GMKtecの「NucBox G2 Plus」は、「インテルプロセッサーN150(以下、”N150″)」を搭載したミニPCです。一般的なミニPCよりも、さらに小さい点が特徴。12GBメモリー搭載で、軽めの作業には普通に使えます。
主な特徴
発売 | 2025年1月 | 価格 | 2万3000円前後 |
---|---|---|---|
OS | Windows 11 Pro | ライセンス | OEM版(問題なし) |
CPU | インテルプロセッサーN150 | メモリースロット | なし |
グラフィックス | UHD Graphics | SSD増設 | 非対応 |
メモリー | LPDDR5-4800 12GB | Type-C | なし |
ストレージ | 512GB M.2 SATASSD | 電力制限(標準時) | PL1:10W / PL2:15W |
有線LAN | 1Gb××2 | 騒音 | ほぼ無音 |
実際にいろいろと触ってみましたが、ほかの格安ミニPCよりも性能はやや低めです。しかしその差は体感できるほどではなく、遅さが気になる場面はありませんでした。それよりも一般的なミニPCより小さいので扱いやすく、駆動音も静か。コンパクトなミニPC環境を作りたい人に向いています。
この記事では筆者が購入した実機を使って、外観や性能、実際の使い心地などをレビューします。
おことわり
このレビュー記事では、実機を10日間程度試用した上で作成しています。長期にわたって試用した際の耐久性については検証していません。あらかじめご了承ください。
スペック
発売日 | 2025年1月 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel N150(4コア4スレッド) |
NPU | なし |
メモリー | DDR5-4800 12GB ※オンボードのため増設非対応 |
SSD | 512GB M.2 SATA SSD |
グラフィックス | UHD Graphics(CPU内蔵) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth5.2、有線LAN(1Gb)×2 |
インターフェース | USB3.2 Gen1×3、HDMI×2、DisplayPort×1、3.5mmステレオジャック、有線LAN(1Gb)×2 |
ドライブベイ | なし |
スロット | M.2スロット×2(ストレージ用×1、Wi-Fi用×1) |
付属品 | VESAマウンタ、HDMIケーブル、電源アダプターなど |
サイズ / 重量 | 幅87×奥行き87×高さ39.5mm / 210g |
Windowsのラインセンス
OSはWindows 11 Proで、ライセンスは通常のOEMライセンスです。ミニPCでは個人利用不可のボリュームライセンス(VL)が使われていることがありますが、NucBox G2 Plusでは問題ありません。
技適マークについて
無線通信機器に必要な技適マークは、本体底面部にシールとして貼られています。
上記番号は「総務省電波利用ホームページ」の検索結果で「G2」(他モデルと共通)のものとして登録されているのを確認しました。
関連リンク
PSEマークについて
電源アダプターには「電気用品安全法」の基準に適合していることを表わすPSEマークがプリントされていました。届出事業者名は「UL Japan」と「株式会社味福」で、国内での届け出を別の業者が担当したものと思われます。
余談ですが「UL Japan(UL Solutions Japan)」は電源アダプターなどの国内登録検査機関として経済産業省に登録されている企業で、PC向けベンチマークソフト「PCMark」や「3DMark」を公開している「UL Solutions」の日本法人でもあります。
システムのフルスキャン結果
検証時にWindows Defenderのフルスキャンを実施し、検知可能な脅威が存在しないことを確認しています。
価格
NucBox G2 Plusは、アマゾンや楽天で2万円台前半で販売されています。そのときのセールやクーポンによって大きく変わることがあるので、購入のタイミングには注意してください。
最安モデルの価格
販売ショップ | 価格 |
---|---|
アマゾン | 2万2700円 ※クーポン使用時 |
楽天 公式ショップ | 2万2700円 ※クーポン使用時 |
※2025年1月23日時点
パッケージ
VESAディスプレイへの取り付け方法
外観
インターフェース構成
分解・パーツ交換について
本体の分解方法
メモリーの増設について
NucBox G2 Plusはオンボードメモリー(マザーボード直付け)のため、メモリーの増設には対応していません。
SSDの増設・換装について
Wi-Fiまわりなど
メンテナンス性
UEFI(BIOS)設定画面
CPUの電力設定
「Main」→「Power Mode Select」から、CPUの消費電力モードを選択できます。標準は「Balance」で、「High Peformance」を選べばCPU性能を底上げすることが可能です。「Quiet」を選ぶと、駆動音を抑えられます。
電力設定
項目名 | 概要 | PL1 / PL2 |
---|---|---|
Quiet | 性能を抑えることで駆動音を低減する | 8W / 10W |
Balance ※標準 | 標準のモード | 10W / 15W |
High Performance | もっとも高性能だが騒音も大きい | 15W / 15W |
LED設定
ベンチマーク結果
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
パフォーマンス設定について
ベンチマークテストはWindows 11の電源プランを「バランス」に、電源モードを「バランス」に設定した上で、UEFI(BIOS)設定から電力モードを「Balance」と「Performance」、「Quiet」に切り替えて実施しています。付属の電源アダプターは接続した状態です。
N150とN100の違いについて
N150こと「インテルプロセッサーN150」は、2025年1月に発表された格安パソコン向けのCPUです。これまで使われていた「N95」「N97」「N100」など「Alder Lake-N」シリーズの後継にあたります。
後継CPUと言っても、性能や機能はあまり変わりません。基本的には「N100の動作クロックがわずかに向上し、内蔵グラフィックスの名前が変わったリフレッシュ版」と考えていいでしょう。
CPU性能(ミニPC全体で比較)
CPU性能を計測する「CINEBENCH R23」の結果は、以下のとおり。電力設定を変えれば多少は性能が向上しますが、それでもミニPC全体で見ればかなり性能が低い部類に入ります。
しかし2万円台で買えることと、本体サイズが小さい(小型筐体は熱がこもりやすくいので、性能をあえて抑える場合がある)ことを考えると、妥当な結果かもしれません。検証時はいくつかのソフトを利用していますが、処理の重いテスト以外ではレスポンスに不満を感じませんでした。
ミニPCの性能比較
CPU | CINEBENCH R23 Score |
---|---|
GMKtec NucBox K8 Plus(Ryzen 7 8845HS) |
1788
16176 |
ThinkCentre M75q Gen5(Ryzen 7 PRO 8700GE) |
1810
14957 |
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS) |
1781
14483 |
MINISFORUM MS-01(Core i9-12900H) |
1720
14156 |
GMKtec NucBox M7(Ryzen 7 PRO 6850H) |
1558
13374 |
MINISFORUM UM773 Lite(Ryzen 7 7735HS) |
1571
12478 |
GEEKOM GT13 Pro(Core i9-13900H) |
1723
11651 |
GMKtec NucBox M6 (Ryzen 5 6600H) |
1504
10281 |
GMKtec NucBox M5 Plus(Ryzen 7 5825U) |
1364
6514 |
GMKtec NucBox M5 (Ryzen 7 5700U) |
1228
6397 |
GMKtec NucBox G6(Ryzen 3 5425U) |
1334
4705 |
NucBox G2 Plus(N150) ※High Performance |
790
2954 |
GMKtec NucBox G3(Intel N100) |
796
2865 |
GMKtec NucBox G5(N97) |
791
2877 |
NucBox G3 Plus(N150) |
793
2723 |
NucBox G2 Plus(N150) ※Balance |
790
2579 |
NucBox G2 Plus(N150) ※Quiet |
790
2336 |
※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果
CPU性能(格安ミニPCで比較)
1~2万円台の格安ミニPCのなかで比べても、やや低めの性能です。電力設定を変えればベンチマークスコアはかなり改善するので、少しでも速く動かしたい人は設定を変更するといいでしょう。
Alder Lake-N搭載ミニPCの性能比較
CPU | CINEBENCH R23 |
---|---|
CHUWI LarkBox X 2023(N100) |
933
2996 |
NucBox G2 Plus(N150) ※High Performance |
790
2954 |
Acemagic T8 Plus(N100) |
911
2883 |
NucBox G5(N97) |
791
2877 |
NucBox G3(N100) |
796
2865 |
TRIGKEY GREEN G4(N95) |
936
2797 |
CHUWI HeroBox 2023(N100) |
926
2753 |
NucBox G3 Plus(N150) |
793
2723 |
NiPoGi AK1PLUS(N97) |
969
2656 |
SkyBarium MN22(N100) |
944
2643 |
NucBox G2 Plus(N150) ※Balance |
790
2579 |
NucBox G2 Plus(N150) ※Quiet |
790
2336 |
※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵の「Intel Graphics」が使われています。これはAlder Lake-N世代で使われていた従来の「UHD Graphics」をリネームしただけのもので、構造や機能自体は変わりません。しかしグラフィックスコアのクロックがN100(0.75GHz)よりもN150(1.00GHz)のほうが向上しているぶん、ベンチマークスコアに差が出ているようです。
とは言えミニPC全体で見れば、グラフィックス性能はかなり低い部類に入ります。大作ゲームや動画編集などでの効果は、期待しないほうがいいでしょう。
ミニPCのグラフィックス性能
GPU | 3DMark Time Spy Graphics |
---|---|
RTX 3050(ノートPC)平均値 |
4874
|
Arc Graphics(LunarLake)平均値 |
3767
|
GMKtec NucBox K8 Plus(Radeon 780M) |
3047
|
MINISFORUM UM773 Lite(Radeon 680M) |
2363
|
Minisforum MS-01(Iris Xe) |
1779
|
NucBox M6(Radeon 660M) |
1559
|
NucBox M5 Plus(Radeon Vega) |
1104
|
NucBox G2 Plus(N150) ※High Performance |
435
|
NucBox G2 Plus(N150) ※Quiet |
435
|
NucBox G5(N97, UHD) |
433
|
NucBox G2 Plus(N150) ※Balance |
431
|
NucBox G3(N100, UHD) |
323
|
NucBox G1(N95, UHD) |
321
|
※スコアは当サイト計測値、平均値はUL Solutionsのデータを参考にしました
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。
テスト結果の見方
テスト名 | 概要 |
---|---|
Essentials (一般利用) |
ソフトの起動やWeb閲覧、ビデオ会議など一般的な作業を想定。CPUのシングルコア性能が強く影響する |
Productivity (ビジネス利用) |
表計算とワープロにおいて、中規模クラスのデータを扱うテスト。CPUのマルチコア性能が影響しやすい |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
写真加工と3D製作、動画編集を扱うテスト。CPU性能とグラフィックス性能が強く影響する |
電力モードを変えてテストを行なったところ、目標値を超えられたのは「一般利用」と「ビジネス利用」のテストで、「コンテンツ制作」のテストは目標値をクリアーできませんでした。軽めのビジネス作業であれば、問題なく利用できるでしょう。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
6964
7165
7327
7119
9832
10783
10921
10849
10755 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
4624
4641
4827
4259
8842
9785
6840
7023
10805 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
2636
2747
2793
2406
4968
8695
7429
7978
8559 |
※スコアの目標値はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック(ミニPC)
▶NucBox G3 | Intel N100 / 8GB / UHD |
---|---|
▶NucBox M5 Plus | Ryzen 7 5825U / 16GB / Radeon |
▶UM773 Lite | Ryzen 7 7735HS / 16GB / Radeon 680M |
▶GEEKOM GT13 Pro | Core i9-13900H / 32GB / Iris Xe |
▶MS-01 | Core i9-12900H / 32GB / Iris Xe |
▶ThinkCentre M75q Gen5 | Ryzen 7 PRO 8700GE / 32GB / Radeon 780M |
ゲーム性能について
ゲームについては、動作の軽い作品で画質や解像度を大きく落とせばプレーできるレベルです。息抜き程度ならアリかもしれませんが、ガッツリ楽しむには性能不足と考えてください。
※テスト結果は電源モード「Balance」時のものです
FF14ベンチ(やや重い)
評価とフレームレート
フルHD 最低画質 |
---|
1955(設定変更が必要) 平均12.89 fps |
ドラクエ3(軽い)
フレームレート
最低画質 | 最高画質 |
---|---|
街のなかだと47~58 fps前後、フィールドだと60 fps前後。遊べないことはないが、画質はかなり貧相 | 常時10~20 fpsあたり。動きがかなりガクガクで遊びづらい |
マインクラフト 統合版(軽い)
フレームレート
標準画質(フルスクリーン、チャンク34) |
---|
プレー開始直後で、概ね20~30 fpsあたり。遊べないことはないが、全体的に重く感じる。建物を増やしたりすると、処理落ちする可能性大 |
熱と騒音について
※計測時の室温は16度前後。室温が変わると、結果が異なる場合があります
標準時(Balance)の熱と騒音
まず標準モードの「Balance」(PL1:10W / PL2:15W)で見ると、CPU温度は最大で85度、平均では74.3度でした。同じIntel N150を搭載したNucBox G3 Plusの同じモードでは最大70度 / 平均67.6度だったので、だいぶ熱が上がっています。筐体が小さいことから、内部に熱がこもりやすくなっているのでしょう。とは言え、この程度なら十分許容範囲内ではあると思います。
CINEBENCH R23のマルチコアテストを10分間行なった際のCPU温度とCPU消費電力の推移(電源モード「Balance」時)
各項目の平均値と最大値
コアクロック | 平均2547MHz | 最大2892MHz |
---|---|---|
CPU温度 | 平均74.3度 | 最大85度 |
CPU消費電力 | 平均9.9W | 最大14W |
騒音については、かなり静かでした。高負荷時に音がわずかに聞こえるものの、うるさくはありません。
駆動音の計測結果(Balance)
電源オフ時 | 36.5dB | - |
---|---|---|
待機中 | 36.8dB前後 | ほぼ無音 |
Windows Update時 | 36.7dB前後 | 耳をすませば高いモーター音がわずかに聞こえるが、無音に近い |
軽作業時(PCMark 10) | 36.7dB前後 | ほぼ無音 |
高負荷時(CINEBENCH) | 37.4dB前後 | 甲高いモーター音とわずかな排気音がきこえるが、うるさくはない |
(参考)エアコンの最大出力 | 48~58dB前後 | - |
高出力時(High Performance)の熱と騒音
高いパフォーマンスを発揮できる「High Performance」モード(PL1:15W / PL2:15W)では、CPU温度が最大で87度、平均では81度でした。やはりこれも温度的には許容範囲内ではあるものの、GMKtec製のほかのミニPCよりも温度が高めに出ています。
各項目の平均値と最大値
コアクロック | 平均2886MHz | 最大2893MHz |
---|---|---|
CPU温度 | 平均81度 | 最大87度 |
CPU消費電力 | 平均13.3W | 最大14.7W |
高出力モードでは高負荷時に騒音が聞こえるものの、そのほかの状態では標準設定時と変わりません。
駆動音の計測結果(Performance)
電源オフ時 | 36.5dB | - |
---|---|---|
待機中 | 36.5dB前後 | ほぼ無音 |
Windows Update時 | 36.9dB前後 | 耳をすませば高いモーター音がわずかに聞こえるが、無音に近い |
軽作業時(PCMark 10) | 36.7dB前後 | 同上 |
高負荷時(CINEBENCH) | 38.8dB前後 | 排気音はハッキリと聞こえる。モーター音も聞こえるが、全体的にはうるさくは感じない。ただ音が甲高いので、長時間聞き続けるとストレスが溜まるかも |
(参考)エアコンの最大出力 | 48~58dBA前後 | - |
静音時(Quiet)の熱と騒音
「Quiet」モードでは、CPUの平均温度が69.9度と低く抑えられていましたす。熱によるパーツの劣化を防ぐという点でなら、このモードが好ましいでしょう。ただそのぶん平均クロックも11%程度落ちており、パフォーマンスが落ちています。消費電力はかなり低いので、常時つけっぱなしで運用するのに向いています。
各項目の平均値と最大値
コアクロック | 平均2258MHz | 最大2892MHz |
---|---|---|
CPU温度 | 平均69.9度 | 最大75度 |
CPU消費電力 | 平均8.0W | 最大10.2W |
このモードでは、動作音はかなり静かです。高い負荷のかかるCPUベンチマークでも、音はほとんど気になりませんでした。
駆動音の計測結果(Quiet)
電源オフ時 | 36.6dB | - |
---|---|---|
待機中 | 36.7dB前後 | ほぼ無音 |
Windows Update時 | 36.9dB前後 | 耳をすませば高いモーター音がわずかに聞こえるが、無音に近い |
軽作業時(PCMark 10) | 36.7dB前後 | ほぼ無音 |
高負荷時(CINEBENCH) | 36.8dB前後 | 耳をすませば高いモーター音がわずかに聞こえるが、無音に近い |
(参考)エアコンの最大出力 | 48~58dBA前後 | - |
他機種との騒音比較
騒音(ファンの回転音や通気口からの排気音など)については、かなり静かです。無音とまではいきませんが、ストレスなく利用できるでしょう。
ミニPCの騒音比較 ※標準時
CPU | CINEBENCH R23 Score |
---|---|
GEEKOM GT13 Pro |
37.6
53 |
GEEKOM AE7 |
39.3
52 |
GMKtec NucBox M5 Plus |
48
50.5 |
ThinkCentre M75q Gen5 ※Ryzen 7 |
49.7
49.6 |
MINISFORUM MS-01 |
40.1
49 |
GMKtec NucBox M6 |
43
47.7 |
Acemagic T8 Plus N100 |
39.5
42 |
GMKtec NucBox K8 Plus |
41.3
41.9 |
MINISFORUM UM773 Lite |
41
41.9 |
GMKtec NucBox M7 |
40.3
41.3 |
NiPoGi AK1PLUS N97 |
37.2
40.5 |
GMKtec NucBox G6 |
39.4
38.7 |
NucBox G3 |
36.9
40.3 |
NucBox G2 Plus |
36.7
37.4
|
NucBox G3 Plus |
36.6
36.9 |
※「軽」は軽作業時、「高」は高負荷時。そのほかの機種の値は標準設定時、並び順は高負荷時で音が大きい順
N150搭載NucBox G3 Plusとの比較
GMKtecからは、同じIntel N150を搭載したミニPC「NucBox G3 Plus」が発売中です。性能的にはあまり変わりませんが、サイズや機能面でやや異なります。
G2 PlusとG3 Plusの違い
G2 Plus | G3 Plus | |
---|---|---|
CPU | Intel N150 | |
メモリー | LPDDR5-4800 12GB ※増設非対応 |
DDR4-3200 8 / 16GB ※メモリースロットで換装可能 |
SSD | SATA SSD(低速) | PCIe 3.0 x4(高速) |
M.2スロット | 2(Wi-Fi×1+ストレージ×1) | 3(Wi-Fi×1+ストレージ×2) |
映像出力 | HDMI×2、DisplayPort×1 | HDMI×2 |
有線LAN | 1Gb×2 | 2.5Gb×1 |
LEDイルミネーション | あり | なし |
サイズ | 幅87×奥行き87×高さ39.5mm | 幅106×奥行き114×高さ42.5mm |
重さ | 210g | 361g |
性能については前述しましたが、CPUベンチマークテストG3 Plusのほうがやや高いスコアが出ています。G2 Plusのほうが筐体が小さいため、内部の熱による影響が出ているのでしょう。とは言え、体感的には変わりません。
CPUベンチマーク結果の比較
CPU | CINEBENCH R23 Score |
---|---|
NucBox G3 Plus(N150) ※Balance |
793
2723 |
NucBox G2 Plus(N150) ※Balance |
790
2579 |
※「S」はシングル、「M」はマルチ。スコアは当サイトの実機計測結果
静音性についてはG3 Plusのほうが優秀です。ただしそれほど大きな差が出ているわけではありません。
ミニPCの騒音比較
CPU | CINEBENCH R23 Score |
---|---|
NucBox G2 Plus |
36.7
37.4 |
NucBox G3 Plus |
36.6
36.9 |
※「軽」は軽作業時、「高」は高負荷時。そのほかの機種の値は標準設定時、並び順は高負荷時で音が大きい順
上記の比較結果から個人的には、サーバー利用などでは拡張性が高く内部の温度が低いG3 Plus、普段使いではコンパクトで扱いやすいG2 Plusが向いていると思います。
考察とまとめ
パーツを交換しないならコレでOK
ミニPCは、自分でメモリーやSSDを増設 / 交換できるのが魅力のひとつ。しかしNucBox G2 Plusでは使えるパーツに制限があるため、拡張性の面ではあまり自由がききません。パーツを交換することなく、そのまま使い続ける人に向いています。
端子類に関しては、比較的充実していると言っていいでしょう。Type-Cには対応していないものの、DisplayPortに対応する低価格帯のミニPCはあまりありません。またこれだけ小さくても、1Gb有線LANがふたつ付いている点もユニークです。
ただ有線LANに関しては、内部ストレージがSATA SSD 1基のみのため、サーバー用途等には使いづらいかもしれません。
性能は低いけど十分なレベル
NucBox G2 Plusで使われているN150は、N100よりもスペック上の動作クロックが上昇しています。そのため、一般的なN100搭載ミニPCよりも性能面では上と考える人も多いでしょう。しかし実際のベンチマークテスト結果では、ほかのN100搭載機よりもスコアが低い場面がチラホラと見られました。
ただしこれは、筐体の小ささと静音性の高さを重視した結果だと思います。消費電力を上げてパワーを出すことは技術的には可能ですが、そのぶん余計に熱がこもりやすくなり、小ささや静かさを犠牲にせざるを得ません。またそうして得られるパフォーマンスの上乗せぶんはごくわずかで、「どんぐりの背比べ」レベルです。
NucBox G2 Plusはそのようなパフォーマンス競争よりも、扱いやすさを重視したチューニングを採用しているのではないでしょうか。