Plus
36.6
36.9

※「軽」は軽作業時、「高」は高負荷時。そのほかの機種の値は標準設定時、並び順は高負荷時で音が大きい順

N150搭載NucBox G3 Plusとの比較

GMKtecからは、同じIntel N150を搭載したミニPC「NucBox G3 Plus」が発売中です。性能的にはあまり変わりませんが、サイズや機能面でやや異なります。

GMKtec NucBox G3 Plusレビュー:Intel N150搭載の超静音ミニPC【PR】
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GMKtec NucBox G2 Plus

G3 Plus(左)とG2 Plus(右)の大きさの違い。G2 Plusのほうがひと回り以上コンパクトです

GMKtec NucBox G2 Plus

厚さは同程度

GMKtec NucBox G2 Plus

さらに小さいG5(N97搭載)との比較

 

G2 PlusとG3 Plusの違い

G2 Plus G3 Plus
CPU Intel N150
メモリー LPDDR5-4800 12GB
※増設非対応
DDR4-3200 8 / 16GB
※メモリースロットで換装可能
SSD SATA SSD(低速) PCIe 3.0 x4(高速)
M.2スロット 2(Wi-Fi×1+ストレージ×1) 3(Wi-Fi×1+ストレージ×2)
映像出力 HDMI×2、DisplayPort×1 HDMI×2
有線LAN 1Gb×2 2.5Gb×1
LEDイルミネーション あり なし
サイズ 幅87×奥行き87×高さ39.5mm 幅106×奥行き114×高さ42.5mm
重さ 210g 361g

 

性能については前述しましたが、CPUベンチマークテストG3 Plusのほうがやや高いスコアが出ています。G2 Plusのほうが筐体が小さいため、内部の熱による影響が出ているのでしょう。とは言え、体感的には変わりません。

CPUベンチマーク結果の比較

CPU CINEBENCH R23 Score
NucBox G3 Plus(N150) ※Balance
S793
M2723
NucBox G2 Plus(N150) ※Balance
S790
M2579

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

 

静音性についてはG3 Plusのほうが優秀です。ただしそれほど大きな差が出ているわけではありません。

ミニPCの騒音比較

CPU CINEBENCH R23 Score
NucBox G2 Plus
36.7
37.4
NucBox G3 Plus
36.6
36.9

※「軽」は軽作業時、「高」は高負荷時。そのほかの機種の値は標準設定時、並び順は高負荷時で音が大きい順

 

上記の比較結果から個人的には、サーバー利用などでは拡張性が高く内部の温度が低いG3 Plus、普段使いではコンパクトで扱いやすいG2 Plusが向いていると思います。

考察とまとめ

GMKtec NucBox G2 Plus

 

パーツを交換しないならコレでOK

ミニPCは、自分でメモリーやSSDを増設 / 交換できるのが魅力のひとつ。しかしNucBox G2 Plusでは使えるパーツに制限があるため、拡張性の面ではあまり自由がききません。パーツを交換することなく、そのまま使い続ける人に向いています。

端子類に関しては、比較的充実していると言っていいでしょう。Type-Cには対応していないものの、DisplayPortに対応する低価格帯のミニPCはあまりありません。またこれだけ小さくても、1Gb有線LANがふたつ付いている点もユニークです。

ただ有線LANに関しては、内部ストレージがSATA SSD 1基のみのため、サーバー用途等には使いづらいかもしれません。

性能は低いけど十分なレベル

NucBox G2 Plusで使われているN150は、N100よりもスペック上の動作クロックが上昇しています。そのため、一般的なN100搭載ミニPCよりも性能面では上と考える人も多いでしょう。しかし実際のベンチマークテスト結果では、ほかのN100搭載機よりもスコアが低い場面がチラホラと見られました。

ただしこれは、筐体の小ささと静音性の高さを重視した結果だと思います。消費電力を上げてパワーを出すことは技術的には可能ですが、そのぶん余計に熱がこもりやすくなり、小ささや静かさを犠牲にせざるを得ません。またそうして得られるパフォーマンスの上乗せぶんはごくわずかで、「どんぐりの背比べ」レベルです。

NucBox G2 Plusはそのようなパフォーマンス競争よりも、扱いやすさを重視したチューニングを採用しているのではないでしょうか。

記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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