HPの「OMEN 17-ck0000」(以下、”OMEN 17″)は、第11世代CoreプロセッサとGeForce RTX 30 Laptopシリーズを搭載するゲーミングノートPCです。グレード的にはアッパーミドル(中上級)からハイエンド(上級)向け。高いゲーミング性能と、ゲーマー向けに配慮された機能を備えています。
ポイント
- 😄 優れたパフォーマンス
- 😄 165HzのWQHDパネル
- 😄 Nキーロールオーバー対応
- 🙄 本体がかなり大きい
- 🙄 英字配列キーボード
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
スペック
OS | Windows 11 Pro |
---|---|
ディスプレイ | 17.3インチ 非光沢 タッチ非対応 |
パネル | 2560×1440 165Hz G-Sync対応/非対応 |
CPU | Core i7-11800H / Core i9-11900H |
メモリー | 16 / 32GB DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB SSD |
グラフィックス | RTX 3070(8GB)/RTX 3080(16GB) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、有線LAN(1.0Gbps) |
インターフェース | USB4/Thunderbolt 4×1、USB(フルサイズ)×3、HDMI2.1、Mini DisplayPort、有線LAN、SDカードスロット、マイク入力/ヘッドフォン出力 |
生体認証 | なし |
サイズ / 重量 | 幅397.1×奥行き262×高さ29.5mm / 約2.78kg |
バッテリー | 最大5時間 |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-11800H |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 3070 (8GB) |
最大グラフィックスパワー | 140W |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第11世代のCore i7-11800HまたはCore i9-11900H が使われています。試用機で使われているCore i7-11800Hは本来非常に優秀なCPUですが、ベンチマークテストでは同じCPUの平均値を19%下回る結果が出ました。おそらく熱対策として、CPUのパフォーマンスをあえて抑えているのだと思われます。ゲーミングノートPC向けとしてはワンランク下の結果ですが、ノートPC全体で見れば非常に高性能です。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-12700H |
6511
|
Ryzen 9 5900HX |
5025
|
Core i7-11800H |
4736
|
Ryzen 7 5800H |
4681
|
OMEN 17(Core i7-11800H) |
3863
|
Ryzen 7 5800U |
3829
|
Ryzen 7 5700U |
3512
|
Core i5-11400H |
2992
|
Ryzen 5 5500U |
2817
|
Core i7-1185G7 |
2301
|
Core i7-11370H |
2285
|
Core i5-1135G7 |
2063
|
Ryzen 3 5300U |
2010
|
Core i7-1165G7 |
1963
|
Core i3-1115G4 |
1314
|
Ryzen 3 3250U |
818
|
Athlon Silver 3050U |
624
|
Celeron N4500 |
426
|
Celeron 6305 |
416
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としてはミドルハイ(アッパーミドル)向けのRTX 3070または、ハイエンド向けのRTX 3080が使われています。
RTX 3070搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、同じGPUの平均値上回る優秀な結果が出ました。CPUはあえて性能を落としているような結果でしたが、GPUについては十分性能を引き出せているようです。ゲームではGPU性能のほうが重要なので、このチューニングはアリでしょう。
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
11612
|
OMEN 17(RTX 3070) |
10155
|
RTX 3070 |
9707
|
RTX 2080 |
9599
|
RTX 3060 |
8297
|
RTX 2070 |
7660
|
RTX 2060 |
5860
|
GTX 1660 Ti |
5626
|
RTX 3050 Ti |
5207
|
RTX 3050 |
4426
|
GTX 1650 Ti |
3686
|
GTX 1650 |
3178
|
Surface Pro 8(Iris Xe) |
1658
|
Iris Xe (Core i7) |
1250
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
28274
|
OMEN 17(RTX 3070) |
26371
|
RTX 3070 |
25161
|
RTX 2080 |
25078
|
RTX 3060 |
21476
|
RTX 2070 |
20037
|
RTX 2060 |
15685
|
GTX 1660 Ti |
14451
|
RTX 3050 Ti |
13528
|
RTX 3050 |
11051
|
GTX 1650 Ti |
10123
|
GTX 1650 |
8758
|
Surface Pro 8(Iris Xe) |
5527
|
Iris Xe (Core i7) |
4486
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
レイトレーシング性能もなかなか優秀です。ハイエンドGPUほどではありませんが、タイトルによっては美しい映像を堪能できるでしょう。
GPUの性能 (レイトレーシング)
GPU | 3DMark Port Royal Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
7148
|
OMEN 17(RTX 3070) |
6199
|
RTX 3070 |
5957
|
RTX 2080 |
5675
|
RTX 3060 |
4909
|
RTX 2070 |
4498
|
RTX 2060 |
3330
|
GTX 1660 Ti |
1487
|
RTX 3050 Ti |
585
|
RTX 3050 |
537
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
Core i7-11800H & RTX 3070搭載の試用機では、非常に優秀なスコアでした。CPUベンチマークの結果はあまりふるわなかったものの、実利用を想定したテストでは十分過ぎるほどです。ゲームはもちろん、動画編集や高度なデータ処理などの重い処理でも活躍するでしょう。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
10103
9477
8362
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
9032
6534
8253
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
10398
5363
6187
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
ゲーム性能
RTX 3070搭載モデルでゲーム系ベンチマークを試したところ、フルHD(1920×1080)ではレイトレーシングを用いた最高画質でも快適に楽しめそうです。WQHD(2560×1440)では、タイトルによってはレイトレーシングを無効化する必要があるかもしれません。人気のバトロワ系タイトルについては、画質を調整することで165 FPSあたりで楽しめると思います。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 8794 / 快適 |
標準品質 | 11894 / とても快適 |
軽量品質 | 12786 / 非常に快適 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
GPU | FF15ベンチのスコア目安(高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
12484
|
RTX 2080 |
9427
|
RTX 3070 |
8306
|
RTX 3060 |
7792
|
RTX 2070 |
7530
|
RTX 2060 |
5584
|
GTX 1660 Ti |
5605
|
RTX 3050 Ti |
4855
|
RTX 3050 |
4122
|
GTX 1650 Ti |
3801.5
|
GTX 1650 |
3472.5
|
Iris Xe (Core i7) |
1347
|
Radeon (Ryzen 7) |
1027
|
※スコアは当サイト計測値の平均
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 19305 / 140.5 FPS |
高品質 | 21478 / 159.1 FPS |
標準品質 | 23374 / 173.9 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GPU | FF14ベンチのFPS目安(最高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
134
|
RTX 2080 |
130.8
|
RTX 3070 |
131.25
|
RTX 3060 |
119.2
|
RTX 2070 |
109.1
|
RTX 2060 |
90.3
|
GTX 1660 Ti |
95.15
|
RTX 3050 Ti |
92.5
|
RTX 3050 |
76.3
|
GTX 1650 Ti |
69.65
|
GTX 1650 |
63.05
|
Iris Xe (Core i7) |
17.2
|
Radeon (Ryzen 7) |
17.9
|
※スコアは当サイト計測値の平均
ファークライ6(ちょっと重い / DX12)
フルHD / レイトレ無効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 104 FPS / 64 FPS |
高 | 114 FPS / 68 FPS |
中 | 120 FPS / 77 FPS |
低 | 135 FPS / 82 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
フルHD /レイトレ有効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 89 FPS / 54 FPS |
高 | 94 FPS / 60 FPS |
中 | 97 FPS / 68 FPS |
低 | 98 FPS / 79 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
WQHD / レイトレ無効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 81 FPS / 62 FPS |
高 | 90 FPS / 68 FPS |
中 | 96 FPS / 69 FPS |
低 | 107 FPS / 81 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
WQHD /レイトレ有効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 72 FPS / 54 FPS |
高 | 77 FPS / 59 FPS |
中 | 84 FPS / 63 FPS |
低 | 86 FPS / 72 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシン クリード ヴァルハラ (重い / DX12、DLLS非対応)
フルHD
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 85 FPS / 27 FPS |
高+ | 91 FPS / 37 FPS |
高 | 98 FPS / 33 FPS |
中 | 113 FPS / 44 FPS |
低 | 128 FPS / 40 FPS |
※DLSS非対応、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
WQHD
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 66 FPS / 22 FPS |
最高 | 72 FPS / 31 FPS |
最高 | 75 FPS / 31 FPS |
中 | 89 FPS / 40 FPS |
低 | 104 FPS / 55 FPS |
※DLSS非対応、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GPU | FPS目安(高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
74
|
RTX 3070 |
68
|
RTX 3060 |
63
|
RTX 3050 Ti |
35
|
RTX 3050 |
21
|
GTX 1650 Ti |
22
|
※スコアは当サイト計測値の平均
大きな画面のノートPCでゲームを楽しみたい人に
まず17.3インチの大画面を搭載している点がポイントです。ゲーミングノートPCでは一般的な15.6インチよりも画面がひと回り大きいので、そのぶんターゲットを捉えやすく感じるでしょう。映像の迫力もアップするはずです。
ただしそのぶん、本体が大きい点が気になるかもしれません。外観は比較的スタイリッシュではあるものの、ノートPCとしてはかなり巨大です。
とは言え本体が大きいからこそ内部に熱がこもりにくく、優れたパフォーマンスを発揮できている面もあります。本体の大きさが気にならないなら、検討する価値はあるでしょう。値段は22万円台(2022年2月中旬時点)からとやや高めですが、高い満足感を得られる機種です。
*
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