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LAVIE Direct NMはCore i5-7Y54がおすすめ! ベンチマークでわかったCore i7-7Y75の落とし穴

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NEC LAVIE Direct NM 2018年モデル

2019年モデル発売中!

2019年1月にLAVIE Direct NMの新モデルが発売されました。CPUが新しいものに変わったほか、キーボードの使いやすさが大きく改善されています。詳しくはレビュー記事でご確認ください。
LAVIE Direct NM 2019年春モデルレビュー

NECのLAVIE Direct NM(2018年春モデル)には、CPUとしてCore i7-7Y75とCore i5-7Y54、Celeron 3965Yの3種類が用意されています。CPU性能が少しでも高いほうがいいということで、Core i7-7Y75を選ぶ人もいるのではないでしょうか。

 

しかし当サイトでさまざまな検証を行なったところ、トータルのパフォーマンスではCore i5-7Y54とCore i7-7Y75ではそれほど性能に差はなく、状況によってはCore i7-7Y75のほうがパフォーマンスが落ちることがわかりました。

 

今回はその検証結果を紹介するとともに、どうしてCore i7-7Y75でパフォーマンスが低下するのかについて考察します。

Core i7-7Y75とCore i5-7Y54のベンチマーク結果

検証に利用したLAVIE Direct NM 2モデルのスペックは以下のとおりです。

 

テスト機の主なスペック

Core i5-7Y54モデル Core i7-7Y75モデル
OS Windows 10 Home
CPU Core i5-57Y54 Core i7-7Y75
メモリー 8GB
ストレージ 256GB SSD(SATA) 512GB SSD(PCIe)
グラフィックス Intel HD Graphics 615(CPU内蔵)

 

Core i7-7Y75モデルのSSDは、SATA接続よりも高速なPCIe接続です。PCの総合性能を計測するベンチマークでは、ストレージ性能の差が影響することもあります。

 

SSDのアクセス速度

512GB SSD(左)と256GB SSD(右)のアクセス速度の違い

 

CPU性能を計測する「CINEBENCH R15」では、Core i7-7Y75がCore i5-7Y54をわずかに上回りました。しかしその差は3.4%で、大きいわけではありません。

 

CINEBENCH R15

CPUの計算性能を計測する「CINEBENCH R15」の結果

 

しかし総合的な性能を計測する「PassMark PerformanceTest 9.0」では、Core i7-7Y75搭載機のほうがスコアが低くなりました。特にCPU性能を表わすスコアがCore i5-7Y54の半分程度になっています。

 

PassMark PerformanceTest 9.0

パーツごとの基本性能を計測する「PassMark PerformanceTest 9.0」

 

PCを使った作業の快適さを計測する「PCMark 10」では、部分的にCore i7-7Y75が優れているものの、高い負荷のかかる作業ではCore i5-7Y54のほうが優れています。その結果、総合スコアでもCore i5-7Y54が勝る結果となりました。

 

PCMark 10

作業の快適さを計測する「PCMark 10」の結果

(参考)ほかのCPUとの性能差

Core i5-7Y54とCore i7-7Y75は名称に「Core i5」「Core i7」と付いていることから、性能が高そうに思えます。しかし実際には性能はそれほど高くなく、Core i5-8250UやCore i7-8550U、あるいはCore i5-7200U/Core i7-7500Uなど、一般的なノートPCで使われているCPUとは性能が大きく異る点に注意してください。

 

(参考)CPUの性能比較(当サイト計測値の平均)

CINEBENCH R15のCPUスコア
Core i7-8550U
561
Core i5-8250U
523
Core i7-7500U
342
Core i5-7200U
311
Core i7-7Y75
183
Core i5-7Y54
177

※ベンチマーク結果は機種やパーツ構成、タイミングなどにより大きく変わります

 

どちらかと言うと、Core i7-7Y75とCore i5-7Y54は、低価格PC向けのCeleronシリーズに近い性能です。

 

(参考)低価格PC向けCPUとの性能比較(当サイト計測値の平均)

GPU CINEBENCH R15のCPUスコア
Core i7-7Y75
183
Core i5-7Y54
177
Celeron N3450
164
Celeron 3865U
144
Celeron N3350
87
Celeron N3060
70

※ベンチマーク結果は機種やパーツ構成、タイミングなどにより大きく変わります

 

大学や専門学校で推奨されるPCの「Core i5以上」のCore i5は、末尾に「U」の文字が付く「Uシリーズ」を指しています。Core i7-7Y75やCore i5-7Y54は「Y」シリーズと呼ばれるものですので、注意してください。

熱の上昇でクロックが低下

ベンチマーク結果を見ると、時間が短いテストではCore i7-7Y75のほうが優れていることがわかります。テスト時間が長くなるほどCore i7-7Y75のパフォーマンスが低くなるということは、もしかすると本体内部の熱が影響しているのかもしれません。

 

そこで同じテストを30分間続けたときのCPU温度とCPUクロック(動作周波数、値が高いほど性能が高い状態)を計測したところ、やはりCore i7-7Y75ではCPU温度の影響でパフォーマンスが低下していることがわかりました。

 

まずは軽めの処理として、Netflixの高画質動画を30分間再生し続けたときの結果が下のグラフです。Core i7-7Y75ではCPUクロックが大きく下がる場面が何度かあり、その影響でCPUクロックの平均値がCore i5-7Y54よりも低くなっています。

 

Netflix視聴時

Netflix視聴時のCPU温度とCPUクロック

 

CPU-Zを使ったストレステストでCPU使用率を100%にし、その状態を30分間維持したときの結果がこちら。CPU温度が一定の状態を超えるとCPUクロックが低下しそれにより温度も低下するのですが、同じ時間でもCore i5-7Y54ではCPUクロックが2回しか低下していないのに対して、Core i7-7Y75では3回低下しています。

 

CPUストレステスト

CPUストレステスト時のCPU温度とCPUクロック

Core i7-7Y75不振の原因は内部の熱か?

CPUはクロックが高いほど、熱が上昇します。Core i7-7Y75の最大クロックは3.60GHzでCore i5-7Y54は3.20GHz。つまりCore i7-7Y75のほうがCore i5-7Y54よりも高温になりやすいということです。

 

CPUの温度上昇を抑えるために、PCメーカー各社はさまざまな熱対策を行なっています。たとえば空冷ファンやヒートシンク(放熱板)を配置したり、ボディの素材を熱伝導率の高い金属素材にしたり、内部に空洞を確保することで熱をこもりにくくする、などです。ソフトウェアでCPUクロックを下げる場合もあります。熱対策はメーカーによって異なるので、同じCPUでも性能が異なるのはそのためです。

 

LAVIE Direct NMは、構造的に熱が下がりにくい仕様になっています。ひとつは空冷ファンのないファンレス仕様であること。そして熱伝導率が低い(熱を通しにくい)樹脂をボディの素材に使っていること。最後にあまりにもコンパクトでエアフロー(冷却用の空気の通り道)が確保されていないことの3点です。もしかすると、ほかにも原因があるかもしれません。

 

温度が上昇してしまう原因

ファンレス+樹脂製ボディ+コンパクト設計が温度上昇の原因か

 

Core i7-7Y75搭載機が短時間のテストでは結果が優秀であるのに対し長時間のテストではパフォーマンスが低下するのは、高温の状態が一定時間経過するためだと思われます。数分程度で終わる作業であればCore i7-7Y75のほうが有利ですが、それ以外の作業ではCore i5-7Y54のほうが有利です。

価格の安いCore i5-7Y54がおすすめ

もっとも、ネットの調べ物や動画視聴、資料やレポートの作成といった軽めの作業であれば、温度上昇によるCore i7-7Y75の性能低下を体感できるほどではありません。

 

しかしCPUの追加オプションでは、Core i5-7Y54よりもCore i7-7Y75のほうが値段が高く設定されています。Core i7-7Y75の性能の高さを実感できるのはごく短時間であることを考えれば、コストパフォーマンスはCore i5-7Y54のほうが高いと言えるでしょう。より快適に使いたいなら、SSDをPCIe接続の512GBにアップグレードすることをおすすめします。
https://komameblog.jp/review/lavie-direct-nm/

LAVIE Direct NM 2018年春モデル

LAVIE Direct NM

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記事を書いた人
こまめ(タカハシリョウ)

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