GMKtecの「NucBox K8 Plus」は、Ryzen 7 8845HS / 32GBメモリー / PCIe 4.0 SSD / Windows 11 Pro搭載のミニPCです。記事執筆時点の価格は8万円前後。値段的にはややお高めですが、機能的にも性能的にも10万円オーバーの高級機に負けていません。
主な特徴
発売 | 2024年 | 価格 | 8~9万円前後 |
---|---|---|---|
OS | Windows 11 Pro | ライセンス | OEM版(問題なし) |
CPU | Ryzen 7 8845HS(Zen4) | メモリースロット | 2 |
グラフィックス | Radeon 780M(RDNA3) | SSD増設 | 可能 (M.2 Type-2280) |
メモリー | DDR5-5600 32GB(16GB×2) | Type-C | USB 4×2(PD/DP) |
ストレージ | 1~2TB M.2 PCIe 4.0 SSD | 電力制限(標準時) | PBP:54W / MTP:54W |
有線LAN | 2.5Gb×2 | 騒音 | 小さい |
パーツ構成的には最新・最強ではないものの、実際に使ってみると非常にパワフルであることがわかります。普段使いやビジネスなど、外部GPUを使わない作業には十分すぎるほどと言っていいでしょう。ゲームも軽めのものであれば、普通にプレーできました。
騒音は基本的には静かであるものの、常時モーター音が聞こえるので、気になる人には気になるかもしれません。
この記事ではメーカーから提供された実機を使って、外観や性能、実際の使い心地などをレビューします。
おことわり
このレビュー記事では、実機を10日間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。
スペック
発売日 | 2024年 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Ryzen 7 8845HS(Zen4、8コア16スレッド) |
NPU | 最大16TOPS |
メモリー | DDR5-5600 32GB ※16GB×2、最大96GB |
SSD | 1 / 2TB PCIe4.0 x4 NVMe SSD |
グラフィックス | Radeon 780M(RDNA3、CPU内蔵) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth5.2、有線LAN(2.5Gb)×2 |
インターフェース | USB4(PD/DP対応)×2、Oculink×1、USB3.2 Gen2 Type-A×2、USB2.0×2、HDMI×1、DisplayPort×1、有線LAN×2、ヘッドホン端子 |
ドライブベイ | なし |
スロット | M.2スロット×3(ストレージ用×2、Wi-Fi用×1) |
付属品 | VESAマウンタ、HDMIケーブル、電源アダプターなど |
サイズ / 重量 | 幅125.2×奥行き132.5×高さ58.8mm / 639g(実測値) |
Windowsのラインセンス
OSには、Windows 11 Proが使われています。ライセンスは通常のOEMライセンスです。ミニPCでは個人利用不可のボリュームライセンス(VL)が使われていることがありますが、NucBox M7のライセンスは問題ありません。
技適マークについて
無線通信機器に必要な技適マークは、本体底面部にシールとして貼られています。
上記番号は「総務省電波利用ホームページ」の検索結果で「K8」(他モデルと共通)のものとして登録されているのを確認しました。
関連リンク
PSEマークについて
電源アダプターには「電気用品安全法」の基準に適合していることを表わすPSEマークがプリントされていました。届出事業者名は「株式会社神州」で、国内での届け出を別の業者が担当したものと思われます。
システムのフルスキャン結果
検証時にWindows Defenderのフルスキャンを実施し、検知可能な脅威が存在しないことを確認しています。
価格
NucBox K8 Plusの表示価格は9万円台ですが、ときおり実施されるキャンペーンやクーポンによって、値段は大きく変わります。2024年待つであれば、1TB SSD搭載の最安モデルで8万円前後とイメージしておくといいでしょう。特に楽天の公式ショップでは、ポイントも還元されるのでお得です。
最安モデルの価格
販売ショップ | 価格 |
---|---|
アマゾン | 8万7984円 |
楽天 公式ショップ | 7万9990円 |
※2024年12月5日時点
パッケージ
外観
冷却性能の高い金属ケースを採用
インターフェース構成
Oculinkについて
Oculinkとは、グラボやSSDなどで使われている「PCIe」接続を、専用のケーブルや端子を使った外部接続で利用するための規格です。とりあえずはシンプルに「ミニPCでデスクトップPC用のグラボを使うためのもの」と考えるといいでしょう。
ほかのミニPCでは本体内部のM.2スロットをOculink用に使うことが多いのですが、NucBox K8 Plusでは専用端子が用意されているので、ストレージ用のM.2スロットを減らすことはありません。M.2スロットを消費するタイプに比べて手間が少なくて済むので便利です。
Oculinkではグラボ本来の性能から10~15%落ちるとのこと。多少性能が低下するものの、そこそこのグラボを使えば十分なパフォーマンスが得られると思います。
USB PD給電について
USB4端子は、映像出力とUSB PDによる給電にも対応しています。USB PDによる給電は、100Wの充電器での動作を確認しました。65W以下の充電器では電源が入る場合もあるものの、動作は不安定です。
UEFI(BIOS)設定で電源モードを変えた場合(詳しくは後述)、最大出力の「Performance」モードでのみ、100Wでも起動中に電源が落ちます。今回は手元に100Wまでの充電器しかなかったのですが、もしかすると100Wよりワット数が大きい充電器であれば、Performanceモードでもベンチマークを完走するかもしれません。
USB PD充電器での検証結果
Quiet | Balance | Performance | |
---|---|---|---|
100W充電器 | CPUベンチマーク完走 | CPUベンチマーク完走 | 起動中に落ちる |
65W充電器 | ベンチマーク中に落ちる | 起動中に落ちる | 起動中に落ちる |
※CPUベンチマークはCINEBENCH R23
分解・パーツ交換について
本体の分解方法
メモリーの増設について
SSDの増設・換装について
Wi-Fiまわりなど
メンテナンス性
UEFI(BIOS)設定画面
CPUの電力設定
「Main」→「Power Mode Select」から、CPUの消費電力モードを選択できます。標準は「Balance」で、「Peformance」を選べばCPU性能を底上げすることが可能です。「Quiet」を選ぶと、駆動音を抑えられます。
電力設定
項目名 | 概要 | PBP / MTP |
---|---|---|
Quiet | 性能を抑えることで駆動音を低減する | 35W / 35W |
Balance ※標準 | 標準のモード | 54W / 54W |
Performance | もっとも高性能だが騒音も大きい | 65W / 70W |
※「PBP」……プロセッサ・ベース・パワー、「MTP」……マックス・ターボ・パワー
ベンチマーク結果
検証機のスペック
CPU | Ryzen 7 8845HS(Zen4、8コア16スレッド) |
---|---|
メモリー | DDR5-5600 32GB ※16GB×2 |
ストレージ | 512GB PCIe4.0 x4 NVMe SSD |
グラフィックス | Radeon 780M(RDNA3、CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
パフォーマンス設定について
ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に、電源モードを「バランス」に設定した上で、UEFI(BIOS)設定から電力モードを「Balance」と「Performance」、「Quiet」に切り替えて実施しています。付属の電源アダプターは接続した状態です。
電力設定
表記 | 概要 | PBP / MTP |
---|---|---|
35W | Quietモード:性能を抑えることで駆動音を低減する | 35W / 35W |
54W | Balanceモード:標準のモード | 54W / 54W |
65W | Performanceモード:もっとも高性能だが騒音も大きい | 65W / 70W |
CPU性能
CPUとしては、Zen4世代のRyzen 7 8845HSが使われています。これは2023年12月にリリースされた、旧世代のハイエンドノートPC向けCPUです。
CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」では、当サイトがこれまで検証してきたミニPCのなかでもっとも優秀な結果が出ました。10万円オーバーの機種のスコアを軽々と超えています。
ミニPCの性能比較
CPU | CINEBENCH R23 Score |
---|---|
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) ※65W |
1776
16795
|
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) ※54W |
1788
16176
|
ThinkCentre M75q Gen5(Ryzen 7 PRO 8700GE) |
1810
14957 |
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS) |
1781
14483 |
MINISFORUM MS-01(Core i9-12900H) |
1720
14156 |
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) ※35W |
1759
13524
|
GMKtec NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H) |
1558
13374 |
MINISFORUM UM773 Lite(Ryzen 7 7735HS) |
1571
12478 |
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H) |
1723
11651 |
GMKtec NucBox M6 (Ryzen 5 6600H) |
1504
10281 |
GMKtec NucBox M5 Plus(Ryzen 7 5825U) |
1364
6514 |
GMKtec NucBox M5 (Ryzen 7 5700U) |
1228
6397 |
GMKtec NucBox G6(Ryzen 3 5425U) |
1334
4705 |
GMKtec NucBox G3(Intel N100) |
796
2882 |
GMKtec NucBox G5(N97) |
791
2877 |
※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果
ノートPCやミニPCの最新機種と比べても、スコアは悪くありません。むしろ最新モデルが10~25万円あたりであることを考えれば、8万円前後のNucBox K8 Plusはとても健闘していると言っていいでしょう。
最新PCの性能比較
CPU | CINEBENCH R24 Score |
---|---|
Yoga Pro 7 Gen 9(Ryzen AI 9 365) |
114
1069 |
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) ※65W |
106
975 |
Mac Mini(2024)(M4) |
174
938 |
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) ※54W |
107
910 |
Yoga Slim 7x Gen 9(Snapdragon X Elite X1E-78-100) |
106
898 |
IdeaPad Slim 5 Gen 8(Core Ultra 7 155H) |
105
897 |
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) ※35W |
106
826 |
NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H) |
91
740 |
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H) |
103
675 |
Yoga 7 2-in-1 Gen9(Ryzen 7 8840HS) |
97
665 |
Yoga Slim 7i Aura Edition Gen9(Core Ultra 7 258V) |
119
585 |
HP OmniBook Ultra Flip 14-fh(Core Ultra 7 258V) |
120
545 |
※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon 780M(RDNA3)が使われます。ベンチマークテスト「3DMark Time Spy Graphics」スコアは「3047」で、ミニPCとしてはかなり優秀な部類です。
同じRadeonでも、ひと世代前のRadeon 680M(RDNA2)とは大きく異なります。スコア差では2~3割程度といったところでしょうか。ゲームやクリエイティブワーク系で利用するなら、Radeon 780Mのほうが有利です。
ミニPCのグラフィックス性能
GPU | 3DMark Time Spy Graphics |
---|---|
RTX 3050(ノートPC)平均値 |
4874
|
Arc Graphics(LunarLake)平均値 |
3767
|
Arc Graphics平均値 |
3340
|
GMKtec NucBox K8 Plus(Radeon 780M) |
3047
|
GEEKOM NUC AE7(Radeon 780M) |
2940
|
Radeon 780M(RDNA3)平均値 |
2770
|
ThinkCentre M75q Tiny Gen 5(Radeon 780M) |
2456
|
MINISFORUM UM773 Lite(Radeon 680M) |
2363
|
NucBox M7(Radeon 680M) |
2358
|
Radeon 680M(RDNA2)平均値 |
2343
|
Minisforum MS-01(Iris Xe) |
1779
|
GEEKOM GT13 Pro(Iris Xe) |
1722
|
NucBox M6(Radeon 660M) |
1559
|
Iris Xe平均値 |
1510
|
NucBox M5 Plus(Radeon Vega) |
1104
|
NucBox G6(Radeon Vega) |
942
|
NucBox G5(N97, UHD) |
433
|
NucBox G3(N100, UHD) |
323
|
NucBox G1(N95, UHD) |
321
|
※スコアは当サイト計測値、平均値はUL Solutionsのデータを参考にしました
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。
テスト結果の見方
テスト名 | 概要 |
---|---|
Essentials (一般利用) |
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する |
Productivity (ビジネス利用) |
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する |
電力モードを変えてテストを行なったところ、どのモードでも各テストの目標値を大きく上回りました。ハイエンドクラスの機種とも大きな違いはなく、むしろ総合的には上回っています。ちょっと前のゲーミングノートPCと変わらないくらいで、普段使いや仕事には十分活用できるでしょう。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
10909
11087
10994
7119
9832
10783
10921
10849
10755 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
10560
10566
10575
4259
8842
9785
6840
7023
10805 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
9013
9674
9874
2406
4968
8695
7429
7978
8559 |
※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック(ミニPC)
▶NucBox G3 | Intel N100 / 8GB / UHD |
---|---|
▶NucBox M5 Plus | Ryzen 7 5825U / 16GB / Radeon |
▶UM773 Lite | Ryzen 7 7735HS / 16GB / Radeon 680M |
▶GEEKOM GT13 Pro | Core i9-13900H / 32GB / Iris Xe |
▶MS-01 | Core i9-12900H / 32GB / Iris Xe |
▶ThinkCentre M75q Gen5 | Ryzen 7 PRO 8700GE / 32GB / Radeon 780M |
クリエイティブ性能
「UL Procyon」は、世界的にも利用者が多く「デファクトスタンダード」とも言えるアドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測します。「PCMark 10」と比べて、より高度で実践的なテストを行なう点が特徴です。
テスト結果の見方
テスト名 | 概要 |
---|---|
Photo Editing | 「Photoshop」と「Lightroom Classic」を利用した、写真の加工・出力に関する総合評価 |
Video Editing | 「Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間からスコアが算出される |
検証機とそのほかのミニPCの結果は、以下のグラフのとおり。Photo EditingとVideo Editingのどちらもスコアが高く、ミニPCとしては最上位クラスの性能です。普通の写真加工やごく小規模の動画編集であれば、問題なく利用できるでしょう。
クリエイティブ性能の比較
CPU | UL Procyon |
---|---|
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) ※54W |
6053
9484
|
ThinkCentre M75q Gen5(Ryzen 7 PRO 8700GE, Radeon 780M)) |
5952
8065 |
GMKtec NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H, Radeon 680M) |
4614
7941 |
MINISFORUM MS-01(Core i9-12900H, Iris Xe) |
5349
7755 |
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS, Radeon 780M) |
5772
7195 |
GMKtec NucBox M6(Ryzen 5 6600H, Radeon 660M) |
4751
6941 |
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H, Iris Xe) |
4631
5491 |
GMKtec NucBox M5 Plus(Ryzen 7 5825U, Radeon) |
3526
4321 |
※「Photo」はPhoto Editing、「Video」はVideo Editing。スコアは当サイトの実機計測結果
ゲーム性能について
ゲーム性能については、優秀と言えるほどではありません。しかし軽いゲームであれば、画質や解像度を落とすことで普通のレベル(平均 60 fpsオーバー)で楽しめるでしょう。
※テスト結果は電源モード「Balance」時のものです
エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(やや軽い)
フルHDの最低画質で平均100 fpsオーバーあたり。画質を気にしなければ、普通に楽しめるレベルです。最高画質でも平均 60 fpsをやや下回る程度なので、そこそこの画質であればカジュアルプレーには十分かもしれません。ただ144 fps張り付きなどといった、ゲーミングPCクラスの性能には及ばないので注意してください。
フレームレート
最低画質 | 最高画質 |
---|---|
100~120 fps前後。普通にプレーできそうなレベル | 50~58 fps前後。多少のカクつきや動きの重さを感じる |
ドラクエ3(軽い)
フルHDで普通に遊べます。最高画質だとフレームレートが一時的に下がることがありますが、ほんの一瞬だけなので気になりません。ただし解像度は上げないほうが無難です。
フレームレート
最低画質 | 最高画質 |
---|---|
常時60 fps。普通にプレーできるが、画質は粗い | ほぼ60 fpsあたり。たまに下がることがあるが、気になるほどではない |
原神(軽い)
フルHDの最高画質でも60fpsをキープしています。ただし派手なエフェクトやオブジェクトが多いシーンではフレームレートが落ちるかもしれません。
フレームレート
最低画質 | 最高画質 |
---|---|
常時60 fpsあたりでカクつきは感じられない | ほぼ60 fpsあたり。シーンによっては重くなる場合があるかも |
FF14ベンチ(やや重い)
フルHDの最低画質で「6561」の「やや快適」との評価ですが、平均45.68 fpsは画面のカクつきがけっこう目立ちます。快適に遊べる目安である平均60 fpsにはまだ足りません。
評価とフレームレート
最低画質 | 最高画質 |
---|---|
6561(やや快適) 平均45.68 fps | 3923(設定変更を推奨) 平均27.52 fps |
SF6ベンチ(軽い)
フルHDの最低画質でも、平均60 fpsを下回る結果に。動きのカクつきはあまり目立たないものの、対戦中に違和感を感じることがあるかもしれません。
フレームレート
最低画質(内部解像度「5」) | 最高画質(内部解像度「5」) |
---|---|
FIGHTING GROUND:平均52.57 fps(問題なくプレイできます) | FIGHTING GROUND:平均29.88 fps(設定変更が必要です) |
マインクラフト 統合版(軽い)
標準のビデオ設定で、ときおりわずかのカクつく程度でした。ゲーム序盤については、問題なく楽しめるでしょう。しかし負荷の高い状況だと、重く感じるかもしれません。
フレームレート
標準画質 |
---|
プレー開始直後で平均59 fps前後。多少カクつく場面もあるが、とりあえずは普通に遊べる。ただしモブや建物が増えたりマルチプレーだとフレームレートが落ちる可能性がある |
サイバーパンク2077(超重い)
動きはカクカクで、プレーには厳しい状態です。このゲームはかなり重いので、仕方がないでしょう。
フレームレート
最低画質 | 最高画質(ウルトラ) |
---|---|
41.18 fps。遊べないことはないが、かなりのカクつきを感じる「 | 26.03 fps。プレーにならないレベル |
熱と騒音について
※計測時の室温は16度前後。室温が変わると、結果が異なる場合があります
標準時(54W)の熱と騒音
まず標準モードの「Balance」(54W)で見ると、CPU温度は最大で82.6度、平均では80.9度でした。許容範囲ではあるものの、温度が低いわけでもありません。とは言え、常用するならこの設定がおすすめです。
各項目の平均値と最大値
コアクロック | 平均4250.8MHz | 最大5040.9MHz |
---|---|---|
CPU温度 | 平均80.9度 | 最大82.6度 |
CPU消費電力 | 平均53.61W | 最大54.01W |
騒音については、高負荷時に排気音が大きく聞こえます。ただし常時聞き続けるわけではないので、それほど気にならないでしょう。ただ高いモーター音が常時わずかに聞こえるので、その点が気になる場合もあるかもしれません。
駆動音の計測結果(Balance)
電源オフ時 | 36.8dB | - |
---|---|---|
待機中 | 37.5dB | 基本的には静かだが、高周波のモーター音がわずかながらも常時聞こえる |
Windows Update時 | 38.3dB | 排気音と甲高いモーター音が少し聞こえる程度。音はハッキリと聞こえるが短時間なので気にならない |
軽作業時(PCMark 10) | 38~41.3dB前後 | ときおり大きめの排気音と低いモーター音が短時間聞こえるが、基本的には静か |
高負荷時(CINEBENCH) | 41.9dB前後 | 高いモーター音とやや大きめの排気音。静かではないが、うるさくも感じない |
(参考)エアコンの最大出力 | 48~58dBA前後 | - |
高出力時(65W)の熱と騒音
消費電力が高めに設定されている「Performance」モードでは、「Balance」に比べて平均クロックが3.5%アップしています。しかしCPU温度が平均89.6度と、やや大きく増えてしまいました。ベンチマークスコアでも大きな差が出ているわけではないので、少しでも性能を上げたいときでない限り、このモードは使わなくていいと思います。
各項目の平均値と最大値
コアクロック | 平均4401.6MHz | 最大5065.9MHz |
---|---|---|
CPU温度 | 平均89.6度 | 最大93度 |
CPU消費電力 | 平均64.81W | 最大70.00W |
消費電力が増えて熱が上昇したことで冷却用のファンが強く回るため、騒音も大きく聞こえます。特に高負荷時の音は、うるさく感じました。ただ本体を持ち上げると音がだいぶ減ったので、もしかすると机と共振していたのかもしれません。環境によっては、音の聞こえ方がだいぶ変わる可能性があります。
駆動音の計測結果(Performance)
電源オフ時 | 36.8dB | - |
---|---|---|
待機中 | 38.5dB | 基本的には静かだが、高周波のモーター音がわずかながらも常時聞こえる |
Windows Update時 | 44dB前後 | 大きめの排気音と甲高いモーター音が聞こえるが、その時間は短く1~1.5分程度 |
軽作業時(PCMark 10) | 39~44.1dB前後 | ときおりファンが強く回って、騒音が大きく聞こえる。ただし短時間なので、特に気にならない |
高負荷時(CINEBENCH) | 51dB前後 | 排気音が非常に大きい。モーターの回転音がさらに一段間甲高くなり、耳障りに感じる |
(参考)エアコンの最大出力 | 48~58dBA前後 | - |
静音時(35W)の熱と騒音
消費電力を抑えた「Quiet」モードでは、CPUの平均温度が60.9度と低く抑えられています。そのぶん動作音も小さくなる(後述)のですが、パフォーマンスもやや下がってしまうので注意してください。
各項目の平均値と最大値
コアクロック | 平均3681.8MHz | 最大5065.9MHz |
---|---|---|
CPU温度 | 平均60.9度 | 最大64.6度 |
CPU消費電力 | 平均34.87W | 最大35.00W |
熱がだいぶ抑えられているだけあって、音については静かです。普通に作業していても、うるさく感じることはありません。このモードでもミドルレンジクラスのパフォーマンスは出るので、静かな状態で使いたい人には十分アリだと思います(高いモーター音が聞こえるので、完全に静かというわけではありませんが)。
駆動音の計測結果(Quiet)
電源オフ時 | 36.8dB | - |
---|---|---|
待機中 | 37.5dB | 基本的には静かだが、高周波のモーター音がわずかながらも常時聞こえる |
Windows Update時 | 40dB前後 | 排気音と甲高いモーター音が一瞬聞こえる程度 |
軽作業時(PCMark 10) | 37.6~38.6dB前後 | 待機時とほぼ変わらず |
高負荷時(CINEBENCH) | 40dB前後 | モーター音が少し聞こえるが、基本的にはうるさくはない |
(参考)エアコンの最大出力 | 48~58dBA前後 | - |
他機種との騒音比較
騒音(ファンの回転音や通気口からの排気音など)はハッキリと聞こえるものの、よっぽどの設定でない限りうるさくは感じませんでした。基本的には静かではあるものの、常に高周波のようなモーターの回転音が聞こえます。この点が気になる人もいるかもしれません。
ミニPCの騒音比較
CPU | CINEBENCH R23 Score |
---|---|
GEEKOM GT13 Pro |
37.6
53 |
GEEKOM AE7 |
39.3
52 |
GMKtec NucBox K8 Plus ※65W |
44.1
51
|
GMKtec NucBox M5 Plus |
48
50.5 |
ThinkCentre M75q Gen5 ※Ryzen 7 |
49.7
49.6 |
MINISFORUM MS-01 |
40.1
49 |
GMKtec NucBox M6 |
43
47.7 |
Acemagic T8 Plus N100 |
39.5
42 |
GMKtec NucBox K8 Plus ※54W |
41.3
41.9
|
MINISFORUM UM773 Lite |
41
41.9 |
GMKtec NucBox M7 |
40.3
41.3 |
NiPoGi AK1PLUS N97 |
37.2
40.5 |
GMKtec NucBox K8 Plus ※35W |
38.6
40
|
GMKtec NucBox G6 |
39.4
38.7 |
※「軽」は軽作業時、「高」は高負荷時。そのほかの機種の値は標準設定時、並び順は高負荷時で音が大きい順
考察とまとめ
価格はミドルでも性能はハイエンド
NucBox K8 Plusの相場価格は、2024年末時点で8万円前後。価格的にはミドルレンジ(中級向け)でも上のほうに相当する「ミドルハイ」クラスです。しかしベンチマーク結果を見るとおわかりのように、10万円オーバーのハイエンド(上級向け)な高級機を上回っています。しかもUSB4×2とOculink対応で機能面でもしっかりしている上に、静音性に関しても十分な仕上がり。パフォーマンスを重視したい人でも、もうこれでいいのではないでしょうか?
いま人気のNucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H搭載)と比べると、CPU面でもグラフィックス面でもワンランク上の結果が出ています。K8 Plusのほうが現時点では3万円高いものの、メモリー容量倍増&SSDが高速化という点も踏まえれば、十分な価値はあると言っていいでしょう。