THIRDWAVE SA507iは、15.6インチディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCです。モバイルタイプよりも大きな画面を搭載しているにも関わらず、本体は薄くてコンパクト。その上バッテリー駆動時間が長く、屋内や屋外での持ち歩きにも向いています。
ポイント
- 😄 薄くて小さい15.6インチ
- 😄 バッテリーは長もち
- 🙄 性能はやや控えめ
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
スペック
OS | Windows 11 Home |
---|---|
ディスプレイ | 15.6インチ 1920×1080 非光沢 タッチ非対応 |
CPU | Core i7-1165G7 |
メモリー | 16GB LPDDR4x-3733 ※オンボード 増設不可 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
グラフィックス | Iris Xe(CPU内蔵) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
インターフェース | Thunderbolt 4(USB PD充電 / 映像出力対応)×2、USB 3.2 Type-A Gen2×1、microSDカードスロット、HDMI2.0b、ヘッドフォン出力 / マイク入力 |
生体認証 | 指紋センサー |
サイズ / 重量 | 幅358mm、奥行き233mm、高さ19mm / 約1.7kg |
バッテリー | 約12時間 |
本体デザイン
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-1165G7 |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
グラフィックス | Iris Xe Graphics(CPU内蔵) |
※ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に設定した上で、電源アダプターを接続した状態で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、第11世代のCore i7-1165G7が使われています。ひとつ前の世代のCPUですが、事務作業や普段使い、学習用には十分。のはずなのですが、試用機ではなぜかベンチマークテストのスコアが低めに出ました。もしかすると試用機になにか問題があったのかもしれませんが、本体の薄さを実現するためにあえてパフォーマンスを落としている可能性もあります。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R23 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 7 6800U |
10440
|
Ryzen 7 5825U |
9728
|
Core i7-1260P |
8447
|
Core i7-1255U |
7819
|
Ryzen 5 5625U |
7580
|
Core i5-1235U |
5989
|
Core i3-1215U |
5715
|
Ryzen 3 5400U |
5693
|
Core i5-1135G7 |
4932
|
Core i7-1165G7 |
4711
|
THIRDWAVE-SA507i |
3655
|
Core i3-1115G4 |
3378
|
※10分間実行し続けた際の最終スコア。そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark 10 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 6800U |
20679
|
Core i7-1260P |
20238
|
Ryzen 7 5800U |
19213
|
Ryzen 5 5600U |
17530
|
Core i7-1165G7 |
11723
|
Ryzen 3 5400U |
11695
|
Core i5-1135G7 |
11249
|
THIRDWAVE-SA507i |
10156
|
Core i3-1115G4 |
6750
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ベンチマークテストの結果をどう捉えるかは人それぞれですが、事務作業や普段使い中心なら特に問題はないでしょう。ちょっとした動画の編集や大量の画像処理、高度なデータ演算などを行なうなら、大きくて重いパワーの出る機種を選んだほうがいいかもしれません。
グラフィックス性能
グラフィックス性能を計測する3Dベンチマークテストでは、Iris Xe + LPDDRタイプとしては妥当な結果が出ています。ただCPU性能が強く影響するDirectX 12のテストでは、若干低めの結果でした。
ほかのCPU内蔵グラフィックスと比較しても、なかなか優秀な結果です。ただし大作ゲームや高度な動画編集を行なえるほどではありません。あくまでもごく軽めのゲーム、小規模な作品作り向きと考えてください。
GPUの性能差(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
3241
|
Radeon 680M(Ryzen7) |
2014
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
1528
|
THIRDWAVE-SA507i |
1359
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
1302
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
1149
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
977
|
Iris Plus |
812
|
Radeon (Ryzen 5) |
784
|
Radeon (Ryzen 3) |
619
|
UHD |
407
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能差(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
Radeon 680M(Ryzen7) |
6467
|
Iris Xe(Core i7+LPDDR4x) |
4734
|
THIRDWAVE-SA507i |
4653
|
Iris Xe(Core i5+LPDDR4x) |
4059
|
Iris Xe(Core i7+DDR4) |
3420
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Xe(Core i5+DDR4) |
2474
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリー性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようです。
ベンチマークテストの結果は悪くはありません。各テストの目標値は大きく上回っており、軽めの作業であれば問題なく行なえます。ただただやはり、パフォーマンスがわずかに抑えられているような印象を受けます。THIRDWAVE-SA507iは見た目で選ぶノートPCと考えたほうがいいかもしれません。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9136
9477
8362
9667
9418
10093 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
6122
6534
8253
8530
7927
8766 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
4840
5363
6187
8109
8486
10284 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶Surface Pro 8 | Core i7-1185G7 / 16GB / Iris Xe |
---|---|
▶Surface Studio | Core i7-11370H / 16GB / RTX 3050 Ti |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
▶GALLERIA UL7C-R37 | Core i7-11800H / 16GB / RTX 3070 |
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は約12時間とされています。ただし公称値は実際の利用を想定した測定結果ではないため、実際の利用では駆動時間が短くなりがちです。
そこでビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、開始から14時間で休止状態へ移行しました。作業によって実駆動時間は変わるはずですが、比較的バッテリー消費の大きい状態でこれだけ持つなら十分です。
なお電源プランや画面の輝度を変更すれば、駆動時間はさらに延びる可能性があります。ただしバッテリー駆動時はパフォーマンスが大きく下がる可能性がある点に注意してください。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 約12時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 14時間 |
50%充電までにかかった時間 | - | 55分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間30分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
見た目と扱いやすさで選ぶ15.6インチ
ベンチマークテストの結果はあまり振るいませんでしたが、もしかするとTHIRDWAVE-SA507iはパフォーマンスよりもデザインや持ち運びやすさの面を重視しているのかもしれません。15.6インチのスタンダードノートPCとしては非常に薄く、ほかでは見られないスタイリッシュな外観です。バッテリー駆動時間もかなり長く、屋内 / 屋外での持ち歩きでも利用できるでしょう。
性能が抑えられていると言っても、普段使いや会社 / 学校での作業には十分です。筆者のようなマニアはとにかくパフォーマンスを追求しがちですが、普通の人が普通に使うなら案外このあたりがちょうどいいのかもしれません。
*
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