
機材貸し出し:レノボジャパン
レノボの『Yoga Mini 01IPH11(Intel)』は、インテルのCore Ultra 5 325を搭載するミニPCです。直径130mm・600gの円筒形で、PCを机の上に出しておきたい人向け。指紋センサーと人感検知を備えており、近づくだけで使い始められます。

Yoga Mini 01IPH11
この記事ではメーカー貸出機を使って、外観や性能、実際の使い心地などについてレビューします。
おことわり
このレビュー記事では、メーカー提供品を2週間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。
スペック
| 発売日 | 2026年4月 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home |
| CPU | ・Core Ultra 5 325(8コア8スレッド) ・Core Ultra X7 358H(16コア16スレッド) |
| メモリー | ・Core Ultra 5モデル:LPDDR5X-8533 16GB ・Core Ultra X7モデル:LPDDR5X-8533 32GB ※オンボードのため増設不可 |
| SSD | ・PCIe Gen4 512GB SSD(QLC) ・PCIe Gen4 1TB SSD(QLC) |
| グラフィックス | ・Core Ultra 5モデル:Intel Graphics (CPU内蔵) ・Core Ultra X7モデル:Intel Arc B390 GPU (CPU内蔵) |
| NPU | ・Core Ultra 5モデル:最大47 TOPS ・Core Ultra X7モデル:最大50 TOPS |
| 通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth5.4、有線LAN(2.5Gb)×1 |
| インターフェース | Thunderbolt 4×2、USB3.2 Gen2 Type-C×2(うち1つはPD給電対応)、USB3.2 Gen2 Type-A×1、HDMI、RJ45(有線LAN)×1、ヘッドホン端子 |
| スロット | M.2スロット×2(ストレージ用×1、Wi-Fi用×1) |
| 生体認証 | 指紋センサー(電源ボタン一体型) |
| オーディオ | スピーカー2W×1、デュアルマイク |
| 付属品 | 電源アダプター(100W)、電源ケーブルなど |
| サイズ | 幅130×奥行き130×高さ48.6mm |
| 重量 | 約600g |
外観
コンパクトな筐体
本体サイズは直径130mm高さ48.6mmで、容量は公式値で0.65リットル。円柱として計算すると半径65mm^2×π×高さ48.6mmで約0.64リットルなので、だいたいそんな感じでしょう。コンパクトな手のひらサイズです。重量は約600gで、見た目のわりにズッシリ感がありました。
Core Ultra 5 325のCPU性能をミドルハイクラスあたりと考えれば、性能に対して小さな筐体です。同じ筐体のCore Ultra X7 358Hモデルならハイエンドクラス程度ですから、さらにコンパクト感は強調されるとみていいかもしれません。

サイズはとてもコンパクト

一般的なミニPCと大きさはそれほど変わりません。むしろやや小さめです
ミニPCとのサイズ比較
| 機種名 | サイズ | 体積 |
|---|---|---|
| GMKtec EVO-X2(Ryzen AI Max+ 395) | 193 × 185.8 × 77 mm | 約2.76L |
| GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H) | 154 × 151 × 73.6 mm | 約1.71L |
| ACEMAGIC F5A(Ryzen AI 9 HX 470) | 130 × 132 × 62 mm | 約1.06L |
| MINISFORUM X1-470(Ryzen AI 9 HX 470) | 128 × 126 × 52 mm | 約0.841L |
| Mac mini 2024(M4) | 127 × 127 × 50 mm | 約0.8L |
| Yoga Mini 01IPH11 | 130 × 130 × 48.6 mm | 約0.65L |
| GEEKOM AIR12(Intel N150) | 117 × 112 × 34.2 mm | 約0.45L |
見せることが前提のデザイン
筐体のカラーは「Seashell(シーシェル)」。最近のレノボ製品(特にYogaシリーズ)でよく使われるカラーです。言葉が表わす本来の色合いでは「薄いピンクがかったホワイト」なのですが、アルミの質感が残っているため、「わずかにベージュっぽいシルバー」のように見えました。さらに暗い場所では、青みのあるシルバーのようにも見えます。

シルバーの筐体
見た目はパソコンっぽくなくて、スマートスピーカーやインテリア小物のようです。本体にはデュアルマイクと指紋センサー付きの電源ボタンが配置されているほか、天板はタッチ操作に対応し、Wi-Fiセンシングで人の在・不在も検知可能。これらの機能を利用するためには、本体を手元に置いておかなければなりません。そのために、見た目の良さにこだわったのでしょうか。

指紋センサー内蔵の電源ボタン
本体の側面はアルミ製で、触ると金属らしい質感と冷たさがありました。ただ天板については不明です。軽く叩いたときの音が金属素材っぽくないのですが、ケースの肉厚が薄く作られていると、金属素材らしからぬ反応を感じる場合もあります。
外観チェックの時点でちょっと気になったのは、通気口が底面部にしかない点です。円筒形のシルエットを優先したからでしょうか、吸気も排気も底面だけで行なわれます。高性能なCPUと搭載している機種としては、熱対策の面で不安を感じさせる設計です。

底面部の通気口
インターフェース構成
USB-Aが少ない
端子類は背面にThunderbolt 4×1、USB-C 10Gbps×2、USB-A×1、HDMI、RJ-45(有線LAN)、左側面にThunderbolt 4×1と3.5mmステレオジャックの構成です。前面にUSBメモリーなどを挿せると便利なのですが、小さい筐体を手元に置いて使うのであれば、背面の端子類を利用するのもそれほど億劫なことではないでしょう。

背面の端子類

左側面
個人的には、USB Type-Aをもうひとつ用意してくれればという場面がありました。今回の検証機には純正キーボード・マウスセット(Helios Gen 2、+8700円)が付属していたのですが、これらを扱うための2.4GHzワイヤレスレシーバーをType-A端子に使うと、もうType-A機器が利用できません。もうひとつあれば、普通の使い方でも困る場面は少ないのではないでしょうか。
あとひとつ気になったのは、給電できるコンセントマーク付きのType-Cひとつだけだった点です。ほかのType-Cに電源アダプターを挿しても電源が入りませんでした。ノートPCやほかのミニPCは給電に対応している場合もあるので、ここは注意が必要です。
改造・パーツ交換について
本体の分解はハードルが高い
Yoga Mini 01IPH11の製品ページには「シームレスにストレージを拡張できる」と書かれています。しかしケースを手では開けられませんでした。公式のマニュアルを見ると吸盤で引き上げる方式で、かなり力がいるようです。貸出機のため、今回は無理に開けていません。専用の道具が必要なので、分解のハードルは高めと考えてほうがいいでしょう。

海外のハードウェア保守マニュアルによると、トップカバーは吸盤付きの道具で開けるとのこと
関連リンク
Hardware Maintenance Manual – Lenovo Yoga Mini
LPDDR5Xメモリーはマザーボード直付けのため、増設・換装ができません。SSDについては内部に2基のM.2スロットがありますが、うち1基はWLAN専用です。換装できないこともないのですが、難易度を考えると、注文時のパーツカスタマイズで容量を増やしたほうがいいかもしれません。
ベンチマーク結果
使われているCPUについて
Yoga Mini 01IPH11で使われているCore Ultra シリーズ3(Panther Lake)は、2026年1月にリリースされたノートPC向けのCPUです。どちらもNPU搭載で、Core Ultra 5 325がミドルレンジ~ハイミドルレンジ(中から中の上)、Core Ultra X7はグラフィックス周りも強いハイエンド(上)あたりの位置付けと考えるといいでしょう。
対応CPUの概要
| Core Ultra 5 325 (試用機に搭載) |
Core Ultra X7 | |
|---|---|---|
| コア構成 | 8コア(P×4+LP E×4) | 16コア(P×4+E×4+LP E×4)) |
| スレッド数 | 8 | 16 |
| 最大クロック | 4.5GHz | 4.8GHz |
| TDP | PBP(ベース):25W MTP(最大):55W |
PBP(ベース):25W MTP(最大):80W |
| 内蔵グラフィックス | Intel Graphics(Xe-core×4) | Intel Arc B390(Xe-core×12) |
| PCIeレーン数 | 12 | 16 |
| AI性能 | NPU:47 TOPS GPU:40 TOPS |
NPU:50 TOPS GPU:122 TOPS |
| リリース | 2026年1月 | 2026年1月 |
統計データとの比較
総合性能はミドルレンジクラス
ベンチマークテスト「PassMark PerformanceTest」の総合スコアを統計データと比較すると、上位「53パーセンタイル」とのことでした。これは中央値である「50パーセンタイル」とほぼ同じ程度で、ハイエンドゲーミングPCなどの超高性能機を含めたPC全体で中間あたり、つまりミドルレンジクラスの位置付けです。

PassMark PerformanceTestの結果。総合評価ではほぼ中央値のミドルレンジクラス
CPU性能もミドルレンジ
CPU性能についての評価は「62パーセンタイル」で、総合性能よりはスコアが高いものの、それでもやはりミドルレンジクラスです。とは言え、このクラスでPCが遅くて困る場面はまずないでしょう。今回は下位のCore Ultra 5 325モデルを使っているためこの結果ですが、上位のCore Ultra X7モデルを使えば評価は大きく変わるはずです。

CPU性能でも中央値よりもわずかに高い程度のミドルクラス
CPU性能(CINEBENCH)
CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」の結果は以下のとおり。前のテストでCPU性能はミドルレンジクラスと出ていましたが、このテストではちょっと低めの結果が出ています。
シングルコア性能はハイエンドクラスにも匹敵するのですが、マルチコア性能が伸び悩みました。事務作業系なら快適に使えるものの、動画編集などの重い処理では少し遅く感じる可能性があります。
ミニPCの性能比較
| CPU | CINEBENCH R23 Score |
|---|---|
| GEEKOM A9 MAX 2026(Ryzen AI 9 HX470) |
2083
21226
|
| GEEKOM A9 MAX(Ryzen AI 9 HX370) |
2033
20823
|
| GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H) |
2172
18282
|
| GEEKOM A8 Max(Ryzen 9 8945HS) |
1830
16639
|
| GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) |
1788
16176
|
| GMKtec NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H) |
1558
13374
|
| Yoga Mini(Core Ultra 5 325) |
1908
10351
|
| NiPoGi E3B(Ryzen 7 5700U) |
1246
8311
|
| GMKtec NucBox G3 Plus(N150) |
793
2723
|
※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果
CPU性能(Geekbench)
マルチプラットフォーム対応で、Macで使われているMシリーズやARM系のSnapDragonシリーズと比較できるGeekbench 6の結果は以下のとおり。シングルコアは「2645」とRyzen AI 9 HX 375(2638)に並ぶ水準で、Core Ultra 9 285H(2604)も上回りました。8コア8スレッドのミドルレンジCPUとしては、かなり優秀な数字です。
一方でマルチコアは「11133」。比較表のなかでは最下位で、12〜16コアを備えるほかのCPUには届きませんでした。とは言えコア数とスレッド数の差を考えれば、順当な結果と言えます。
CPU性能比較
| CPU | Geekbench 6 Score |
|---|---|
| Apple M4 Max |
3916
25726
|
| Apple M4 Pro |
3878
22521
|
| Snapdragon X2 Elite Extreme |
3706
21655
|
| Ryzen AI Max+ 395 |
2766
17583
|
| Apple M5 |
4228
17459
|
| Core Ultra 9 285H |
2604
14765
|
| Ryzen AI 9 HX 375 |
2638
14008
|
| Ryzen AI 7 350 |
2476
11329
|
| Yoga Mini(Core Ultra 5 325) |
2645
11133
|
※「S」はシングル、「M」はマルチ。そのほかのスコアは公式サイトの平均値
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のIntel Graphicsが使われています。3Dベンチマークテストの結果は「2701」で、ミニPCのなかでは中位クラスでした。旧世代のRyzenシリーズで使われているRadeon 680MやRadeon 780Mあたりと同程度です。ゲームや動画編集などで大きな効果はないものの、軽めの処理ではあれば問題ないと思います。
上位構成のCore Ultra X7 358Hでは、内蔵グラフィックスとしてIntel Arc B390が使われています。こちらは平均値で「6922」と、Core Ultra 5 325内蔵のIntel Graphicsと比べてスコアは2.5倍以上。グラフィックス性能を求めるのであれば、こちらを選ぶべきでしょう。eGPUをThunderbolt 4で接続すればグラフィックス機能が強化されるかもしれませんが、今回は未検証です。
ミニPCのグラフィックス性能
| GPU | 3DMark Time Spy Graphics |
|---|---|
| Core Ultra X7(Intel Arc B390)平均値 |
6922
|
| RTX 3050 Laptop平均値 |
4886
|
| GMKtec EVO-T1(Arc 140T) |
3940
|
| GEEKOM A9 MAX(Radeon 890M) |
3436
|
| GMKtec NucBox K11(Radeon 780M) |
3036
|
| Yoga Mini(Core Ultra 5 325) |
2701
|
| MINISFORUM UM773 Lite(Radeon 680M) |
2363
|
| GEEKOM A5 Pro 2026(Radeon Vega) |
988
|
| NucBox G3 Plus(N150,UHD) |
421
|
※スコアは当サイト計測値、平均値はUL Solutionsのデータを参考にしました
ストレージ性能
テスト機では、NVMe PCIe 4.0 x4の512GB SSDが使われていました。アクセス速度は十分な速さで、快適に利用できるでしょう。ただしモデルや販売タイミングによっては、異なるSSDが使われているかもしれません

テスト機で使われていた512GB SSDのアクセス速度

内蔵SSDの詳細情報
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。
テスト結果の見方
| テスト名 | 概要 |
|---|---|
| Essentials (一般利用) |
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する |
| Productivity (ビジネス利用) |
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい |
| Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する |
すべてテストにおいて、目標値は大きく上回りました。ブラウザーやオフィスを使った作業については、速度に不満を感じる場面はないでしょう。
PCMark 10ベンチマーク結果
| テスト | スコア |
|---|---|
| Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9928
6057
7101
8562
10126
9467
10813
|
| Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
12354
5601
9459
13347
12587
15875
14224
|
| Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
8941
2827
3302
5040
8247
11330
11928
|
※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック(ミニPC)
| ACEMAGIC Vista Mini V1 | Intel N150 / DDR4 8GB / Intel Graphics |
|---|---|
| GMKtec G10 | Ryzen 5 3500U / DDR4 16GB / Radeon Graphics |
| ▶GEEKOM A5 Pro 2026 | Ryzen 5 7530U / DDR4 16GB / Radeon Graphics |
| ▶GMKtec M6 Ultra | Ryzen 5 7640HS / DDR5 32GB / Radeon 760M |
| ▶GEEKOM A9 Max | Ryzen AI 9 HX 370 / DDR5 32GB / Radeon 890M |
| ▶GMKtec EVO-T1 | Core Ultra 9 285H / DDR5 64GB / Intel Arc 140T |
クリエイティブ性能
「UL Procyon」は、世界的にも利用者が多く「デファクトスタンダード」とも言えるアドビ製プロクリエイター向けソフトの快適さを計測します。「PCMark 10」と比べて、より高度で実践的なテストを行なう点が特徴です。
テスト結果の見方
| テスト名 | 概要 |
|---|---|
| Photo Editing | 「Photoshop」と「Lightroom Classic」を利用した、写真の加工・出力に関する総合評価 |
| Video Editing | 「Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間からスコアが算出される |
テストでは、やはりこれまでと同様にミドルレンジ相当の結果が出ています。通常利用には問題ないレベルですが、規模の大きいファイルやプロジェクトにはやや厳しいかもしれません。
クリエイティブ性能の比較
| CPU | UL Procyon |
|---|---|
| GMKtec EVO-T1(Core Ultra 9 285H) |
6264
9816
|
| GMKtec NucBox K11(Ryzen 9 8945HS) |
6401
9432
|
| GEEKOM A9 Max(Ryzen AI 9 HX 370) |
7424
9669
|
| GMKtec NucBox M6 Ultra(Ryzen 5 7640HS) |
6078
8507
|
| Yoga Mini(Core Ultra 5 325) |
5482
7466
|
| GEEKOM A5 Pro 2026(Ryzen 5 7530U) |
3755
3595
|
※「Photo」はPhoto Editing、「Video」はVideo Editing。スコアは当サイトの実機計測結果
ゲーム性能
FF14ベンチ(やや重い)
やや高めのGPU性能が要求されるFF14ベンチマークでは、最近のミニPCとしては平均的な結果が出ています。最低画質では快適に遊べる目安の平均60 fpsをわずかに下回ってはいるものの、画質を気にしないなら遊べることには遊べるでしょう。

評価とフレームレート ※Normal Mode時
| フルHD 最低画質 | 8439(快適) 平均56.53 fps |
|---|---|
| フルHD 最高画質 | 3377(設定変更を推奨) 平均23.54 fps |
FF14ベンチの結果
| 機種 | FF14黄金のレガシーベンチマーク最高画質 |
|---|---|
| EVO-T1(Intel Arc 140T) |
4755
|
| GEEKOM A9 Max(Radeon 890M) |
4299
|
| NucBox K11(Radeon 780M) |
3898
|
| Yoga Mini(Core Ultra 5 325) |
3377
|
| GMKtec NucBox M6 Ultra(Radeon 760M) |
3212
|
| NucBox M7(Radeon 680M) |
3190
|
| GEEKOM A9 Max 2026(Radeon 890M) ※シングルチャネル相当 |
2338
|
| GEEKOM A5 Pro(Radeon Vega) |
1558
|
※スコアは当サイト計測値
AI性能
推論性能(GPU+NPU)
UL Procyonの「Procyon AI Text Generation Benchmark」では、GPUとNPUを使った場合の推論性能を計測できます。ただし利用するモデルが小さくて古いため、ローカルLLM性能がどの程度なのかを測る指針でしかありません。いま人気のモデルをガッツリ使うには、メモリーが圧倒的に不足しています。
総合スコアでは、3つの機種のなかでもっとも高い結果が出ました。なかでもトークンの出力速度(回答が表示される速さ)であるOTSが優秀です。これは単純に新しい世代のNPUのほうが優れているということでしょう。
一方で応答開始までの時間を表わすTTFTは、EVO-T1のほうが勝っています。ここはGPU性能が効く部分で、EVO-T1のiGPUであるIntel Arc 140Tが、Yoga MiniのIntel Graphicsよりも高性能だからだと思われます。
結果としてAI性能自体は、ひと世代前のハイエンドミニPCよりも優秀です。ですが、繰り返しますがいまローカルLLMで人気のモデルをゴリゴリ使えるほどではありません。
※「Score」=総合スコア、「OTS」=出力トークン速度、「TTFT」=応答開始までの時間
推論性能(GPU+NPU) ※PHI 3.5
| Score | Average OTS (tokens/s) |
Average TTFT | |
|---|---|---|---|
| Yoga Mini 01IPH11 | 983 | 32.39 | 0.86s |
| GMKtec EVO-T1 | 965 | 22.52 | 0.62s |
| GMKtec M6 Ultra | 264 | 23.76 | 8.72s |
推論性能(GPU+NPU) ※MISTRAL 7B
| Score | Average OTS (tokens/s) |
Average TTFT | |
|---|---|---|---|
| Yoga Mini 01IPH11 | 970 | 20.2 | 0.98s |
| GMKtec EVO-T1 | 908 | 14.26 | 0.79s |
| GMKtec M6 Ultra | 227 | 15.1 | 13.41s |
推論性能(GPU+NPU) ※LLAMA 3.1
| Score | Average OTS (tokens/s) |
Average TTFT | |
|---|---|---|---|
| Yoga Mini 01IPH11 | 932 | 19.33 | 0.9s |
| GMKtec EVO-T1 | 853 | 13.04 | 0.73s |
| GMKtec M6 Ultra | 199 | 12.29 | 12.65s |
テスト機のスペック
| 機種 | CPU | iGPU | VRAM ※専用GPUメモリー |
NPU |
|---|---|---|---|---|
| Yoga Mini 01IPH11 | Core Ultra 5 325 | Intel Graphics | ※可変 | 47TOPS |
| GMKtec EVO-T1 | Core Ultra 9 285H | Intel Arc 140T | 32GB | 13TOPS |
| GMKtec M6 Ultra | Ryzen 5 7640HS | Radeon 760M | 3GB | 10TOPS |
画像生成性能
画像生成の検証には、UL Solutions「Procyon」の「AI Image Generation Benchmark」を利用しました。このテストではGPUとNPUおよびCPUを用いて、「Stable Diffusion 1.5(FP16)」利用時の生成時間と総合スコアを計測します。
テストの総合スコアは「224」で、これまで計測したほかのNPU搭載ミニPCのなかでは中位クラスです。テキスト生成の結果は優秀でしたが、iGPU性能が影響する画像生成では、グラフィックス性能で勝るEVO-T1のほうが優秀でした。ただ、最近よく見かけられる「メモリー1枚差し」の機種よりは、優秀な結果が出やすいと思います。
なお1枚あたりの生成時間は平均27.893秒でした。これも一般的なミニPCの基準と比べると、特別早くはありません。
画像生成テストのスコア
| 検証機 | Procyon AI Image Generation Stable Diffusion 1.5(FP16) |
|---|---|
| GMKtec EVO-T1 64GB |
329
|
| GEEKOM A9 Max 2026 16GB×2 |
272
|
| Yoga Mini(Core Ultra 5) |
224
|
| GEEKOM A9 Max 2026 32GB×1 |
180
|
| GMKtec NucBox M6 Ultra |
114
|
※スコアは当サイト計測値
熱と騒音について
※環境が変わると、結果が異なる場合があります
CPU温度はだいぶ高い
高負荷時におけるCPUの温度と消費電力のモニタリングデータは、以下のグラフのとおり。CPU温度は最大で100度、平均で95.4度。かなり高めの結果です。
センサーのログを詳しく見ると、2秒ごとに358回記録したうち、サーマルスロットリングが発生していたのは37回、時間にして約1分ほど。さらに発熱を抑えるためにCPUの電力が制限された場面は144回、時間にして約5分です。これはCPUの制御が頻繁に行なわれていたことを表わします。
一連の挙動はCPUの動作を破綻させないための制御ではあるものの、その一方でCPU本来の性能を出し切れていないことにもなります。ベンチマークのスコアがいまひとつ伸びなかったのは、ここが原因でしょう。排熱性能や熱設計については、やや弱い部分があるようです。

CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力、コアクロックの推移
音は聞こえるがストレスは小さい
騒音(空冷ファンのモーター音や排気口からの風切り音)は、高負荷時にはだいぶ大きく聞こえました。しかし普通に作業しているあいだは、音は聞こえるものの、特に気になりません。
駆動音の計測結果
| Normal | |
| 電源オフ時 | 31.1dB |
| 待機中 | 34.2dB(排気音がしっかり聞こえるが、うるさくは感じない) |
| Windows Update | 34.3dB(待機時と変わらない) |
| 軽作業中 (PCMark 10) |
33.6dB(待機時と変わらない) |
| 高負荷時 (CINEBENCH R23) |
47.1dB(排気音がだいぶ大きい。振動を伴って聞こえる) |
※(参考)エアコンの最大出力は48~58dB前後
筐体温度はやや高い程度
ベンチマーク時の筐体温度をサーマルカメラで計測したところ、触れないほど熱くなっている箇所はありませんでした。室温は30.6度で、筐体温度は最大42.4度。筐体よりも、排気口付近のほうがやや熱く感じます。

高負荷時の筐体温度と、排気口付近の温度
考察とまとめ

高コスパとは言えないが……
Yoga Mini 01IPH11の外観面は、素晴らしい仕上がりです。コンパクトですし高級感がありますし、なによりデスクに置くと映えるのでテンションも上がります。さらにミニPCをタッチで操作したり、マイクに向かって話しかけたりなどなど、機能面も先進的で触っていて楽しいPCだと思います。
しかし小さすぎるあまり、性能が抑えられている点が残念です。ベンチマーク結果を見るとおわかりのように、負荷の高い処理では性能が伸び悩む場面がありました。今回試用したのはCore Ultra 5モデルでしたが、上位のCore Ultra X7 358Hモデルならその傾向はさらに強くなるでしょう。小ささと性能はトレードオフの関係にあるとは言え、約17万円(Core Ultra X7モデルなら25万円)を出してこの結果となると、値段の安い中国メーカー製のミニPCに目が行ってしまいます。
もっとも中国メーカーのミニPCの安さは「なにか」を削って成り立つわけでして、その部分を意識するならレノボのミニPCという選択肢は悪くありません。高コスパかどうかではなく、機材としての、さらにはメーカーとしての信頼性を重視した上での話です。これは中国メーカーのミニPCの品質が低いとか、信用できないという話ではありません。さらに一段、信頼度を上げるか否かという話です。
「デスク上に置いて、見て、触る」ためのPCを「性能よりも小ささを優先」して、なおかつ「大手メーカー製クオリティー」に仕上げた。それこそが、「レノボのミニPC」なのかなと。

Yoga Mini 01IPH11