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THIRDWAVE SA507iレビュー:スリムでコンパクトな15.6インチノートPC

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THIRDWAVE-SA507i

THIRDWAVE SA507iは、15.6インチディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCです。モバイルタイプよりも大きな画面を搭載しているにも関わらず、本体は薄くてコンパクト。その上バッテリー駆動時間が長く、屋内や屋外での持ち歩きにも向いています。

 

THIRDWAVE SA507i

15.6インチフルHDディスプレイ搭載のスタンダードノートPC「THIRDWAVE SA507i」

この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

スペック

OS Windows 11 Home
ディスプレイ 15.6インチ 1920×1080 非光沢 タッチ非対応
CPU Core i7-1165G7
メモリー 16GB LPDDR4x-3733 ※オンボード 増設不可
ストレージ 512GB NVMe SSD
グラフィックス Iris Xe(CPU内蔵)
通信 Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2
インターフェース Thunderbolt 4(USB PD充電 / 映像出力対応)×2、USB 3.2 Type-A Gen2×1、microSDカードスロット、HDMI2.0b、ヘッドフォン出力 / マイク入力
生体認証 指紋センサー
サイズ / 重量 幅358mm、奥行き233mm、高さ19mm / 約1.7kg
バッテリー 約12時間

本体デザイン

THIRDWAVE-SA507i 外観

THIRDWAVE-SA507iの外観。本体カラーはメタリックなブルー

 

THIRDWAVE-SA507i 天板

ボディは質感と剛性に優れるアルミ製。天板にエンブレムやロゴは一切なく、シンプルな外観です

 

THIRDWAVE-SA507i デザイン

キリッとしたスリムなデザイン

 

THIRDWAVE-SA507i キーボード面

キーボード面

 

THIRDWAVE-SA507i ベゼル

ベゼルはかなり細く作られており、画面周りがスッキリとしています

 

THIRDWAVE-SA507i インターフェース

インターフェースは十分な構成。Thunderbolt 4を2ポート用意しているほか、右側面には指紋センサーが配置されています

 

THIRDWAVE-SA507i 電源アダプター

付属の電源アダプターは65WのType-Cで重さは221g。ケーブルを取り外せるほかプラグの折りたたみが可能で、充電器のように扱えます

 

THIRDWAVE-SA507i スピーカー

スピーカーはキーボード両脇に配置されています。音量がやや小さく、さらに音がこもって聞こえました。最近のノートPCとしては、音質は良くありません。ヘッドホンや外部スピーカーの利用をおすすめします

 

THIRDWAVE-SA507i カメラ

ディスプレイ上部のWebカメラはプライバシーシャッター付き。画素数は92万画素で、ビデオ撮影は720p 30Hzまで

 

THIRDWAVE-SA507i 排気口

排気口はこの部分。CPUの熱で温められた空気が、ディスプレイに当たります

 

THIRDWAVE-SA507i 底面

底面部には吸気口が設けられています

 

THIRDWAVE-SA507i 底面

底面部にはM.2スロット用と思われるカバーがありましたが、試用機ではネジをうまく回せなかったので取り外しは断念しています

サイズと重量

THIRDWAVE-SA507i サイズ

本体サイズは幅358mm、奥行き233mm

 

THIRDWAVE-SA507i 大きさ

A4ノート(ピンク)とB5ノート(ブルー)とのサイズ比較。B4サイズよりひと回り強小さく、15.6インチタイプとしてはコンパクトです

 

THIRDWAVE-SA507i 厚さ

厚さは17.3mm(突起部を除く)。スタンダードノートPCでここまで薄いモデルはなかなかありません

 

THIRDWAVE-SA507i 薄さ

底面部のゴム足(突起部)を含めた高さは実測で18.8mm。15.6インチとしては非常にスリム

 

THIRDWAVE-SA507i 重さ

重さは実測で1.751kg。最近の15.6インチとしては、平均よりやや軽めといったところ

ディスプレイについて

THIRDWAVE-SA507i 画面サイズ

画面サイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ノートPCとしてはもっとも標準的なスペックです

 

THIRDWAVE-SA507i 映像品質

ディスプレイの色合いは自然ですが、画面がやや暗く感じます。作業には問題ないものの、画面の暗さで色合いがやや寒色系に感じました。鮮やかさはほどほどですが、ノートPCとしては標準的です

 

THIRDWAVE-SA507i 視野角

パネルは広視野角タイプ。映像を斜めから見ても、色や明るさはあまり変わりません。IPS相当と考えてOK

キーボードについて

THIRDWAVE-SA507i キーボード

キーボードはテンキー付きの日本語配列

 

THIRDWAVE-SA507i バックライト

キーボードバックライトに対応

 

THIRDWAVE-SA507i テンキー

配列に違和感はないものの、テンキーが一般的な4列構成ではなく3列構成です。キーがかなり小さいので、慣れるのに時間がかかるかもしれません

 

THIRDWAVE-SA507i タッチパッド

テンキーはあるのに、タッチパッドでも数値入力が可能です。キーの配列的には、こちらのほうが違和感が少ないかもしれません。この機能が取り入れられているためか、パッドのクリックがとても固めです

 

THIRDWAVE-SA507i タイプ感

キーピッチは実測で19.5mm。一般的な19mmよりも大きく、意識的に指を広げるようにして入力したほうがタイプミスは少なそうです

 

THIRDWAVE-SA507i タイプ感

タイプ感はやや固めで、手応えはしっかり感じられます。ストロークは標準的ですが、わずかに軸のブレを感じました。押下圧が高いので、指にちょっと力を込めて入力したほうが良さそうです

 

THIRDWAVE-SA507i タイプ音

軽い力で入力しても、タイプ音はカタカタと聞こえます。うるさくはないのですが、静かな場所では周囲へ配慮したほうがいいかもしれません。あまり指を上げ下げせずに、しっかりキーを入力する人に向いています

ベンチマーク結果

試用機のスペック

CPU Core i7-1165G7
メモリー 16GB
ストレージ 512GB NVMe SSD
グラフィックス Iris Xe Graphics(CPU内蔵)

※ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に設定した上で、電源アダプターを接続した状態で実施しています

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

CPU性能

CPUとしては、第11世代のCore i7-1165G7が使われています。ひとつ前の世代のCPUですが、事務作業や普段使い、学習用には十分。のはずなのですが、試用機ではなぜかベンチマークテストのスコアが低めに出ました。もしかすると試用機になにか問題があったのかもしれませんが、本体の薄さを実現するためにあえてパフォーマンスを落としている可能性もあります。

 

CPUの性能差 (マルチコア性能)

CPU CINEBENCH R23 CPUスコア
Ryzen 7 6800U
10440
Ryzen 7 5825U
9728
Core i7-1260P
8447
Core i7-1255U
7819
Ryzen 5 5625U
7580
Core i5-1235U
5989
Core i3-1215U
5715
Ryzen 3 5400U
5693
Core i5-1135G7
4932
Core i7-1165G7
4711
THIRDWAVE-SA507i
3655
Core i3-1115G4
3378

※10分間実行し続けた際の最終スコア。そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

CPUの性能差 (総合性能)

CPU PassMark 10 CPU Markスコア
Ryzen 7 6800U
20679
Core i7-1260P
20238
Ryzen 7 5800U
19213
Ryzen 5 5600U
17530
Core i7-1165G7
11723
Ryzen 3 5400U
11695
Core i5-1135G7
11249
THIRDWAVE-SA507i
10156
Core i3-1115G4
6750

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

ベンチマークテストの結果をどう捉えるかは人それぞれですが、事務作業や普段使い中心なら特に問題はないでしょう。ちょっとした動画の編集や大量の画像処理、高度なデータ演算などを行なうなら、大きくて重いパワーの出る機種を選んだほうがいいかもしれません。

グラフィックス性能

グラフィックス性能を計測する3Dベンチマークテストでは、Iris Xe + LPDDRタイプとしては妥当な結果が出ています。ただCPU性能が強く影響するDirectX 12のテストでは、若干低めの結果でした。

 

ほかのCPU内蔵グラフィックスと比較しても、なかなか優秀な結果です。ただし大作ゲームや高度な動画編集を行なえるほどではありません。あくまでもごく軽めのゲーム、小規模な作品作り向きと考えてください。

 

GPUの性能差(DirectX 12)

GPU 3DMark Time Spy Graphicsスコア
GTX 1650
3241
Radeon 680M(Ryzen7)
2014
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x)
1528
THIRDWAVE-SA507i
1359
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x)
1302
Iris Xe(Core i7+DDR4)
1149
Radeon (Ryzen 7)
1000
Iris Xe(Core i5+DDR4)
977
Iris Plus
812
Radeon (Ryzen 5)
784
Radeon (Ryzen 3)
619
UHD
407

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

 

GPUの性能差(DirectX 11)

GPU 3DMark Fire Strike Graphicsスコア
GTX 1650
8513
Radeon 680M(Ryzen7)
6467
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x)
4734
THIRDWAVE-SA507i
4653
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x)
4059
Iris Xe(Core i7+DDR4)
3420
Radeon (Ryzen 7)
3384
Iris Plus
2880
Radeon (Ryzen 5)
2652
Iris Xe(Core i5+DDR4)
2474
Radeon (Ryzen 3)
2324
UHD
1335

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

PCを使った作業の快適さ

PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。

 

ベンチマークテストの結果は悪くはありません。各テストの目標値は大きく上回っており、軽めの作業であれば問題なく行なえます。ただただやはり、パフォーマンスがわずかに抑えられているような印象を受けます。THIRDWAVE-SA507iは見た目で選ぶノートPCと考えたほうがいいかもしれません。

 

PCMark 10ベンチマーク結果

テスト スコア
Essentials
(一般的な利用)
目標値:4100
SA507i9136
Pro 89477
Studio8362
Inspiron9667
R5-CA9418
UL7C10093
Productivity
(ビジネス利用)
目標値:4500
SA507i6122
Pro 86534
Studio8253
Inspiron8530
R5-CA7927
UL7C8766
Digital Contents Creation
(コンテンツ制作)
目標値:3450
SA507i4840
Pro 85363
Studio6187
Inspiron8109
R5-CA8486
UL7C10284

※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの

比較機のスペック

Surface Pro 8 Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe
Surface Studio Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti
Inspiron 16 Plus Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050
raytrek R5-CA Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060
GALLERIA UL7C-R37 Core i7-11800H / 16GB / RTX 3070

バッテリー駆動時間

バッテリーの駆動時間は約12時間とされています。ただし公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。

 

そこでビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、開始から14時間で休止状態へ移行しました。作業によって実駆動時間は変わるはずですが、比較的バッテリー消費の大きい状態でこれだけ持つなら十分です。

 

なお電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。ただしバッテリー駆動時はパフォーマンスが大きく下がる可能性がある点に注意してください。

 

バッテリー駆動時間の計測結果

テスト方法 バッテリー消費 駆動時間
※公称値 約12時間
Modern Office (ビジネス作業) 14時間
50%充電までにかかった時間 55分
フル充電までにかかった時間 2時間30分

※テストの条件や計測方法についてはコチラ

見た目と扱いやすさで選ぶ15.6インチ

THIRDWAVE-SA507i

ベンチマークテストの結果はあまり振るいませんでしたが、もしかするとTHIRDWAVE-SA507iはパフォーマンスよりもデザインや持ち運びやすさの面を重視しているのかもしれません。15.6インチのスタンダードノートPCとしては非常に薄く、ほかでは見られないスタイリッシュな外観です。バッテリー駆動時間もかなり長く、屋内 / 屋外での持ち歩きでも利用できるでしょう。

 

性能が抑えられていると言っても、普段使いや会社 / 学校での作業には十分です。筆者のようなマニアはとにかくパフォーマンスを追求しがちですが、普通の人が普通に使うなら案外このあたりがちょうどいいのかもしれません。

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記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

お買い得パソコン評論家。毎日各メーカー・各ショップのWebページを500p以上チェックして、安くてお得なパソコンを探しています。元雑誌・書籍編集者で、PC系フリーライターでもあるオジサン。文章に関わる仕事を始めてから25年以上。最高195万PV/月

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