ミニPCレビュー

GMKtec NucBox G3 Plusレビュー:Intel N150搭載の超静音ミニPC【PR】

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GMKtec NucBox G3 Plus

※機材提供:GMKtec

GMKtecの「NucBox G3 Plus」は、最新の(というか未発表の)CPU「インテルプロセッサーN150(以下、”N150″)」を搭載したミニPCです。記事執筆時点の価格は1万8000円台で、非常に安い点が特徴。人気のN100搭載機の後継モデルとして注目を集めています。

GMKtec NucBox G3 Plus

NucBox G3 Plus

主な特徴

発売 2024年12月 価格 1.8~2万円前後
OS Windows 11 Pro ライセンス OEM版(問題なし)
CPU インテルプロセッサーN150 メモリースロット 1
グラフィックス UHD Graphics SSD増設 可能 (M.2 SATA Type-2242)
メモリー DDR4-3200 8 / 16GB Type-C なし
ストレージ 256 / 512GB M.2 PCIe 3.0 SSD 電力制限(標準時) PL1:10W / PL2:15W
有線LAN 2.5Gb×1 騒音 ほぼ無音

 

実際にいろいろと触ってみましたが、N100搭載の旧モデルと性能面ではほぼ変わりませんでした。テストによって多少の差は出るものの、性能の違いを体感的できるほどではありません。

ただ静音性については非常に優秀です。低性能タイプのCPUを搭載するミニPCでも多少の駆動音は聞こえるものですが、NucBox G3 Plusでは騒音をほとんど感じられませんでした。静かな環境で使いたい人に向いています。

 

この記事ではメーカーから提供された実機を使って、外観や性能、実際の使い心地などをレビューします。

おことわり

このレビュー記事では、実機を10日間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。

スペック

発売日 2024年12月
OS Windows 11 Pro
CPU Intel N150(4コア4スレッド)
NPU なし
メモリー DDR4-3200 8GB ※8GB×1
SSD 256 / 512GB PCIe3.0 x4 NVMe SSD
グラフィックス UHD Graphics(CPU内蔵)
通信 Wi-Fi 6、Bluetooth5.2、有線LAN(2.5Gb)×1
インターフェース USB3.2 Gen1×4、HDMI(4K@60Hz)×2、3.5mmステレオジャック、有線LAN(2.5Gb)
ドライブベイ なし
スロット M.2スロット×3(ストレージ用×2、Wi-Fi用×1)
付属品 VESAマウンタ、HDMIケーブル、電源アダプターなど
サイズ / 重量 幅106×奥行き114×高さ42.5mm / 361g

Windowsのラインセンス

OSには、Windows 11 Proが使われています。ライセンスは通常のOEMライセンスです。ミニPCでは個人利用不可のボリュームライセンス(VL)が使われていることがありますが、NucBox G3 Plusのライセンスは問題ありません。

GMKtec NucBox G3 Plus

Windows 11 ProのOEM版が使われています

技適マークについて

無線通信機器に必要な技適マークは、本体底面部にシールとして貼られています。

GMKtec NucBox G3 Plus

本体底面部に技適マークを確認

 

上記番号は「総務省電波利用ホームページ」の検索結果で「G3」(他モデルと共通)のものとして登録されているのを確認しました。

関連リンク

総務省電波利用ホームページ

PSEマークについて

電源アダプターには「電気用品安全法」の基準に適合していることを表わすPSEマークがプリントされていました。届出事業者名は「株式会社味福」で、国内での届け出を別の業者が担当したものと思われます。

GMKtec NucBox G3 Plus

電源アダプターのPSEマーク

システムのフルスキャン結果

検証時にWindows Defenderのフルスキャンを実施し、検知可能な脅威が存在しないことを確認しています。

GMKtec NucBox G3 Plus

Windows Defenderのフルスキャン結果

価格

NucBox G3 Plusは、アマゾンや楽天で1万8000円台で販売されています。そのときのセールやクーポンによって大きく変わることがあるので、購入のタイミングには注意してください。

最安モデルの価格

販売ショップ 価格
アマゾン 1万8741円
楽天 公式ショップ 1万8970円 ※クーポン使用時

※2025年1月6日時点

パッケージ

GMKtec NucBox G3 Plus

NucBox G3 Plusのパッケージ

GMKtec NucBox G3 Plus

箱の中身

GMKtec NucBox G3 Plus

電源アダプターは36Wの丸口タイプ。重さは140g

GMKtec NucBox G3 Plus

付属のHDMIケーブル

GMKtec NucBox G3 Plus

VESA対応ディスプレイ背面に取り付けるためのマウンタ

VESAディスプレイへの取り付け方法

GMKtec NucBox G3 Plus

付属のマウンタを本体に取り付けます。その最、底面部のゴム足をはがしてください

GMKtec NucBox G3 Plus

ディスプレイ背面のVESA穴に付属のネジを付けて、マウンタを引っかけます。必要に応じてスペーサーを使うなどしてください

外観

GMKtec NucBox G3 Plus

NucBox G3 Plusは、手のひらサイズの小さなデスクトップパソコン、いわゆる「ミニPC」です

GMKtec NucBox G3 Plus

ほかのミニPCよりも少しだけコンパクト

GMKtec NucBox G3 Plus

厚みは標準的です

GMKtec NucBox G3 Plus

大きさの実測値

GMKtec NucBox G3 Plus

底面部のゴム足を含めた高さは46.2mm

GMKtec NucBox G3 Plus

ボディはプラスチック製。カラバリはグリーンとブラックの2色(写真はグリーン)。天板には市松模様のように見えるテクスチャー加工が施されています

GMKtec NucBox G3 Plus

底面部

GMKtec NucBox G3 Plus

重さは公称値で361gですが、実測では260gでした。非常に軽量です

インターフェース構成

GMKtec NucBox G3 Plus

前面のインターフェース(端子類)

GMKtec NucBox G3 Plus

背面の端子構成

GMKtec NucBox G3 Plus

右側面

GMKtec NucBox G3 Plus

左側面

分解・パーツ交換について

本体の分解方法

GMKtec NucBox G3 Plus

天板はツメなどに引っかけてこじ開ければ外れます

GMKtec NucBox G3 Plus

通常の作業で開くのはここまで。これ以上はけっこうな手間がかかりそうです。さらに取り外してもイジれるところは特にありません

メモリーの増設について

GMKtec NucBox G3 Plus

メモリースロットは1基

GMKtec NucBox G3 Plus

検証機で使われていたメモリー。規格はDDR4-3200 SO-DIMM

GMKtec NucBox G3 Plus

メモリーを16GB×1に変えたところ、正常に動作しているのを確認しました ※動作を保証するものではありません

GMKtec NucBox G3 Plus

32GB×1メモリーでも認識されています ※動作を保証するものではありません

SSDの増設・換装について

GMKtec NucBox G3 Plus

ストレージ用のM.2スロットは2基。ひとつはPCIe 3.0 x4 Type-2280で、ここに標準のSSDがセットされています。空きスロットではType-2242のSATA SSDを利用可能

GMKtec NucBox G3 Plus

検証機で使われていたSSD

GMKtec NucBox G3 Plus

SSDのS.M.A.R.T.情報

GMKtec NucBox G3 Plus

SSDのアクセス速度。PCIe 3.0 x4タイプとしては低速ですが、格安ミニPCでよく使われるSATA SSD(シーケンシャルライトで500MB/sあたり)よりは高速です

Wi-Fiまわりなど

GMKtec NucBox G3 Plus

Wi-Fiカードは型番の一部が隠れていますが、おそらくN100モデルで使われていたCdtech(China Dragon Technology)の「CDW-C9852BE-00」だと思われます。チップはRealtek RTL8852BE-VB

メンテナンス性

GMKtec NucBox G3 Plus

マザーボード全体。ツールレスで内部にアクセスできるのは便利です。ただしCPUクーラーには触れられません。ホコリなどがたまった際は、スキマからエアダスターなどを使って吹き飛ばす必要がありそうです

UEFI(BIOS)設定画面

GMKtec NucBox G3 Plus

起動直後のロゴ表示画面でESCキーまたはDelキーを連打するとUEFI(BIOS)画面が表示されます

GMKtec NucBox G3 Plus

UEFI(BIOS)画面の「Main」タブ

GMKtec NucBox G3 Plus

「Advanced」タブ

GMKtec NucBox G3 Plus

「Security」タブ

GMKtec NucBox G3 Plus

「Boot」タブ

GMKtec NucBox G3 Plus

「Save & Exit」タブ

CPUの電力設定

「Main」→「Power Mode Select」から、CPUの消費電力モードを選択できます。標準は「Balance」で、「Peformance」を選べばCPU性能を底上げすることが可能です。「Quiet」を選ぶと、駆動音を抑えられます。

GMKtec NucBox G3 Plus

CPUの消費電力設定を選択可能

電力設定

項目名 概要 PL1 / PL2
Quiet 性能を抑えることで駆動音を低減する 8W / 10W
Balance ※標準 標準のモード 10W / 15W
High Performance もっとも高性能だが騒音も大きい 15W / 15W

ベンチマーク結果

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

パフォーマンス設定について

ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に、電源モードを「バランス」に設定した上で、UEFI(BIOS)設定から電力モードを「Balance」と「Performance」、「Quiet」に切り替えて実施しています。付属の電源アダプターは接続した状態です。

N150とN100の違いについて

N150こと「インテルプロセッサーN150」は、記事執筆時点(2025年1月上旬)ではまだインテルから正式に発表されていません。従って、仕様の細かな部分は不明です。しかし各社N150搭載ミニPCの製品情報から、以下の点に関しては明らかになっています。

 

N150とN100の違い

N150 N100
4コア4スレッド
最大3.6GHz 最大3.4GHz
L3キャッシュ 6M
TDP 6W
UHD Graphics ※CPU内蔵
グラフィックス最大1GHz グラフィックス最大750MHz

 

基本的には「動作クロックがわずかに向上したリフレッシュ版」と考えていいでしょう。性能面ではほとんど変わらないはずですが、もしかすると機能面(命令セットなど)での違いがあるかもしれません。

CPU性能

CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」の結果は、以下のとおり。ミニPCのなかでは性能が低いのですが、2万円切りの安さを考えれば仕方がないでしょう。

 

ミニPCの性能比較

CPU CINEBENCH R23 Score
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS)
S1788
M16176
ThinkCentre M75q Gen5(Ryzen 7 PRO 8700GE)
S1810
M14957
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS)
S1781
M14483
MINISFORUM MS-01(Core i9-12900H)
S1720
M14156
GMKtec NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H)
S1558
M13374
MINISFORUM UM773 Lite(Ryzen 7 7735HS)
S1571
M12478
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H)
S1723
M11651
GMKtec NucBox M6 (Ryzen 5 6600H)
S1504
M10281
GMKtec NucBox M5 Plus(Ryzen 7 5825U)
S1364
M6514
GMKtec NucBox M5 (Ryzen 7 5700U)
S1228
M6397
GMKtec NucBox G6(Ryzen 3 5425U)
S1334
M4705
NucBox G3 Plus(N150) ※High Performance
S790
M2961
NucBox G3 Plus(N150) ※Balance
S793
M2723
NucBox G3 Plus(N150) ※Quiet
S772
M2210

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

 

1~2万円台の格安ミニPCのなかで比べると、まあまあの性能です。電力設定を変えれば、ベンチマークスコアはかなり改善します。

 

Alder Lake-N搭載ミニPCの性能比較

CPU CINEBENCH R23
CHUWI LarkBox X 2023(N100)
S933
M2996
NucBox G3 Plus(N150) ※High Performance
S790
M2961
Acemagic T8 Plus(N100)
S911
M2883
NucBox G5(N97)
S791
M2877
NucBox G3(N100)
S796
M2865
TRIGKEY GREEN G4(N95)
S936
M2797
CHUWI HeroBox 2023(N100)
S926
M2753
NucBox G3 Plus(N150) ※Balance
S793
M2723
NiPoGi AK1PLUS(N97)
S969
M2656
SkyBarium MN22(N100)
S944
M2643
NucBox G3 Plus(N150) ※Quiet
S772
M2210

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵のUHD Graphicsが使われます。位置付け的にはかなりの下のほうで、3Dベンチマークテストでも低めの結果が出ました。ゲームやクリエイティブワーク向けソフトでの効果は期待しないほうが無難です。

ただN100よりも、グラフィックス性能は少し上がっています。グラフィックスの動作クロックが向上している影響でしょう。クロックが高い順の「N97(1.2GHz)」、「N150(1.0GHz)」、「N100(0.75GHz)」と順当な並びです。

 

ミニPCのグラフィックス性能

GPU 3DMark Time Spy Graphics
Arc Graphics(LunarLake)平均値
3767
GMKtec NucBox K8 Plus(Radeon 780M)
3047
GEEKOM NUC AE7(Radeon 780M)
2940
ThinkCentre M75q Tiny Gen 5(Radeon 780M)
2456
MINISFORUM UM773 Lite(Radeon 680M)
2363
NucBox M7(Radeon 680M)
2358
Minisforum MS-01(Iris Xe)
1779
GEEKOM GT13 Pro(Iris Xe)
1722
NucBox M6(Radeon 660M)
1559
NucBox M5 Plus(Radeon Vega)
1104
NucBox G6(Radeon Vega)
942
NucBox G5(N97, UHD)
433
NucBox G3 Plus(N150,UHD) ※Balance
421
NucBox G3(N100, UHD)
323
NucBox G1(N95, UHD)
321

※スコアは当サイト計測値、平均値はUL Solutionsのデータを参考にしました

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。

 

テスト結果の見方

テスト名 概要
Essentials
(一般利用)
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する
Productivity
(ビジネス利用)
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する

 

電力モードを変えてテストを行なったところ、目標値を超えられたのは「一般利用」と「ビジネス利用」のテストで、「コンテンツ制作」のテストは目標値をクリアーできませんでした。軽めのビジネス作業であれば、問題なく利用できるでしょう。

ちなみにN100搭載機と比べると、「ビジネス利用」と「コンテンツ制作」のテストでスコアが上回っています。CPUとグラフィックスの動作クロックがアップした影響かもしれません。

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
Quiet7188
Balance7019
Performance7230
G37119
M5 Plus9832
UM77310783
GT13P10921
MS-0110849
M75q10755
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
Quiet4820
Balance4645
Performance4848
G34259
M5 Plus8842
UM7739785
GT13P6840
MS-017023
M75q10805
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
Quiet2581
Balance2751
Performance2779
G32406
M5 Plus4968
UM7738695
GT13P7429
MS-017978
M75q8559

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック(ミニPC)

NucBox G3 Intel N100 / 8GB / UHD
NucBox M5 Plus Ryzen 7 5825U / 16GB / Radeon
UM773 Lite Ryzen 7 7735HS / 16GB / Radeon 680M
GEEKOM GT13 Pro Core i9-13900H / 32GB / Iris Xe
MS-01 Core i9-12900H / 32GB / Iris Xe
ThinkCentre M75q Gen5 Ryzen 7 PRO 8700GE / 32GB / Radeon 780M

ゲーム性能について

ゲームについては、動作の軽い作品で画質や解像度を大きく落とせばプレーできるレベルです。息抜き程度ならアリかもしれませんが、ガッツリ楽しむには性能不足と考えてください。

※テスト結果は電源モード「Balance」時のものです

ドラクエ3(軽い)

GMKtec NucBox G3 Plus

画質や解像度を大きく落とせば、なんとかプレー可能です。

フレームレート

最低画質 最高画質
44~58 fps前後。シーンによっては一時的に20 fpsまで下がることがある。遊べないことはないが、画質はかなり貧相 常時11~15 fpsあたり。かなりガクガクした動きのため、プレーには厳しいレベル

マインクラフト 統合版(軽い)

GMKtec NucBox K8 Plus

序盤はなんとかプレーできるものの、建物やモブの多いマップだと厳しいかもしれません。

フレームレート

標準画質
プレー開始直後で、概ね21~33 fpsあたり。スムーズな動きではないが、気にしなければプレーできる。ただし村の建物を増やしたりすると、処理落ちする可能性大

熱と騒音について

※計測時の室温は14度前後。室温が変わると、結果が異なる場合があります

GMKtec NucBox G3 Plus

駆動音については本体から20cm離した簡易騒音計で計測しています

標準時(Balance)の熱と騒音

まず標準モードの「Balance」(PL1:10W / PL2:15W)で見ると、CPU温度は最大で70度、平均では67.6度と低く抑えられています。消費電力の平均値は、PL1とほぼ同値である「10W」前後を推移。動作クロックはやや低めで、N150の最大クロックである3.6GHzに対して、それよりも28%低い2.6GHz前後を推移していました。すでにこのモードで、消費電力を抑えて高い熱が生じないようにチューニングされていることがわかります。

GMKtec NucBox G3 Plus

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移(電源モード「Balance」時)

各項目の平均値と最大値

コアクロック 平均2617MHz 最大2893MHz
CPU温度 平均67.6度 最大70度
CPU消費電力 平均9.9W 最大13W

 

騒音については、ビックリするほど静かでした。一般的にN100搭載のミニPCでも高負荷時には騒音が聞こえるのですが、NucBox G3 Plusはほぼ無音です。

駆動音の計測結果(Balance)

電源オフ時 36.6dB
待機中 36.7dB前後 ほぼ無音
Windows Update時 36.7dB前後 同上
軽作業時(PCMark 10) 36.8dB前後 同上
高負荷時(CINEBENCH) 36.8dB前後 同上
(参考)エアコンの最大出力 48~58dB前後

高出力時(High Performance)の熱と騒音

高いパフォーマンスを発揮できる「High Performance」モード(PL1:15W / PL2:15W)では、CPU温度が最大で75度、平均では71.4度でした。CPU消費電力はPL2の15Wよりもやや低い12.4Wを推移しています。動作クロックは2.8GHz前後。温度的にはこれでも十分安全圏内でしょう。

GMKtec NucBox G3 Plus

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移(電源モード「High Performance」時)

各項目の平均値と最大値

コアクロック 平均2888MHz 最大2893MHz
CPU温度 平均71.4度 最大75度
CPU消費電力 平均12.4W 最大13.4W

 

GMKtec NucBox G3 Plus

電源モード「High Performance」時の表面温度。わずかにぬるく感じる程度の温かさ

高出力モードでは駆動音が大きく聞こえるものですが、NucBox G3 Plusではほとんど聞こえません。本体に耳を近づけるとわずかにモーターの振動が聞こえる程度で、通常の状態ではほぼ無音に感じます。

 

駆動音の計測結果(Performance)

電源オフ時 36.6dB
待機中 36.8dB前後 ほぼ無音だが、耳を近づけるとモーターの音がわずかに聞こえる
Windows Update時 36.7dB前後 同上
軽作業時(PCMark 10) 36.8dB前後 同上
高負荷時(CINEBENCH) 36.9dB前後 同上
(参考)エアコンの最大出力 48~58dBA前後

静音時(Quiet)の熱と騒音

「Quiet」モードでは、CPUの平均温度が64.3度と低く抑えられていましたす。ただ、標準の「Balance」モードと3.3度しか変わりません。発熱を抑えるという点では、それほどの効果はないと思います。

どちらかと言うと、電源を付けっぱなしで使うサーバー用途などで、消費電力を抑えたいときに使うモードでしょう。ただ2Wの差は24時間つけっぱなしで365日稼働したとしても、385円くらいの差額にしかならないようです。

GMKtec NucBox G3 Plus

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移(電源モード「Quiet」時)

各項目の平均値と最大値

コアクロック 平均2355MHz 最大2892MHz
CPU温度 平均64.3度 最大67度
CPU消費電力 平均7.9W 最大10W

 

このモードでも、動作音はほぼ無音でした。静かさは「Balance」モード時と変わりません。

駆動音の計測結果(Quiet)

電源オフ時 36.6dB
待機中 36.7dB前後 ほぼ無音
Windows Update時 36.9dB前後 同上
軽作業時(PCMark 10) 36.7dB前後 同上
高負荷時(CINEBENCH) 36.8dB前後 同上
(参考)エアコンの最大出力 48~58dBA前後

他機種との騒音比較

騒音(ファンの回転音や通気口からの排気音など)については、ダントツで静かです。ストレスなく利用できるでしょう。

ミニPCの騒音比較

CPU CINEBENCH R23 Score
GEEKOM GT13 Pro
37.6
53
GEEKOM AE7
39.3
52
GMKtec NucBox M5 Plus
48
50.5
ThinkCentre M75q Gen5 ※Ryzen 7
49.7
49.6
MINISFORUM MS-01
40.1
49
GMKtec NucBox M6
43
47.7
Acemagic T8 Plus N100
39.5
42
GMKtec NucBox K8 Plus
41.3
41.9
MINISFORUM UM773 Lite
41
41.9
GMKtec NucBox M7
40.3
41.3
NiPoGi AK1PLUS N97
37.2
40.5
GMKtec NucBox G6
39.4
38.7
NucBox G3 Plus
36.6
36.9

※「軽」は軽作業時、「高」は高負荷時。そのほかの機種の値は標準設定時、並び順は高負荷時で音が大きい順

N100搭載NucBox G3との比較

NucBox G3 Plusの前モデルである「NucBox G3」とは、スペック的にはCPUが異なるのみです。外観もサイズも機能もまったく変わりません。

GMKtec NucBox G3レビュー:Intel N100搭載で省電力性の高い2万円切り激安ミニPC
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GMKtec NucBox G3 Plus

NucBox G3 PlusとNucBox G3。インテルCPUのバッジ(シール)は少し違っています

GMKtec NucBox G3 Plus

前面からは違いがわかりません

GMKtec NucBox G3 Plus

インターフェース構成もまったく同じ

スペックに現われない部分ではUEFI(BIOS)画面が異なるのですが、あまり関係ありませんね。

GMKtec NucBox G3

NucBox G3のUEFI(BIOS)画面

 

性能については前述しましたが、CPUベンチマークテストでN100搭載のG3のほうが数パーセント程度上のスコアが出ています。スペック的にはN150のほうが上のはずです。おそらく個体差や計測時の誤差が原因でしょう。

CPUベンチマーク結果の比較

CPU CINEBENCH R23
NucBox G3(N100) ※標準
S796
M2865
NucBox G3 Plus(N150) ※Balance
S793
M2723

※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果

 

グラフィックス性能に関しては、N150搭載のG3 Plusのほうがスコアで勝っています。数値自体は低いもののその差は30%もあるので、誤差ではないと考えていいでしょう。ただ、普段の作業に大きく影響するほどではありません。

3Dベンチマーク結果の比較

GPU 3DMark Time Spy Graphics
NucBox G3 Plus(N150,UHD) ※Balance
421
NucBox G3(N100, UHD)
323

※スコアは当サイト計測値

 

総合性能を計測するPCMark10では、シングルコア性能が強く影響する「一般利用」でG3(N100搭載)がG3 Plus(N150搭載)を上回ったものの、そのほかのテストではG3 Plusのほうが上でした。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
G3 Plus7019
G37119
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
G3 Plus4645
G34259
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
G3 Plus2751
G32406

※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの

 

各テストで多少の差はあるものの体感的な違いはごくわずかで、総合的に考えればどちらも同程度の性能と言っていいと思います。

ただ静音性については、G3よりもG3 Plusのほうが優秀でした。この部分で選ぶのはアリだと思います。

ミニPCの騒音比較

CPU CINEBENCH R23 Score
NucBox G3
36.9
40.3
NucBox G3 Plus
36.6
36.9

※「軽」は軽作業時、「高」は高負荷時。そのほかの機種の値は標準設定時、並び順は高負荷時で音が大きい順

考察とまとめ

GMKtec NucBox G3 Plus

ベンチスコアは低くても運用では優秀なケースも

まず気になるのは、ベンチマークスコアがそれほど高くない点です。ほかの上位CPUはともかく、N100よりも下回る場合がチラホラと見かけられました。

しかしこれは、スコアに強く影響する「PL1」(電力制限のひとつ)が標準で10W、最大でも15Wと低く抑えられているためです。他社製品にはPL1が20~25Wあたりに設定されているものもあり、そういった機種のほうがベンチマークスコア的には優秀に見えるでしょう。

ただPL1を上げて性能を底上げしても、現われる結果は結局のところ「どんぐりの背比べ」レベルです。むしろ電力を抑えることで発熱によるパーツの劣化や電気代の上昇を防げるほうが、好ましいケースもあると思います。

また静音性が非常に高い点も、高評価です。格安なミニPCでも、意外にうるさい機種はありますからね。それらの点を考えると、運用面では優秀と言っていいかもしれません。

パーツを換装できる点がポイント

メモリーについては8 / 16GBですが、自分で16 / 32GBに交換できるのはやはりミニPCでは大事ではないでしょうか。増設非対応のLPDDR5は速度的には速いものの、やはり容量は自分で増やしたいもの。格安なミニPCでも、メモリースロットはマストであると考えています。

M.2スロットは、やはりSSDの容量を増やしたいときに便利ですよね。理想としてはPCIeが2基ですけど、値段的な安さを考えればひとつはSATAでも仕方がないかもしれません。メインSSDをSATAにして、PCIe対応のM.2スロットをOculink化できたらいいな~なんて妄想もはかどります。

フル機能のType-Cがあれば完璧

個人的に残念なのは、Type-Cに対応していない点です。2万円を切るミニPCはほとんどType-Cに対応していないのですが、これがあると活用の幅は広がりますよね。コスト的には厳しいのかもしれませんが、このくらいの価格帯でもぜひフル機能のType-Cに対応していただきたいものです。

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こまめ(タカハシリョウ)

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